どうみても試験委員に8割狙い撃たれる、合格ボーダー層ふぞろいの常に真逆を選べば8割当確へ。そこで受験生目線!を振りかざしては試験委員に苦笑いされる隣のふぞを参考に、試験委員が好む情報発信を考えます。
これまでの競争環境分析により、ふぞろい教徒の95%が何かの魔物に魅入られるかのように過去問をR6~R2へと遡り、その答えと10年分のフレーズ集の暗記に夢中と判明(※当サイト調べ)。そこで過去問PDFをNotebook LMに投入し、R1~R6の順に解かせてみます。

近年、出題テーマが広範囲にわたる傾向が強まり、単純な知識の習得だけでは不十分になっています。特に「助言」形式での問題が増加しており、受験者は与件に基づいて実務的なアドバイスを提供する能力が求められています。これは実践的な問題解決力を重視する傾向を反映しています。
企業戦略の策定において、組織構造や人事戦略の重要性が増しています。組織と人事は、戦略を実行するための基盤となる要素であり、組織論や人的資源管理に関する深い理解が求められます。この分野の知識や実務的な応用力が、企業戦略の成功に直結すると考えられています。
中小企業診断士試験では、単なる知識の暗記ではなく、与件に基づいた仮説の設定と検証能力が求められています。受験者は、与件文の情報をもとに現状分析を行い、最適な戦略を提案する形式で解答しなければならず、実際の経営課題に即した思考力が重要です。
各試験区分で5問ずつの解答が求められる中、答案作成のための「構文」の利用が有効です。効率よく論理的に答えるためには、定型化された構文を活用し、各問題に対して簡潔かつ明確な解答を行うことが求められます。これにより、答案の一貫性と可読性を高めることができます。
【過去問を解くより分析】事例Ⅰのインサイト / R1~R6「Ⅰ」作問進化をAI分析
ChatGPT, Notebook LMが口を揃えるのは、ふぞ勉をすればするほど与件キーワードとフレーズ集を100字に詰めることに熱を上げ、物事の見方が表面的で生成AIに遅れる一方。「このまま格差を広げると面白くね?」と提案してきます。
Step-1:R1~R6「Ⅰ」の事例概要
初学者が学ぶ事例はR2→R6の5年を解き進むのが原則ですが、社内のオジを「ゆで蛙」と罵るR1→解像度が急発展し全受験者を驚かせたR2の順に解き進みます。
農業用機械製造メーカーA社が、主力事業の縮小に直面し、高コスト体質や古い企業風土を抱えながら、新経営陣の下で事業転換(農作物乾燥技術への特化、試験乾燥サービス)と経営改革(人員削減、経理体制の近代化)に取り組む過程が描かれています。組織再編は熟考の末見送られています。
老舗の蔵元A社が、日本酒消費量減少により廃業危機に瀕する中、地元の有力実業家に買収され、孫である現A社長が事業を承継。レストランや土産物店、日本酒バーを新設して多角化を図り、非血縁の優秀な人材(執行役員、総務担当責任者)を登用して経営改革を進めるものの、人事管理には伝統的な家族主義的経営が残る現状を描いています。
印刷会社A社が、2代目によるファブレス化と美術印刷への特化、3代目による広告制作業への事業ドメイン拡大(デザイン部門新設、ウェブ制作)と、外部企業との連携強化、そしてそれに伴う組織変革(職人中心→ディレクション特化→デザイン部門新設、プロジェクトチーム編成)を進めてきた経緯と課題が描かれています
農業法人A社が、水稲から施設園芸(苺)へ、さらに多品種有機野菜栽培へと多角化し、地元菓子メーカーとの連携や大手中食業者との直接取引で事業を拡大。その中で、組織内の役割分担の不明確さ、季節的な繁閑、従業員の定着問題、新規就農者の確保難などの組織・人事課題に直面し、直営店や食品加工といった新分野へ展開しつつ、世代交代を検討する状況が描かれています。
蕎麦店A社が、2代目経営者の下で事業の差別化と組織体制の整備を進め、安定的な利益を確保するに至った後、原材料高騰や顧客高齢化に直面。同業のX社をM&Aで事業承継することになり、統合前の強み・弱み、統合時の留意点、組織統合、今後の事業展開が問われています。
物流サービス企業A社が、規制緩和や価格競争に対応しながら、地域物流のコーディネーターとしての役割を確立し、倉庫管理事業にも参入。世代交代を経て、長女が首都圏事業部で3PL事業を立ち上げ、長男が情報システム部を新設するなど、組織改革と事業展開を進めるが、人材不足や人事処遇制度の課題に直面し、今後の3PL事業者としての展開が問われています。
その年その年のA社の概要を100字程度で説明し、作問変化の流れを掴む工夫は、上位5%の間で予て行われてきた。Notebook LMを使うとそれを一瞬で過不足なく準備するため、これからのレベルUPしたチーム学習に最適です。
Step-2:事例6年分×4列マトリクスで進化を評価
①出題テーマの範囲拡大 | ②組織と人事の重要性がUP | ③知識解答を避け仮説・検証 | ④構文利用でスマート解答 | |
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R1:農機メーカー | 事業転換、高コスト体質改善、新規事業開発、組織風土改革、組織再編検討と、複数の経営課題が複合的に絡み合う一方で、助言問題はまだ多くありません。 | 古い営業体質や企業風土、従業員の削減という「辛い試練」とその波及効果、営業社員の新規事業への取り組み要因、組織再編見送りの理由など、組織行動や人材マネジメントに関する論点が深く問われています。 | 「ビジネスとして成功しなかった最大の理由」など、与件の具体的な記述を読み込み、その背景にある論理的な因果関係や経営者の意図を仮説として検証する能力を求めています。 | 全問が100字であり、「~要因」「~企業風土」など解答要求は明確ですが、「最大の理由」でふぞろいの並列列挙潰しと話題になりました。 |
R2:舩坂酒造店 | 設問形式は「経営ビジョン」「理由」「手順」「能力」を問うものが主ですが、第4問で「人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか、中小企業診断士として助言せよ」と、助言難化がここで始まります。 | 「ベテラン従業員を引き受けた理由」を始め、ファミリービジネスにおける組織構造の変革と、非血縁人材の活用、リーダーシップ、そして人事制度の現代化が重要な論点として浮上しています。 | 「祖父が描いていた経営ビジョン」や「買収に当たっての理由」など、与件の記述から経営者の意図を推論し、具体的な状況に即した仮説を立てて解答する必要があります。 | 全問100字であり、「~ビジョン」「~理由」「~手順」「~能力」「~留意点」といった、論理的かつ簡潔な記述が求められるため、構文による論理構築が有効です。 |
R3:2代目の印刷会社 | 技術革新と市場環境の変化への対応、事業承継、ファブレス化、事業ドメイン拡大(多角化)、サプライチェーン構築、組織変革(職人減、ディレクション業務特化、デザイン部門新設)と、広範かつ複合的なテーマが扱われています。 | 2代目から3代目への事業承継、社内人材の変革といった、組織・人材に関する記述が豊富です。特にQ2は「なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたか」と、経営者の人事戦略の意図を問うています。 | といった、組織・人材に関する記述が豊富です。特にQ2は「なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたか」と、経営者の人事戦略の意図を問うています。 | 全問100字であり、「なぜ~か」「利点と欠点」「いかに発展させるか」「長期的な課題と解決策」など、論理的な構成と複数の要素の記述を求める設問が多いため、構文による整理と記述が有効です。 |
R4:未成熟な農業法人 | 農業法人の多角化戦略を始め、多岐にわたる経営課題を扱っています。Q2、Q3、Q4-1、Q4-2と、4問中4問が「中小企業診断士として助言せよ」と、具体的な「助言」を直接的に求める形式であり、その比重が突出して高いです。 | 「従業員間で明確な役割分担がなされていなかった」「権限委譲や人員配置をどのように行っていくべきか」といった組織・人事の課題が与件と設問の重要テーマとなっています。多角化と世代交代に対応する「組織構造」の構築も問われています。 | 法人化以前の強みと弱み、大手中食業者との取引関係の築き方、新規就農者獲得・定着施策など、与件に散りばめられたA社の具体的な状況を分析し、それに即した現実的な解決策を導き出す必要があります。 | Q4-1が50字、その他が100字と、字数制限が多様です。特に50字という短字数で組織構造を提言する設問は簡潔で的確な表現が求められるため、文章をその場で構成するアドリブ能力が求められます。 |
R5:まさかの蕎麦屋 | 事業承継(M&A)、組織統合、顧客層変化への対応、事業展開(競争戦略、成長戦略)と、複数の複合的なテーマを扱ううえ、M&A後の具体的なマネジメントに関する「助言」要求が多数含まれています。 | 「X社の正社員やアルバイトから退職に関わる相談が出てきている」という記述や、Q4-1「どのように組織の統合を進めていくべきか」という設問から、M&Aにおける人事・組織統合PMIが核心的な論点となっています。 | Q1のSWOT分析、Q2の差別化の狙いは、与件の時系列的な変化と経営者の具体的な行動を深く読み解く必要があります。特に、両社の組織文化やオペレーションの違いを踏まえたX社の留意点や組織統合の進め方は、与件の分析に基づいた仮説検証が不可欠です。 | Q1が各30字、Q4-1が80字、その他が100字と、字数の減少が目立っています。特に30字の強み弱みは与件の根拠全ては使えず、「他の問題で余った根拠をここに書く」発想転換が必要でした。 |
R6:運送会社の事業承継 | 事業承継、組織再編、事業多角化(倉庫、3PL)、物流の2024年問題への対応、人事制度改革、成長戦略といった、非常に広範で複合的なテーマが扱われています。R4と比較すると「助言」要求の比重が低くなりますが、その内容は実践的です。 | 「非一族の経営幹部に任せる」「人事処遇制度はほとんど変更がなされないままであり、処遇面で不満が出ているといった記述から、世代交代における組織・人事制度の課題が重要視される。 | 単なる知識やフレームワークの当てはめでは不十分で、「長女をプロジェクトリーダーに任命した狙い」など、解像度の高い具体的な解答が求められます。 | 特に第2問のように100字で「理由と狙い」という複数の要素を簡潔に記述する設問では、構文による効率的な記述が求められます。 |
安泰なJTCで蝶よ花よと育てあげられた診断士受験者には信じられないでしょうか、中小企業では人事制度どころか、まともな昇給制度すらないのが当たり前。小さく固いオツムの100字訓練で覚えた超絶知識を書くマス目など1つもなく、組織・人事に関わる具体的で解像度の高い助言がマストな程度は弁えましょう。
Step-3:その年どこが一番進化した?
令和元年度は、③ 知識解答ではなく与件に沿った仮説検証を要求 の進化を最も意識して作問されたと推論します。与件に書かれている事実を丁寧に読み込み、その裏にある経営判断や組織変革の「理由」や「要因」を、自社の状況に即して深く考察することが強く求められています。
令和2年度は、② 企業戦略における組織・人事論点の重要度UP の進化を最も意識して作問されたと推論します。特に、伝統的なファミリービジネスにおける非血縁人材の登用と、それに伴う組織風土の変革、そして人事制度の再構築という、事例Ⅰの核心的な組織・人事課題に深く切り込んでいる点が特徴的です。
令和3年度は、① 出題テーマの範囲拡大の進化を最も意識して作問されたと推論します。特に、伝統的な製造業からサービス業への事業ドメインの抜本的な転換という、複雑で広範な経営戦略のテーマを扱いながら、最終的に「いかに発展させるか」「長期的な課題とその解決策」といった、診断士として実践的な提言能力を直接的に問う設問が多い点が特徴的です。
令和4年度は、① 出題テーマの範囲と「助言」要求の増加 の進化を最も意識して作問されたと推論します。診断士としての「助言」能力をダイレクトに、かつ多数の設問で問うている点が、この年の最大の作問意図であり、実践的な問題解決能力を重視する姿勢が明確に表れています。
令和5年度は、④ 各5問の解答要求に対する「構文」の利用可能性 の進化を最も意識して作問されたと推論します。与件文で同時に与える情報をひたすら増やして認知負荷をかけ、80分で解けなくなった事例Ⅰでは「構文」の利用可能性が高まる一方です。なお第4問の助言は少し手加減しようとしたのか、ダナドコの「事例Ⅱ」助言で正答出来る出題ミスでした。
令和6年度は、② 企業戦略における組織・人事論点の重要度UP の進化を最も意識して作問されたと推論します。世代交代とそれに伴う組織体制の変革、キーパーソン(長女、長男)の抜擢とその役割、そして人事処遇制度の課題という、組織と人材に関する論点が事例全体を貫く基幹テーマとなっており、これらのマネジメントに対する深い洞察が問われています。
Notebook LMを使い「事例Ⅰ」の進化を紐解くと、①助言の増加 ②組織・人事設問では解像度を上げ具体的に答える必要が一目でわかる。そしてR2やR1の設問を今解き直すと模範解答が全く変わるので、R6→R2に遡って答を覚えるふぞ勉が、いかに無効でわかっていないか苦笑いです。
今日のまとめ
そして試験委員はこのように、生成AIを使って過去5年分の題意を正しく読み解くアプローチを両手で歓迎。それはR7出題をさらに難しくし、試験の教育効果を高めることができるため。