前回のAI提案で、正しい「Ⅳ」対策には「TACの解き方」がベストと決まった。さらに簿記1級教科書+問題集へと、実現可能な具体策がバンバン出るのがAI時代です。
この簿記1出題は一時的だろう、いつかCVPのノウハウに戻るだろう、が原因。そこでこの3年連続簿記1出題の謎を私なりに説明します。
①解き方を覚える診断士のⅣ教材 | ②簿記1テキストで理論の積み上げ | ③簿記1問題集で計算力とバランス |
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診断士のⅣ対策問題集は定型的な解答パターンや解説し、一通り過去問を解けるようになりますが、その解き方だけを丸暗記して、本来の題意や背景にある理論的な考察が抜け落ちる恐れがあります。 | 簿記1級のコンパクトなテキストでは、基礎から応用に至るまで、会計原理や固定費・変動費の意味、直接原価計算と全部原価計算の違いなど、理論の背景を理解するための材料が揃っています。 | 簿記1級問題集では、実務で求められる正確な計算や数値分析も必須であるため、問題集を使って繰り返し計算問題に取り組むことで、理論と計算の両面のスキルがバランス良く向上します。 |
つまり試験当日に、従来のパターンから外れた問題や、複数の制約条件が絡む問題に柔軟に対応できず、結果として失点と留年が決まるベテループの原因になります。 | これにより単に解答パターンを覚えるのでなく、なぜその解法が有効かの理論的根拠も習得します。その結果、出題変化に対応できる柔軟な思考力を養い、より実務的な財務アプローチを可能にします。 | これにより、試験当日、複雑な制約条件下での最適な意思決定を導き出すための、総合的な対応力が身につくのです。 |
【はじめて/2年目共通】簿記知識なしで解く意思決定会計 / 1級テキスト&問題集
ここで大切なのは、試験委員は「簿記1」を学ばせたいのでなく、【計算偏重でない即戦力な意思決定を鍛える手段が1級意思決定会計】だった。すると簿記勉にありがちな「何でこんな勉強すんねん?」の疑問が晴れます。

Step-1:TAC「Ⅳの解き方」で出題範囲を確認
受験者の8割を必ず落とすことで名目上の難関国家資格の座を保つ当試験では、試験委員は誰を8割落とすか常に考える。そして隣のD社本をうっかり使うと必ず8割落とされます。
最初のステップとしてまずTAC「Ⅳの解き方」を手に取り、実際に問題を解き進めることが重要です。
- 実践を通しての把握:教科書や参考書の内容をただ読むだけではなく、実際に自分で手を動かして解答することで、出題の構造や解答の流れ、数字の取り扱いに慣れていきます。
- 自己チェック:最初に1冊に取り組むことで、どの論点が自分にとって理解しやすいか、逆にどこでつまずくかを確認でき、今後の学習計画にフィードバックを活かすことができます。
1次「財務」に比べ出題範囲は限られているものの、各論点における深さや理論の背景、応用の幅が非常に大きいことを実感します。
- 限られた表層の中に隠れた深い理論:一見、出題範囲は狭いように見えても、各項目の背景を掘り下げると、例えば直接原価計算や意思決定会計の考え方など、実務に直結する深い知識が求められる点に気づくでしょう。
- 出題意図の理解:この「奥」と「底」の深さを体感することで、単純な暗記ではなく、なぜその解法が選ばれるのか、どのような経営判断が背景にあるのかを理解する必要性を痛感します。
1冊を通して問題を解く中で、上記の深さを実感すると、さらに詳しく知りたくなるという向学心が芽生えます。
- 探究心の促進:テキストで得た知識と実践を通じた疑問点が、より詳細な理論や応用例を知りたいという意欲を引き出します。
- 自己研鑽のサイクル:この向学心をもって、さらに「簿記1級の教科書」や「簿記1級の問題集(直接原価計算・意思決定会計編)」に取り組むことで、理論と計算のバランスを磨き、試験だけでなく実務に直結した高い分析力を習得できることを確認できるでしょう。
Step-2:みんなが欲しかった簿記1級の教科書
冒頭説明した通り、試験委員は×簿記1級を学ばせたいのでなく、○データドリブンな意思決定を学ばせようとしたら簿記1出題だった。そう因果を変えると、教科書が見違えます。
①固定費と変動費 | ②データドリブンな意思決定 | ③理論×計算のバランスUP |
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【ポイント】 この教科書では、直接原価計算や意思決定会の高度な理論が体系的に示されます。「変動費がかかりにくい」デジタル経済が主流となる中でも、まだまだ実務では固定費と変動費の違いを踏まえ、数値から本質を読み取る能力が求められます。 | 簿記1級の高度な意思決定会計理論では、データの意味付け・分析手法を学びます。これにより単に数値を計算するだけでなく、その変動や感度分析から最適な経営判断を導き出すスキルが身につきます。 | テキスト理論を実際の計算問題へと落とし込む過程では、単なる暗記に陥らず、実務に即した応用力が試されます。ここが後の問題集での演習につながり、論理と数字の両面から意思決定能力を鍛える機会となるのです。 |
【利点】 単なる解答パターンの暗記でなく、数値の背後にある原価の概念や費用構造の合理性を学ぶことが、あらゆる経営シナリオに対するデータドリブンな意思決定の基盤になります。 | 隣によくある問題集の「お皿回し勉」を避けて良テキストを選ぶことで、計算の背景や仮定、制約条件を考察する柔軟な分析力を養います。これがデータドリブンな意思決定を、実践で生かす前提となるのです。 | 簿記1級では原価の背景や意思決定会計の理論が詳しく示され、それを理解することで、計算結果の意味や誤差の発生原因を自分で検証できるようになります。この一見遠回りがⅣの得点力UPにつながることは、言うまでもありません。 |
【具体例】 たとえばテキストで原価の固定・変動の分解を理解すると、実務での採算判断や投資評価において、単なる経験則でなく理論に裏付けされた判断が可能となります。 | テキストの例題を通じて、投資評価時のCIFを見直したり、直接原価計算で製品別限界利益を算出します。これらのデータに基づくシナリオ分析により、数字を根拠とした論理的判断が身に付くでしょう。 | たとえば、テキストで示されるいくつかの例題を自ら計算し、なぜその解答となるかを自分の言葉で説明してみる。すると試験本番でも題意を捉え、部分点を逃さない効果が期待できます。 |
Step-3:簿記知識不要で1級意思決定会計問題集
「TACの解き方」→「1級教科書」とくれば、次は当然「1級問題集」に取り組みたい。このとき、「計算問題集は1ページ目から順に解くもの」の常識を逆手に取るのが、当サイトのエクセル解説です。

診断士「事例Ⅳ」は簿記知識を使わないでも必ず解けるよう作問される。しかしR4~R6の3年連続簿記1出題が代表する通り出題が年々簿記寄りになり、まず1回転済ませたら次は§5・7の簿記論点を押さえておくと、R7「Ⅳ」に何が出ても安心です。
簿記1級の問題集は、各論点が体系的に整理され、直接原価計算や意思決定会計などの理論に沿った計算問題を順序立てて解くことができるよう構成されています。
- 推論の根拠:
・単なる「お皿回し」的な解答ではなく、各論点の背景にある理論的根拠と、その理論を実際の計算に落とし込む過程を反復演習することで、確かな理解と応用力が身につきます。
・試験では、部分点を狙うためにも、論理的な計算の積み上げが不可欠です。
R6「事例Ⅳ」の第2問や第3問は、簿記1級の問題集で学ぶ直接原価計算や意思決定会計の知識を基に出題されるケースが多いため、問題集での演習が直接得点アップに結びつきます。
- 推論の根拠:
・試験出題の傾向として、実務に近い計算問題が高得点の鍵となるため、簿記1級問題集で応用的な計算演習を重ねることは、実践的な解答のパターンを体得する上で極めて有効です。
・体系立てられた問題演習を通じ、試験本番での時間配分や部分点確保の手法が確立され、受験者の安心感につながります。
簿記1級の問題集は、単に計算力を鍛えるだけでなく、なぜその計算手法が採用されるのかという理論的背景を再確認させます。
- 推論の根拠:
・理論と計算の両面から、データドリブンな意思決定力を体得できるため、出題者が意図する高度な経営判断力を養うことができます。
・その結果、試験本番では、単純な暗記に頼る受験者との差が明確になり、実務で直面するケースに対応する上での大きな武器となります。
今日のまとめ
隣のE社・D社を始め診断士の「Ⅳ」指導がからっきしなのは、ぶつ切り論点を難しく解かせて課金に励み、「理解して簡単にする」工夫がゼロだから。そうでなくGWに紹介する全9章を順番に解くと、全ての知識がつながり「Ⅳ」の備えは万全です。