H29第3問「取替投資」は講師も解けない超難問。
でも案外解ける気がする。
NPVの出題には必ず決まった計算セオリーがある。だからどんな超難問でも、答えを見れば解ける気がして当然です。そこで超難問のH29第3問でウンウン唸る前に、ブログの最新記事に解き方を教わります。
NPVの出題ではタイムテーブルを使い、毎年の税引後CFを算定。ここまでが簿記知識抜きで取れる60点ラインです。
次に「旧機械設備の除却損の税金への影響は第X1年度末に生じる」。これは決算と税金支払の関係を使う70点ラインの簿記知識。その違いを教えてくれる良記事です。
こちらは同じタイムテーブルでも、簿記を意識せずに年ごとのCFの動きの違いに注目。「旧機械売却時には損益のタックスシールドが必ず出るはず」。そう整理して解く良記事です。
そう、この2つの記事には「NPVではタイムテーブルを使い、年ごとの税引後CFをどう整理するか」。そのセオリーが共通です。
NPV出題には必ず決まった計算セオリー。さらに「Ⅳ」60点までなら簿記知識不要、70点を取るには簿記知識。そう作問するのが「出題側のセオリー」です。
具体的には、先の2記事があまり触れない「差額原価収益分析」。サガクゲンカシュウエキブンセキ? これは近年「Ⅳ」での出題が少なく、手が回りにくい「業務的意思決定会計」。イケカコで言えばLecture 6で学ぶ論点です。
そこで確実60点狙いなら対策不要。上積み70点狙いなら敢えて手を出す。イケカコを使う時間の余裕がある方なら、ここが+10点の差をつけるチャンスです。
【イケカコ】「Ⅳ」60点なら簿記不要(埋没原価)
Lecture 6 業務的意思決定会計
例題1 同額原価の無視(差額原価収益分析)
この図を眺めてピンと来ると、「Ⅳ」の計算時間が短くなります。
つまり上下の図で出す計算結果は違うけど、「2案を較べる」意思決定上は下の図でOK。これが差額原価収益の理屈です。
例題3 セグメント損益 ※出題実績あり
セグメント損益は「差額原価」ではなく、CVP分析の延長線(直接原価計算)、予算編成に近い論点です。ここはスッキリ1級参照で。
Lecture 7 活動基準原価計算
例題1 コストドライバー
診断士試験では、ABC分析は「運営」の頻出論点。点差がつかないため「Ⅳ」で問われることはなさそうです。逆にもし「Ⅲ」のサプライズ出題があれば、ガッツリ稼げます。
今日のまとめ
業務的意思決定会計は、なぜ「Ⅳ」で出ないの?
いえ、正確には過去12年で4回出題されていますが、簿記の知識有無で合否を決めたくない。つまり、
A判定60点までは簿記の知識抜きで取らせたい。最近の出題傾向からそう読み取ると、限られた経営資源である「時間の使い方」が変わります。
「Ⅳ」60点で我慢すれば →簿記の知識は埋没原価。スコアを大きく左右しない。 |
「Ⅳ」70点を無闇に狙うと →簿記論点に深入りすると沼より深く、「Ⅰ~Ⅲ」の学習時間を奪う機会原価。 |
へぇ、差額原価収益分析って面白そうだね?
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