診断士取得後、企業内外でバウンダリーに活躍予定のあなたのために。経理部と仲良くする利点とコツを紹介します。
ChatGPTはそんな言葉使いはしませんが、組織とは防衛本能から壁を作りたがるものです。バウンダリーパーソンには、その心理の壁を超えるコミュ力が欠かせません。
AIやデジタルツールの普及により、企業内の部門間の壁が低くなり、バウンダリーパーソンの役割が重要になっています。例えば、営業部門とエンジニアリング部門が直接コミュニケーションを取り、新しい製品のアイデアを生み出すことが可能になっています。
バウンダリーパーソンは、部門間の情報を集約し、それを分析する必要があります。そのため、数字のスキルが必要になります。例えば、営業部門とエンジニアリング部門の意見を統合し、新しい製品の開発コストや収益性を試算する必要があります。
経理部門は、企業の財務状況を管理し、各部門の数値を集計する役割を担っています。バウンダリーパーソンは、経理部門と協力し、部門間の数字の調整や分析を行います。例えば、営業部門とエンジニアリング部門の売上予測を統合する際には、経理部門のアドバイスを仰ぐことが必要です。
企業の経理部=時々役立つコミュ障と思えば、彼らの共通用語で話せば良い。経理のプロであるサイト主が、役立つ用語をこっそり教えます。
【GWはゆるーくslack】経理を味方にバウンダリー / 一般に公正妥当な会計用語
あれは身内⇔敵を区別する合言葉。一般に公正妥当な会計基準=Generally Accepted Accounting Principle=GAAP(ギャップ)と唱えると、経理の人と仲良くなれます。
1⃣日本会計基準J-GAAP~企業会計原則
それを企業会計原則の7つの一般原則と呼び、ここさえ押さえると経理部はマタタビを嗅いだ猫より大人しく、素直になります。
企業会計原則の一般原則 | 原則の説明 | 守らなかったときの失敗例 | 守るべき手順 |
---|---|---|---|
真実性の原則 | 不正や不当な利益操作などがない正しい財務諸表を作る | 取引の隠蔽や情報の改竄など | 認められた会計基準の範囲で、その基準に従って作成する |
正規の簿記の原則 | 会計帳簿は、法令や会計基準に合致して作成する | 法令違反や会計基準の無視 | 期間中の全ての取引を客観的に検証できる方法で記録する |
資本取引・損益取引区分の原則 | 資本取引と損益取引を明確に区分し、それぞれ正確に計上する | 株式発行による剰余金を利益剰余金と混同して配当してしまう | 特に資本取引の性質を正しく判断し、適切な区分で記録する |
明瞭性の原則 | 記録や報告は明確で分かりやすく、誰でも理解できるようにする | 難解な会計処理や分かりにくい報告書 | 理解しやすい明瞭な表示をし、貸借対照表や損益計算書だけではわからない情報は注記する |
継続性の原則 | 一度採用した会計方針を継続して適用する | 処理の不一致や方針の変更 | 会計方針を適切に検討し、継続して適用する |
保守主義の原則 | 取引や事象の発生に関して、損失を過小評価し、利益を過大評価しない | 取引の損失を隠蔽することで利益を水増しするなど | 収益は確実なものだけ計上し、費用は不確実なものまで見積もって計上する |
単一性の原則 | 会計処理や報告において、もとになるのは1つの会計帳簿である | 事実の改竄したり、二重帳簿を作ってはいけない | 会計帳簿は必ず1つにまとめ、事実を変えて作り変えてはいけない |
常に冷静沈着な経理パーソンにとり、わざと難解な文章を書く(明瞭性の原則)、絶対合格!と喚き散らす(保守主義の原則)など論外な。
2⃣国際財務報告基準IFRS~ International finacial reporting standards
IFRSとは国際財務報告基準(≒会計基準)のことで、日本でも導入が進んでいます。特に上場企業やグローバル展開する企業では、IFRSを採用した財務諸表の作成が求められることがあります。
IFRSは、世界中の企業が共通の会計基準に従って財務諸表を作成することを可能にします。これにより、企業の財務情報が国際的な比較に耐えるようになり、投資家や金融機関などがより正確な情報を得ることができます。
FRSは、原則主義に基づいて策定されています。つまり、企業が財務諸表を作成する際に、原則に基づいて判断を行うことが求められます。これにより、企業が自己都合で財務諸表を操作することが困難になり、投資家や金融機関などがより信頼性の高い情報を得ることができます。
IFRSは、継続的な改定が行われることで、最新の情報に基づいた財務諸表作成が求められます。これにより、財務諸表が常に最新の情報を反映し、投資家や金融機関などがより正確な情報を得ることができます。
この内容では堅苦しいですね。中小企業診断士らしくわかりやすい表現で、かつ不正確にならないように言い換えます。
IFRSは、国際的な会計基準であり、企業の財務情報を一定の基準で報告することを目的としています。各国の会計基準が異なると、企業の財務情報を比較することが困難になります。そのため、各国の会計基準をIFRSに準拠するように統一していくことをコンバージェンスといいます。この取り組みによって、企業の財務情報を国際的な基準で比較することが可能になります。
IFRSは、国際的な会計基準の1つであり、英語で書かれた基準です。ただし、IFRSを理解するためには、英語力が必要なわけではありません。IFRSは、基本的な会計原則が組み合わさってできています。したがって、英語で書かれたIFRSを理解するためには、英語よりも日本語の企業会計原則を理解する方が重要です。
IFRSは、企業の財務情報を報告するための基準であり、各国の会計基準と異なり、細かい規定が定められていません。したがって、企業は最低限の会計原則を理解し、自社のビジネスに合わせて応用する必要があります。ビジネス環境は常に変化するため、細かい規定に縛られるよりも、基本的な原則を理解し、柔軟に対応することが重要です。
3⃣会計用語の学習=コミュ力向上への第一歩
はい。資格試験を通じて会計知識を学ぶことは、社内の異なる部門と数字でコミュニケーションできるためとても有益です。さらに他部署の業務内容に理解を深め、会計情報として説明することもできます。
部門の壁を超える、異部門間のコミュニケーションへ
①部門間の壁を越えて情報共有することがビジネスの成否を分ける。他部署の業務内容を理解し、知識の幅を広げることが重要。
②部門ごとに専門用語が異なるため、相手が興味を持つ分野や用語を理解することが大切。それによって、コミュニケーションがスムーズになる。
③交渉においても同様に、相手が求めるものを理解することが重要。そのためには、他部署の業務内容や専門用語に精通していることが必要。
今日のまとめ

そう、会計用語といっても合言葉か英語のどちらかだから怖くない。そして会計は世界標準へとコンバージェンス中。つまりふぞろい→お揃いに必ず進化することがポイントです。