お勤め先の経理部といえば、請求書送付や交際費チェックが日課の、会社のカースト最下層。そんな痛勘違いなぬるま湯大企業にお勤めのあなたに、【なぜ診断士試験がこれだけ会計重視?】かの紹介です。
AIとBIが先行し、それにCX(カスタマーエクスペリエンス)とDXが続く時代は、いかにリアルタイムなファクトでデータドリブンするかの勝負に。そのとき経営層が注目するのが、電子化で手の空いた経理部の有効活用です。
①数値ベースのデータドリブン | ②経理とDXのベストマッチ | ③デジタル業務と高度人材 |
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経済のデジタル化が進む中で、企業経営における意思決定は、直感に頼るのではなく、リアルタイムかつファクトベースなデータドリブンが求められています。この流れにおいて、会計データは経営状況を的確に把握するための重要な基盤となっています。 | 経理業務は、数値を扱う定型的なプロセスが多く、主観や複雑な人間関係を排除しやすい性質を持っています。このため、データのデジタル化や自動化が他の業務に比べて進めやすい領域です。 | 現金出納や経費処理といった既存の会計業務は、デジタルやクラウドへの置き換えが進み、業務効率が劇的に向上しています。そして経理DXの本質は、単なる効率化にとどまらず、部門横断的なデータ連携を推進し、経営に貢献する仕組みを構築する点にあります。 |
経理DXを通じて会計データのリアルタイム可視化を実現することで、迅速な経営判断や経営課題の発見が可能となり、競争力の向上につながります。さらに、電子帳簿保存法の普及も、企業全体でのデータ活用を加速させる要因となっています。 | たとえば、経費精算や請求書処理をクラウド型ツールに置き換えることで、従来の手作業を省力化し、正確性と効率性を向上させることができます。これにより、経理担当者は定型業務から解放され、戦略的業務へシフトする機会が拡大します。 | このため、経理部門においても、デジタル技術を活用し、複数部門を横断して経理DXを推進できる高度な人材が必要とされています。こうした人材は、財務データの分析力に加え、デジタルツールを活用したプロセス改善や組織間連携を担う重要な役割を果たします。 |
【予告】なぜ試験は会計重視? / すぐわかる経理DX
リストラ最右翼の勘違い系大企業ホワイトカラーに多いのが、経理部・生産工場・業務委託先といった【エッセンシャルワーカー】を見下してふんぞりカエル。すると現場の恨みを買って8割ループの呪いがかかります。
Step-1:数値ベースのデータドリブン
スピード勝負のタイムレースな企業ほど、ファクトベースのデータドリブン。そこで数字を使って話すと周囲の評価が変わります。
デジタル経済が進展する中で、会計データは企業の経営活動をリアルタイムで把握し、経営状況を客観的に示す基盤的役割を担います。このデータは業務プロセスの効率化や経営改善策の策定に直結するため、試験でこれを重視することは、診断士が現場で即戦力となるためのスキルを養うことにつながります。
経営環境が急激に変化する現代では、データを活用したファクトベースの意思決定が求められます。診断士試験で会計論点を重視することで、診断士候補者は数字をもとに現場の問題を分析し、具体的かつ有効な提案を行う能力を習得できます。特に、データドリブンな経営戦略の立案は中小企業においても重要性が高まっており、この力が診断士にとって必須のスキルとなっています。
会計論点は、正解が明確であり、学習の積み重ねがそのまま試験結果に反映されやすい分野です。そのため、受験者間のスキル差を公平かつ客観的に測定することが可能です。さらに、会計における基礎知識と応用力の有無が診断士の質を左右するため、この論点を重視することで試験結果が実務力の指標として機能します。
Step-2:経理とDXのベストマッチ
ではこれから診断士としてキラキラ輝く予定のあなたなら、そんな企業に見切りをつけてサヨウナラ。そこでAIやクラウド化が進んだ後のキラキラ経理を紹介します。
コロナ禍以降、経理業務はリモート対応が進み、クラウド会計や電子決済ツールが普及しました。AIによる経費精算の自動化やリアルタイムでの予算管理が可能となり、担当者の物理的な制約を超えた業務運営が実現しています。これにより、無駄な事務作業が削減され、経理業務のフレキシビリティが向上しました。
電子帳簿保存法の施行で紙帳簿はデジタル化され、クラウド上での一元管理が標準化しました。これにより、請求書や領収書の確認や保存作業が自動化され、経理部門の「チェックマン」的な役割から、データ分析や意思決定支援に軸足を移す転換が促進されています。
AIとクラウド技術を活用した自動仕訳、与信管理、自動決算が進展し、単純作業は削減。経理担当者は戦略的業務に専念できる環境が整っています。また、部門横断的なデータ連携やファクトベース経営の実現を担い、企業全体の意思決定プロセスを支える役割が期待されるようになっています。
Step-3:デジタル業務と高度人材
そこでR4以降の「事例Ⅳ」が顕著に会計重視にシフトし、最新R6に至るとここで点差をつけるしかない。これからの「Ⅳ」はBS・PLを「診る」ほかに、「作る技術」=簿記の履修が事実上義務化と言えます。
経理業務はデータの扱いやすさからDXに適しており、リアルタイムで正確な情報を提供することで経営判断の質を向上させます。さらに、業務効率化が進む中、経理のデジタルシフトは企業の競争優位性を築く重要な要素となっています。
AIやクラウド技術の発展により、経費精算や仕訳入力などのルーチン業務が効率化されています。この変化により、経理担当者は部門間のデータ連携や分析、戦略的提言といった付加価値の高い業務にシフトし、企業全体のパフォーマンスを向上させる役割が期待されています。
従来の経理業務は財務諸表を確認・分析する役割が中心でしたが、経理DXの進展により、自らデジタルツールを活用して財務諸表を作成し、それを経営戦略に活用するスキルが求められるようになっています。これに伴い、診断士には会計知識に加え、クラウド会計やデータ分析ツールを使いこなす能力が期待されており、企業の意思決定を支える高度な人材としての重要性が増しています。
今日のまとめ
本日はあくまで予告編。このあと「マンガでわかる管理会計」シリーズ全6回が続きます。
生成AIの爆発的な普及によりホワイトカラーの6割は馘とも言われ、現場型人材への転換が急がれる。そして試験が会計重視にシフトするのは、それがリスキリングの最先端だからです。