99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

K事例Ⅳ

【2025年ループ問題①】同じことを1年やってもまたループ? / 2年目スタートに簿記2級

試験に1年心血注いでも、あの新作出題では誰も正解できないし、どうせ初学優遇の出来レース採点になるのもガチ。そこで来年同じことをやっても再び8割ループと気づいたあなたのために、試験委員的に好ましい2年目スタートを紹介します。

Q
診断士の良い点は、ある意味深く考えない方が受かりやすいので、1年経つと喉元過ぎて熱さを忘れる。隣の同業D社の合格大はしゃぎが、来年代替わりしてどんなヘタレをやらかすか、今からとても楽しみです。
A

隣の同業D社の弱点は、目先の変化ばかり後追いするので、「戦略性」「計画性」「知性」「感性(センス)」を感じる余地がゼロ以下。そこで一見遠回りな、2年目簿記2級の戦略的優位性からどうぞ。

試験傾向の現状傾向を変える狙い
中小企業診断士試験は、会計知識がない受験者でも挑戦しやすいように設計されており、初年度は簿記学習が不要です。これにより、簿記が苦手な人でも受験しやすくなっています。①診断士試験は本来簿記不要会計知識が苦手な人でも試験に挑戦できるように、1年目は簿記学習を必須とせず、診断士試験の間口を広げています。
「事例Ⅳ」では、財務・会計の知識が問われるため、簿記2級の基礎がある受験者は一定以上の加点が期待でき、点差が開く傾向が強まっています。②簿記2級知識で点差が開く「事例Ⅳ」1年目に幅広い基礎知識を身につけた後、2年目以降で簿記2級を取得することで、財務・会計に基づいたデータ分析力を強化し、実務で求められるスキルへと段階的にステップアップします。
受験1年目は簿記取得を義務付けない一方で、2年目以降の学習継続時には、簿記2級取得を実質的に義務づける方針となっています。③受験2年目以降の簿記2は実質マスト初年度は簿記不要で合格できる環境を提供し、2年目以降での簿記2級取得を実質義務化することで、受験者が無理なく学習を進め、最終的に診断士としての専門性を備えられるよう配慮しています。

【2025年ループ問題①】同じことを1年やってもまたループ? / 2年目スタートには簿記2級

本来簿記不要のはずの診断士試験が、R4以降の事例Ⅳ3年連続で簿記1級論点を出して、+10~15点の差をつける。私ならこの傾向変化を、【2年目以降はせめて簿記2をやりなさい】と読み解きます。

Step-1:簿記不要の試験でも、2年目ループ回避には簿記2級

Q
さすが「事例Ⅳ」なら自他が認める業界No.1と自負するだけあり、↑のCVP出題論点表はわかりやすい。つまり~R3までは診断士流のCVPが出題されたが、R4~6の3年連続で、1級意思決定から出題された。
A

さらに意地でも得点させないNPV(難度D・Eランク)と異なり、ふぞろいな合格ボーダー組に+10~15点の差をつける難度CD設定。これを【2年目以降は簿記2をやりなさい】と読むのが、同業D社に足りない合格センスです。

①簿記不要の試験で、2年目以降は簿記シフト

診断士試験は簿記が不要とされていますが、近年の出題傾向により、簿記2級レベルの知識が実際には求められていることを受験者に認識させています。これにより、基礎的な会計知識を身につけ、経営判断に役立てる力を養成する狙いがあります。

②あえて簿記1級計算論点を出題

簿記1級レベルの難易度の計算問題を出題することで、受験者が高度な会計問題に挑む必要性を感じ、試験に向けた学習を強化させる意図があります。これにより、簿記2級の学びが必要不可欠であると理解させることが目的です。

③直接簿記1級より、簿記2級原価計算が大事

簿記1級論点を解くには、簿記2級の原価計算やCVP分析の基礎が不可欠です。これを試験問題を通して気づかせることで、診断士として必要な会計基礎力を強固にし、実務で活用できる財務分析力を養成する狙いがあります。

Step-2:2年目の「Ⅳ」苦手解消には、1級工簿・原価計算

Q
CVP・NPVの計算問題を毎年変え、過去問計算&電卓偏重バカには意地でも60点を取らせない。その確固たる試験委員の作問姿勢を汲むと、来年着手すべきは簿記1級?
A

あけっぴろげに言えば、「事例Ⅳ」のCVPは簿記2級以上1級未満、NPVは簿記1級以上が出題される。そこで2025年の8割ループを避けるには、簿記1級工簿に手を出すチョイスがあります。

①しかし極端に難度の高い1級は経理部員でも無理

簿記1級の難易度は非常に高く、経理部員であっても取得が困難であるため、一般のビジネスパーソンにはさらに難しいとされています。これにより、診断士試験においては簿記1級の全範囲習得ではなく、簿記2級で得られるCVPや原価計算の知識を重点的に学ぶことが求められています。

②1級商業簿記は高度な連結会計を扱い、上場経理部員以外には不要な資格

簿記1級の主な範囲は商業簿記における連結会計などで、これは一般的な経営者や管理職には不要とされる知識です。そのため、診断士試験においても、こうした高度な範囲ではなく、経営判断に直結するCVP分析や原価管理を実務に即して活用できる力を身につけさせることが目的とされています。

③そこで簿記1級では、学びたい論点に分冊したテキスト付問題集が人気

簿記1級の全範囲をカバーするのは難しく、学びたい論点だけに絞った分冊形式のテキストや問題集が多くの受験者に利用されています。このように診断士試験でも、全範囲を網羅するのではなく、簿記2級の原価計算を基盤にしてCVP分析を確実に理解するような出題が行われており、実務重視の知識定着を目指しています。

Step-3:Ⅳの高度な業務意思決定の題意=簿記1級より基礎から簿記2級

Q
簿記1級で人気のテキスト付計算問題集は論点別に分冊されているから、CVP、NPVなど好きな所だけ学習できる。でもこの出題の狙いは、相変わらずな計算偏重電卓バカを殖やすことに非ず。
A

簿記学習が一般にド苦学を推奨しないのは、解き方と答が必ず一つに決まる簿記では、同業D社のヘタクソ解説や身勝手ノウハウの付け入る余地がないため。スタディングで良いので通信講義を併用するのが理想です。

①簿記1級計算を解くには2級の基礎から積み上げ

簿記1級の計算問題を解くためには、まず簿記2級の基本的な知識をしっかりと理解し、その上に高度な知識を積み上げていくことが必要です。2級で学ぶ原価計算やCVP分析は1級問題に直結するため、基礎を固めることが不可欠です。

②試験委員が一番教えたい「原価計算」

診断士試験の事例Ⅳにおいても、試験委員が最も重要視しているのは「原価計算」に関する知識です。簿記2級での原価計算の理解がしっかりしていれば、簿記1級の計算問題にも自信を持って取り組むことができ、実務での意思決定に役立つ財務分析力を養うことができます。

③Ⅳの意思決定会計は、簿記2知識+1級計算力+Ⅳの応用で+10~15点

まず簿記2級で基礎的な原価計算を理解し、その後、簿記1級の計算問題に取り組むことで、より高度な意思決定会計のスキルを身につけることができます。最終的には、事例Ⅳにおける意思決定会計を得意とし、試験本番でも高得点を狙えるようになります。

今日のまとめ

Q
実際の配点結果は別として、簿記2級が出来るとR6「Ⅳ」第2問素点で+10~15点、第3問NPVでも+10点取れてしまう。そうと知ったら、受験2年目のスタートに簿記2級を選ばない手はない?
A

AI試験委員が本文中で述べた通り、ここ3年のCVPが簿記2級以上1級未満の出題をするのは、【隙あらば簿記2の原価計算】。事例Ⅳを解くには「2級原価計算」知識がマストと気づき、2年目に簿記2を学ぶ正しい意思決定を促す狙いです。

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