J事例Ⅲ ★To-Be目指す答案

【R4Ⅲモデル答案】目立つ強みのない板金加工業者がPB受託で一石三鳥

「2次」の作問採点が毎年変わり、過去問の答を覚える勉強=OUTと全員気が付く。そこで初学⇔経験者を問わず、2023年「1次」を受ける予定の方は、 答を覚えない方の過去問集を7冊セット1万円強で入手しましょう。
■■テンプレここまで■■
部品支給方式:委託加工において、予め指定した部品を有償無償で供給し生産させるやり方
部品は並でも奥が深い

短納期・小ロットに金型と既視感だらけの「Ⅲ」ですが、①一般論や過去問の答に引きずられず、②支給された与件根拠で書くのがマスト(60点)。③少し離れた隠しヒントに気付けばベストです(70点)。(100字)

前年のカバンと違い、金型・短納期・小ロットと来れば段取改善がド鉄板に。ところが「与件の根拠を使え」〜部品支給方式の制約が入ると、採点係のやりたい放題な。

今年の4事例総難化の中では「見覚えのある」既視感で安心させた「事例Ⅲ」。ところが過去問で覚えた答をつい書くと、どんな事態にハマる? 1問ずつ見ていきます。

Q
第1問(20点)
2020年以降今日までの外部経営環境変化の中で、C社の販売面、生産面の課題を80字以内で述べよ。
A

販売面の課題は、観光需要減に対応し、自社の強みで成長市場での高価格化を図ること。生産面では、短納期要請と小ロット化に対応しつつ、金型工程での若手養成を進めること。(80字)
(伏線)赤線部分の根拠を第5問で回収。

Q
第2問(20点)
C社の主力製品であるプレス加工製品の新規受注では、新規引合いから量産製品初回納品まで長期化することがある。しかし、プレス加工製品では短納期生産が一般化している。C社が新規受注の短納期化を図るための課題とその対応策を120字以内で述べよ。
A

課題は、①仕様や設計の確認や変更による設計期間長期化と、②繰返と個別受注で異なる設計業務の混乱の2つを避けること。対応策は、①3次元CAD活用で確認や変更を効率化し、②金型と板金加工の設計作業を分離して、設計開始から完成までの期間を短縮する。(120字)
【変更履歴】
2022/11/2 新規受注と直接関連しない「生産計画週次化」を第3問に移動

Q
第3問(20点)
C社の販売先である業務用食器、什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。また、検討しているホームセンターX社の新規取引でも、1回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべきC社の生産面の対応策を120字以内で述べよ。
A

C社は、①プレス加工機ごとの担当制を改めて相互応援の複数名体制により段取作業を時短し、②基準日程の加工数量を1日分より小さくし、③生産計画と納品を月次から週次に変更して社内製品在庫を削減し、小ロット化が進む繰返受注の発注方法変化に対応する。(120字)
【変更履歴】
2022/11/2 生産計画を月次から週次、を追加

Q
第4問(配点20点)
C社社長は、ホームセンターX社との新規取引を契機として、生産業務の情報の交換と共有についてデジタル化を進め、生産業務のスピードアップを図りたいと考えている。C社で優先すべきデジタル化の内容と、そのための社内活動はどのように進めるべきか、120字以内で答えよ。
A

C社は、仕様や設計の確認や変更が多い金型設計のデジタル化を優先する。①ベテラン技能者と若手を組んで金型組立・仕上工程を任せ、②習熟した技能を若手に承継させて養成し、③同時に情報の交換と共有を紙ベースからデジタルに移行させる社内活動を進める。(120字)
【補足】
2022/11/3 金型設計を若手ペアプログラミングでデジタル化と決め打ちしたが、周囲のスクール解答は平凡なDRINK解答に終始しており、しまった感が満載。。

Q
第5問(配点20点)
C社社長が積極的に取り組みたいと考えているホームセンターX社との新規取引に応えることは、C社の今後の戦略にどのような可能性を持つのか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
A

X社との新規取引は、①海外生産品仕入価格の高騰により取引が長期的に持続し、②成長するアウトドア商品での高価格を実現し、③C社の課題である短納期要請、小ロット化若手養成への対応力を高める可能性を持つ。(100字)
(伏線回収)第1問で選んだ課題をラス問で回収するのが鉄板。

部品(根拠)は有り余るほど支給するから、コレ使え。その制約条件に背き、「データベースを一元化!」 訊かれていない知識をうっかり書くと、高確率でバツが付く作問です。

第1問
第2問
第3問
第4問
第5問

第1段落【企業概要】プレスと板金の2つの金属加工品

C社は1964年創業、資本金2,500万円、従業員60名の金属製品製造業である。製品は、売上の7割を占めるアルミニウムおよびステンレス製プレス加工製品(以下「プレス加工製品」という)と、残り3割のステンレス製板金加工製品(以下「板金加工製品」という)である。プレス加工製品は金型を使用して成型する鍋、トレー、ポットなどの繰返受注製品で、板金加工製品は鋼材を切断や曲げ、溶接加工して製作する調理台、収納ラック、ワゴンなどの個別受注製品である。どちらもホテル、旅館、外食産業などの調理場で使用される製品で、業務用食器・什器の卸売企業2社を販売先としている。

第2段落 C社の強み

C社は、卸売企業が企画する業務用什器の板金加工製品を受託生産する企業として創業した。その後金属プレスや金型製作設備を導入してプレス加工製品の生産を始めている。難易度の高い金型製作技術の向上に努めて、ノウハウを蓄積してきたため、コスト低減や生産性向上に結び付く提案などが可能である。

第3段落 ホテル外食向けインバウンド需要の減少

近年は観光需要で受注量は毎年増加していたが、2020年からの新型コロナウイルス感染拡大による外国人の新規入国規制や、外食産業の営業自粛による影響を受けて減少している。

第4段落【生産の現状】

生産部門は、生産管理課、資材課、設計課、金型製作課、プレス加工課、製品仕上課、板金加工課、品質管理課で構成されている。

第5段落 プレス加工の生産プロセス

プレス加工製品の生産プロセスには、金型を製作する金型製作工程と、その金型を利用して同じ製品の繰返受注生産を行う製品量産工程がある(次ページの図参照)。

第6段落 最長1ヵ月の試作期間

C社の金型製作工程は、発注元から提示される形状やサイズの概要を現したデザイン図を基に仕様を確認した後に「金型設計」を行い、金型を構成する部品を製作する「金型部品加工」、加工した部品を組み立てる「金型組立」、その後の調整や研磨などを行う「金型仕上」を経て、「試作確認」を行い、さらに試作品の品質を発注元との間で確認して完成する。設計開始から完成までの金型製作期間は、難易度によって異なるが、短いもので約2週間、長いもので約1ヵ月を要する。

第7段落 設計混乱で納期遅延

金型設計」は、設計課が2次元CADを活用し担当している。発注元との仕様確認が遅くなることや、発注元からの設計変更、仕様変更の要請があり、設計期間が長くなることもある。また設計課では、個別受注の板金加工製品の製品設計も担当するため、設計業務の混乱が生じ金型製作期間全体に影響することもしばしば生じている。

第8段落 重要工程の若手育成

金型組立」、「金型仕上」は、プレス加工技術にも習熟するベテラン技能者が担当しているが、高齢化している。担当者は、金型の修理や改善作業も兼務し、製品の品質や製造コストに影響を及ぼす重要なスキルが必要なことから、若手の養成を検討している。

第9段落 受注・納品は月ベース

金型が完成した後の製品量産工程は、発注元から納品月の前月中旬に製品別の生産依頼数と納品指定日が通知され、それに基づいて前月月末までに「月度生産計画」を作成して「資材発注」する。プレス加工課では「プレス加工」を行い、製品仕上課で取っ手などの部品を組み付ける「製品部品組付」と製品の最終調整をする「製品仕上」を行い、通常月1回発注元へ納品する。

第10段落 プレス加工がボトルネックに

C社の「プレス加工」は、生産能力に制約があり、C社全体の生産進捗に影響している。プレス加工機ごとに担当する作業員が材料の出し入れと設備操作を行い、加工製品を変えるときには、その作業員が金型交換作業と材料準備作業など長時間の段取作業を一人で行っている。

第11段落 大ロット生産と製品在庫

プレス加工製品の生産計画は「プレス加工」の計画だけが立案され、「製品部品組付」、「製品仕上」はプレス加工終了後の作業する。生産計画は、各製品の1日間の加工数量でそれぞれの基準日程を決めて立案する。以前は発注元もこれを理解して、C社の加工ロットサイズを基本に発注し、C社で生産した全量を受領して、発注元で在庫対応していた。しかし、最近は発注元の在庫量削減方針によって受注ロットサイズが減少している。ただC社では、基準日程によって設定しているロットサイズで加工を続け、確定受注量以外はC社内で在庫している。

第12段落 社内業務は紙ベース

C社の発注から納品に至る社内業務では、各業務でパソコンを活用しているが、情報の交換と共有はいまだに紙ベースで行われている。

第13段落 【新規製品事業】ホームセンターX社

数年前C社では受注拡大を狙って、雑貨・日用品の商談会に出展したことがある。その際商談成立には至らなかったが、中堅ホームセンターX社から品質を高く評価された。今回そのX社から新規取引の商談が持ち込まれた。

第14段落 アウトドア商品PBの打診

X社では、コロナ禍の2020年以降も売上が順調に推移しているが、その要因の一つとしてアウトドア商品売上の貢献がある。しかし新型コロナウイルスのパンデミックにより、中国や東南アジア諸国企業に生産委託しているPB商品の納品に支障が生じて、生産、物流など現在のサプライチェーンの維持が難しくなっている。また今後も海外生産委託商品の仕入れ価格の高騰が懸念されることから、生産委託先をC社へ変更することについてC社と相互に検討を行った。

第15段落 S×Oで新規事業へ

C社社長は、当該事業の市場成長性と自社の強みを考慮して戦略とビジネスプロセスを見直し、積極的にこの事業に取り組むこととした。

第16段落 中→高価格帯シフトを期待

X社の要請は、X社のアウトドア用PB商品のうち、中価格帯の食器セット、鍋、その他調理l器具などアルミニウム製プレス加工製品の生産である。ただC社社長は、今後高価格な製品に拡大することも期待している。

■■ここからテンプレ■■

-J事例Ⅲ, ★To-Be目指す答案

PAGE TOP