99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

I事例Ⅱ

【3連休で採点完了】史上最高の傑作R6Ⅱ / 答案とスコアがバラける作問技術+対策3選

今年もどうせダナドコと馬鹿にしていた「事例Ⅱ」で、初めて本格的なマーケを学べた気がする。R6「Ⅱ」は答案が割れてスコアがバラける史上最高の傑作事例と、全国9,000人から喜びの声が続々届きます。

Q
平均的人類よりオツム弱めのふぞろい道場を、おっきく勘違いさせた「キーワード採点」。それは誰も知らない超絶知識を書き殴るベテから落とすには、与件根拠を使わない答案に加点しないことが一番だから?
A

さらに与件一面にふんだんにバラまかれた根拠を丁寧に引用するには、80分では時間が足りない。そこで80分では解けずに答案がバラける作問技術3選を、包み隠さず紹介します。

答がバラける作問技術受験側の対応
唐突に感覚価値(顧客が感じる五感的価値)や観念価値(ブランドの理念や価値観)に関する解答が求められます。これに対応する明確な根拠がないため、受験側は試行錯誤するしかなく、その結果答案が大きくバラつきます。①唐突に感覚価値・観念価値感覚価値や観念価値について、「1次」でどう問われたかを思い出せるかが勝負になります。しかし当日再現答案70枚中で、「感覚価値」「観念価値」になんとか答えようとした答案が1割強加点できるレベルの答案は2枚だけでした。
設問ごとに回答に必要な情報が順序通りに配置されておらず、根拠が散らばっているため、段落を飛ばしながら複数の情報を組み合わせる必要があります。受験者によって関連情報の発見や整理が難しく、見落としが発生しやすくなっています。②解答に使う根拠がバラバラ配置バラバラ配置された根拠を的確に設問に対応させるには、SWOT別マーカーは不利です。設問別マーカーを用い、分散配置された根拠を下書き無しで抜き書くことで、短時間で効率よく60点A評価に届くことができます。
第1問と第4問で高い文字数(160字・150字)の記述が求められ、それに手間取ることで他の設問に対応する時間が不足し、根拠を十分に引用できずに知識に頼った一般的な回答に留まるリスクがあります。③第1問160字+第4問150字で時間切れ長文記述に時間をかけすぎないようにするため、事前に文字数制限内での要点整理を意識した練習が重要です。また本試験では、根拠が明確な設問から優先して解答するなど、時間配分を意識した手順を意識します。

【3連休で採点完了】史上最高傑作のR6Ⅱ / 答案とスコアがバラける作問技術&対策3選

R6Ⅱが史上最高傑作masterpieceと称えられる理由。それは上記作問技術を駆使して本来合格不適格なベテふぞを振り落とす返す刀で、①ブランド選好の仕組みをケースで教え、②合格組がそれを実践し、③マーケを学ぶ受験者を増やし、資格の価値を限りなく高めてくれること。

①ブランド選好の仕組み②知識を学びたくなる好事例③最新マーケの時流いろいろ
【最高傑作の理由】
感覚価値と観念価値をテーマに、消費者がどのようにブランドを選ぶかの深い理解を問う出題により、単なる知識ではなく、消費者の心理や価値観に基づくマーケティングの奥深さを学ぶ機会が提供されています。
従来のフレーズ暗記に頼らず、積み上げた知識を自分の言葉で組み立てる力を問う点で優れており、受験者がマーケティングの基礎知識を実際の状況でどう活用するかを評価する出題となっています。与件文内に千鳥状に配置された根拠から、受験者は近年のマーケティングの潮流を読み取り、マーケティングの時代背景やトレンドに基づいた解答を構築する力が問われ、学びの範囲が広がります。
【今後の試験への影響】
ブランド価値に焦点を当てることで、次年度以降の試験が実践的なマーケティング知識の理解・応用力を重視する傾向へとつながり、受験者の学習内容が一層現実的・本質的なものとなるでしょう。
単なる知識の暗記から、思考力や表現力を必要とする試験へと変わるきっかけとなり、各受験者の理解度や応用力の幅をより正確に測る試験への変化が期待されます。情報処理や本質理解を重視する出題が増えることで、受験者が常にマーケティングの最新動向に敏感であり続けることが求められ、試験がより実務的な内容に進化する一助となるでしょう。

試験委員は本格マーケの最先端を教えたいのか、世間迷惑で役立たずなノウハウを叫ぶベテふぞを落としたいのか。はたまた一石二鳥でその両方なのかを、R6Ⅱ採点基準を通じて読み取ります。

解答順:第2問(配点25点) 製品・ブランド戦略 助言

X市は、ふるさと納税の返礼品としてX焼を活用したいと考えている。現在でも市の返礼品の中にX焼はあるが、全国の返礼品の中で埋もれている状態にある。
3代目は、X市から「返礼品の中でもっと目立ち、市とX焼のファンを増やすような返礼品の企画を考えてほしい」と依頼を受けた。ブランド価値構造のうち、消費者にもたらす感覚価値と観念価値を意識して、返礼品の企画を100字以内で提案せよ。

感覚・観念価値の言及(10点)
感覚価値の根拠(5点まで)
-感覚価値(1点)、盛り付け映え、写真映え、新しい作風、高級感溢れるデザイン、デザイナーズホテル(各2点)
観念価値の根拠(5点まで)
ー観念価値(1点)、窯元が持つストーリー、新しい作風の受け入れ、長い歴史(各2点)

施策と効果(15点)
施策(9点まで)
―郷土料理セット、地域団体商標登録、自宅でX市の味わい、その他施策(各2点)
期待効果(6点まで)
―市とX焼のファン増、ブランド価値向上(各3点)、その他効果(2点)

200%AI答案KEC大原TAC
B社は、①盛り付け映えや写真映えを楽しむ感覚価値と、②旅先で食べた味わいを自宅で再現して楽しむ観念価値を意識し、③地元の食材と陶磁器を組み合わせた返礼品を写真入りで提案し、市とX焼のファンを増やす。(100字)感覚価値として、クリエーター志望者の新しい作風や伝統的で高級感あふれるデザイン性の高い作品を返礼品とする。観念価値として、長い歴史を受け継ぐ窯元から新進のクリエーターまで、窯元が持つストーリーを訴求する。X焼を地域ブランド化し、消費者の感性に響く企画を提案する。①地域団体商標登録による標章の視覚的訴求、②デザイナーズホテルでのオリジナル食器のストーリー付加による情緒的訴求等により、ブランド価値を高める。X焼と地元食材、発酵調味料を合わせた「X市郷土料理セット」を提案する。自宅でX市の味わいを再現できることにより感覚価値を訴求し、X焼の歴史や新しい作風を受けいれる土壌を紹介することで観念価値を訴求する。
①感覚価値をより具体的に強調
②伝統と革新のバランスを評価
③ストーリーで観念に働きかける
①地域団体商標登録を提案
②視覚訴求が感性価値になる
③情緒的訴求が観念価値になる
※KEC、TACに比べ、価値の説明が不足
①地元食材とのコラボで新鮮さ
②自宅再現で消費者の体験価値
③歴史強調でブランドの深みを創出
※AI答案に比べ、価値の位置づけが一つ上

第3問(配点25点) 新規事業(製品+3P) 助言

X焼には窯元それぞれの魅力があるため、3代目は、消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会を作りたいと思っている。しかし、陶磁器祭りで接客をしていると、「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう食器愛好家の声をよく耳にする。
3代目は、自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業を手がけたいと考えている。どのような事業内容にすべきか、100字以内で提案せよ。

施策(15点)
新規事業名の提示 (3点)

ー新規事業名を具体的に示すと3点。選んだ事業による点差は付けない。

具体的施策
顧客ニーズに対応 (3点)
ー「顧客の希望に応じた形式や期間でレンタル」を評価。
卸業者としての強み(3点)
ー「卸業者としての強みを活かし、幅広い窯元の多様な作品を楽しむ」を評価。
新規事業収入の分配 (3点)
ー「B社と窯元で新規事業収入を案分」を評価。
生産活動の効率化 (3点)
ー「クリエイター志望者を雇用して陶工人数の増加を図る」を評価。

効果(10点)
多様な陶磁器の楽しみ (5点)
ー「手頃な価格でデザイン性の高い陶磁器」「多様な作品を季節や生活シーンに応じて楽しむ」を評価。
食器愛好家のニーズ充足 (5点)
ー「収納スペースが少ない食器愛好家」を評価。

200%AI答案KEC大原TAC
B社は、①手頃な価格でデザイン性の高い陶磁器を使えるレンタル事業を始め、②クリエイター志望の窯元と協業して品揃えを拡充し、③収納スペースが少ない食器愛好家が多様な窯元の陶磁器を楽しむニーズを充足する。(100字)愛好家のニーズに合わせたレンタル事業を提案する。卸業者としての強みを活かし、幅広い窯元の多様な作品を季節や生活シーンに応じて楽しむことをコンセプトとし、顧客の希望に応じた形式や期間でレンタルを行う。陶磁器の日替わりレンタル事業を提案する。①B社と窯元で新規事業収入を案分し、②クリエイター志望者を雇用して窯元の陶工人数の増加と生産活動の効率化を図り、事業機会の拡大と食器愛好家のニーズ充足を両立する。ECサイトを利用した食器の販売代行および商品情報の更新を行い、手数料を徴収する新規事業を提案する。具体的には、現在取引がない零細な窯元の出品、食器愛好家の保有する食器の出品および新品購入を可能とする。
①顧客ニーズに応じた柔軟性
②卸業者としての強みを明確化
③季節に応じた具体的な提案
①新規事業収入の分配を明示
②陶工人数増加の重要性を強調
③人数増と生産性を両立させる
①これまでにない収益モデル
②零細窯元への支援を強調
③食器愛好家の出品を促進

第4問(配点30点) 販促チャネル・関係性マーケ 助言

ECサイトの新規顧客は増えたが、3代目は顧客の顔を直接見ながら販売できない寂しさも感じ始めた。
3代目は、今後は、X市の地元で開く店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やしていきたいと考えるようになった。B社にはどのような施策が必要か、150字以内で具体的に提案せよ。

施策(価格・販路・販促)20点

価格設定 (7点)
具体的な価格戦略

ー顧客に対して魅力的な価格設定や割引を示しているか。(4点) 例:陶磁器祭りでの特典
価格に対する価値提供
―提供する商品の価値を明示しているか。(3点) 例: 陶磁器祭り特典の内容

販路開拓 (7点)
新たな販路の具体性
ECサイトやカフェスペースを活用した具体的な販路戦略の提示。 (4点) 例: 自社ECサイトでの販売や来場促進
相乗効果の提示
施策間の相乗効果を明確にしているか。 (3点) 例: 店舗体験がECサイト利用促進につながる具体例

販促活動 (6点)
プロモーション活動の具体性
動画コンテンツやイベントの具体的な提案がなされる。(3点) 例: 3代目の動画紹介やクリエーター窯元との連携
効果的な顧客誘引策
顧客を引きつけるためのプロモーションの効果が示される。(3点) 例: カフェスペースでの交流イベントの具体的効果

留意点要素 (問題点の解決、経営方針の達成) (10点)

問題点の解決 (5点)
具体的な問題の特定
顧客ニーズや市場の問題を明確に捉えているか。 (2点)
施策による解決策提示
提案した施策が具体的に問題を解決するものであるか。 (3点)

経営方針の達成 (5点)
企業のビジョンとの整合性

提案内容がB社の経営方針やビジョンにどのように寄与するか。(3点)
施策の持続可能性
提案が持続可能な形で実行可能であるか。(2点)

200%AI答案KEC大原TAC
B社は、①自社のECサイトでX焼を購入する顧客に陶磁器祭りで使える特典を発行し、②来場を促して各窯元の仮設の露店や自社カフェスペースを活用して顔の見える接客を行う。これに加え、③3代目のセンスやX焼と向き合う真剣な姿勢を示して関係性強化を図り、④店舗とECサイトの両方を継続的に利用する顧客を増やす。(148字)食器愛好家に向けECサイト等で、①盛り付映えする方法や季節感に合わせた食器のコーディネイトに関するワークショップ、②窯元見学と陶芸家との交流を行うツアー③自社カフェスペースを利用し、陶器を使用した料理教室等学びと体験の機会となるイベントを店舗主催で行うことを動画でプロモーションし、来店につなげる。施策は、カフェスペースでのコト消費機会の提供で、ECサイトとの相乗効果を高めることである。具体的には、①おいしそうに見える盛り付け方での軽食の提供、②X市の郷土料理をオリジナルの陶磁器で作る実演等、動画コンテンツの内容を店舗で体験できる機会を設け、ECサイトのみ利用する新規顧客の店舗への来店を促す。家庭に関心を向ける若者に向け、スタイリッシュな空間とするX焼で軽食を提供するカフェスペースを有する店舗を3代目が紹介する動画を作成、配信サイトに掲載する。3代目が選ぶクリエーター窯元の食器紹介・店舗限定販売、3代目との交流イベント等を継続的に行い、3代目のセンスに共感する層を開拓し、ECサイト利用も促す。
①学びと体験の機会提供
②季節感を活かした提案
③クリエイティブなプロモーション
④顧客との直接的な交流
①コト消費機会の提供
②動画コンテンツとの連携
③地元料理を活かした実演
④新規顧客の来店促進
①スタイリッシュなカフェスペース
②3代目のセンスを活かした動画配信
③限定販売の食器と交流イベント
④ECサイトの利用促進を図る

最後の残り時間で:第1問 SWOT(配点20点)

B社の現状について、SWOT分析をせよ。各要素について①~④の解答欄にそれぞれ40字以内で説明せよ。

以下それぞれ根拠に各2点、マス目が過不足なく埋まれば+1点し、Max5点

オリジナル食器
3代目社長のセンスによる独自の企画力。
消費者ニーズ収集
直営店の存在による市場の直接的な把握。
ブランド価値
地元陶磁器の伝統を生かしたブランド展開。
ネットワーク構築
地場の陶磁器関連事業者との強固な関係。

情報不足
ホームページ等での情報発信が乏しい。
認知度低下
X焼の市場での認知度が不足している。
新鮮味の欠如
商品デザインの独自性や新しさが不足。
販路弱化
卸売業としての流通機能が弱体化している。

OT

新作受入れ
クリエイター志望者の参入により新しい作風の受け入れ。
イベント集客
陶磁器祭りなどの集客イベントの活用。
PR手段多様化
動画コンテンツなど新しいPR手段の増加。
若者の関心
若者の陶磁器に対する興味が高まっている。

安価な競争
外国製陶磁器の台頭による価格競争の激化。
人口減少
地域の人口減少による需要の低迷。
情報発信停滞
産地問屋の減少に伴う情報発信力の低下。
新規需要停滞
新規の陶磁器購入や買い替え需要の頭打ち。

200%AI答案KEC大原TAC
S:3代目のファッション業界経験を活かしたオリジナル食器の提案力と自前店舗の存在。(39字)①3代目社長のセンスと企画力②直営店を持ち消費者ニーズを直接収集できること。①3代目のセンスと熱意、②カフェスペース併設の小売店舗、③動画作成技術等である。3代目のセンスによる食器の企画力、提案力。地場の陶磁器関連事業者とのネットワーク。
W:ホームページの情報が不足し、X焼の認知度が低く、商品デザインの新鮮味が低い。(38字)①コロナ禍に起因する経営状態の悪化②プロモーション等の発信力の弱さ。①業績回復の停滞、②自社の存在感を高めるオンライン活用ノウハウの不足等である。卸売業としての流通機能が弱体化し、自社店舗の消費者向け販売力も弱いこと。
O:陶磁器祭りの集客に加えクリエイター志望の窯元が増え、新しい作風を受け入れやすい。(40字)①クリエーター志望者の窯元への参入②動画コンテンツ等PR手段の選択肢の増加。①事業者からのオリジナル食器の提案依頼、②消費者の動画コンテンツの反響等である。X市におけるクリエーター志望の移住者増加と、全国の家庭に関心を向ける若者の増加。
T:安価でデザイン性に富んだ外国製陶磁器が台頭し、X焼の販路が縮小し、需要が減少する。(40字)①人口減による陶磁器の新規需要・買い替え需要の低迷②安価な外国製陶器の輸入増加。産地問屋の減少で社会全体へのX焼の情報発信が停滞し、産地として販路が細っている点。X市の窯元数及び陶工の減少と、高齢化・人口減少による新規買い替え需要の頭打ち。

今日のまとめ

Q
さすがAI試験委員の作る採点基準は、ふぞろいなキーワード羅列基準よりよほど良い。でもこれだけ詳しく書かれると、今度は採点時間が足りません。
A

それは本物試験委員の採点なら、もっと割り切って大胆にバッサリ。そうでなく既に試験を終えた受験者側の自己採点なら、上記基準をAIに読み込ませ、機械採点すれば5秒で終わります。

■■ここからテンプレ■■

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