同業D社が誇る詰め詰め100字の並列列挙と、上位5%が好む1文3センテンスの因果関係答案。ますます80分で解けなくなってきた事例では、実は後者の方が時短になる理由を、お馴染みAI試験委員が説明します。
そのたまたま合格なヘタクソ自慢を一掃するのが生成AIの普及。つまりどんな難しいこともわかりやすく説明する役目に注目すると、作問者の意図は手に取るように的中します。
(原因) | →(結果) | |
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1文3センテンスの構文では、導入→根拠→結論を独立したセンテンスで示します。これにより、各要素が明確に分かれ、論理的な流れが生まれます。 | ①明確な文章構成 | 結果として、解答が一貫性を持ち、読者にとって理解しやすくなります。この明瞭さが、採点者による評価を高める要因となります。 |
1文3センテンスの構成を用いることで、受験者は必要な情報を厳選し、重要な根拠に焦点を当てることができます。 | ②優先度で根拠を取捨選択 | 結果として、冗長な情報が排除され、解答が簡潔になります。これにより採点者が情報を迅速に把握でき、スムーズな理解が促進されます。 |
因果関係を構築することで、受験者は思考を論理的に整理できます。この構造は、情報が流れるように提示されるため、採点者にとっても評価が容易です。 | ③採点者が読みやすい | 結果として、読みやすい答案は採点者にとって理解しやすく、評価が高まる可能性が高いです。良い評価が得られることで、合格の確率が向上します。 |
【Ⅰ&Ⅲは解き方共通】100字構文で超速時短 / なぜ100字マス目は因果関係?
1文3センテンスの強みは、100字で一番書きやすいこと。一方でその弱みは120~140字にマス目が増えると、2文に分割しないと読みにくいこと。
Step-1:140字に挑む前に、100字の1文3センテンスでまず時短
近年の「事例Ⅰ~Ⅲ」の特徴は、80分で解かせない与件根拠のマシマシ化。そして因果の1文3センテンスには、時短効果もあると分かってきました。
(原因) | →(結果) | |
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1文3センテンスの構文を意識することで、受験者は与件の根拠を厳選し、優先順位をつけて与件を読み進みます。この想定読みにより、重要な情報を迅速に選ぶことができます。 | ①マシマシ根拠は使い残しOK | 結果として、解答を作成するための時間が短縮され、迅速に回答が可能となります。これにより、全体の解答プロセスが効率化されます。 |
因果関係を重視することで、受験者は与件を短時間で理解し、重要な要素を把握できます。これにより使う根拠の取捨選択が容易になります。 | ②読む時間の短縮 | 結果として、与件を読み取る時間が削減され、考える時間が確保されます。この時間の余裕が、より質の高い答案の作成に寄与します。 |
1文3センテンスの構造により、読み、考え、書く各段階で情報が整理されます。これにより、各段階での思考がスムーズに進むようになります。 | ③考える・書く時間の短縮 | 結果として、全体の解答作成時間が短縮され、限られた時間内で効率的に質の高い解答を提出できるようになります。これが、安定したA答案を生む要因となります。 |
Step-2:2024年1月号事例Ⅰ(LEC)で100字答案
ここで用意した2024/1月号事例Ⅰは、100字×5問の構成。そしてスクール解答のクセでブレることなく、常に同じ構文で安定解答できます。
スクール解答 | 設問 | AI答案(1文3センテンス) | 採点基準 |
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要因は、社内一貫生産体制で職人の擦り合わせ技術を社内に囲い込み、模倣困難な製法を確立したことである。また、万博での受賞実績が海外の認知度を高め、国内の百貨店でも一流ブランドと同格で出店されたことである。(100字) △並列列挙 | 第1問(要因) | 要因は、①万博での金賞受賞により知名度が向上し、②都心の高級百貨店で一流ブランドと同じ売り場に出店できたほか、③社内のインハウス生産体制により他社が真似できない独自の製法を確立したためと考えられる。(99字) 〇1文3センテンス | 理由:4×3=12点 ①社内一貫体制 ②模倣困難な製法 ③金賞受賞 理由の結果:4点 他社が真似できない高級品の評価を得た |
要因は、職人中心の人員構成で、販売を産地問屋や百貨店に依存していたことである。よって、生活様式の変化に対応した新たな用途の開発に必要な顧客ニーズの収集や、ブランドを訴求する提案力が不足したことである。(100字) △100字を2文に分割すると不自然さが強い | 第2問(要因) | 要因は、①社内の人員構成が115名中100名を職人が占めており顧客ニーズを把握できず、②市場の変化に迅速に対応できない結果、③安価な食器や代替品の流入に対抗できなかったためと考えられる。(93字) 〇1文3センテンス | 理由:4×3=12点 ①職人が大多数 ②販路を依存 ③顧客ニーズの把握不足 理由の結果:4点 安価な食器や代替品に対抗できない |
効果は、現地で顧客やデザイナーとの交流を通じて、顧客ニーズの収集や暗黙的な知識の学習を促進したこと。また、海外で開発した製品やライフスタイル提案を国内に還流させ、新たな顧客層を開拓したことである。(98字) △並列列挙 | 第3問(効果) | 効果は、①イベント参加者から陶磁器ファンの感性を学び、②デザイナーとの交流を通じて新たなニーズを収集し、③欧州のライフスタイルを提案するA社の方向性を明確にしたことで、新たな顧客層を開拓したこと。(98字) 〇1文3センテンス | 効果:4×3=12点 ①陶磁器ファンの感性 ②現地デザイナーとの交流 ③新たなライフスタイル提案 効果の成果:4点 新たな顧客層を開拓 |
地場製造業との水平分業型の製造工程を編成し、各企業の専門性を擦り合わせながら量産効果を生み出すべきである。また、直接的な交流を通じて企業間の技術や知識をオープンに共有しあい、顧客価値を共創すべきである。(100字) △並列列挙 | 第4問(助言) | A社は、①特殊な技術や専門知識を持つ地元製造業と連携し、②製品開発から製造工程までの水平分業体制を編成したうえで、③既存の製造能力を大幅に上回る量産効果を生み出し、潜在的な需要を掘り起こす連携を行う。(100字) 〇1文3センテンス | 施策:4×3=12点 ①地元製造業連携 ②水平分業体制 ③量産効果を生み出す 留意点:4点 企業間の技術や知識をオープンに共有する |
役割は、地場製造業や医療・福祉施設との橋渡しを行うことである。留意点は、デザイン開発室に権限を移譲し、現場の情報を起点に迅速な意思決定を行うことと、製造と営業を見渡せる管理者人材を育成することである。(100字) 〇役割は、留意点は、の2文構成 | 第5問(助言、新規事業) | 役割は、①深層的ニーズを掘り起こしニッチ市場を開拓することであり、②それを具現化するために工場との認識を一致させるべく、③現場感覚に基づく意思決定を行い、社長の理念が効果的に浸透するように留意する。(99字) 〇1文3センテンス | 役割:橋渡し役・・6点、その他・・4点 留意点:4×3=Max10点 ①デザイン室に権限移譲 ②迅速な意思決定 ③製造と営業を束ねる人材育成 |
Step-3:2024年4月号事例Ⅲ(EBA)で100字答案
近年の「事例Ⅰ」「Ⅲ」に共通するのは、個別業務を属人化させない標準化&生産性向上。すると元カリスマ講師のクセの強い答案を避け、「1文3センテンス」「問題点+改善策の2文パターン」でこれも安定解答です。
スクール解答 | 設問 | AI答案 | 採点基準 |
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過剰在庫や欠品が問題。生産計画を単サイクルで作成し需要予測期間を短縮する。製販会議を高頻度で開催し追加注文を生産量に反映させる。確定納入数量と実際の受注数量の差異を把握し需要予測の精度を向上させる。(99字) △やりすぎ並列列挙 | 第1問(生産管理) | 問題点は、①見込み生産の精度が低く、②欠品と過剰在庫が発生すること。改善策は、①確定納入数量と追加注文の差異を分析して販売予測精度を高め、②生産計画を柔軟に修正する仕組みを整えて収益の安定化を図る。(99字) 〇問題点+改善策の2文パターン | 問題点:4点×2 ①欠品と過剰在庫 ②(その原因としての)見込生産の甘さ 改善策:4点×2 ①確定納入数⇔受注数量の差異の把握 ②生産計画の精度UP、柔軟さ 期待効果:4点 欠品解消による受注拡大や収益安定など、何か書けば可 |
年間を通じての発注が見込まれるため、生産量が増加して稼働率が向上する。大手ペットフードメーカーの取引依存度を低下させて収益を改善できる。Z社の指導でプレミアムペットフードの生産ノウハウを蓄積できる。(100字) △やりすぎ並列列挙 | 第2問(1)(全社戦略~生産受託) | メリットは、①生産量の増加と稼働の安定により効率が向上し、②大手依存の解消によりリスクが分散され、③Z社からの指導で生産ノウハウを獲得できることを通じて経営の自由度が高まり、事業の安定が期待できること。(100字) 〇因果関係 | メリット:4点×3=12点 ①生産量増加、稼働安定 ②大手依存の解消、③生産ノウハウの獲得 それによる効果:4点 経営自由度のUPなど、何か書けば可 |
短期間で補充生産できる柔軟な生産体制の構築が課題。製品切り替え時の押出成形機の洗浄方法を標準化して段取時間を削減する。多能工を育成して複数加工工程を担当できるようにし、生産数量の変更に対応しやすくする。(100字) △やりすぎ並列列挙 | 第2問(2)(生産管理~日程+進捗) | 課題は、①受注変動への対応と厳しい欠品率を満たす、②柔軟な生産体制を構築すること。対応策は、①多能工化による生産能力向上と、②洗浄作業の標準化と段取り改善により、短納期・多品種生産に対応する。(98字) 〇課題+対応策の2文パターン | 課題:4点×2 ①短期間で補充生産する能力 ②そのための柔軟な生産体制の構築 対応策:4点×2 ①多能工育成など生産能力UP施策 ②段取り替えの工夫など短納期・複数品種対応の施策 |
生物的分類に着目する。水分測定担当を選任して水分測定や水漏れ防止を強化する。温度、圧力、時間の作業条件を数値化して遵守し、冷却時に品温測定を徹底し、原材料保管時や加工工程の微生物生残や増殖を抑制する。(100字) △やりすぎ並列列挙 | 第3問(謎の品質管理) | C社は、①品質不良発生が多い生物的項目分類に注目し、②原材料保管場所に水分測定担当者を配置して吸湿を防ぎ、③加工工程における温度、圧力、時間等の諸条件を標準化してばらつきを減少させ、製品品質を向上する。(100字) 〇因果関係 | 採点基準決定が困難 沢山書けた・・16点 そこそこ書けた・・12点 空白があったり、文章が間延び・・8点 |
動物病院向けの療法食の受注を強化する。多様な原材料の組み合わせに対応できる技術、ISO22000規格、プレミアムペットフードの生産ノウハウ、どうぶつ健康LABOの専門家との関係を活かし、高付加価値な療法食を開発し、中小ペットフードメーカー向けの受注獲得を図る。(130字) 〇因果関係 | 第4問(全社戦略~新規事業) | C社は、①高付加価値な療法食を開発し、②中小ペットフードメーカー向けに供給する。これに加え、③動物病院向け療法食市場参入に向け、④どうぶつ健康LABOの専門家と協力し、⑤自社の生産ノウハウやISO22000認証を活用して、付加価値向上を図る。(121字) 〇因果関係→120字なので2文に分割 | 事業:療法食・・4点、それ以外2点 戦略内容:3点×2 ①高付加価値な療法食 ②中小ペットフードメーカー向け 留意点:2点×3=6社内外資源を活用 ①自社生産ノウハウ ②ISOやHACCP ③どうぶつ健康LABO |
今日のまとめ
本番直前の鍛え上げた実力で、図書館で借りた「月刊企業診断」事例を構文を使って解き進む。そのとき「事例体力」を要求されるLECに比べ、他スクール事例なら80分に間に合うこともわかってきました。