K事例Ⅳ

【R6事例Ⅳの題意はベテ&スクール排除】難CVP・NPVをエクセル解説 / NPVより易問ポエムで理論重視へ

例年通り、「ただ難しかった・・」で終わりがちな「事例Ⅳ」。しかし今年はそれに加え、どうみても電卓計算バカより簿記&理論ポエム重視へのシフトを促す転換点な。

Q
さて会計専業の視点から見て、これまでの診断士の「Ⅳ」指導は全て間違い。そこで「事例Ⅳ」について自他が認める業界No.1で、簿記1→診断士→US-CPA連続ストレート合格、現職が医療ベンチャー経理部長のサイト主なら今回のR6「Ⅳ」をどう解説?
A

「事例Ⅳ」が毎年これだけ荒れるのは、電卓バカなおベテ相手のウンコスクールのヘタクソ指導と、計算問題集さえ回せば60点!が謳い文句な同業D社に、試験委員が心の底から苦笑いするため。そこで各設問の題意のAI解説から始め、会計専業との実力格差を見せつけます。

解答順【第1問】→【第4問】→【第1問】→【第3問】
収益性・効率性・安全性の基本 30点部門業績と投資評価 20点高度すぎるセールスミックス 20点人類が解けない取替投資NPV 30点
簿記2級のBS知識で効率性や安全性の指標を理解すれば、基本的な指標計算で満点が狙えます。これは基礎力を測る出題としての価値があり、応用力よりも正確な基礎の理解が求められます。セグメント別の業績評価についての基本知識を丁寧に記述することで満点20点に近づく、教育目的の強い記述ポエムになっています。簿記で学ぶ原価や利益の基礎理解があればスムーズに記述でき、計算問題に取り掛かる前に確実に解答しておきたい問題です。簿記2級の原価計算に基づく限界利益概念を把握していれば、設問1の10点は取りやすいです。設問2は線形計画法の理解でグラフを描くことが有効で、簿記1級の知識を補完することで得点が可能となります。1次ファイナンスを通じて基礎的なDCF法の知識を備え、簿記の延長で取替投資のNPV計算の基礎を身に付けます。取替投資では特に計算条件の読み取りが複雑なため、結果よりも計算プロセスを重視し、手順の定着をアピールすることで部分点が期待できます。

【解答順】第1問(25点) 経営分析

R2から突如始まった一連の「事例Ⅳ」超難化の狙い=診断士スクールの排除、特にNPVを白紙で出せとのたまったEから始まる超絶スクールの排除にあると見る。そこでスクールが決してやらない「エクセル解説」を、先に手元にダウンロードします。

「Ⅳ」過去問計算問題エクセル

R2から連続難化を続ける「事例Ⅳ」は、経営分析とポエムが易化、NPVが超難化、CVPで点差が付く傾向が年々明確に。計算の手間を全面カットしたエクセルを使い、その進化を確認します。

(設問1)
優れた指標 〇有形固定資産回転率 11.26回
劣る指標 ×営業利益率 1.01%、自己資本比率14.15% (幅広く別解あり)

第4問(25点) 部門業績評価ポエム

どうせポエムと苦笑いなのは、何を書いても20~25点の満点近くになって点差がないため。しかし「Ⅰ~Ⅲ」で80+60字で25点なら「真っ先に解くはず」と気が付くあなたが大好きです。

Q
(設問1)D社では、事業部の業績評価のために、加工事業部から飲食事業部及び惣菜事業部への製品の供給を事業部間の販売とみなし、そこでは製品単位当たりの全部原価に一定の割合の利潤を上乗せした価格を用いている。D社が採用しているこのような価格の設定方法には、事業部の業績評価を行う上でどのような問題点があるのか、80字以内で助言せよ。
A

D社の価格設定方法は、全部原価を基に利潤を上乗せするため、固定費負担の不均衡や不適切な原価配分による事業部間での業績評価の歪みが生じやすい。(70字)

参考:改善施策
変動費基準の価格設定:変動費にのみ利潤を上乗せする方法に変更し、固定費は事業部全体で公平に負担するようにします。
直接配賦基準の導入:事業部ごとに実際の使用量に基づく直接配賦を採用し、固定費負担の透明性を向上させます。
業績評価指標の見直し:加工事業部の収益性ではなく、原価削減や効率性の改善度を重視した評価基準に改定します。

Q
(設問2)D社では、創業者である社長が事業部の運営に大きな影響力を有しており、設備投資に関しては当該社長が意思決定権限を持っている。このような場合、財務指標を用いて事業部長の業績評価を行うときに留意すべき点を、60字以内で説明せよ。
A

社長の意思決定が業績に影響するため、事業部長の裁量外の要因を考慮し、財務指標の評価において公正性を確保する必要がある。(59字)

参考:問題点と改善施策
問題点
裁量権の制限:社長が設備投資を決定するため、事業部長が独自に収益改善を図る余地が限られる。
評価の公平性欠如:社長の影響で事業部長の業績が左右されるため、評価が公正でない可能性がある。
改善策
評価基準の見直し:事業部長の管理可能範囲に基づく非財務指標を導入し、業績評価の公平性を確保する。

計算当てると+10点以上ボーナス:第2問(20点) 業務的意思決定

どう見ても簿記1級すぎて、しかも会計士勢が苦手な論点。(設問1)ならなんとか解けて、線形計画法で見当をつけると(設問2)も当たらなくはない、+10~20点の範囲で差が付くボーナス問題です。

解法としてはX社向け・Y社向けの限界利益単価を出せれば、(6,500、240)個のベストミックスを決めて(設問1)の10点を取れる。次に線形計画法でグラフを描くと「機械運転時間」制約線の(3,800、2,400)個をベストミックスとして、(設問2)の10点を当てることもできる。

第3問(30点) 人類が解けないNPV取替投資

最後に人類が解けないことがわかった第3問NPV。点を取らせる気が全くないが、そうかと言って白紙解答厳禁な所が、ベテホイホイと呼ばれる所以です。

出題が想定された企業価値DCFや、難しすぎる前年R5NPVに比べ、エクセルで示すとまだ何とか解ける気がするNPV。ただし取替投資は計算条件読み取りが難しく、簿記1級の中でも上級論点なので、結果の数値は当てなくてOK。
(設問1)税引後営業利益+減価償却費(新機械の増ー旧機械の減)ー運転資本増から求める。この69(別解36)と74は何とか当てたい。
(設問2)与えられた複利・年金現価係数がヒントになり、NPVの出し方自体は以下。しかし計算が煩雑すぎるので、電卓を避けてエクセルを使って確認したい。
(設問3) (設問2)の税引後CIFのうち、営業利益部分のみを発生確率0.6:0.4で加重平均し、残る初年度発生CFと調査費用30を引いて調整後NPVを出す。なお計算過程をスキップして「ある」「ない」にマルをしても加点はありません。

以下に一旦答を出していますが、NPV取替投資では計算条件を1つ読み違えるだけで、結果の数字が全く異なります。以下の数字はスクール解答が出そろってから改めて検証するので、仮数値としてご覧ください。

R6「事例Ⅳ」エクセル解説まとめ

Q
エクセルを使ってクールに解くことで、第2問(設問1)(2)が+10~20点の計算ボーナスにこそなるが、それより第4問部門業績評価ポエムで確実に25点近く取る理論重視と分かる。さらに計算条件が多すぎてなかなか答が1つにならないNPVの出題意図が、スクール排除でベテホイホイと気が付くのがコツ?
A

ウチの試験委員は、とにかくベテを追い払いたい。そこで「Ⅳ」正解を求めてベテ専スクールに駆け込むと見越し、先手を打ってNPV白紙を厳禁し、スクールを晒し物にする手法はお見事です。

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