計算問題集とは、1問たりとて飛ばさず順番に積み上げることで初めて価値がある。そんな簿記学習の大原則を吹き飛ばすのが、「簿記知識がなくても必ず解ける」よう作問される、診断士「Ⅳ」の最新・先端の解き方です。

診断士の「Ⅳ」指導が間違いだらけで、果てはスクール講師もわかってない。それは「Ⅳ」過去問で簿記知識を問う出題は絶対になく、例え過去問の解き方を何年分覚えてもその知識は一生つながらず、応用・捻りにからっきしなため。
今日紹介する第1問では、見慣れた標準原価計算+変動損益計算書で年度予算作りが進むが、最後に出てくる「支払利息」をどう計算するかわからず消化不良に。ここは簿記1論点「資金繰り表」を作れないと詰みます。
①標準原価+感度分析で予想PL作成 | ②予想PLの最後に「支払利息」を入れる | ③支払利息の計算に使う「資金繰り表」 |
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次の「Ⅳ」予想問題では、標準原価計算により売上高・変動費率・固定費などのコスト構造を把握させ、さらに感度分析で各主要変数を変動させて翌年度予想損益PLを作成させます。 | 従来の「Ⅳ」では営業利益より下を扱うのは第1問経営分析にとどめていましたが、本設問では予算PLの下の方に支払利息を追加します。 | 支払利息の計算基礎になる借入・返済スケジュールを決めるために月次の現金収支を可視化する資金繰り表を作成させます。 |
こうすることでPL上のコスト把握能力とリスク対応力を同時に測定できます。 | これによって損益計算書とキャッシュフローの連携を問うことで、受験者は負債コストの影響を試算し、資本構成や収益性へのインパクトを経営判断として考察できます。 | そのうえで支払利息を算出させることで、損益計算書とキャッシュフロー計画の統合理解を評価し、実務的な資金管理力を総合的に検証できます。 |
【GWでⅣ対策】§5予算編成・資金繰り表 / 「Ⅳ」に出題されたら再び大差

この§5予算編成は企業予算の総論こそ正しく学べるものの、簿記1級計算問題だけあって、その重点は後半部分の資金繰り表+財務予算編成にある。そこを知らずにうっかり解くと、隣のおベテやふぞの簿記アレルギーを加速するトラップになっています。
第1問 予算編成①
一見直接標準原価計算の問題と思わせ、§2の復習で予定PLを作っていくと最後の「支払利息」が計算できずに、完璧主義の方ほど詰む嫌がらせ問題。
後半の予想BS作成と資金繰りは「財務予算編成だから経理のプロに任せる」と切り分け、エクセルの計算結果だけ眺めることに割り切ると、1問で多数の論点を練習できる良問になる。

ここまではCVP分析をエクセル解きするのに使う変動損益計算書とほぼ変わらない。そしてPLを作って最後の「支払利息」に進んだ時に、「これは無理」と割り切るか、答を覚えるおベテが簿記アレルギーに陥るかの分岐が起きます。

R7およびそれ以降の「事例Ⅳ」では、H28を最後に出題のない「CF計算書」に代わり、「資金繰り表」の出題が想定されます。そこを想定して「ここは後で解いてみよう」と付箋を貼るか、簿記アレルギーのイケカコお馬鹿に陥るかが今後の「Ⅳ」70点の分岐点になります。
第2問 予算編成②
第1問と同様、予定PL作成までの前半を直接標準原価計算の総合問題、支払利息の計算+予定BL作成+資金繰り(借入返済)の総合問題と2つに分けて考える。
売掛買掛金の分析は多様なパターン(問題指示)があるので暗記は無意味であるが、不足資金を借りたり返済する「資金繰り表」は次の「Ⅳ」で出題可能性があるので、計算練習を済ませておく。

手順❷こそ原価計算のBox図になっているものの、第1問同様に支払利息の手前までならなんとか解ける。ここでこの先は難問「資金繰り」と気を引き締めるか、何も考えず難論点に突っ込んで簿記アレルギーになるかが、上位5%と隣のD社の埋まらぬ格差な。

今日のまとめ
そこに気づいてこの第1~2問を、前半「予想PL作成」+後半「予想BS・資金繰り作成」の別問題に切り分ける。「資金繰り表」の良問は診断士問題集に未収録なため、もし出題された時の効果は絶大です。