99%のムダを捨てて1%の本質を捉え、周囲が驚く高パフォーマンスを叩き出す「エッセンシャル思考」。年明けの合格発表待ちのあなたも、これから試験対策を始める方も、ドッキドキで見逃せない大型連載(全5回)のスタートです。

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【どの事例が一番人気?】俺の推し事例20人アンケート / 今年はどれも良問揃い

前年より少し手加減されても、「とても歯が立たない良問だった」「ビジネスの在り方を今一度深く考えさせられた」。R6受験を終えた方から続々と、今回の新作事例への称賛の声が集まりました。

Q
半年から1年準備した試験を終え、全くと言ってよいほど歯が立たなかったが、負けた自分が清々しい。本来とても国家試験とは思えない受験側の声が相次ぐ理由を教えて?
A

それは試験に挑む狙いが、マイスキルやキャリアUPの実を取るのか、単に難関国家試験合格の名だけを追うのかの違い。特にR6「事例Ⅰ」「Ⅱ」はイマ現実に起きているビジネス課題に近く、「そうやって解決するのか」と驚く声が相次ぎます。

①実務に即したリアリティ

試験問題では、実際に中小企業が直面する経営課題を、リアルなストーリーや具体的な状況で表現しています。特に事例Ⅰや事例Ⅱでは、組織やマーケティングの現場で実際に起こり得る課題を描写し、受験者がまるで経営者の立場で問題解決に取り組むかのような臨場感を感じられる点が評価されています。

②新たな発想を引き出す設問構成

各事例は受験者の発想力や企画力を引き出すように工夫されており、特に事例Ⅱや事例Ⅲでは、従来の型にはまらない多角的な視点を求める問題が含まれています。これにより、解決策を創造的に考え、実務でも活かせる応用力が問われるため、多くの受験者から挑戦しがいのある試験として支持されています。

③中小企業支援の意義を再認識

事例問題は、ふるさと納税の価値や技術継承といった地域貢献や社会的な価値も含んでおり、診断士が中小企業や地域社会に与える影響力を受験者に実感させています。これにより、受験者が試験を通して診断士の役割に対するやりがいと意義を再確認できる点も、称賛を集める理由の一つとなっています。

【どの事例が一番人気?】俺の推し事例20人アンケート / 今年はどれも良問揃い

ではⅠ~Ⅳの中でどの事例が一番受験者に感銘を与えた? 当日再現答案提出者中まず20名に解答いただき、1位2点、2位1点で集計しました。

1位:事例Ⅱ 不振のX焼をデザインで再生(30票)

Q
R6事例Ⅱはふるさと納税本来の姿を考えさせる良問であるだけでなく。3代目のX焼との向き合い方やその後の苦難など、ストーリーに引き込まれて、思わず解答するのを忘れそうになったとの声まで。
A

一方で9,000人ほぼ全員が白紙投票に近い「感覚価値」「観念価値」は、ブランドの在り方とその伸ばし方の実際を教える極めつけの良問に。診断士=マーケに強いとの評価を固める、誰もが喜ぶ良事例でした。

①地域重視のマーケの時代に超ストライク

ふるさと納税の本来の趣旨を問う事例であり、地域社会への貢献や価値観の共有が重要視されています。アウトサイドインの視点を通じて、B社のような企業に対する前向きな助言が求められ、地域活性化に貢献する意義が再考される機会を提供しています。

②実現可能性のある独自視点の業種選定(=卸)

この事例は卸売業を扱っており、一般的な小売業や製造業の事例とは異なり、業界の上流(窯元・メーカー)と下流(小売から消費者)の関係に着目する良問です。実現可能性を高めるため、食器や調理器具としての新たな提案が現実的で、考察の幅を広げる題材となっています。

③前向きでひたむきな3代目社長のキャラ立て

B社の社長は地域の価値を守りつつも積極的な姿勢で取り組む人物として描かれ、受験者にとって企業とその経営者への感情移入がしやすくなっています。伝統と流行のバランスを図りつつ、地域社会と一体となって事業を進めるストーリー性が、読んでいて引き込まれる要素となっています。

2位:事例Ⅰ 2事業部が不仲の運送会社(21票)

Q
次点に入った事例Ⅰは、県内事業部⇔首都圏事業部の深刻な仲の悪さ+軋轢や葛藤の描き方が日曜劇場級。大企業勤めで年々高まる「部門の壁」に悲鳴を上げる、ホワイトカラー層の心を鷲掴みした。
A

2024年問題の運送業あるあると思わせ一転、後継ぎ候補として入社した長女やその長男が思わぬ県内ゆで蛙の抵抗に遭う。ドラマ以上の筋書きにご隠居様の大岡裁きが吉凶どちらに出るか、ドラマ並みに続きを知りたいとの声が殺到します。

①組織が直面する課題のリアリティ

組織や人事に関する課題に対するリアルな問題提起があり、時流を捉えた組織論が展開されています。世代間ギャップや歴史的経緯が企業の課題として描かれており、診断士としての深い洞察が求められるため、企業実務の現実感が伝わります。

②「1次」知識の応用で解ける事例設定

基礎知識を応用しやすい問題設定で、受験者が学習成果を確認しやすい構成です。実際の経営者が抱える課題に対して、具体的かつ現実的な助言が期待され、受験者にとっては、経営支援の醍醐味を味わえる良問となっています。

③創業者視点は吉凶どちらに?

事例企業の創業者の視点から課題が示されており、経営者の思いを反映した経営課題の解決が求められています。創業者の視点やその背景に共感しやすく、受験者にとっても診断士としてのやりがいを感じられる構成です。

3位:事例Ⅲ 第2、3問の切り分け至難(15票)

Q
生産知識をマス目に書かせないおベテいじめと思えば、「工程の改善」「工程管理業務の改善」を2問に分けて訊く、診断士の箱庭トークの世界以外には全く通じない、意味不明すぎる作問が好き。
A

この作問を見て、「ヨシ、来年はスクール通いだ!」と決めつけるのは、ゆで蛙のはじまり。ベテ専スクールの講義をいくら聞き漁っても、第2+3問を解けるセンスは身に付きません。

①能力向上⇔工程管理を分けて訊く良問

第2問・第3問では、生産性向上と工程管理整流化の異なる視点から考察が求められ、具体的かつ実務的な改善策が問われます。日本の製造業が抱える生産性向上の本質的課題に立ち返り、診断士の実践的な知識を試す問題となっています。

②カイゼン(ECRS)に向けたオーソドックスな出題

事例Ⅲでは、技術的な改善が問われ、理論と実務の連携が求められます。これにより、基礎から応用へと学習を深める良問であり、受験者にとっても手ごたえのある内容です。

③大手Z社を飛び出すC社長の心意気

独立して事業を行うエンジニアの挑戦を描き、技術力と自立心を試す内容となっています。元の会社や他企業へ展開できる技術力の重要性が描かれ、職人や技術者の目線からも共感できる問題設定が好評です。

4位:猫60点+計算ボーナス(5票)

Q
第2問の簿記1級論点(特別注文・追加加工)はある程度想定内で、第3問NPVも例年の宇宙語NPVに慣れた上位5%なら、(設問1)(〃2)まである程度数値が当たってしまう。そこでここでホントに10点単位の加点をするかが焦点に。
A

NPVは白紙で提出!とはしゃいだふぞろい道場の真逆を行く、10点単位の加点があり得るNPV。そこに本当に加点をするのか、ここまで簿記1級路線で良いのかも、今後の議論が待たれます。

①素点ではNPVで+10~20の加点

第2問設問2や第3問NPVに関する問題が例年通り難易度が高く、受験者の実力差が如実に現れる構成です。財務知識を駆使して複雑な意思決定が求められ、試験対策を通じて会計の全体像を把握する必要があると実感させられます。

②製造業のリアル意思決定に近い計算問題

所属する会社で行われる意思決定会計に近いテーマが盛り込まれ、現場での応用を意識した内容です。計算だけでなく、現場での判断力が問われ、受験者にとっても即戦力としての会計知識が試される問題となっています。

③解けるようで解けない~一筋縄ではいかない計算問題

1次試験の知識を踏まえて計算力が試されるため、受験者にとっても学び直しのきっかけとなる良問です。特に線形計画法などの誤解が招きやすい設問が含まれ、財務の理解度を深める機会を提供します。

今日のまとめ

Q
こうやって新作事例が、業界で大はしゃぎされるキーワードやノウハウと真逆な作問採点になるのは、9,000人にとっての了解事項。でも例年以上に、お受験対策に長年とどまるのでなく、最新のビジネスセンスを持ち込む方が加点になる。
A

こうやって再現答案作成を当日に済ませてしまえば、目先の答案の合否に目を奪われず、新作事例が伝えようとした思いに至る。そして何より3代目B社長のX焼との向き合い方に、感銘を受ける受験者が後を絶ちません。

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