R1~「1次」がド易化したのは、その先の「2次」で誰もを2割ガチャに追い込む主催者側の作問採点技術進化の自信があるから。試験の傾向変化にいつも右往左往な隣のD社をからかいながら、5~7月の「1次」対策が加速します。
その前提には、「財務」「Ⅳ」を苦にせずデータドリブンな上位5%と、与件のキーワードを数えることが修行の隣のふぞの違いが。恥ずかし気もなくパクられない内に、数字の格差を見せつけます。

診断士「1次」はR1からド易化し、2年後のR3から「2次」1,600名合格バブル
・H30以前は「2次」受験5,000人枠の規制があり、「1次」で絞った。
・R1易化2年後のR3から、「2次」の安定1,600名合格を実現(倍率5倍)。
・「2次」受験&採用枠増により、上位5%は安定確実に受かる試験に。
近年、中小企業診断士1次試験の合格率は大きく上昇しています。平成20年代には1次合格率は20%前後で推移していましたが、令和元年以降は30%前後にまで上昇しました。例えば令和元年~3年はいずれも1次試験合格率が30%を超え、特に令和2年度は42.5%に達しています。この傾向から「試験が易化した」と指摘されており、実際に必要な学習時間の短縮につながっています。
従来は、「1次試験合格には800〜1,000時間の勉強が必要で、平均3年かかる」とも言われていました。資格学校などでも「合格まで約1,000時間、1年で合格するなら週20時間(1日3時間)程度の勉強が必要」などと目安が示されてきました。しかし試験の易化後(令和元年以降)は、 短期合格者の増加 や 平均勉強時間の減少 が見られます。
実際、令和4年度合格者48名のデータでは、1次試験合格までの平均学習時間は約718時間で、従来想定されていた800時間より少なくなっています。極端なケースでは、「2か月の独学」(約300時間前後)で1次試験に一発合格した例も報告されています。このように試験難易度の低下により受験生一人あたりの必要学習量が抑えられ、結果として学習効率の向上・学習時間短縮が定量的にも確認できます。
【合格時短が止まらない】1次易化の影響サーチ / コスパタイパで確実スト合格
「財務」「Ⅳ」が苦手な隣の同友館には悪いけど、今の「2次」は「事例Ⅰ~Ⅲ」300点:「Ⅳ」300点の傾斜配点と構えておいて損はない。そして数字に強い受験者が流入するほど、「1次」の時短が加速します。
この記事は前編・後編に分かれ、今日の前編は「1次」易化と合格時短の関係をデータで実証。次回後編は、物事に優先度をつけるコスパタイパが「2次」150hの時短合格にツナがる証明です。
Step-1:学習時短の効果検証
学習時間の短縮が合格率向上をもたらした背景には、試験そのものの易化と受験環境の変化という因果要因が考えられます。一つは試験問題の難易度自体が下がった可能性で、もう一つはオンライン講座や情報共有の普及によって受験生の平均的な学習効率・レベルが上がった可能性です。
実際のところ、近年のデータを見ると「受験者数の増加以上に合格者数が増えており、惜しくも不合格となる人数はむしろ減少傾向」と確認できます。この事実は、単に受験者の母数が増えただけでなく試験に合格しやすい状況になっていることを示唆します。前述の通り1次試験合格率が右肩上がりであることからも、試験制度側の意図的な易化策が作用している可能性は高いでしょう。
さらに、政策的な観点からも因果関係がうかがえます。中小企業庁と診断協会は、中小企業支援人材を増やすべく診断士資格者の裾野拡大を図っています。その流れの中で、「合格率3割」という水準がここ数年維持されており、国家試験として合格者数を増やす方向性が見て取れます。
言い換えれば「国は中小企業診断士を増やそうとしている」はずだ、との分析もある通り、合格者数を増やす方針(=易化傾向)が学習時間短縮→高実力者の参入→さらなる合格者増という好循環を生んでいると考えられます。
学習時間と得点・合格との関係を多変量的に見ても、1次試験に限れば一定の勉強時間を投下すれば合格ラインに達しやすいことがデータから裏付けられています。一方で学習時間をいくら積み増しても2次試験の合格可能性は単純には上がらない(むしろ他の要因が支配的)ことも示されました。このことは、近年の1次は勉強量のハードルが下がったため、短期集中で効率良く合格点を取れるようになった一方、2次は依然思考力・表現力勝負であり時間学習量との相関が低いことを意味します。
実際、科目合格制度の活用や通信講座の効率的な教材によって、短時間で1次知識を習得する受験生も増えています。その結果、「勉強時間が短い=不利」という従来の常識は薄れ、短時間でもポイントを押さえれば十分合格可能という認識が広まりました。この変化が、高実力層が短期決戦に挑みやすくなった要因といえます。要約すると、試験易化という原因が学習時間削減という効果を生み、その効果がさらに合格者増加(特に短期合格者の増加)という結果に結びついていると考えられます。
①「1次」の極端な易化と「2次」合格増の結果、②高実力層の試験参入を促し、③「2次」の学習時間と合否がむしろ逆相関になる時短が進む。この時流を捉えるか、そうでない過去ノウハウに偏重するかで、「2次」合格期待値が二極化します。
Step-2:5~7月短期スパート型試験へ
従来(易化前)の学習法では、直前期にはとにかく知識の詰め込み暗記に重点が置かれていました。実際、2018年当時の直前対策では「7月以降の超直前期は短期記憶に知識を詰め込むのが最も効率的。内容の理解に時間をかけるより、とにかく機械的に反復して暗記せよ」といった指導がなされていました。特に経営法務・経営情報システム・中小企業政策など「暗記系科目」と呼ばれる分野では、試験直前まで丸暗記の詰め込みを優先し、「なぜそうなるか」の理解は後回しにする戦略が推奨されていたのです。
このように従来型ではインプット偏重で、本番直前までレジュメ暗記や用語暗記の繰り返しが主流でしたが、試験傾向の変化に伴い、直前期(5月~7月)の学習内容も「暗記重視の従来型」から「アウトプット重視の短期スパート型」へと進化・簡略化されています。
一方、令和に入ってからの短期スパート型学習では、直前期の勉強法は大きく様変わりしています。現在はアウトプット練習の比重が格段に高まり、過去問演習や模試を通じた実戦的トレーニングが重視されます。多くの合格者は5月以降に過去問題を徹底的に解き込み、解説を読み込むスタイルにシフトしています。
合格者の声には「5~6月に得点が急上昇したのはテキスト読み込みと過去問のやり込み(特に解説を熟読)によるもの」と振り返るものもあります。このように問題演習(アウトプット)を軸に据え、解説や関連テキストでインプットを補強する方法が効率的だと認識されるようになりました。
また、直前期の科目別配分も効率化されています。従来は暗記量の多い科目に時間を割きがちでしたが、現在は科目横断的な演習サイクルを回すケースが増えています。
例えば直前期の学習スケジュール例では、4月に各科目の論点整理を終え、5月以降は実際の試験順(経済→財務→企業経営→運営管理→法務→情報→中小政策)に沿って科目ごとの過去問演習を縦割りで連日繰り返す計画が紹介されています。暗記に頼りすぎず全科目をまんべんなくアウトプット練習することで、知識定着と本番対応力を同時に鍛える狙いがあります。
実践的には、週末ごとに模擬試験や答練を受け、本番さながらのアウトプット→復習を繰り返すスタイルが定着しました。こうした短期集中型の学習法により、従来は手薄になりがちだった応用力も鍛えられ、結果として短期間で合格ラインに達する受験生が増えているのです。
つまりH30以前の重箱の隅な暗記を求める時代では、周囲より1か月前倒しで進めて7月に超絶暗記するのがコツだった。ところが過去問と同じ問題を繰り返し出すようになり、ラスト1か月の詰め込みをカットして、過去問演習レベルで即合格の時短を実現したのです。
Step-3:時短で一変した「5~7月の過ごし方」
平成28〜30年度(難化期)は「暗記重視」の直前詰め込み学習が主流で、1次合格までに800~1,000時間を要するのが常識でした。しかし令和元年度以降(易化期)は「暗記負荷が大幅に軽減」され、ストレート合格組の1次学習時間は平均602時間、最短事例では150時間というケースも登場しています。
その結果、「1次」暗記を減らした余剰時間を「2次」に備えて「自ら考える学習」に振り向け、「1次」過去問の答をひたすら覚える同友館の過去マスお皿回し勉の不人気が明確になり、「2次」MBAケーススタディ型の「その場の思考力」「大量情報を同時処理する認知負荷の向上」が進んだことが考えられます。
学習時間の目安:当時は「1次試験合格まで約1,000時間」が常識で、平均も800~1,000時間とされていました。
直前期の学習法:5~7月は科目ごとに「用語・論点の暗記詰め込み」を繰り返すスタイル。特に経営法務・情報システムなど暗記科目は、直前まで「テキスト読み込み+丸暗記」が中心でした。
課題:大量のインプットに終始し、本番での応用対応力や初見問題への適応力を十分に鍛えられず、2次対策に割ける余力も不足していました。
合格率上昇と学習時間短縮:1次合格率は令和元年度以降30%台に上昇。ストレート合格者の平均1次学習時間は602時間にまで低下しています。
極端な短期合格事例:公認会計士やMBA保有者など、高い基礎知識を持つ層では「1次150~300時間」で突破するケースが報告されています。
学習法の変化:暗記の負担が軽くなった分、5~7月は「過去問演習+解説読み込み」を中心としたアウトプット重視にシフト。インプットは「問題を解く過程で補強する」形に簡略化されています。
ふぞろいノウハウ型 | n=48サンプル | MBAケーススタディ型 |
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約486時間 | 2次学習時間 | 約242時間 |
過去問の答案暗記に依存。2~3年かけて合格する多年度層が中心 | 合格所要年数の特徴 | 初見問題対応力・認知負荷処理力を鍛え、ストレート合格を実現 |
・過去問の解答文言を暗記し、同じ論点が出ることを狙う学習法。 ・本番で設問文が微妙に変わると対応できず、2次合格に2年以上要するケースが多いです。 | 傾向と対応 | ・「その場で考える思考力」「大量情報を同時処理する認知負荷」を意識した演習重視学習。 ・ストレート合格組は平均242時間で2次対策を完了し、1年で1次→2次を突破しています |
このように試験=暗記にこだわると長期多年度ベテになり、応用アドリブのケース思考型は短時間でスト合格へ。そして隣の自称「一発合格」の人たちが、その時流に全く乗れていない様子が草。
Step-4:高実力層が参入し、「2次」をそのままスト合格
試験の暗記負荷緩和と学習時短は、高実力層の新規参入を促しました。
仕事で培った専門知識や高い学習能力を持つ層が、「短期合格も可能」と判断して受験に参入し、そのままストレート(1年)合格を果たすケースが増えています。実データでも、令和4年度の合格者48名中ストレート合格者は21名(約44%)を占め、残る多年度合格者26名と拮抗しています。これは以前に比べ試験主催者の思惑通り合格時短が進むことを示しています。

こちらはやや古いR4年度合格者48名の学習時間データを示す。R6ほど「1次」時短が進んでいないが、2~3年目合格の多年度ちゃんが、「2次」過去問の答を覚えるどんなムダ勉に勤しんだのか、興味深いな。
ストレート合格者と長期合格者で学習時間と合格率の属性を比較すると、興味深い違いが見られます。ストレート合格組は1次試験に平均602時間・2次試験に242時間(総計844時間)を費やしていますが、多年度組では総学習時間が1,400~1,600時間前後に及びます。
特に2次試験対策に費やす時間が、ストレート組242時間に対し多年度組は約2倍以上(486~677時間)となっており、2次のガチャに苦慮して受験年数が延びる傾向が伺えます。
一方、1次に限ればスト組と多年度組で投入時間に大差はなく、一定の学習時間(約600~700時間)を確保すれば突破可能であることが示唆されています。これは1次の易化により、合格に必要な最低限のインプット量が下がったことを意味します。
また、高実力層の中には学習効率が極端に高い例も確認されています。例えば令和4年度合格者の中には、「1次140時間+2次60時間=合計200時間」で合格したケースや、「合計296時間」で合格したケースが報告されています。
前者は公認会計士、後者はMBA保有者であり、経営・会計に関する事前知識を持つことで大幅な学習時間圧縮が可能になったと考えられます。こうした専門知識を備えた高能力層が試験易化後に参入し、短期間でストレート合格を遂げるケースが増えたことは、暗記負荷緩和による裾野拡大と合格までの高速化を象徴する現象です。
今のド易化が続く限り、「1次」は基本知識の簡単暗記に過ぎない。そして「2次は当日考えるアドリブ試験」と捉えるか、「過去問の答とノウハウ覚えていつか合格!」を夢見るかで、上位5%⇔隣のふぞろいの二極化が進みます。
Step-5:最後にAIアドバイス
この期間は過去問を使ったインプットを優先しつつも、闇雲に時間をかけず、わざと期間を空けて解き直す長期記憶化を意識します。科目横断的に関連する知識はまとめて習得し、過去問もこの段階から「なぜそうなるのか」を意識してまず過去問の正解を覚えて行きます。
試験の約3か月前(5月頃)からは学習スタイルを一変させ、正解を覚える以外に誤答選択肢に注目します。各科目あたり1週~2週で全5年分の過去問を完全に仕上げることを続け、それを直前まで繰り返します。演習後は解説やテキストを参照し、間違えた箇所や知識の抜け漏れをスポット的にインプット補強します。この時期は短期記憶の活用も有効なので、暗記すべき数値や用語は暗記カードや語呂合わせを使って集中的に詰め込みます。この時期でもテキストの暗記より、誤答選択肢の「どこを直せば正解か」の正文化学習が効果的です。
7月以降は市販模試や答練を毎週末に受験し、本番シミュレーションを積み重ねます。模試の結果に一喜一憂しすぎず、弱点科目の補強に役立てます。特に得点が安定しない科目は平日の学習配分を増やし、苦手科目克服に重点投入します。
一方で得意科目も油断せず過去問演習を継続し、ミスの傾向を分析してケアレスミスの減点を防ぎます。直前期にはファイナルチェックリストや要点まとめノート(いわゆる「直前ファイナルペーパー」)を活用し、忘れてはいけない論点を試験当日の朝まで確認できるよう準備します。
短期集中型のスケジュールでは燃え尽きや体調不良に注意が必要です。週1日は半日の休息を入れる、試験本番の時間帯に合わせた生活リズムを整える、適度な運動で集中力を高める、といったコンディション調整もスケジュールに組み込みます。本番が近づいたら十分な睡眠を確保し、当日のパフォーマンスを最大化できる状態を作ります。
今のド易化した「1次」では、ふぞろい並みにオツムが弱いか、よほどの準備不足でない限り普通に受かる。さらに過去問の答をひたすら覚える過去マス勉をいつ卒業するかが、「2次」150h時短合格のカギになります。
今日のまとめ
次の後編では、こうした「1次」暗記緩和の影響が「2次」の時短合格スピード競争にどう波及しているかをさらに深掘りします。短期ストレート合格者が臨む2次試験対策の特徴や、一次・二次を通じた最速合格を実現するための戦略、そして資格取得後のキャリアへの影響について、データと事例を基に検証します。後編にご期待ください。
それはDeep Researchを実装したAI試験委員の力を借りればお安い御用。隣が右往左往する内に先手を取って奴らにパクらせないこと、それとあのノロマなノウハウをうっかり踏んでパクらせられないことが150h合格時短のカギになります。