J事例Ⅲ

【事例Ⅲ速報】難問に備え余力を作るとイージーモード

R5~6のⅢ難化に怯え、今年はまさかの大ボーナスに? そう思って挑んだ今年は拍子抜けのダメダメC社で、かつ因果で最も書きやすい60字マス目が続くイージーモードに。そして手応え⇔スコアが全く一致しない以外な結果を迎えます。

①ふぞろい以外はⅢ難化に備え

自分がなぜ合格したのが、何が難化でどこが易化すら全く知らない隣のふぞろい。アレの間抜けな合格悪ふざけを除き、誰もがR7「事例Ⅲ」は再び難化すると思って身構える。

②まるで欠点が見つからないC社で練習

そして試験委員が今年狙い撃ちするならふぞが苦手な「Ⅲ」だろう、よってふぞろいが想定もしない「Ⅲ」が出るだろう。誰もがそう思いつつ「Ⅲ」の問題用紙をめくる。

③まさかのダメダメC社がイージーモード

だが蓋を開けると、出題された事例Ⅲは準備した最高レベルより低く、R4以前のような定型的な内容でどうやっても点差がつかない。つまり「できた手応え」と、「それで点差がつくかは別問題」とわかる。

④事例ⅠⅡⅣで差が開き、Ⅲは安心60点で。

結果的に4事例を振り返ると、ふぞがもともと苦手な「Ⅳ」はもとより、第3~4問がどうみてもふぞろい除けの「Ⅰ」、150字の3C分析に配点たった15点の「Ⅱ」と、二重三重のふぞろいトラップ。よって「Ⅲ」は与件根拠を因果で並べる60点で足りるとわかる。

【事例Ⅲ速報】難問に備え余力を作るとイージーモード

今振り返っても、ふぞ18P.98 の「理由は①②③。以上により○○」見せかけ因果は文章破綻の支離滅裂以下。もしこのR7「Ⅲ」イージーモードが見せ球で、次期R8でふぞを泳がせ一刀両断したら、冗談にしても出来すぎな。

出題の趣旨(AI作成)

本事例は、製紙用・産業用・建築用の紙パイプを製造・販売する中小企業C社をモデルとしています。C社は、社会環境の変化(ペーパーレス化、サステナビリティ意識の高まり、物流の制約、エネルギー費・資材高騰)に対応し、収益性の強化と新事業への参入を目指しています。この事例を通して、受験者が以下の能力を有しているかを評価します。

  1. 企業環境分析能力: C社の事業特性を踏まえ、強み・弱みを特定する
  2. 問題発見・課題設定能力: 非効率な生産、不安定な品質、急な計画変更や資材不足といった諸問題を整理し優先順位をつける
  3. 改善策策定能力: コストダウン→在庫に頼らない工程管理→医療食品向け品質基準対応への具体策を示す。

特に、中小製造業が直面する多品種化・少量生産への対応、労働力不足、品質確保、そしてデジタル化を見据えた生産管理・品質管理の基本とOJT/Off-JTによる人材育成・技術伝承の重要性を理解しているかを問います。

ここ数年のかなりマシなC社から一転し、R7はダメダメC社に逆戻り。この有様で新規事業など無理じゃね?そう言いたい所を我慢し、60点狙いの安全解答に徹します。

経営課題5選→各設問との対応

経営課題根拠となる与件表現対応する設問
①生産効率低下とコスト増・製造時間短縮が課題、深夜・早朝残業が増えている 。
・原料紙の機械セットに際して立ち上がりロスによるムダも生じている 。
・原料紙が不足した際の原料紙待ちによる作業停滞もしばしば発生している 。
第2問
②不安定な品質でクレーム増加・接着剤の塗布方法や成型機の巻き取り方法の相違による厚さや強度などの品質のバラツキが最近問題 。
・顧客からのクレームが増加している 。
・クレームや不適合品発生の記録、原因追及、再発防止までは手が回っていない 。
第2問
第4問
③経験と勘頼みで属人化・作業方法はベテラン作業者の経験と勘によるものが多く 。
・ベテラン作業者の高齢化、定年退職者、技術やスキルの承継が必ずしもうまくいっていない 。
第4問
④そこに割り込む特急対応・顧客からの仕様変更や特急受注が1割程度あり 。
・突発的な製造計画の変更は紙のメモで指示され、そのたびに工程の混乱の要因となっている 。
・出荷に間に合わせるための製造時間短縮が課題となっている 。
第3問
⑤この有様で新規事業?・新事業は比較的製品単価が高い食品用や医療用の紙パイプ 。
・新たな顧客が求める厳密な品質基準に対応する必要がある 。
第4問

設問・解答例

第1問(20点) 全社戦略SW

Q
C社の(a)強みと(b)弱みについて、それぞれ60字以内で述べよ。
A
【構文】事例Ⅲ60字は最も因果で書きやすい。ここは丸数字並列列挙をマストで避けて、事実→理由→強み/弱みの因果で記述。
【解答例】
強み:製紙メーカーX社から原料紙仕入れや技術指導を得られ、再生紙利用で循環型社会に貢献し、産業用建築用でも顧客の評価を得る点。(60字)
弱み:経験と勘に頼る作業で品質が不安定になり、技術承継が進まずムダが生じている上、計画変更に弱くクレーム対応体制も不十分な点。(60字)

第2問(30点) 製造コストダウン課題と改善策2点

Q
C社経営者は、収益性強化のための製造に関してのコストダウンに取り組む方針である。そのために特に重要と思われる課題を2つあげ、各課題に対しての改善策とともにそれぞれ60字以内で述べよ。
A
【構文】課題を訊かれた時は、問題点→施策→効果の因果で。ここも60字は最も書きやすい。
Aの課題に対し、Bすることで、Cに改善する。
【解答例】
1)品質バラつきのクレームコスト削減課題に対し、ベテランの経験と勘に依存する作業を標準化し、技術承継を進め安定品質に改善する。(60字)
2)立ち上がりロスや人件費削減の課題に対し、突発的な計画変更を見直して製造効率を上げ、計画外のムダと残業を減らして改善する。(60字)

第3問(20点) 在庫レス納期対応の助言

Q
C社では、繰り返し受注頻度の多い一部製品の在庫を保有して見込み生産を行うか検討してきたが、経営者は経営上のリスクに鑑み、製品在庫をもたず納期に対応できる工程管理の改善を進めることとした。それを実現するために必要な対応策について、100字以内で助言せよ。
A
【構文】助言=「C社は、」で書き始めると主述が安定。
C社は、Aであり、Bで対応することで、Cになるよう工程管理を改善する。
【解答例】
C社は、週次製造計画の精度を高めて計画に基づく日次の作業指示を優先し、紙のメモによる計画変更は電子化して可否と進捗を可視化し、工程混乱や資材不足による手待ちをなくし納期遵守できるよう工程管理を改善する。(100字)

第4問(30点) 新規事業に向けた社内取り組み助言

Q
C社では、新事業展開として食品用や医療用の紙パイプ製品への参入を検討している。それを実現するために必要な社内の取り組みについて、120字以内で助言せよ。
A
【構文】120字以上は2文分割で。
C社は、Aであり、Bをして、Cになるよう社内で取り組む。これにより、Dすることで、Eの製品参入を図る。
【解答例】
C社は、食品・医療用製品に必要な品質基準に対応するために製造条件を明確にし、ライン長中心に品質管理体制を強化して、品質の安定性を高めるよう社内で取り組む 。これにより、クレームの原因追及と再発防止の仕組みを定着させ、新事業製品への参入を図る。(120字)

与件文+設問別マーカー

❶企業概要

【企業概要】
C社は、1947年に創業、資本金5千万円、従業員数40名、年商約8億円の企業である。現在の主力製品は製紙用、産業用、建築用の紙パイプであり、販売は包装資材メーカー数社である。

❷製紙メーカーの原材料と技術供与で事業スタート

C社は、製紙メーカーX社から製造技術の指導と原材料の提供を受けて、上質紙・新聞紙などロール状に巻く製品の芯となる巻き取り用紙パイプの製造から始まり、感熱紙、インクジェット紙など各種製紙用の巻き取り用紙パイプに拡大してきた。原料紙は、現在もX社から安定的に仕入れることができている。

❸包装資材メーカー経由に商流変更

その後、X社からの要請により、包装資材メーカーを通してX社へ販売されることとなった。さらに、包装資材メーカーが製紙用以外にも紙パイプの用途を広げたことにより、産業用、建築用への事業拡大の契機となった。

❹使い勝手に顧客の評価

産業用では、粘着テープ、農作用ポリフィルム、包装材など各種フィルムの巻き取り用として使われる。建築用は、紙パイプ内にコンクリートを流し込む型枠材として、またコンクリート施工時に配管用などの穴を開けておくための型枠材として使われており、コンクリート凝固後の抜き取りやすさが顧客から評価されている。

❺底堅い紙需要とサーキュラーエコノミー

ペーパーレス化などで紙需要は縮小傾向にある一方、食品用や医療用の製品の需要増加やサステナビリティ意識の高まりにより素材のプラスチックから紙への動きもあって、紙加工品のニーズが高まることが期待されている。C社製品の原料紙は現在ほとんどが再生紙であり、エンドユーザーが使用後は産業廃棄物処理業者を経由して製紙メーカーの原料紙となることから、C社は循環型社会醸成の一翼を担っているともいえる。C社としても、世界的な持続可能社会指向の中、紙の有効活用として紙パイプ需要の喚起を図ることを課題としている。

❻コストダウンで収益性強化

C社経営者は、安定した人材確保のための今後の人件費増加や、さらにエネルギー費・資材高騰が続くと想定される中、製品の高付加価値化、コストダウンによる収益性強化を図ることが重要と考えている。

❼5つの製造ライン

C社の製造部門は、工場長以下、5つの製造ラインごとにライン長がおり、その下に作業者が配置されている。

❽紙パイプ製造ライン

紙パイプ製造の主な工程は、以下の通りである。
①原料紙を帯状にカット
②原料紙に接着剤塗布
③原料紙を成型機にセット
④成型機で巻き取りながら一定の長さのパイプ状に成型
⑤乾燥
⑥仕様の長さに切断加工
⑦検品・梱包
⑧出荷

❾完全受注生産

生産形態は、顧客から依頼された仕様に基づいて受注生産であり、製品在庫はもたない。

❿見込み生産の可否を検討

製紙用、産業用、建築用とも製品多様化が進んでいるとともに、プラスチックなど他素材から紙製品へのシフトが進む中で、C社でも製品アイテム数が増加している。一方で運送業者の2024年問題などによるドライバー不足もあり流通条件の制約が厳しくなっている中、出荷に間に合わせるための製造時間短縮が課題となっている。しかし、製造人員の人材不足もあり出荷に間に合わせるため深夜・早朝残業が増えている。その改善策として、繰り返し受注頻度が比較的多い一部の製品については見込み生産とし、敷地内に新たに倉庫を建設して製品在庫を保有することも検討しているが、経営者は新たな設備投資や資金繰りへの影響を懸念している。

⓫ホワイトボード生産計画と紙メモによる製造計画変更

顧客の発注は、月末に次月の発注予定の提供があり、毎週末に次週の発注が確定される。C社の製造指示については、顧客からの確定した発注情報に基づき工場長が毎週末に次週の週次製造計画を作成しており、その計画を製造現場に設置しているホワイトボードに記載して製造指示を示している。製造リードタイムは2日間である。また、顧客からの仕様変更や特急受注が全受注件数の1割程度あり、突発的な製造計画の変更は紙のメモで作業担当者に指示され、そのたびに工程の混乱の要因となっている。

⓬ベテラン後継問題と生産切り替えロス

各製造ラインにはベテラン作業者を配置していた。作業方法はベテラン作業者の経験と勘によるものが多く、そのベテラン作業者の高齢化が進んでおり、定年退職者が発生している中、技術やスキルの承継が必ずしもうまくいっておらず、原料紙の機械セットに際して立ち上がりロスによるムダも生じている。

⓭品質低下でクレーム増加

さらに、接着剤の塗布方法や成型機の巻き取り方法の相違による厚さや強度などの品質のバラツキが最近問題となっており、顧客からのクレームが増加している。納品後の顧客からのクレームに対しては、担当ライン長が対応し、作り直して再納品しているが、クレームや不適合品発生の記録、その原因追及、再発防止までは手が回っていない。

⓮原料紙待ちで作業停滞

原料紙仕入れは、作業者が不足を確認した際に発注するが、原料紙が不足した際の原料紙待ちによる作業停滞もしばしば発生している。

⓯新事業について

【新事業について】
現在、C社では紙パイプの新事業について検討しており、比較的製品単価が高い食品用や医療用の紙パイプ製品への参入を模索している。従来と同じ紙パイプであり設備や工程に互換性はあるが、サイズや強度などについては、新たな顧客が求める厳密な品質基準に対応する必要があるなど、従来製品と異なるところもある。

難しすぎたR5Ⅲが最凶モードとすれば、今年R7のⅢがふぞろい構文丸数字①②③の並列列挙でもなんとか踏みとどまれるイージーモード。つまりこれだけダメダメC社が新規事業に挑むほど、この試験は情報弱者に最後のワンチャンを与える姿勢を忘れません。

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