自他が認める「事例Ⅳ」の業界トップで、簿記2→簿記1→診断士→US-CPAまでオールストレート合格(※)のサイト主。最近ブームのM&Aにも一枚嚙みだして、R6の出題予想にヤル気満々です。
それは診断士受験名物いまだに計算問題を電卓パチパチするか、出題の背景や行間・実務のレベル感/肌感で動くかの差。AI試験委員の助言で今年の格差を広げます。
「事例Ⅳ」作問の前提 | 想定される次の出題 | |
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「事例Ⅳ」の計算問題は、1次試験「財務・会計」で出題された範囲内から選ばれます。これは、2次試験が1次試験の知識を応用する実務的な試験であるという性質を保つためです。そのため、受験者は1次試験で学んだ範囲を応用する能力を問われることになります。 | ①1次「財務」出題済の前提 | 1次試験で出題された内容をしっかりと理解し、それを「事例Ⅳ」での実務ケースに応用できる力が問われます。したがって、1次試験で学んだ財務指標やキャッシュフロー分析、企業価値評価に関する基礎知識を、実務シナリオに対応させる力が重要です。 |
「事例Ⅳ」の問題は、会計基準や工業簿記の基礎に基づいて出題されます。試験で扱われる財務や会計の問題は一般的な会計ルールに従う必要があり、1級工業簿記を学べば備えは万全となります。 | ②簿記のルールを超えない前提 | 試験では高度な会計知識や特殊なケースを問われることはなく、基本的なルールに基づく計算問題が中心になります。したがって、簿記の基本的な知識に自信を持ち、確実に応用する力を養うことが重要です。 |
診断士試験は、学問的な理論よりも実務に基づいた問題が多く出題されます。特に最近のM&Aの活発化や企業価値評価の重要性に伴い、M&Aに関連した企業価値評価(DCF法やサステナブル成長率など)が重視される出題傾向が強まっています。 | ③事業承継・M&Aブーム | M&Aの実務的なニーズに対応できるスキルが、試験でも重要視されることがわかります。受験者は、企業価値評価の手法を理論として理解するだけでなく、DCF法や継続価値の算定など、実務でよく使われる手法の理解が今後の試験対策において重要です。 |
【R6試験を大胆予想】サステナブル成長率×企業価値 / 事業承継とM&Aブームを添えて
「Ⅳ」がいつかサステナブル成長率を出題するのは猫でもわかる。ここで点差になるのは、世間をよくわかっていないヘタクソ講師に習ってしまうか、実務のファクトベースに学んで応用するかの違いです。
サステナブル成長率の中央値=5.1%? この肌感があるだけでも得点力は段違いに
Step-1:オリジナル計算問題
そこは心配無用で、単に自分の理解を確かめたかっだだけのよう。以下の練習問題は安心して無料でお使いください。
Step-2:企業価値算定~M&A熱とDCF法~
その理由は、【実務で一般的に使われる】ため。超絶EBAしか知らないヘンテコ手法を持ち出して、試験が世間の笑い物になる事態は、試験委員も避けたいと考えます。
企業価値の評価手法は、大きく以下の3つのアプローチに分類できます。
1. インカムアプローチ(Income Approach)
企業が将来生み出すキャッシュフローや利益に基づいて価値を評価する手法です。
- DCF法(Discounted Cash Flow法)
将来のキャッシュフローを予測し、割引率を用いて現在価値に換算する手法。企業の将来性を反映します。
2. マーケットアプローチ(Market Approach)
市場における取引価格や他企業との比較を基に企業価値を算定する手法です。
- マルチプル法(Multiples Method)
株価収益率(PER)やEBITDA倍率などを使用し、他の類似企業と比較して企業価値を評価する手法。 - 類似企業比較法(Comparable Company Analysis)
同業他社や類似の取引事例と比較して評価。業界内での位置付けを考慮します。 - 時価総額法(Market Capitalization Method)
株式市場の株価に基づき、企業の時価総額から価値を算出するシンプルな手法。
3. ネットアセットアプローチ(Net Asset Approach)
企業が保有する資産や負債に基づいて価値を算定する手法です。
- 清算価値法(Liquidation Value Method)
企業が解散した場合、資産を売却し、負債を返済した後に残る価値を評価する手法。
DCF法は、企業の過去のコストではなく、将来のキャッシュフローに基づいて企業価値を評価します。この考え方は、意思決定会計における「将来の費用と収益を重視する」原則に沿っています。企業の経営判断は過去の実績ではなく、これから得られる収益や費用に基づいて行われるため、DCF法は実際の意思決定プロセスに最も適していると言えます。
DCF法では、将来のキャッシュフローを予め詳細に見積もるため、計画と実績の比較(予実管理)が容易になります。具体的なキャッシュフロー予測をもとに企業の戦略を立て、その進捗を定量的に評価できるため、企業の財務戦略や経営計画を効率的に実行し、管理することが可能です。この点は他の手法(マルチプル法や時価総額法など)が主に市場や他企業のデータに依存するのとは異なり、企業固有の計画に基づいて管理できる点で優れています。
DCF法は、企業が将来にわたって創出するキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価するため、企業の長期的な成長ポテンシャルを反映します。さらに、割引率を調整することで、その企業特有のリスクを考慮に入れた評価が可能です。これにより、単に市場の動向に左右されるのではなく、企業の内部のリスクとリターンをより正確に評価できます。
Step-3:リアル出題予想~企業価値&サステナブル成長率
「1次」でしつこく伏線を貼り、「2次」で実際に出して一気に普及するのがこれまで(例:労働生産性)。そうでなく生成AI時代では、いちいち「Ⅳ」で出題する前に知識が普及します。
サステナブル成長率とは、企業が追加的な外部資本(新規借入や株式発行など)を使わず、内部留保(利益の再投資)のみを用いて、持続的に成長できる最大の成長率のことです。この成長率は、企業が保有する利益のうち、どれだけを再投資できるか(留保率)と、投資から得られる利益(自己資本利益率:ROE)に依存します。
計算式は以下の通りです。
サステナブル成長率 (g) = ROE × 留保率サステナブル成長率(g)=ROE×留保率
企業が安定的に成長し続けるための目安として重要で、長期的な成長戦略における指標となります。
DCF法(Discounted Cash Flow法)**は、企業の将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて、企業の価値を評価する手法です。企業価値は以下の2つの要素に分かれます:
- 詳細に予測された期間のキャッシュフロー(明示的予測期間)
通常、3〜5年など具体的に予測できる期間のキャッシュフローを計算し、それを割引いて現在価値を算出します。 - 継続価値(Terminal Value)
予測期間終了後、企業が永続的に成長し続けると仮定して、その後の価値をまとめて計算するのが継続価値です。この継続価値は、企業の長期的な成長率(g)を考慮して算定されます。定率成長配当割引モデルを用いる場合、次の式で表されます。
継続価値は企業価値全体に大きな影響を与えるため、正確な成長率(g)の設定が重要です。この成長率には、サステナブル成長率が用いられることが多いです。
近年の中小企業診断士試験では、DCF法を基にした継続価値の算定が頻出しています。特に、定率成長配当割引モデルを用い、成長率(g)にサステナブル成長率を使用する問題が連続して出題されています。
予想される出題傾向
- サステナブル成長率の計算問題
ROEや留保率を与えられ、そこからサステナブル成長率を求める問題が増えると予想されます。 - 継続価値の算定問題
継続価値を求める際、サステナブル成長率を使用した定率成長モデルを用いた計算が問われる可能性が高いです。 - 複合的なDCF問題
明示的予測期間と継続価値の両方を計算し、総合的に企業価値を求める問題が出ることが予想されます。また、割引率(WACC)や成長率の微妙な違いが結果に大きな影響を与えることを考慮させるような問題も増えるでしょう。
今日のまとめ
なんでも包み隠さずゲロするAI試験委員のおかげで、サステナブル成長率が出た時は、およそ5~6%のはずと想定できる。今日の予想はその肌感を掴めば効果十分です。