K事例Ⅳ

【GWでⅣ対策】§7予算実績差異分析 / 嵐の前の重要論点(伏線回)

全8回の1級意思決定会計シリーズには「伏線回」と「重要回」の2つに分かれ、CVPやNPVがその主役の重要回に。では「伏線回」の役目が何かと言うと、「簿記論点なので事前対策こそ必要ないが」「知っておくと役に立つ」です。

Q
今日の§7予算実績差異分析とは、1次「財務」で時々見かける、標準原価や予算との差異を分析するT字ボックス図のこと。ところで「Ⅳ」は簿記知識を問わない前提なので、この§7は「Ⅳ」には絶対出ない。
A

しかしその裏ではここが合否のカギになり、「Ⅳ」過去問を例え20年解いても「大事な伏線」を拾わないので点が伸びない。そこで1回転目にわざと飛ばした§2,5,7を、2回転目に解くと有利になります。

△§2直接原価計算△§5予算編成・資金繰り△§7予算実績差異分析
変動費/固定費の切り分け
直接原価計算は、製品原価に変動費のみを含め、固定費を期間費用として扱う手法であり、事例ⅣでのCVP分析やセールス・ミックス最適化の前提知識となる。
CVPから予算に発展
セールス・ミックスによる利益最大化後、その結果を次年度の標準原価ベースで予算に落とし込むことで、計画から実行に移る。
差異分析によるコスト感覚醸成
予算実績差異分析では、実績と予算の差を「数量差」「単価差」に分解し、どこにムダや誤差が生じたかが明確になる。
多様な出題パターンに対応
原価計算論点では、その計算パターンが多岐にわたるため、過去問解法の丸暗記が通用しないと実感できる。
資金繰り表は出題濃厚
標準原価予算をキャッシュ・フローテーブルに反映し、借入計画を含めた資金繰りの全体像を把握できる。
改善サイクルを体感
差異の要因を分析して改善策を考えることで、単なる計算演習を超えてPDCAサイクルを回す感覚が身につく。
限界利益概念の理解
直接原価計算による限界利益の算出方法や意味を理解することで、事例Ⅳで求められる損益分岐点や利益目標設定の理論が身に付く。
実務スキルの獲得
予算作成プロセスを体験することで、数値計画の柔軟性やロールフォワード手法など、実務で重視される予算管理スキルが身につく。
生産性とリターンの向上
コスト構造を深く理解し、無駄排除や効率化策を自ら考察することで、「事例Ⅰ~Ⅲ」で求められる現実的な提案を可能にする。

【GWでⅣ対策】§7予算実績差異分析 / Ⅳには出ない重要論点

今日拾う「Ⅳの伏線」とは、主に変動費の予実差異を丹念に決めること。これが残る§8業務的意思決定(Ⅳ第2問)・§9設備投資の意思決定(〃第3問)の伏線と知り、いつもポカンと憐れな隣のふぞに「Ⅳ」で+20点の差をつけます。

第1問 予算実績差異分析①

売上高・営業利益が予想比減収減益になったものを、簿記1級標準原価計算の差異分析を用いて、要因別の±を見ていくもの。
簿記1級ではこの計算練習を繰り返し行うので、理論で理解しようとする前に、一旦計算練習と割り切って何度か解いておく。

第2問 予算実績差異分析②

標準原価で策定した予算に対し営業利益が増減し、それを独自視点(売上高差異(価格・数量)・変動費差異(価格・数量))で集計させる穴埋め問題。
通常の解き方と異なり分かりにくい上、診断士では予算実績差異分析そのものが出題されないため、当問は解かなくて良い。

第3問 予算実績差異分析③

差異分析を前年差に変えただけの基本問題であるが、販売数量差異をさらに市場占拠率・総需要量差異に分解しているのがポイント。
それ以外はごく基本の計算練習になり、(問4)のようなものを覚えるとむしろ混乱するのでそこは解かない。

第4問 予算実績差異分析④

標準原価で予算編成し、その後の実績も標準原価+標準限界利益を使うことで計算を大幅に簡略化できるとわかる良問。
この場合、原価差異について説明を求められる経理部門が後半の難しい計算をするが、診断士受験上は考慮しなくて良い。

実際原価に比べ標準原価計算ではその計算量を大々的に省略できる。80分で解けない認知負荷の高い「事例Ⅰ~Ⅲ」にも、実はしっかり応用できます。

第5問 予算実績差異分析⑤

第4問で一旦スキップしたセールス・ミックス差異につき、航空会社の社長vs経理部長の会話形式で楽しく読ませる設問。
考え方や計算自体は難しいものでなく、経営が求める答を出すために、予実差にいくつかの分析軸を入れて分解すると分かればOK。暗記不要。

今日のまとめ

Q
第1問はまだ基本だから良いとして、製造業と無縁なオイラには第2→3→4問と進むにつれどうでも良くなる。しかし第5問のセールスミックスは社長と部長の会話形式になり、これならオイラも使えそう。
A

今日の§7は主に変動費の予実差に注目し、「Ⅳ」安定高得点の基礎になる。さらに予実差を使って「どこが無駄?」「どう改善?」のコツを掴むと、「Ⅳ」に限らず「事例Ⅰ~Ⅲ」の時短も可能にする、嵐の前の重要論点(伏線回)です。

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