全員が同じ参考書・同じ過去問を使って同じ答案を目指すから、8割落ちて当たり前。そこで初年度ワンチャン2割狙いならふぞで良いけれど、AI解答・AI作問でふぞろい要らずな予告3部作を用意しました。

I事例Ⅱ

【R6事例Ⅱ】解像度の高いA答案とBの差 / 100字は原則多面的、助言に限ると多元的

隣のベテふぞが腰を抜かすR6「感覚・観念価値のX焼」のもう一つの特徴は、いまにも旅番組に出そうな「解像度の高い与件」。3代目B社長に好感・共感したあなたにもう一つプレゼントです。

Q
隣のベテふぞの一挙一動でウケるのは、「多数派同質答案を目指し」「多面!多面!」とはしゃいで大騒ぎ。そうでなく今年の8割ショボンが嫌なら、一言一言の解像度をふぞの最低2~3倍に高めたい。
A

100字マス目で試験委員が「オヤ?」と加点するのは、ふぞろいワードと異なる気の利く言い回し(=語彙)。そこで少し気の利く私なら、第2~3問を「多面的」、ラスト第4問は複数効果を同時に挙げる「多元的」に解答します。

①Ⅱの第2~3問は多面解答を

事例Ⅱでは、B社の経営課題に対し、与件文のSWOT分析を基に多角的な視点から解決策を提示することが重要です。単一視点に留まらず、多面的なアプローチで解答を構成しましょう。

②ラスト第4問新規事業は多元発想を

最後の助言問題では、単一目的でなく複数の効果を同時に達成する**「多元性」**が重要です。提案施策が相乗効果を生むよう意識し、包括的な解決を目指しましょう。

③AB答案の多面・多元差に注目して得点UP

開示スコアのA/B答案比較が重要です。高得点答案は、与件文を多角的に分析し、一つの施策で複数効果を生む**「多面性」「多元性」**を持つ傾向があります。一方、低得点答案は単一視点に偏りがちです。

多面解答(第2問 返礼品)多面&多元解答(第3問新事業)多元解答(第4問ECの相乗効果)AB答案の差まとめ
①X焼の長い歴史と日用品としての側面を特設サイトで訴求し、認知度向上を狙う①食器の定額レンタルや交換サービスで収納課題を解決し、利用機会と売上最大化を図る①オムニチャネル化で顧客IDを管理し、顧客満足度向上と売上拡大を同時に狙う高得点答案は、与件文の情報を深く多角的に分析し、複数の課題に対し複合的な解決策を提示します。
②郷土料理と陶磁器セットで味・色合いの感覚価値、歴史冊子で観念価値を高める②既存食器の買い取りや下取りで収納問題を解消し、新たな陶磁器購入を促進する②ECサイトに店舗・カフェ画像、メニュー、割引券を掲載し、店舗への誘導を促す高得点答案の提案は、単なる集客だけでなく、顧客エンゲージメント向上や売上増加など相乗効果を意識しています。
③デザイナーズホテルと連携し、郷土料理とデザイン陶器の宿泊プランやセットを提案③食器保管サービスを提供し、顧客の収納問題を解消しつつ事業機会を拡大する③ECで情報発信、店舗でEC宣伝し、オンラインとオフラインの顧客接点を強化する低得点答案は、与件文からの情報抽出が限定的で、解決策が単一視点に偏る傾向があります。

【R6事例Ⅱ】解像度の高いABC答案の違い / 100字は原則多面的、助言に限ると多元的

100字マス目は3要素の因果で書くから、根拠を最低3つ揃えて書き始めるのは当然以前。そうでなくデジマで解像度が上がり切った「Ⅱ」で安定60点を超えるには、第4問新規事業を「複数効果を同時実現する」多元的に解答します。

今日のお題は事例の史上最高傑作~感覚&観念価値で好感&共感ダダ上げのR6「Ⅱ」です。

第1問:上位5%のSWOTは余った根拠を最後に使う

B 社の現状について、SWOT 分析をせよ。各要素について①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。

A:良い答案B:普通の答案C:悪い答案
S: ①オリジナル商品の企画と地元窯元との生産委託 関係②自前店舗での販売と顧客ニーズ収集。自前の店舗で消費者を顧客に持ち、センスある3 代目のファッション業界経験、評判の動画。自社のカフェスペース、ECサイト、3代目のセン スと企画力。
W: ①販売商品のデ ザインに革新性 がなく競合と比 較して高価②HP に最低限の情報 しかない。悪化する経営状態、自社商品の 競争力の無さ、 大消費地への営 業力不足、デザ インの新鮮味。自社オリジナル 商品に新鮮味も なく、安価でも ない、取扱商品 のほとんどがX焼 き。
O: ①クリエイター 志望の窯元の増 加②幅広い年齢 層の愛好家がX市に来訪している。家庭に関心を向 ける若者と海外の人々の関心、X 市の郷土料理とX 焼への関心、零細な窯元。クリエーター志望の居住者、オ ンライン動画サ イト。
T: ①安価な外国製品や百円ショッ プの台頭②買い 替え需要の拡大見込みがない。窯元の零細化、 高齢化と人口減 少が進む社会、 100円ショップの 台頭、安価な陶磁器。窯元の零細化、 外国製陶磁器、 高齢化と人口減 少による新規・ 買い替え需要の 低下。
○各要素が問題の核心を的確に捉え、字数制限内で要点が凝縮されている○3代目の経験や自社店舗、動画の評判など、B社の重要な要素に言及している×強みとして挙げられた要素が、B社の全体的な戦略にどう活かされるかの示唆が乏しい。
○B社の具体的な強み(企画力、顧客接点)と弱み(デザイン、情報発信)が明確である○外部環境の変化(若者・海外の関心、人口減少など)を概ね捉えている×弱みの記述は一部的確だが、経営状態の悪化や販路の細りといったより大きな問題点に触れていない。
○外部環境の機会(クリエイター移住者、愛好家の来訪)と脅威(安価な競合、需要停滞)が適切に分析されている×「悪化する経営状態」「競争力の無さ」など、弱みの記述がやや抽象的で具体性に欠ける×機会と脅威の記述が事実の羅列に近く、それぞれの要素がB社に与える具体的な影響や対策への示唆が不足している。
○与えられた事例情報(X焼の特性、B社の事業内容、市場環境)を深く活用している×「零細な窯元」をOT両方に書いてしまうと、(書きたい気持ちはわかるが)加点しにくい。×与えられた情報の活用が表面的で、深い分析が欠如している。
○SWOT分析として、今後の戦略立案に繋がる洞察が含まれている。×脅威の記述が事実に留まり、B社に与える影響の深掘りが限定的である×字数制限内で記述されているが、内容の密度が低い。

根拠の数で加点と考えるふぞには第1問こそが宝の山で、ここに夢中で時間切れを起こし、第2~4問が決めつけパターンの知識解答になってB評価のショボン。ここはそうでなく、B答案のような減点要素を避けます。

第2問:ふるさと納税返礼品のアイデア募集(感覚&観念価値でブランド強化)

X市は、ふるさと納税の返礼品としてX焼を活用したいと考えている。現在でも市の返礼品の中にX焼はあるが、全国の返礼品の中で埋もれている状態にある。3代目は、X市から「返礼品の中でもっと目立ち、市とX焼のファンを増やすような返礼品の企画を考えてほしい」と依頼を受けた。ブランド価値構造のうち、消費者に感覚価値と観念価値を意識して、返礼品の企画を100字以内で提案せよ。

A:良い答案B:普通の答案C:悪い答案
返礼品として、地元の発酵調味料と陶磁器を合わせた郷土料理セットを提案する。郷土料理の味と陶器の色合いで感覚価値を高め、郷土料理とX焼きの歴史を記した冊子添付で観念価値を向上させX市とX焼きの魅力を訴求。企画は①古くから陶磁器の産地として知ら れるX市とX焼を訴求し②新旧の窯元と協業した商品と③デザイナーズホテルの宿泊券 をX市の郷土料理とX焼に関心を持つ顧客 に提供、感覚価値と観念価値を訴求して目立たせる。B社は①手軽に芸術品より日用品として使え る点を訴求し、②X市の郷土料理を簡単に作 れることを、③オンライン動画を通じて、 視覚的に分かるようにする企画を提案する。
○「感覚価値と観念価値」という設問のキーワードを明確に意識している○「感覚価値と観念価値を訴求して目立たせる」という設問の要求事項に言及している×「感覚価値と観念価値」の概念への言及がなく、設問の主要な要求を十分に満たしていない
○「郷土料理の味と陶器の色合い」という感覚価値と、「歴史を記した冊子添付」という観念価値が具体的に示されている○「X市の郷土料理とX焼」という関連性の高い要素を結び付けている×「返礼品として」という文脈が弱く、単なる商品紹介の企画に見える
○「郷土料理セット」という具体施策を提示しており、実行可能性が高い×「古くから陶磁器の産地として知られる」に加点要素がなく、その分書けた筈の根拠が入らず失点している。×「全国の返礼品の中で埋もれている状態」という現状に対する具体的な差別化策が提示されていない
○地元の発酵調味料を根拠として引用し、説得力がある×「デザイナーズホテルの宿泊券」がX焼のファン増加にどう繋がるか、具体的な因果の説明が不足している×X市とX焼のファンを増やすという目標に対する直接的な貢献度が不明瞭である
○返礼品の目的(認知度向上と返礼品増加)に直接貢献する内容である×感覚価値と観念価値(どのような体験や歴史を訴求するのか)に触れてはいるが、A答案ほど明確でない×オンライン動画の活用は良い点だが、ふるさと納税の返礼品企画としての具体性が不足している

ふぞろいなC答案をAにするのは絶望的でも、B答案とは「わかってはいるが」「やや言い足りない」ことが主。キーワードのモリモリ訓練に使う時間があるなら、生成AIを使ってAにするのが遥かに簡単です。

第3問:複数解になる新規事業は、結論より妥当性

X焼には窯元それぞれの魅力があるため、3代目は、消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会をつくりたいと思っている。しかし、陶磁器祭りで接客をしていると、「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう食器愛好家の声をよく耳にする。3代目は、自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業を手がけたいと考えている。どのような事業内容にすべきか、100字以内で提案せよ。

A:良い答案B:普通の答案C:悪い答案
定額料金にて店舗で食器預かりと貸し出しを 行い、追加料金を払うことで購入ができるサ ブスク事業を開始し、顧客の収納スペースの 課題を解決し、X焼の利用機会最大化と売上 安定化を実現する。事業内容は①自社店舗にX市の新旧の窯元と 協業した各種陶磁器を並べて手に取る機会を提供②購入をためらう愛好家に貸出やサブスクの提案をしてニーズ充足、ニーズ収集して次の商品につなげ、事業拡大と固定客化。B社は、①産地問屋である強みを生かして、 ②法人であるホテルが使わない色や形の食 器をレンタルする事業を提案し、③収納ス ペースが無い個人需要を取り込む。
○「収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」という食器愛好家の具体的な悩みに直接的に対応している○「貸出やサブスクの提案」という、顧客のニーズ解決に繋がる方向性を示している×設問で特に強調されている「食器愛好家の収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」という個人顧客の具体的な悩みに、直接的な解決策が提示されていない
○「サブスク事業」という現代的なビジネスモデルを具体的に提案している○「事業拡大と固定客化」という目標設定が適切である×「法人であるホテルが使わない色や形の食器」をレンタルする事業は、事例の課題(個人愛好家の収納)とは関連性が薄い
○「食器預かりと貸し出し」というサービス内容が明瞭であり、顧客のメリットを明確に示している×提案を「事業内容」として箇条書きの並列列挙にし、どこか見覚えのあるフレーズを並べるとベテ認定される。×「収納スペースが無い個人需要を取り込む」という目的は記載されているが、具体的な仕組みが不明瞭である
○B社と窯元の「事業機会拡大」と「売上安定化」という両面での効果が期待できる×「並べて手に取る機会を提供」という内容は、収納スペースの課題解決に直接繋がる新規事業としての具体性に欠ける×B社や窯元の「事業機会拡大」にどう繋がるか、具体的な道筋が見えにくい
○「X焼の利用機会最大化」という、愛好家とX焼双方にとっての価値提供が考慮されている×顧客ニーズの「収集して次の商品につなげ」るという点は良いが、それが新規事業の「内容」として核にならない×新規事業として、革新性や市場適合性が低い。

B答案に「あともう一息」が多いとはいえ、このBはベテ臭を振りまき過ぎて今後の改善見込みゼロ。今回のAが「訊かれたことに答える素直な答案」、Bが「落としたくなるクソ答案」です。

第4問:ECサイトを伸ばしつつオンラインへの誘客施策

ECサイトの新規顧客は増えたが、3代目は顧客の顔を直接見ながら販売できない寂しさも感じ始めた。3代目は、今後は、X市の地元で開く店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やしていきたいと考えるようになった。B社にはどのような施策が必要か、150字以内で具体的に提案せよ。

A:良い答案B:普通の答案C:悪い答案
B社は、①ECサイトで顧客のSNSやDMアカウントを収集し、自社店舗やカフェの情報発信を行うことで、地元への来訪を促し、②地元店舗では店内チラシや対面接客によりECサイトの存在を宣伝し、EC限定の商品を置くことで利用者を増やす。これにより、③オンラインとオフラインをミックスさせ、顧客接点を強化する。施策は①ECサイトで家庭料理のX焼への盛り付け方とX市の郷土料理を紹介する動画と レシピを配信し②自社店舗のカフェスペー スで各種X焼の器で試食できることを宣伝して③家庭に関心向ける若者と海外の人々の来店を促し④既存の来店者にはECサイトに ある郷土料理のレシピを紹介して、相互利用を促進し、愛顧獲得を促進する。B社は、①ECサイトでは自社オリジナル商 品を使い、②X焼を利用した家庭料理をオン ライン動画に掲載する。 これに加え、①明 るく開放感のあるスタイリッシュなカフェス ペースで、②動画には載せない食器を展示 することで実店舗のプレミア感とECサイト の利便性で双互に送客する。
○「店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やす」という設問の要求に、オムニチャネル戦略という包括的な施策で応えている○B社が成功している動画コンテンツやカフェスペースの活用を提案している×「両方を利用する顧客を増やす」という設問の核に対して、具体的な相互連携の施策が不足している
○「店舗で見てECで購入」「ECで見て店舗で購入」という具体的な相互利用の導線が提示されている○ECサイトから店舗へ、店舗からECサイトへの「相互利用を促進」するという目的意識が見られる×提案内容が、単にECサイトで動画を掲載し、店舗で食器を展示するという、基本的な情報発信と展示に留まっている
○「SNSはDMアカウント収集」「店舗やカフェで情報発信」「EC限定商品」など、データ活用を通じた具体的な施策が盛り込まれている×根拠を詰め詰めモリモリした努力が伺える典型的なベテ答案で、A答案のような素直さに全面的に欠ける×「実店舗のプレミア感とECサイトの利便性で双互に送客する」という記述はあるものの、そのための具体的な行動計画が見えない
○「地元への来訪」「ECサイトの認知」「顧客接点強化」といった明確な効果目標が設定されている×提案内容が「動画配信」「試食宣伝」「レシピ紹介」など、マーケティング・プロモーションの側面に偏っており、より深いチャネル連携の仕組みに欠ける×顧客の購買行動における店舗とECサイトの連携や、顧客データの統合といった視点が欠如している
○字数制限内で多くの要素を効率的かつ論理的に記述している×顧客が「両方を利用する」ための具体的な動機付けや、購買プロセスの連携が不明瞭(例:店舗でのEC購入補助、ECでの店舗在庫確認)である×施策の具体性が乏しく、売上拡大や顧客満足度向上への貢献が期待しにくい。

第4問はオンライン⇔オフライン施策をクロスオーバーさせる、「多元課題」解決の代表例に。同時に「時短」「素直さ」が求められ、昨年のB答案を書くと今年はCを覚悟します。

今日のまとめ

Q
開示60~70点台のA答案、59点以下B答案の見た目は近いが、Notebook LMに解説させると全く違う。つまり単に施策を列挙するとB答案で、1施策で一石二鳥・三鳥の複数効果を多元的に実現するのがA答案?
A

100字書くには3要素要るから多面で書くのは当然で、解像度の上がった「Ⅱ」の新規事業は【多元で書く】。そして驚くべきは、生成AI普及前から試験委員がそれにA評価を与えたことです。

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