この星で一番最後の過去問解説。毎朝ウルっとするか、イラっとしてガバっと跳ね起き学習するか。夏の朝は2択で始まり。

【事例Ⅰモデル答案】グループ後継を運命づけられたA社長の、経営修行と人事設計

ちょっとA社で、修行して来い。

さて国家試験の採点基準は、オトウサン達の専権事項
そんなコトはつゆ知らず、①キーワード採点基準を声高に叫び、②同友館ヨイショでわざわざ悪目立ちするゆとり=ふぞろいが、③今年の「Ⅰ」でも見事に狙い撃たれた。(99字)

R2 事例Ⅰの変化点

・与件字数は、前年2,925→当年2,351字に減少。
・事例テーマはA社に限らず、グループ全社を見据えた人事制度の整備。
・受験側が散々予想した、「酒造業」で真っ向勝負。
・マーケⅡと見まがうダミー根拠がてんこ盛り。
・第1~第3問:根拠多数で、因→果の構成力勝負に。
・ラスト第4問:知識で殴り書くと、大幅に失点。
・つまり「わかってない答案」を書く奴は一発退場。

こらこら。7,700人→1,000人前後に絞る試験。昨年たまたま受かったノウハウが通用するほど、オトウサン達の目は曇っていません。

診断士の本分は、協調+傾聴=コミュ力。与件の話をじっくり聞いて、その言い分を100字×5つで簡潔にまとめてあげる。そして答案=おそろい化な。

そこで今年のデジタル・イノベ=設問解釈+想定読み+設問別マーカー+構文を実践するとどうなるか、「事例Ⅰ」モデル答案を用意しました。

グループ後継を運命づけられたA社長の、経営修行と人事設計【事例Ⅰモデル答案】

1⃣設問解釈~昨年に続き「情報整理」が主

2⃣モデル答案~構文に与件表現を当てはめ

第1問
以下は、老舗蔵元A社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家であるA社長の祖父に関する設問である。各設問に答えよ。
(設問1)
A社の経営権を獲得する際に、A社長の祖父はどのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100字以内で答えよ。
【モデル答案】
描いたビジョンは、①200年の年月に裏打ちされた老舗ブランドの魅力を活かして地域を活性化すると共に、②グループ内の飲食店舗や高級旅館との協業を含む立て直しをA社長に委ね、自らの後継者を育てる点と考えられる。(100字)
(設問2)
A社長の祖父がA社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100字以内で答えよ。
理由は、①屋号や従業員10名の雇用を守り前経営者や杜氏の協力を得ることで、②A社長に酒造りや社員と共に現場で働くことを学ばせ、③レストランや土産物販売などA社の異なる事業との適切な連携を実現すること。(99字)
第2問
A社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100字以内で答えよ。
手順は、①既存の複雑な事務作業や取引先との商売をベテラン女性から2年間で引継ぎ、②情報システム化の際にはそれらを整理して標準化・単純化・専門化を進め、③誰でも担当できるよう透明化を進めたと考えられる。(100字)
第3問
現在、A社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上成長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対してどのような能力を伸ばすことを求めたか。100字以内で答えよ。
求めた能力は、①既存ルートの取引先との商売を軽減し、②直販方式の売上増を果たすことであり、③併設した日本酒バーや社員の休憩所での社内コミュニケーションを通じ、④杜氏や職人と新規事業の橋渡しをすること。(100字)
第4問
将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となるA社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
伝統的な家族主義的経営や年功賃金と、優秀な非同族社員を抜擢するバランスに留意すべき。具体的には①正規社員に権限を与えて育成する他、②人材の多様化にも配慮し、③さらに優秀な人材を採用できる制度とする。(99字)

3⃣想定読み+設問別マーカー塗り分け

第1問(1)
第1問(2)
第2問
第3問
第4問

第1段落 観光の多角化に意欲的な老舗の蔵元 1⃣
A社は、わが国を代表する観光地として知られる温泉地にある老舗の蔵元である。資本金は2,000万円、売上は約5億円で、中小の同業他社と比べて売上が大きい。A社の軒下には杉玉がぶら下がり壁際に酒樽などが並んではいるものの、店に中に入るとさまざまな土産物が所狭しと並んでいる。中庭のやや燻した感じの酒蔵だけが、今でも蔵元であることを示している
第2段落 ファミリー経営ながら、実務は非同族が主体 4⃣
A社の売上のうち約2億円は昔ながらの酒造事業によるものであるが、残りの3億円はレストランと土産物店の売上である。現在、この老舗の当主は、40代前半の若いA社長である。A社の4名の役員は全て親族であるが、その中で直接A社のビジネスに関わっているのはA社長一人だけである。A社長、従業員40名(正規社員20名、非正規社員20名)、それにA社の社員ではない杜氏を加えて、実質42名体制である。
第3段落 前経営者からの経営譲受(株式譲渡)1⃣4⃣
実は、江戸時代から続く造り酒屋のA社は、現在のA社長と全く血縁関係のない旧家によって営まれていた。戦後の最盛期には酒造事業で年間2億円以上を売り上げていた。しかし、2000年代になって日本酒の国内消費量が大幅に減少し、A社の売上高も半分近くに落ち込んでしまった。そこで、旧家の当主には後継者がいなかったこともあって廃業を考えるようになっていた。とはいえ、屋号を絶やすことへの無念さに加えて、長年にわたって勤めてきた10名の従業員に対する雇用責任から廃業を逡巡していた。近隣の金融機関や取引先、組合関係者にも相談した結果、地元の有力者の協力を仰ぐことに決めた。
第4段落 旅館買収の成功体験と、前経営者や従業員を引き継ぐ買収 1⃣(1)(2)
最終的に友好的買収を決断したこの有力者は、飲食業を皮切りに事業をスタートさせ次々と店舗開拓に成功しただけでなく、30年ほど前には地元に旅館を買収して娘を女将にすると、全国でも有名な高級旅館へと発展させた実業家である。蔵元として老舗の経営権を獲得した際、前の経営者と経営顧問契約を結んだだけでなく、そこで働いていたベテラン従業員10名も従来通りの条件で引き継いだ
第5段落 地域活性化への確信の下、孫のA氏を社長に呼び戻す1⃣(1)
インバウンドブームの前兆期ともいえる当時、日本の文化や伝統に憧れる来訪者にとっても、200年の年月に裏打ちされた老舗ブランドは魅力的であるし、それが地域の活性化につながっていくといった確信が買収を後押ししたのである。そして、当時首都圏の金融機関に勤めていた孫のA社長を地元に呼び戻すと、老舗酒造店の立て直しに取り組ませた
第6段落 祖父の後継に向け、まずA社の立て直しで修業1⃣(2) 4⃣
幼少時から祖父の跡を継ぐことを運命づけられ、自らも違和感なく育ってきたA社長は金融機関を退職し帰郷した。経営実務の師となる祖父の下で、3年近くに及ぶ修行がスタートした。酒造りは、経営顧問と杜氏、そしてベテランの蔵人たちから学んだ
第7段落 事例Ⅱと見紛うダナドコ事業展開 3⃣
修行の合間を見ながら、敷地全体のリニューアルにも取り組んだ。以前、製品の保管や居住スペースであった建物を土産物店に改装し、また中庭には古民家風の建物を新たに建て地元の高級食材を提供するレストランとした。1階フロアは個人客向け、2階の大広間は団体観光客向けである。また、社員の休憩所なども整備した。さらに、リニューアルの数年後には、酒蔵の横の一部を改装して、造りたての日本酒を堪能できる日本酒バーも開店している。
第8段落 多角的な事業を束ねる統括組織と、祖父から修行 1⃣2⃣3⃣4⃣
こうした新規事業開発の一方で、各部門の責任者と共に酒造、レストラン、土産物販売といった異なる事業を統括する体制づくりにも取り組んだ。酒造りは杜氏やベテランの蔵人たちが中心になり、複雑な事務作業取引先との商売誰よりも掌握していたベテランの女性事務員が主に担当した。また、A社長にとって経験のないレストラン経営や売店経営は、祖父に教えを乞いながら徐々に仕事を覚えていった
第9段落 正規社員の育成と、社長としての人材眼 1⃣(2) 4⃣
他方、酒造以外の各部門の責任者となる30代から40代半ばまでの経験のある人材を正規社員として採用した。正規社員として採用した中からレストラン事業、土産物販売事業や総務部門の責任者を配置した。その間も、A社長は酒造りを学びながら、一方でこれらの社員と共に現場で働き、全ての仕事の流れを確認していくと同時に、その能力を見極めることにも努めた。
第10段落 グループ間のシナジーと、人材の多様化 1⃣(1) 4⃣
レストラン事業と土産物販売事業は責任者たちが手腕を発揮してくれたことに加えて、旅館などグループ企業からの営業支援もあって、インバウンドの追い風に乗って順調に売上を伸ばしていった。レストランのフロアでは、日本の大学を卒業後、この地域の魅力に引かれて長期滞在していたときに応募してきた外国人数名も忙しく働いている。
第11段落 営業改革と情報システム化を通じ、次の幹部を育成 2⃣3⃣
そして、現在、A社長の右腕として重要な役割を果たしているのは、酒の営業担当の責任者として敏腕を発揮してきた、若き執行役員である。ルートセールスを中心とした古い営業のやり方を抜本的に見直し、直販方式の導入によって本業の酒造事業の売上を成長させた人材であり、杜氏や蔵人と新規事業の橋渡し役としての役割を果たしている。典型的なファミリービジネスの中にあって、血縁関係がないにもかかわらず、A社長の頼りがいのある参謀として執行役員に抜擢されている。また、総務担当責任者前任のベテラン女性事務員と2年ほど共に働いて知識や経験を受け継いだだけでなく、それを整理して情報システム化を進めたことで抜擢された若い女性社員である。
第12段落 A社立て直しを自負し、企業グループ全体を見据えた人事制度へ 4⃣
A社長は、この10年、老舗企業のブランドと事業を継いだだけでなく、新規事業を立ち上げ経営の合理化を進めるとともに、優秀な人材を活用して地元経済の活性化にも大いに貢献していたという自負がある。しかしながら、A社の人事管理は、伝統的な家族主義的経営や祖父の経験や勘をベースとした前近代的なものであることも否めない。社員の賃金を同業他社よりやや高めに設定しているとはいえ、年功序列型賃金が基本である。近い将来には、自身が総帥となる企業グループ全体のバランスを考えた人事制度の整備が必須であるとA社長は考えている。

まとめ~事例Ⅰモデル答案

ちょっとA社で、修行して来い。

昨年同様、カコ~現在系の「情報整理」が主で、一見与件のコピペでふぞ信者でも合格答案と勘違いする事例な。

ところが訊かれたのは、A社そのものより、祖父の後継者育成+グループのバランスを考慮した人事制度に。これは答案が見事に割れそうです。

そして、今年のデジタル・イノベ=設問解釈+想定読み+設問別マーカー+構文を使うメリットは、限られた時間の中で、知識解答や殴り書きにならない、与件に沿った受け答えを80分で実現すること。

もちろん、このモデル答案が正解ではない。明日朝にはもう少し現実的なバージョンに修正して、再リリースいたします。

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