どんなコンセプトでも解像度高く具体的に再現する生成AIが「1次」対策で普及すると、その影響がモロに今年の「2次」に来る。そのビッグウェーブをモノにする今年の当確施策を具体化します。
診断士「1次」「2次」ともに生成AIを使い倒して当確するのは、まだAIのありがたみが浸透しないノロマなパクリが多いため。そこで試しにAIを使い、【これからの2次加点基準】を仮定します。
採点工程 | 加点基準 | 採点者が実際に見る観点 | 影響度* |
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❶ 与件との整合⇢「何を言いたいか明確か」 | 具(具体性) | 根拠キーワードの抽出数、主語‐述語が合うか | ★★★ |
❷ 因果の深掘り⇢「粒度は適切か」 | 解(解像度) | 効果→理由→施策の階層が1文内に収まるか | ★★☆ |
❸ 模範ロジックとの一致⇢「方法は再利用可能か」 | 再(再現性) | 他設問との用語統一・助言⇢効果パターンの汎用度 | ★★☆ |
❹ 語数内での優先順位⇢「答えを素早く組めるか」 | 機(機敏性) | 力点の置き方が採点趣旨と一致し冗長語が無い | ★★☆ |
❺ 横展開性⇢「経営戦略に昇華しているか」 | 拡(拡張性) | 他市場/中長期へ拡げられる示唆があるか | ★☆☆ |
なおこれは「試験の加点」でなく「イマの仕事で問われる姿勢」をAIにサーチさせたもの。さらに(グ)具体→(カ)解像→(サ)再現→(キ)機敏→(カ)拡張=具が先か? と覚え方まで推奨する点が、いつも一言多いAIらしさな。
【1次500点で2次当確】ふぞ2割の脱出手順 / 新加点基準は「具が先か?」
こうやってAIを普段使いすると、試験のスピード勝負で常に先手を取れる。そして具体的で解像度と再現性の高い答案が今年爆増し、合否がどう変わるかも予測します。
前提:これからの当確マニュアル
■診断士「2次」は与件企業のケースを読み取り、80~150字程度の記述答案を4~5問作成する記述式試験であり、解答の構造と表現の質が合否を大きく左右します。
■近年その採点基準は変化しており、単に与件キーワードを書き並べただけでは高得点を狙えず、「一読でわかる論理的でキレイな国語」が上位当確条件との意見も出ています 。
■本マニュアルでは以下の3つの論点について、従来型の根拠詰め詰めふぞろい答案から脱却し、作問者の題意に沿った上位5%の当確答案を書くための具体的手順を解説します。
対象読者:
①2次試験初学者で、試験委員が意図する正しい答案構造を最初に身につけたい方
②「ふぞろいな合格答案」シリーズ等で学習経験があり、一度その型をリセットして答案作成法を再構築したい方。
前提:読者の多くは生成AI(ChatGPTなど)の利用にある程度慣れていることを想定しますが、慣れていない方にもわかるようAI活用の補足説明を加えています。

2割合格層は、与件に登場したキーワードを漏らすまいと文字数いっぱいに敷き詰めるため、文がちぎれた並列列挙に終始し因果を読み取れない。
逆に上位当確層はまず「原因→施策→効果」の一文構造を設計し、その枠に必要な数だけ与件を引用するため同じ100字でも一読で筋道が伝わる。
20%層は「抜けて減点されたら困る」と恐れて与件の事実を手当たり次第に引用し、焦点がぼやける。
当確層は構文を決めた後で与件を見直し、論旨を支える部分だけ摘み取る。「使い残し」を恐れず、不要情報は捨てる判断力があるため、答案がシャープになる。
20%層は与件精読に時間を費やし、構成が固まらないまま書き始めて終盤で時間切れを招き、最後は知識の寄せ書きで帳尻合わせをする。
当確層は冒頭数分で設問要求を把握し、読解と構成を並行処理して残り時間で迷いなく記述して全問を埋め、数分の余裕で見直しも完了する。
それではStepー1→3の順に過去の試験傾向や合格者・不合格者の答案分析に基づき、各論点でどのような違いが得点差を生むかを明らかにし、効果的な学習手順やAI活用法まで含めて解説します。
Step-1:100字マス目の書き方
「敷き詰め型」とは、与件文中のキーワードをとにかく漏れなく詰め込もうとする書き方です。ふぞろいこそが郷緒格ノウハウと思い込まされた隣のおじオバは、与件に書かれた強み・弱み・課題などのキーワードをいかに数多く盛り込むことが高得点の近道としばしば吹聴します。実際、過去にはキーワード重視の採点で救われた答案もあり、与件文の表現を多く含む答案が一定の点数を稼ぐケースも見られました。
しかしこの方法では、箇条書きのように断片的な内容になりがちで、なぜそれが強みなのか・どう課題に繋がるのかといった論理性への加点ができません。例えば強みを問う設問に対し、「強みは①~②~③~である。」と丸数字で並列列挙するだけでは、採点者はその受験生が本当にわかって記述しているかどうかを判断できないのです。
上位合格者の答案は、原因と結果を明確に繋げた文章構造になっています。箇条書きではなく一つの文の中で「AのためBであり、したがってCである」といった因果関係の筋道を示すことで、与件情報をただ羅列するよりも説得力と一貫性が生まれます。 実際に合格者再現答案の比較で、以下のような違いを確かめます。
解答例A(因果関係を意識せず列挙) | 解答例B(因果関係を意識) |
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弱みは①従業員の役割分担の不明確さ②季節変動への未対応③従業員定着率の低さ④新規就農者確保の困難さ。 | 弱みは、従業員の役割分担が不明確なため繁閑調整が不十分となり、結果として定着率が低く新規就農者の確保が困難な点。 |
上記の通り、Bは「原因⇒結果⇒影響」の流れで弱みを説明しています。一読して企業内の問題の連鎖が伝わるため、採点者にも状況把握が容易です。解答例Aのように単にキーワードを並べただけの答案も、盛り込んだ単語次第で部分点は入ると考えられますが、論理展開がない答案では高得点は望めません。とりわけ近年の試験では「文章の美しさ > キーワード含有率」であるとの声もあり、論理的に締まりのある文章を書くスキルが合否を分ける傾向にあります。
具体的に、因果を明示した答案作成のポイントを整理します。
① 主語と述語を対応させる | 「誰が・何が」「どうした」の関係を明瞭にします。一文が長くなる場合でも、主語と述語(述部)がねじれないよう注意します。例えば上記解答例Bでは、「役割分担が不明確なため(原因)…定着率が低く(結果)…新規就農者確保が困難(影響)」と因果の流れが一直線です。 |
② 接続詞や因果を示すフレーズ | 「ため」「結果として」「その結果」「しかし」「一方で」等を適切に用い、文と文、または文中のフレーズ同士の論理関係を示します。ただし字数制約が厳しい場合は接続詞の使用は最小限にとどめ、文脈で因果が伝わる工夫をします。 |
③ 具体→抽象→具体の流れ | 与件の具体的事実(原因)から抽象的な問題点の表現に繋げ、最後に解決策や影響(結果)という流れを一文に入れると、短い答案でも完結性が出ます。例えば「新商品の知名度向上策」を問われた場合、「自社SNSフォロワー増加のため(具体施策)、安価で拡散力の高いSNS広告を活用し(手段)、広告費を抑えつつ全国的な認知度向上を図る(結果)」という構成にすれば100字程度でも因果が通ります。 |
④ 箇条書きは避け、一文でまとめる | 解答欄が余っていると箇条書き風に「〇〇。△△。□□。」と要素を並べたくなりますが、できるだけ一つの文で完結させます。読点「、」や接続詞で繋ぎ、100字一文で書き切る練習をしましょう(どうしても二文に分ける場合は文同士のつながりを明確に)。 |
初学者の方は、まず予備校の模範解答やふぞろいシリーズの高得点答案を分析し、因果関係の書き方パターンをストックするとよいでしょう。教育心理学的には、これは**「スキーマの獲得」**に該当し、良い答案の構造パターンをテンプレート化して覚えることで、新しい問題にも応用しやすくなります。例えば「強みとその理由」「課題とその影響」「施策とその効果」といった頻出パターンをテンプレ化しておけば、試験本番でも瞬時に因果構文の骨子を組み立てやすくなります。
限られた100字マスの中では、隣のふぞろいのように与件根拠を敷き詰めるに夢中になるより、採点者が一読して理解できる因果関係の通った文章を選択します。
Step-2:与件根拠の使い方
不合格答案の傾向として、「根拠になりそうな与件文のフレーズをとにかく全部盛り込もう」とするケースが多く見られます。具体的には、設問要求に関連しそうな与件文の一節を複数拾い上げ、文字数いっぱいに詰め込んでしまうのです。
受験生心理として、「与件から抜き出したキーワードが多いほど部分点が稼げる」「与件記述をそのまま使えば説得力が上がる」という発想になりがちですが、字数は有限(各問80~150字程度)です。闇雲に根拠を詰め込もうとすると、文章が冗長になり、結局何を伝えたいのか焦点がぼやけてしまいます。
さらに重要度の低い情報まで盛り込むほど、採点者に伝わるインパクトがぼやけるリスクも検討します。試験委員は「与件をどれだけ正確かつ要領よく活用しているか」を重視すると言われますが、だからといって取捨選択せず漫然と引用するとふぞろい認定されて苦い汁を飲まされます。
上位当確層は、先に答案の論理展開(構文)を頭の中で組み立て、次にその構文に必要な根拠を与件から摘み取ります。言わば「使い残し上等」の発想で、すべての与件情報を使おうとせず、例えば過去の高得点答案を分析すると、一見与件文の一部を使い残しているように見えるものが多く存在します。これは、答案として必要十分な根拠だけ引用し、余計な情報は切り捨てているからです。
情報を取捨選択する勇気が、結果的に答案の完成度を高めています。例えば事例Ⅱ(マーケティング)のある設問で、与件の第2段落と第9段落に関連情報が散らばっていた場合、上位答案は両方から要点を抽出しつつも、それらを因果で繋ぐ骨子をあらかじめ設計しています。不要と判断した要素(例えば他の段落の細かいエピソード等)はバッサリ捨て、「抜け漏れのない論点カバー」と「冗長にならない簡潔さ」のバランスを取っているのです。 次は具体的に、構文先行で根拠を使うテクニックを見て行きます。
以下のように、先に論理構造(構文)ありきで解答を組み立て、必要最小限の根拠のみ配置するのが上位当確答案です。これに慣れると、多少情報量の多い与件でもブレずに解答が作れます。
①設問解釈と骨子メモ | 解答を書き始める前に、設問の要求を正確に解釈し、自分なりの解答骨子(因果関係や解決策の流れ)をメモします。例えば「理由を2つ述べよ」なら因果のペアを2組作るイメージで箇条書きメモを作成。この段階ではまだ具体的な与件文フレーズは書かず、何を伝えるべきか(ポイント)とその論理関係だけを書き出します。 |
②骨子に対応する与件キーワードを探索 | 骨子メモの各ポイントに対応する与件上の具体的事実や数字を探します。該当箇所だけをマーキングし、骨子横に要素を書き足します。この際、与件文そのままでは長すぎる場合は要約や言い換えも検討します。重要なのは骨子を肉付けするのに必要な情報だけを拾うことです。 |
③文字数を超えたら推敲 | 骨子+必要根拠を組み合わせて文章化した際、文字数オーバーになることがあります。その場合は情報の圧縮と取捨選択を行います。具体的には、(a)「全て重要で選べない場合は一部を一般化して要約する」、(b)「玉石混淆の場合は重要なものから順に入れていき、残りは思い切って切り捨てる」という二つの方法が有効です。 上位受験者はこの判断が的確で、入れるべき情報・落とす情報のメリハリが明確です。 |
④「使い残し」を恐れない | 与件文には本番ケースだと数千文字の情報が含まれますが、その全てを答案に盛り込むのは不可能です。上位合格者ほど「使い残し」の割り切りが上手です。「この要素は今回の設問の解答には不要」と判断したら潔く捨てます。例えばある受験者のブログでは、第9段落の情報を見落としそうになったとき「この根拠を第何問に使うべきか」と振り返っています。とはいえ時間との兼ね合いでマストの根拠を拾い切れないリスクもあるため、平易な文章でも確実に根拠を明示する方が、無理に押し込んで文章が破綻するよりも安定高得点に繋がります。 |
⑤文章化後のチェック | 完成した答案文を読み直し、「根拠過多で論点がぶれていないか」を確認します。もし一文の中にいくつも論点が混在していたり、因果関係がわかりにくくなっていたら、思い切って情報量を削減します。試験本番中は時間との闘いですが、5~10秒でよいので書いた文章を客観的に読み返す習慣をつけましょう。 |
教育心理学では、初学者が知識を詰め込みがちなのに対し、熟達者は目的に合わせて知識を構造化して使うと言われます。まさに本試験でも、知識や情報をそのまま書く(Knowledge Telling)ことを避け、自ら考えた解答という筋道に沿って再構成するスキルが求められているのです。
Step-3:制限時間80分の使い方
ふぞろいのたまたま2割合格自慢に共通するのは、時間配分と処理手順の最適化が不十分なことです。具体的には以下のような状況が生じがちです。
- (読み込み過多) 試験開始後、与件文を細部まで読み込みマーキングするのに時間をかけすぎる。結果として解答構成に割く時間がなく、設問ごとに場当たり的に書き始める。
- (構成不十分) 解答を書き進めるうちに、論点の抜け漏れや重複に途中で気づく。しかし時既に遅く、書き直す時間がないため強引に書き進める。
- (時間切れ・未完成) 最後の設問に十分な時間が残らず、解答欄が埋まらない。もしくは字数指定に満たないまま終了してしまう。
- (知識解答でお茶濁し) または時間が無いプレッシャーから、「与件を検討せず自分の知識で一般論を書く」という逃げに走る。これは与件企業の具体事情を無視した答案になり、採点では厳しく減点されます。
スクールの採点講評では「いくら時間切れでも、与件の具体的な問題点を無視して一般的な知識答案にするのは避けよ」と注意喚起されています。つまり空欄提出は論外ですが、白紙を避けるために的外れな知識だけを書くのも評価されないのです。多数派の受験者はこのジレンマに陥り、書きたいことは同じでも最後の詰めで差を付けられます。
上位当確層は、時間制約下での情報処理スピードと並行処理能力が際立っています。彼らの試験当日の思考・行動パターンを再現すると、次のようになります。
- (ゴールから逆算)設問要求の素早い把握: 最初に全設問に目を通し、問われている論点や字数を把握します。これにより与件文中で探すべき情報の当たりを付け、読みのアンテナを張ります。まさにゴールを見据えてから情報収集を開始するイメージです。
- (並行処理)与件読解とメモ作成を同時進行: 与件文を読み進めながら、設問ごとに関係しそうなキーワードや事実を並行してメモします。トップ層は複数の設問を頭に置いて読むため、「この段落は第○問に使えそうだ」という判断を即座に行い、該当箇所へマークとメモを残します。一方、多くの受験者は与件を一通り精読し終えてから設問に取りかかりますが、それでは逐次処理になり非効率です。上位層は読みながら考える・構成する並行処理で時間を短縮しています。
- (プランニング)即席の解答フレーム作成: 与件文をひととおり読み終えた段階で、すでに頭の中(あるいは下書き用紙)には設問ごとの骨子が形作られています。この骨子を基に、解答用紙に書き出す前に各設問ごとの解答方針と構成を決めます。ここまでの読解+構成に要する時間は、トップ層なら概ね15~20分程度です(4問構成なら各問5分で構成を練るイメージ)。
- (高速記述)構成に沿って一気に書く: 残り60分程度を使い、各問の答案を書いていきます。既に構成メモがあるため迷いなく筆を進めることができ、1問あたり10~12分ほどで書き上げます。上位層は字数感覚も訓練済みなので、書いている途中で極端にオーバーしたり足りなくなったりしにくいです。実際、ある合格者は「メモ段階でパッと見文量が指定字数に達しなければ観点が足りない証拠」と述べています。このように事前に分量感覚を掴んでから書き出すため、大幅な書き直しロスも発生しません。
- (見直しと微修正) 全問を書き終えた時点で数分残っていれば、答案全体を見直します。トップ層は大抵数分のバッファを残しており、その時間で誤字の訂正や表現の微調整、箇条書き番号(①②等)を消すなど体裁を整えます。ここまでできれば満点答案に一歩近づきます。
以上をまとめると、上位合格者は限られた時間を「読む・考える・書く」にバランスよく配分し、なおかつ複数工程を同時並行で進めています。これはまさにビジネスのプロジェクトマネジメントに似ており、ボトルネックになりそうな工程(例えば与件読解)を前倒しし、後半に余裕を持たせていると言えます。
上記のような時間さばきを身につけるには、日頃から意識的なトレーニングが必要です。以下に具体的な練習法を挙げます。
- 過去問RTA(Real Time Attack): 過去問演習を通常より短い制限時間で解く訓練です。例えば最初は80分で解いていたものを、徐々に75分、70分と縮めていきます。時間短縮を図る中で、自分の処理の無駄(読むのに時間をかけすぎ、考え込みすぎ等)に気づき、改善できます。実際に上位合格者には過去問高速回しを実践していた人が多く、誤答の検討や知識確認を効率的に行う力が養われています。
- マルチタスク読解練習: 設問文→与件文という順序で読む際、設問要求を頭に残したまま与件を読む訓練をします。具体的には、設問を読んだら「何が問われそうか」を予想し、与件文を読む間ずっとその予想を意識します。例えば「強みと弱みを100字で」という設問なら、「強みに該当する事実はどれか?弱みの原因は何か?」と自問しながら読み進め、関連個所で立ち止まってメモします。この並列処理思考に慣れると、本番でも情報を取りこぼさず、かつ素早く整理できます。
- 模試・演習で振り返り: 模擬試験や自主演習の後には、時間配分の振り返りを行いましょう。「読解に何分使ったか?構成メモに何分?各設問の解答執筆に何分か?」を思い出し、もし時間切れになったならどこに時間をかけすぎたか分析します。例えば「与件読解に30分使っていた」とわかれば、次回からは強制的に20分で読み切ることを課す、といった改善策を立てます。時間管理もPDCAを回すことで洗練されていきます。
- 知識暗記より処理プロセス重視: 勉強段階では新たな知識インプットに走りがちですが、2次試験では持っている知識を制限時間内に使いこなすことの方が重要です。特に筆記試験は国語力・思考力の勝負とも言われ、地頭(ロジカルシンキング)や文章表現力が物を言います。知識の暗記より、インプットした知識をいかに早く引き出して答案に組み込むかというアウトプット面の訓練に重点を置きましょう。
「2次」では一事例あたり80分という制限時間の中でケース読解から全設問の解答作成まで行います。平均的なふぞろい合格と上位5%の当確で最も明確に差がみられるのが、この時間制約下での情報処理アプローチです。
Step-4:「2次」対策のAI利用は常識以前
《メリット》 ①即時フィードバック | ②アイデア出し補助 | ③文章表現の改善 |
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自分の書いた答案をChatGPTに入力すれば、論理の一貫性や表現についてフィードバックをもらえます。「因果関係は明確か?」「不要な冗長表現はないか?」など、第三者視点のチェックを瞬時に得られます。 | 白紙の状態から答案構成を考える際、ChatGPTに相談すると見落としがちな論点を提示してくれることがあります。例えば「この設問で考えられる切り口を列挙して」とプロンプトを出すと、網羅的な観点リストを得られます。 | 言い回しが単調だったり漢字が多すぎて読みにくい場合、AIに言い換え提案をしてもらうことも可能です。例えば「~という文章をもっと簡潔な表現にしてください」と依頼すると、洗練された表現例が得られます。 |
《注意点》①試験本番では使えない | ②与件情報の機密 | ③間違いの見極め |
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あくまで学習段階の補助ツールです。本番では自力で書く必要があるため、AI依存になりすぎないよう注意しましょう。AIから提案を受けたら、最終的には自分の言葉で再構成する癖をつけます。 | 公開されていない過去問のケース文などをAIに入力する際は注意が必要です。機密情報や著作権に配慮し、必要に応じて内容を要約・改変してから入力します(もっとも過去問は既に公開情報ですが)。 | AIの指摘や提案が常に正しいとは限りません。ときには論点がずれていたり、不正確なアドバイスをすることもあります。**最終判断は人間(自分)**で行う姿勢を忘れずに。 |
以下の表に、答案作成においてChatGPT等を活用できる具体的なシーンとプロンプト例を示します。目的に応じて適宜アレンジして活用してください。
活用目的 | プロンプト例 (ChatGPTへの指示文) |
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与件文の要約と因果抽出 | 「以下のケース文から、重要な<strong>原因と結果の関係</strong>を3点に整理してください。」 (※ケース文を貼り付けて依頼) |
答案骨子のドラフト生成 | 「<strong>100字以内</strong>で○○について<strong>因果関係を明示</strong>した解答例を作成してください。ただし与件の事実に即した具体例を含めてください。」 |
答案の論理チェックと改善 | 「以下の答案を読み、<strong>論理の飛躍や不明瞭な部分</strong>を指摘し改善案を提案してください。」 (※自分の書いた答案文を貼り付けて依頼) |
上記のような形でAIに働きかけると、短時間で多角的な示唆を得ることができます。例えば「因果関係を明示した解答例」を出力させれば、模範的な因果構文の参考になりますし、自己答案の改善提案を受ければ第三者目線での客観的検証が可能です。
AIは非常に便利ですが、使う側の工夫次第で得られるものが大きく変わります。最後に、AIを答案練習に活用する上でのポイントをまとめます。
- プロンプト(指示文)を具体的に: 目的を明確に伝えることで、AIの回答も精度が上がります。「因果関係を意識して」「〇〇字以内で」など、試験で求められる形式を指定すると良いでしょう。
- 鵜呑みにしない: AIの生成する模範解答が完璧とは限りません。自分の頭で「なぜそう書くのか?」を考え、必要に応じて修正・補強します。AIが示した因果関係が本当に妥当か、与件とズレていないかを常に検証してください。
- 徐々にAIの補助輪を外す: 最初はAIを使って文章構成を練習しても構いませんが、試験が近づくにつれ自力でゼロから書く訓練も忘れずに。AIで得た知見を自分のものとして消化し、本番では頭の中の「内なるAI」(蓄積したパターンやフレームワーク)を活用するイメージで挑みましょう。
ここで答案構築力向上のためのAI活用アイデアと具体的なプロンプト例を紹介しましたが、生成AIは常軌を逸して学習・成長するため、その言い分が動的にクルクル変わります。そこで試験合格のためにAIを使う態度を改め、AIを上達するために試験を使う位のマインドシフトが大切です。
今日のまとめ
あの意地悪な毎年ガチ事例の作問から見て、試験委員が生成AIを日々使い倒しているのは確実。そして診断士=AI活用度No.1国家資格であり、「合格と当確の差」まで具体化できるのは、「1次」を鍛えてハルシネーションのリスクを克服するためと胸を張ります。