毎年難化・変化が続く「2次」の勝ち目は、キーワードの数やフレーズのストックではなく、助言問題に対応できる仮説力にある。そこを生成AIに解像度高く説明させると、隣のふぞろいを除き誰でも「やれる」再現性になることを、超具体的な4回シリーズで紹介します。

生成AIの新機能Deep Researchで作成した報告書は、なんと動画の4回分。最初のさわりの1回目をぜひ事前にご視聴ください。

【必ず受かる叶う化】「助言」時代の学習スタイル / 予告長編3部作

K事例Ⅳ

【GWでⅣ対策】§8業務的意思決定 / R4~R6連続出題の狙い=「意思決定を早める差額法」

本来簿記知識を問わない「Ⅳ」が、R4から3年連続で1級意思決定会計を出題し、とどめのR6は90~100点ボーナスを奮発しておベテを粉砕。その狙いを知り、今年R7の意思決定に役立てます。

Q
この「Ⅳ」大ボーナスの狙いが、「簿記を勉強しなさい」ではない前提。ただいい年こいてキーワードとノウハウ自慢の隣より、【数字に強い】方が意思決定にも強い。
A

「数字に強いと仕事がデキる」で済んだのがこれまで、その理由と効果が明文化されるのがAI時代のこれから。R4から連続出題の伏線とR6大ボーナスの効果は以下です。

①業務的意思決定のコツ②構造的意思決定のコツ③共通点:差額法×時間価値で素早い意思決定
1級業務的意思決定では差額法を用いて関連コスト・関連収益を抽出し、埋没費用を除外します。取替投資や設備導入では、各案の差額CFを比較してその資金増減を把握します。この章で学ぶ差額法で不要情報を排除し、次に時間価値でキャッシュの価値を測る習慣が備わると、迅速な意思決定が可能になります。
これにより不要情報が削減され、営業利益や限界利益などの会計利益を手際よく比較できるようになり、迅速かつ正確な判断習慣が身につきます。さらにNPVやIRRによりそのキャッシュの時間価値を定量評価し、長期収益性とリスクを踏まえた合理的な判断力を高めます。これにより数字に強い受験者は、競合する隣のE社・D社より早く精度の高い経営判断を下せるのです。

【GWでⅣ対策】§8業務的意思決定 / R4~R6連続出題と大ボーナスの狙い

ボクもいつかは診断士!を目指す隣のE社・D社にはとばっちりですが、デジタル数字のスピード勝負は止まらない。そして今日は意思決定を早める差額法を学びます。

第1問 特別注文の引受可否①

特別注文とは「沢山買うから負けろ」であり、限界利益がプラスであれば受注引受、マイナスになると断る。このとき総額計算でなく、差額原価収益に注目することで計算を減らし、素早い意思決定が可能になる。
具体的には(問2)(問3)において、公式解説より計算ステップが少なくて済むことを確認しておく。

第2問 特別注文の引受可否②

単純な特別注文に加え、追加加工で発生する原価を考慮させる応用問題。原料となる製品Aに通常の原価を発生させたうえで、条件(2)~(5)に従い製品Bの追加原価(労務費+変動製造間接費)を求めて判断する。
なお設問で与えられる固定製造間接費2,400千円は埋没費用として直接意思決定には関係せず、変動製造間接費単価@300円の算定のみに使う。

第3問 内製か購入か①

R4第3問で点差がついた内外製では、非関連・埋没原価となる固定費を外し、意思決定の対象となる関連原価(≒変動費)に絞って比較することがポイント。
この差額収益費用分析の考え方(=比較計算する対象が少ないほど良い)が身に付くと、計算量が膨大になるNPV取替投資の計算が有利になる。

第4問 内製か購入か②

(問1)(問2)で部品Pの内外製を検討したあと、(問3)では部品P⇔Qどちらを内製すべきかを考える発展問題。
基準をどこに揃えて判断するか直観的にわかりにくいため、当問のように「関連して発生する原価に揃えて注目」するのが最も正しい。

第5問 追加加工の要否

セグメント損益や線形計画法に始まり、特別注文や内外製まで出尽くした簿記1級意思決定会計の中で、唯一「事例Ⅳ」未出題なのがこの追加加工。
連産品本来の出題パターンは他に多様であるが、今回は製品Bや固定費を無視し、A→Sに追加加工した場合の差額収益ー差額原価=差額利益で考える。難問であるが、追加加工時の加工数・完成数の考え方が参考になる。

第6問 経済的発注量の計算

経済的発注量は年間発注費=年間保管費となる1回当たり発注量Lを方程式を書いて求める(公式暗記は控える)
当問では発注量あたりの売上値引きにより計算が煩雑になるが、エクセルを用いることで計算に悩まず、値引きがどこにどう影響するかを把握できる。

第7問 機会原価概念

業務的意思決定においては、主に固定費を度外視し変動費に注目する「差額収益分析」がよく用いられ、2案に共通する費用の考慮をカットして計算過程を大幅に簡略化できる。
差額収益は検算しにくく上級者向けの手法であるが、当問を含めいくつかの問題に触れてその感覚を掴むと、NPV取替投資の計算量カットに直結できる。

今日のまとめ

Q
1級意思決定会計とは製造業におけるCVPや直接原価計算の延長線にあり、ホワイトカラー受験者層とのギャップがあって当たり前。その上でR4~R6に今日の業務的意思決定を連続出題した狙いとは、簿記1そのものよりも、「意思決定を早める差額法」?
A

「事例Ⅳ」の性格上、R7は高得点を阻止すべく再び第2~3問が難化する。そこで私なら、今日の§8で覚えた「差額収益」を次回§9のNPVに応用し、隣のD社の半分の時間で+20点の差を付けます。

■■ここからテンプレ■■

-K事例Ⅳ

PAGE TOP