
スラムダンクのような華やかさこそないが、下からそうっとボールをリングに届けるのがレイアップシュート。すると同じ2点が入るよね?と説くY.Sさんの体験記が幕を開けます。
1. 診断士に挑戦した理由・きっかけ、年齢(任意)
挑戦した理由は、40代半ばに差し掛かった、2018年夏、自身の経験や知見を活かしたいと思い、資格を得て転職をしたかったから。単に、現職でキラキラしていない自分を中小企業診断士という資格で変革したかった。
2. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目、「1次」科目別点数(合格年)
学習開始 | - |
学習開始時知識 | とくになし |
学習開始時保有資格 | 現在の小売業で必要な、登録販売者。販売士2級。 |
得意科目 | キャリアが製造、卸、小売業なので「運営」が得意 |
不得意科目 | 「財務」が最も不得手で、伸び悩んだ |
1次科目別点数
初回の「1次」突破はR1から受験し、R3で初合格。R3、R4と「2次」失敗。出直しでR5の「1次」が受験できず、R6で7科目合格。
経済 | 財務 | 経営 | 運営 | 法務 | 情報 | 中小 | 計 | |
2024 | 60 | 60 | 58 | 74 | 64 | 56 | 59 | 431 |
3. 学習スタイルとそのメリット・デメリット
1次 | 独学一本。 とはいえ、テキストを買い集めるより安く思え、携帯でスキマで学べるスタディング。 |
2次 | 独学 |
○メリット | ×デメリット | |
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1次・2次 | (スタディング) ①PC、タブレット、スマホとどんな媒体でもどこでも学習できる ②初年度はそこそこするが、次年度からは半額以下で継続できコスパがよい。③検索ですぐ知りたい論点がすぐ見つかる。採点も解き終わると同時にやってくれ、タイパがよい。 | ①「2次」の学習教材が分かりづらいため、「ふぞろい」「全知・全ノウ」「30日完成事例Ⅳ」などの書籍が必要。 ②またネットの勉強会にzoomで参加したり、「まとめシート」やYouTubeで情報収集を実施し、解法を模索する必要がある。 ③同じ目標を共有でき、モチベーションを維持するリアルな人脈を、XなどSNSで勉強仲間を見つける必要がある。 |
4. 筆記合格までの受験回数、学習時間とその作り方
回数 | 「1次」→4回、「2次」→3回 |
学習時間 | 「1次」は合計1600時間。1回目の「1次」合格までに1100時間、2回目は500時間。 「2次」は合計1030時間。1回目250時間、2回目500時間、3回目280時間。 |
作り方 | - |
5. 筆記合格までの学習法(1次・2次)
「1次」
利用テキスト | 「スタディング」のみ |
戦術 | ・1周目インプット。ベースがないので1周目が苦戦。2周目通しで解答。3周目から間違えた問題を中心。 ・初回「1次」合格まで3年かかった一番の要因は、知識を感覚で把握し、理論で把握しなかったこと。単語の意味や、つながり、設問の問うていることは何かなどを意識することで正答率があがった。ChatGPTで知識の深堀りをした。 |
「2次」
利用テキスト | 1、2回目「ふぞろい」「全知全ノウ事例Ⅳ」「30日完成事例Ⅳ」「EBA100字訓練」 3回目「春秋要約」「マスタガ」「企業診断」「LEC模試」「スタディングAI採点」ときどき「ふぞろい」 |
戦術 | ・1回目は、事例Ⅰ~Ⅲは「ふぞろい」中心に35事例。事例Ⅳは「全知全ノウ」「30日完成」中心に2周、事例Ⅳは2事例のみ。結果は43,70,40,37=190 ・2回目は、過去問をH23~R3までの11年分解いて、「ふぞろい」で採点を83事例。 時間の使い方は体得できたが、結果は66,43,51,39=199 ・3回目は、なぜ2回の受験で200点すら突破できないのかを熟考し、勉強方法や教材を大幅に変更した。結果は2次筆記合格。 |
6. 私の思う当落分岐点 ~試験合格への転機を感じた、あの瞬間~
1、2回の失敗を反省したところ、「ふぞろい」採点ワードは拾えているが、文章が破綻して日本語になっていない。そこで3回目の2次筆記試験で、学習方法を大きく変えました ・ |
①Xの受験生界隈で「春秋要約」を活用し、日経新聞のコラム「春秋」約570字を40字にまとめる訓練で伝わる力と、記者が何を伝えたいのかを養った。なるだけ春秋の単語を使ってポエムしないことで、与件文の言葉を活用することに意識。これは2次試験にも大いにつながったと思います。 |
②事例Ⅰ~Ⅲの構文については広く知られるが、事例Ⅳに関しての「解答の型」の情報が少ない。そこで「マスタガ」で事例Ⅳを解く基礎力向上と、狭い解答用紙に何を書くのか解答方法の型を独自に作成。例えば、計算式の初めと結果のみで、途中計算は書かないなど。 |
③初見力を磨くため、月刊「企業診断」を定期購読。毎月2事例、受験校の先生作問の事例が掲載されるため、時間80分で挑戦した。今思えば、春秋要約も初見力向上のひとつか。 |
④受験校のノウハウは模試の解説特典で触りだけでも手に入るので、LECを受けて、立花先生の解説で外堀りを把握した。 |
⑤何を間違うのか、自分のミスノートを作成し、毎回間違える箇所や論点を間違えないように見直した。「エミリー@まなび生産性向上」のブログを参考にした。 |
私の場合、事例数を数多く解けば受かる!というのを妄信して失敗したので、ひとつずつしっかりと消化して咀嚼していったことが奏功した。なので。3回目は、22事例のみ。 とにかく、自分の弱い部分と向き合ったことが、合格ガチャを引き当てた要因のひとつと考えます。 |
7. 学習時・試験当日のエピソード
・学習時は特にないが、当日の朝には合格した夢で起きた!
・ほっぺをつねっても痛く、夢も覚めないから本物だ!とうかれていたら夢から醒めてしまった。
・試験当日は、SLAM DUNK安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」や「レイアップ(解答)は、ボール(問われたことを素直に答える)をリング(解答用紙)へ置いてくる」を意識しながら解答していたら、4事例とも頭真っ白にならずにできた。
・しかし、事例Ⅰで時間を10分読み間違え、最後5分で慌てて第4問(2)の100字を埋めたときは焦りました。
8. これから合格を目指す方へのアドバイス
・得点開示はまだですが、当落線上の当確のほうで運がよかったと思っています。
・ひとつ申し上げるならば、皆さんの弱みはそれぞれですが、まずは自身のSWOT分析をお勧めします。
・私はWが非常に弱かったので、Sを活かすよりもWを磨き、全科目合格点の60点をとる戦略にしました。
・自分の弱みは自分でないとわかりませんので、自身と向き合ってみてください。