H事例Ⅰ

【史上最高傑作R7事例Ⅰ】診断士なら全員使えるMVV~事例は解くより学ぶもの

超難問かつ診断士が進む将来を示す史上最高傑作と大絶賛のR7事例Ⅰ。特にわかって書いているピン答案から、覚えた施策の並列列挙にとどまるキリ答案まで、どうみても点差が開くしかない第4問を中心に、何がどう最高傑作であるかを振り返ります。

①R7Ⅰは試験史上の最高傑作

R7Ⅰは難易度が高く、80分で満点を狙うのは困難ながら史上最高傑作と賞賛を受ける。

特に経営戦略、組織構造、人材マネジメントからマーケ施策までが複雑に絡み合い、抽象度の高い設問が多いことが特徴です。

②80分で解けない無理ゲー事例

従来のように第1問から順に解くと、第1~2問のマーケ設問が後半の組織人事施策と結びつきにくい。

さらに第4問に至っては過去問パターンに全くない初見問題のうえ150字30点の高配点になり、時間切れになりがちです。

③第3~4問の骨子が先で、第1~2問を後回し

ここは視点を変えて、組織や人材に関する第3問・第4問の骨子を先に作り、組織・人事の構造的な課題に関する根拠を先に特定します。

これらは企業の内部環境に深く関わるため強い根拠が比較的見つけやすく、残った根拠を第1・2問のマーケ問題に割り当てることで、一貫性のあるストーリーで解答を作成できます。

④MVVで書くと第4問150字がピタリと埋まる

このR7Ⅰでは、通常難しいからと後回しにしがちな第4問をMVVで解答できると、それが事例全体の解答を統合する軸となります。

そして今回の第4問の狙いは試験で点差をつけることより、150字30点でショックを与えた上で生き残った合格者が第4問の題意を正しく捉え直し、試験委員的に望ましい情報発信を促す点にあります。

【史上最高傑作R7事例Ⅰ】診断士なら全員使えるMVV~事例は解くより学ぶもの

ここで大切なのは仮にMVVが正解の1つであっても、あたかもそれが唯一の絶対解であるかの如く決めつけると、TACのクソコーチのように試験委員に毛嫌いされる。そうでなくⅠ第4問をMVVで答えた方などほぼゼロなので、資格登録後に活躍するお手本として学びます。

第4問でどのスクールも誰もMVVを知らないのには裏があり、診断士受験ホワイトカラー層の多くが勤めるJTCでは企業理念をとっくに制定済な。

MVVを実用するのは診断士の支援先たるメガベンチャーやスタートアップなので、登録後すぐ活躍したい方にはマストの良知識です。

はじめに:上位5%がR7事例Ⅰを絶賛する理由

本報告書では、R7事例Ⅰが試験委員や受験生から「史上最高傑作」「今後の事例Ⅰ対策のレベルを引き上げるきっかけ」「診断士が生成AI活用度No.1国家資格としての名声を高める機会」と高評価されている理由について深掘りします。
その上で、これらの理由にメガベンチャー/スタートアップが創業期から成長期に転じる際の「MVV(Mission, Vision, Value)」の視点を加えて、R7事例Ⅰの質とその意義を検証します。

試験合格が目的化し、自分が知らない知識や視点を否定するのがおベテの始まり。そうでなく「今知らなければこれから学ぼう」と切り替えるのが、試験委員が好む上位5%の素直さです。

Step-1:第1~4問の出題レイヤーを巧みに結合

①所定の教育効果を挙げ、Ⅰ作問は次のレベルへ

これまでの事例Ⅰは全社戦略→組織戦略→人事施策の3つのレイヤーに分かれ、それを組み合わせて難度を上げる工夫はあるものの、受験者は一定のパターンを学び、解答することで安定して60点以上を確保できました。

しかしこれに依存することは、試験の目的である実務的な思考力を測るという目的に反します。特に、単純な「A→B→C」型の因果解答では、実際の経営課題に直面したときに柔軟に対応することができない可能性があります。

②求めるのは過去問パターンと異なる統合的な思考力

R7事例Ⅰは、経営戦略、マーケティング、組織論、企業文化といった多層的なレイヤーを一つの試験で求めるという設問構成を採用しました。この構成は、単一のテーマに依存することなく、受験生に複合的な思考を促します。

例えば、第1問ではSWOT分析により外部環境と内部資源を評価し、第2問では顧客接点に関するマーケティング施策を考察、第3問では組織構造の変革を提案、そして第4問では企業理念の再定義と浸透策を問うなど、各設問が異なる視点から経営課題を捉えています。この設問構成は、受験生に対して実務で必要とされる統合的な思考を要求します。

③過去問の答やパターン暗記を避け、応用自在のビジネスケース化

試験委員としては、このような設問構成により、受験生が単に知識を暗記するのではなく、実際の経営課題にどう取り組むかを問うことができました。これにより、診断士として必要な「全体を俯瞰し、複数の要素を考慮した上で、助言や施策を構築する力」が試されます。

今後の対策としては、診断士受験産業が試験合格が目的化したノロマなFラン相手の課金ビジネスを悔い改め、本当に中小企業が成長するためのビジネススクールとして、実装力や自走力を備えた人材を育成すること。今のスクール勢では絶対無理だけど。

R1から「1次」をド易化したことで、「1次」もロクに解けないFラン層が殺到し、「課金したから合格させろ」のクレームに疲弊したスクール勢こそ実は被害者。そのベテスクールがもし復権するには、自社MVVの再定義が問われるブーメランです。

Step-2:ふぞろいSWOT&並列列挙封じ

①キーワード並列列挙ならAIの方が上

従来の事例Ⅰでは、受験生が「ふぞろい」などの定型化されたキーワードに頼り、キーワードを羅列することで高得点を得る傾向がありました。

しかし、これでは試験の目的である「実務的な課題解決能力」を評価するには限界があります。特に、与件文が短く設計されている場合、こうした定型的なアプローチが有効ですが、長文になると情報の取捨選択や優先順位の付け方が重要になります。

②優先度×重要度の判断はリアル経営と同じ

R7事例Ⅰでは、与件文がB5用紙3枚、約3,200字にわたる史上最多字数となっており、受験生は与件文の中から設問に関連する情報を素早く抽出する能力が求められました。また、設問配置においては、時間切れを意識させるような巧妙な設計がなされています。

第1・第2問では比較的簡単に見える設問で時間を使わせ、第3・第4問で複雑な思考を求め、時間内に解答する難易度を高めています。この設計は、受験生が与件文をどのように処理し、どの情報を選択するかを見極めることを促します。

③過去問崇拝100字手書きをやめて、AI作問AI解答

受験生は、与件文の情報を素早く処理し、設問に的確に対応するための訓練が求められます。特に、時間切れを防ぐためには、設問に合わせた時間配分と優先順位を適切に判断する力が必要です。

80分で100字手書き試験の前提でこのスキルを高めるには、イマドキ過去問崇拝を改めて、最新の経営時流を捉えた事例をAIで作問し、別のAIに解かせてその是非をチームで検討する。ド苦学ボッチのおベテ相手に80分のヘタクソ事例を解かせて満足させる課金ビジネスに、ゼロ以下の価値しかないと見極めます。

自らの工夫で当確を果たす上位5%にしてみれば、安売りノウハウ・決めつけパターンのふぞろいが「ボク達こそが合格者の多数派!」と名乗り、抱き着かれるのが我慢ならない。多数派=標準分布時の合格ボーダーラインでしょ、と奈落の底に蹴落とすことがセオリーです。

Step-3:過去問の範囲を超え、リアル実務に役立つ事例

①創業→成長期にシフトするにはMVV

中小企業やメガベンチャー、スタートアップは、創業期から成長期に転じる際にさまざまな経営課題に直面します。特に、多角化戦略や事業承継、新規事業の立ち上げ、そして企業理念の再定義が求められます。

これらの課題は、企業のMVV(Mission, Vision, Value)を再確認し、再定義することで解決策が見出されることが多いです。例えば、企業理念が明確でないと、組織の一体感が欠け、新規事業の方向性を見失う可能性があります。

②MVV最大のコツは理念Mission(不変)の再定義

R7事例Ⅰでは、A社が直面する課題として「収益性低下」「新規事業(木製知育玩具)の立ち上げ」「次世代リーダー育成」が取り上げられています。これらの課題に対して、A社は創業以来の企業理念「自然から頂いた木を社会に返す」という視点を基に、MVVの再定義が求められるとされます。

この点において、R7事例Ⅰは現代の経営実態に即しており、企業が成長に向けてどのように理念を再構築し、実行に移すかを試験で評価する良問といえます。

③理念を決めたら、Mission(可変)→Value(可変)で行動開始

診断士としては、企業が成長段階において直面する課題をMVV視点で捉え、どのように理念を再定義し、それを組織文化や新規事業に適用するかを考える必要があります。

受験者にとっては、企業の理念を起点に、組織改革や事業戦略を一貫して設計できる能力が求められます。

MVVの良い点は、最上位Missionを不変とするため、下位のVision・Valueは環境変化に応じて変えて良い。例えばふぞろいのミッションを「同友館の情弱ビジネスの収益最大化」とすることで、再現答案を今年何枚集めるか、次はどの支援団体をM&Aするかを変更できる。

Step-4:組織人事の「診断」を脱し、関係者浸透を促す実装力へ

①従業員のヤル気を引き出す「全員参加型」経営

従来、組織論や人事制度は、ある程度定型化されていました。しかし、企業が成長期に入ると、単純な組織図や人事制度の枠を超えた、戦略的な組織設計が求められるようになります。

特に、新規事業や組織改革を推進するためには、より柔軟で迅速な意思決定が可能な組織構造と、それを支える人材が必要です。

②MVVを関係者に浸透させる実装力を

R7事例Ⅰの第3問では、新規事業(木製知育玩具)を推進するための組織体制の変革が求められ、第4問では企業理念の再定義とその浸透方法について助言が求められました。

ここで求められたのは、単なる組織図の描画ではなく、組織改革や理念浸透をどのように実行に移すかという、診断士としての実務的な助言力です。MVV視点を取り入れることで、組織改革や新規事業の方向性を一貫して示すことが求められました。

③MVVを実装できる診断士を育む「事例Ⅰ」

受験生は、組織改革や理念再定義において、単に理論を知識として暗記するのではなく、それをどのように実践的な助言に落とし込むかを学び、実務に対応できる思考力を養うべきです。

養成機関は、組織改革や理念浸透の実例を基にした演習を増やし、受験生がより実務的な視点で助言を行えるようにする必要があります。

MVVの狙いを「従業員のヤル気を引き出し、目標に向け目線を揃えて、全員参加型経営へ」と説明できる人材はそう居ない。そこでR4Ⅳ生産性指標出題が付加価値経営定着を促したのと同様、教育&定着効果が高い診断士「2次」の初見ドッキリ出題が注目されます。

今日のまとめ

Q
R7「Ⅰ」第4問の正解がMVVとは決まっていないし、実際にそう答えた受験者はほぼゼロと言ってよい。でも試験委員の意図を正しく捉えてそれを広める上位5%と、同友館に媚びを売りノロマ相手の再現答案回収に励む隣のふぞでは、試験委員がどちらを合格させるかの優先度が明確。
A

ふぞの弱みは丸数字①②③並列列挙を吹聴し、答案7,300枚を同質化させて2割で受かるが8割落ちる点。さらに過去問の答ばかり覚えて突然変異に弱いから、事例は解くより学ぶもの。第4問のMVVこそ書けずとも、年明けから早速使い始めるあなたが大好きです。

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