おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

J事例Ⅲ

【合格予定者のイノベーション(Ⅲ)】第2~4問はピタリつながるパズルのピース。全問完答者は多分ゼロ。

内需は回復したが受注量がまとまらず、従前の大ロット生産では在庫の山。

H27 やたら短納期化ばかりを目指す鋳物メーカー
H28 QCDが全てダメダメでたらめ子会社
H29 TVドラマから抜け出たような若専務の奮闘

H27までの短納期一辺倒を卒業し、H28から出題の本気度で牙を剥く「事例Ⅲ」。ところがH29までの「こんな製造現場ありえねー」から一転し、教科書にそのまま載せてよいほどリアルなC社。それが受験者5,000人の度肝を抜いたのは知っての通りです。

寸劇:とあるC社の生産会議

(C社長)短納期化、小ロット化、多品種少量化に応えねば。ついでにジャストインタイムもマスト。

(第3問:生産管理課)在庫の山になるのは成型課の大ロットのせいじゃね?

(第2問:成型加工課)小ロットにするには段取り時間を短くしないと。でもそれ金型課のせいじゃね?

(第4問:金型製作課)ゴメン、では生産管理(現品管理)のコンピュータ化を進めよう!

つまりリアルであるが故、第2~4問の設問と根拠の紐付けがパズルの様にピタリとはまり、1つズレると連鎖的な大事故に?

さらに受験者5,000人を落胆させたのが、各スクールの模範解答がコピペまがいに瓜二つなこと。自分の答案と見比べ、「アレ、俺やらかした?」 そこでそっくりになる理由、ズレる理由を確かめます。

【合格予定者のイノベーション】受験校のマンマシーン解答はなぜコピペのように瓜二つ?

スクールによる第2問模範解答は瓜二つ。それは生産統制では「誰でもできる標準作業」が前提であり、「80分以内で手書き」の制約を外すと、必ず同じ正解に至るからです。

※注) 以下はネットに公開されている各スクールの模範解答を引用したものです。著作権法の基準に従いリンクを貼ることで出典を明示していますが、不適切な点などありましたら削除いたします。

第2問マンマシーンの正解は、①作業者の段取り移動時間の改善 ②成型機の待ち時間の解消の2点。

スクールA
問題点は、作業者の段取り作業と成型機の手待ち時間が長く生産性が低い事である。改善策は①時間を多く割いている作業中の移動作業を改善の上待ち時間の間に行い外段取り化する②製品の加工順番を合理的に変更し昼休み中も機械を稼働させる事で稼働率を上げる。
スクールE
問題点は①作業内容は作業者と成形機の待機が多く手待ちのムダがある。②段取り作業は金型や材料の移動が多く運搬のムダがある。改善策は①稼働中の外段取り化、昼休み中の稼働で待機を減らす。②金型や材料は成形機の近くを保管の定位置とし移動を短縮する。
スクールD
問題点は、作業者の待ちの多さや昼休み中の成形機の待ちなど作業効率の低さである。改善策として、成形機2の作業から着手し、昼休み中に両成形機を稼働させ、終業前に翌朝の段取り作業を済ませる。また、次の成形用の金型・材料の移動を待ち時間中に済ませる。

だがどっこい。事例の解答を事前に用意しておく「外段取り」に慣れ親しんだ受験者5,000名は、この初見問題にやられっ放し。①図2を使わない制約違反 ②マンマシーンの読み取り不足 ③第4問の根拠をここで使ってしまうコンタミ。そんなエラーが試験会場のあちこちで。

すると第2、3、4問を通しで正解する方はほぼ皆無。皆どこかを当てたり落としたりして、トータルすると点差がつきません(※マンマシーンをピタリ正答すると特別ボーナス20点)。

トータルで平準化するなら、設問ごとには点差をつけても文句は無いな。

出題者はそうニヤリとし。テクニカルキーワードの加点などより、最近注目の「問題を発見し、解決しようとする姿勢」に部分点を与え出すのでは。そんな採点基準の進化に期待が膨らみます。

今日のまとめ

今回の事例Ⅲは、スクール各社の採点サービス結果に注目。

Ⅲの「各社採点結果」⇔「協会開示得点」はかなりの差が開くと睨みます。明確なのは、第2~4問を全部当てた人はまずいなく、第2問をピタリ当てた方なら突き抜け70点。すると他にバラついた答案から、どこを合格ラインにしてくるか。

ほらね、当試験の採点基準とは、やはり出題側の専権事項です。

■■ここからテンプレ■■

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-J事例Ⅲ

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