今年のGWは家族より少し早起きし、1日2hで良いので1級意思決定会計を解き進む。その期待効果は全ての理解が見事につながり、クールな賢さに拍車がかかり、家族に尊敬の目で見られることです。
試験委員が作問採点傾向を毎年変えて2~3年目のベテ勉を規制するのは、過去問の解き方を覚えるノウハウ勉が無意味どころか世間の害だから。そうでなく私なら、ビジネスに直結する事業部業績評価指標を5つ列挙します。
指標 | 分子 | 分母 |
---|---|---|
ROIC | 税引後営業利益(NOPAT) | 投入資本(有利子負債+自己資本) |
ROE | 当期純利益 | 自己資本 |
ROA | 当期純利益 | 総資産 |
EBITDA | 営業利益+減価償却費+償却費 | —(絶対額指標) |
RI | 税引後営業利益(NOPAT)− (投入資本 × 資本コスト) | —(絶対額指標) |
ROIC | ROE | ROA | EBITDA | 残余利益RI |
---|---|---|---|---|
投下した資本1円あたりが生み出す税引後営業利益を測り、資本コスト(WACC)超過の有無で「価値創造力」を見極める指標 | 株主が拠出した自己資本1円に対し、どれだけ純利益を創出したかを示し、株主持分の効率性と管理運用力を評価 | 企業全体の総資産を効率的に運用して、どれだけ純利益を稼いだかを示し、セグメント間の資産集約度の違いを考慮して比較可能 | 減価償却などの非現金費用や財務コストを除外して、事業のコアなキャッシュ創出力を絶対額で把握 | 税引後営業利益(NOPAT)から投入資本×資本コストを差し引いた「超過利益」を示し、真に付加価値を生んだかを測定 |
【覚え方】 頭文字をそのまま“Return On Invested Capital”=“稼いだ利益/投下資本”と覚え、次に計算練習で身に付けます。 | デュポン分解で「利益率×資産回転率×財務レバレッジ」と覚えると、分子/分母の意味と改善ポイントが一目で分かります。 | ROA=利益÷資産とシンプルに覚え、自己資本を含むすべての資産をベースと理解する。 | EBITDA=Earnings Before I, T, D & A」(Interest, Taxes, Depreciation, Amortizationと頭字語そのままに覚える | Residual=残るとイメージし、NOPATから「投下資本×資本コスト」を引く差分と覚える |

【GWでⅣ対策】§6事業部業績評価 / ROIC・ROE・ROAからEBITDA・残余利益まで

ROIによるセグメント業績評価はR2「Ⅳ」第4問で出題済だから、次はそれ以外の指標のどれかを出すだろう。いつもこのサイトが先回りする目の付け所には感心します。
第1問 セグメント別損益計算書①
CVPを変動損益計算書方式のエクセルで解いておくのは、その応用論点である「セグメント別損益」にそのまま使えるため。
当問ではCVPで見慣れた変動損益計算書のうち、個別固定費をさらに管理可能⇔不能に分ける練習問題になっている。

第2問 セグメント別損益計算書②
製品やセグメントの存廃を決めるときは、全部原価計算で行うと共通固定費回収への貢献度が見えないため、CVPと同様の直接原価計算=変動損益計算書の形を用いる。
診断士での貢献利益=限界利益ー個別固定費と定義され、ここがプラスなら製品/セグメントを継続、マイナスなら廃止する。

第3問 資本コスト率の計算
診断士はファイナンス学習済なので、単にWACCを計算するだけの易問。

第4問 セグメントの業績測定
セグメント業績評価の実務では、診断士「Ⅳ」で頻出の限界→貢献利益に加え、資本コストを負担させて投資家&経営者目線を意識させることがあり、残余利益(Residual Income)が用いられる。
計算方法としてはPL費用以外に資本コスト=投資額×WACCを加え、管理可能⇔管理不能にそれぞれ分けて段階的に、残余利益+純利益を求める。

第5問 新規投資案の採否
新規投資を行う際、事業部の業績評価を率⇔額どちらにするかで意思決定が変わるとわかる練習問題。
一般に率だけで業績評価すると新規投資をためらう傾向があるため、額の増加を評価することで投資実行を促すケースが多い。

第6問 セグメントの業績測定②
第4問残余利益+第5問業績評価指標(率⇔額)を組み合わせた総合問題。
設問文だけ読んでも空欄を埋めにくいが、以下のようにエクセル計算すると全てが埋まり、理論の復習にも良い。

今日のまとめ
あら、それを感謝するならR2でROIを出題してくれた試験委員に。私の好みはROICですが、今日挙げた他の4つをまとめて使い分ければ、この先どんな大企業と取引するときでも恥をかく不安はナシです。