作問採点が毎年変わるスピード試験では、来年のミライをどう先取りするかの勝負。そのとき隣のステマがノロマとからかわれるのは、前年の試験結果を見てからやっと作戦を考えるため。
倍率5倍の2次「事例Ⅰ~Ⅲ」とは、80分の制限時間でいかに標準答案に揃えていくかのタイムレース。ここで答案がふぞろい=出来栄え状態を放置すると以下の格差が開きます。
ふぞろいの出来栄え答案 | 上位5%が狙う答案 | |
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その場の状況や書き手の感覚に依存するため、構成にばらつきが出やすいです。その結果、論理展開が曖昧になり、採点者に意図が正確に伝わらず、得点に結びつきにくい問題が生じます。 | ①標準原価の活用 | 標準化された構成を採用することで、答案全体の一貫性を保つことができます。これにより、採点者にとって読みやすく、明確に意図が伝わる内容を記述できるため、採点基準を確実に満たしやすくなります。 |
各設問の解答要求に対応しきれない場合が多く、記述内容が曖昧になりがちです。さらに、重要なポイントを見落としたり、採点基準を満たせなかったりすることが頻繁に起こります。 | ②精度と再現度の向上 | 標準フレームを活用することで、試験問題の要求を的確に捉え、重要なポイントを漏らさず記述することができます。この方法を用いることで、内容の精度が向上し、採点基準を確実に満たす答案を作成することが可能です。 |
与件の根拠を全てSWOTマーカーするまで答案作成に着手できないことが多く、時間が不足するケースが見られます。そのため、記述の完成度が低下し、未完成や抜け漏れが発生しやすくなります。 | ③解答スピードの向上 | 標準化された構成を活用することで、根拠を効率的に抽出し、短時間で質の高い答案を作成することが可能です。この手法を用いることで、解答にかかる時間を短縮しつつも、他の設問への時間配分に余裕を持たせることができます。 |
【マンガでわかる④】残酷なⅣ格差 / 標準原価とふぞのバラつき
「事例Ⅳ」が明らかに会計重視にシフトするとき、経営分析→CVP→NPVのぶつ切り知識でお皿回しするのがふぞの宿命。今日の論点に全く知見がなく、ポカンと口を開けている隙に、残酷なスコア格差を見せつけような。
前回までのあらすじ
新工場を黒字化するには今の3倍の売上が必要と知り、愕然とするさくら製菓の面々。そこでコストダウンを実現するため、まず原価計算から学ぶことに。。
そもそも簿記2級で原価計算の基本を押さえておかないと、どこからコストダウンすれば良いのか見当もつかない。そこで製造原価の3要素=材料費・労務費・経費の基本を学びます。
材料費とは製品の製造に使用する原材料や部品の費用、労務費とは製造にかかわる作業員の賃金や手当の費用、経費とは材料費・労務費以外の製造に必要な光熱費や減価償却費などの費用のこと。簿記2級では計算問題を繰り返し解いて、この3つの違いや使い方を身体で覚えます。
設例①:直接材料費差異の分析(数量差・価格差)(P.119)
ここからは標準(予算や予想)と実績の差を、「数量差異」「単価差異」に分けて考える。ふぞろいがキーワードの数をいくら盛っても、その質が低いと60点に届かない理由はここで説明できます。
材料費数量差異は、標準的な使用量と実際の使用量の差によるコストの違いで、製造効率の改善点を示します。材料費単価差異は、標準単価と実際の単価の差によるコストの違いで、仕入れ価格や購買戦略の見直しに役立ちます。
設例②:直接材料費差異の分析(数量差・価格差)(P.119)
工業簿記では「労務費」「未払給与」論点でハードルが一つ上がる労務費差異ですが、マンガの世界では同じビジュアルを応用するので安心。
労務費の作業時間差異は、標準作業時間と実際の作業時間の差によるコストの違いで、作業効率や生産性の改善点を示します。賃率差異は、標準賃率と実際の賃率の差によるコストの違いで、労働条件や賃金の見直しに役立ちます。
設例③:製造間接費差異の分析(P.124)
工簿2級で原価計算を学ぶとき、必ずつっかえるのが「製造間接費差異」であり、凝り性なベテほどここにこだわり先に進まない。独立診断士が製造業の間接費差異に直接携わることは一生ないので、あわてずマンガでスルーします。
おまけ:活動基準原価計算ABC
イケカコに収録されベテが珍重する活動基準原価計算ABCは、仮に出題しても計算問題にしかならず、単にベテを喜ばせるだけ。そこでポエム対策で理論だけ押さえ、万一計算出題があってもそれで十分満点を取れます。
生産工場における製造間接費、一定以上の大企業における本社経費のような「生産活動に直接紐つかない本社経費」は、配賦しにくく、へばりついたようにコストダウンも難しい。そこで全く違った手法を用いて「コストを見える化」します。
活動基準原価計算(ABC)は、製品やサービスにかかる間接費を、活動単位(例えば製造工程やサービス提供の活動)に基づいて割り当てる手法です。これにより、間接費の配賦がより正確に行われ、各製品やサービスのコストが明確になります。ABCは、従来の原価計算方法では見落としがちなコスト構造を可視化し、経営戦略や意思決定に役立つ情報を提供します。
今日のまとめ
そして「事例Ⅳ」の会計シフトが急速に進み、試験委員がふぞに往復ビンタを喰らわせる。そこで露見したのが、こうも残酷なⅣの得点格差です。