ラスト2週に入り全身の感覚が研ぎ澄まされて、やっと「1次」4択の出題意図に気付いたのがこれまで。そこは生成AIにさっさと解説させて、人類がその一歩先、二歩先へと踏み込むのがこれからです。
いえ、わかってくれればよいのです。そして生成AIは聞き手のオツムの程度を見て答を返すので、ヘタクソには平気で嘘をつき、上手に聞くと期待以上の答を出せます。
生成AIが自ら答えた、4択マークシート対策での利点3選
①わかりやすい解説 | ②作問者の意図(ひっかけポイント)も解説 | ③学習課題の高度化 |
---|---|---|
生成AIは、設問に対して詳細かつ分かりやすい解説を提供します。誤答の理由や正答の根拠を明確に説明することで、受験者の理解を深めることができます。 | 生成AIは、設問の背後にある作問者の意図を解説することができます。これにより、受験者はどのようなポイントで誤答させようとしているのかを事前に把握しやすくなります。 | 生成AIを活用することで、過去問回転にかかる時間が短縮され、受験者はより自律的に次の学習行動を取ることができます。 |
生成AIは誤答選択肢のどこが誤りでどう直せば正解かを具体的に説明できます。例えば、「平均費用が増加する」と誤解しやすいポイントを的確に示し、その背景に頷くことで、同じ誤りを繰り返さないようになります。 | 誤答選択肢には、特定のミスを誘発するひっかけが用意されます。生成AIは例えば、「生産量の増加に伴う平均費用の変化」のどこがひっかけかを示すことができるため、より自信を持って正解を選べるようになります。 | 従来の方法では、過去問の回転だけに偏重する方も数多く見られましたが、生成AIはそのレベルを一瞬で乗り越えます。これにより、受験者は過去問の解答と解説にかかる時間を短縮し、より高度な学習課題に取り組むことが可能となります。 |
【最後の2択】ミクロCランク16選 / もともと当たるミクロがより当たる
7月スタート【最後の2択】シリーズも、今日で全16回中の12回目。生成AIの解説がどこまで上手になったか、見せてもらおうな。

企業行動 Cランク5選
R4第15問 供給関数 (1)(2)Cランク
利潤最大化を達成するための最適生産について考えるためには、総収入と総費用の関係を見ることが重要である。下図には、総収入曲線TR と総費用曲線TC が描かれている。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1 )
費用関数に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〇a 総費用曲線TC の縦軸の切片は、固定費用に等しい。 | 〇b 平均費用が最小値を迎えるところでは、限界費用と平均費用が一致する。 | ×c 生産量の増加に比例して、平均費用も増加していく。 |
その通りです。 | その通りです。 | 「生産量が増加すると費用が増える」という直感から、平均費用も増加すると誤解しがちです。しかし、平均費用は総費用を生産量で割ったものであり、固定費用が分散されるため、生産量が増加する途中段階では平均費用が減少します。 |
(設問1) | a | b | c |
×ア | 正 | 正 | 正 |
〇イ | 正 | 正 | 誤 |
×ウ | 正 | 誤 | 誤 |
×エ | 誤 | 正 | 正 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 |
(設問2 )
利潤に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a Q1 の生産量では、価格が限界費用を上回っており、生産を増やせば利潤が増加する。 | ○b Q0 の生産量では、総収入曲線の傾きと、総費用曲線の接線の傾きが等しくなっており、利潤最大化と最適生産が実現している。 | ○c Q2 の生産量では、限界費用が価格を上回っており、生産を減らせば利潤が増加する。 |
選択肢a、b、cのうち、特に誤答しやすいのは選択肢bです。選択肢bは利潤最大化の条件を具体的に理解することが必要であり、この概念を正しく理解していない受験者が誤答して正答率Cになります。 | ||
生産量Q1では価格が製品の生産コストを上回っているため、生産量を増やすと総利潤が増加します。 | 生産量Q0では、総収入曲線の傾きが総費用曲線の接線の傾きと等しくなり、ここが利潤最大化のために最適な生産レベルです。 | 生産量Q2では限界費用の傾きが価格を上回っているため、生産量を増やすと総利潤が減少します。 |
(設問2) | a | b | c |
〇ア | 正 | 正 | 正 |
×イ | 正 | 正 | 誤 |
×ウ | 正 | 誤 | 正 |
×エ | 誤 | 正 | 正 |
×オ | 誤 | 正 | 誤 |
正答率Cランクでは、「費用は増えるだろう」「3択のうちどれか1つは○だろう」との、受験者の思い込みに注目して正答率を下げてくる。今日の16問で、この思い込みをクールに避けます。
R1第15問(設問1) 等産出量曲線 Cランク
下図は、産出と費用の関係を描いたものである。労働と資本の両方を可変的インプットとして、生産要素の投入と生産物の産出との関係を描いたものが等産出量曲線である。また、等費用線は、一定の費用のもとで労働と資本をどのくらい投入することが可能かを表している。
等費用線のシフトに関する記述として、最も適切なものはどれか。

○ア 資本のレンタル価格が上昇した場合、横軸の切片は不変のままで、縦軸の切片が下方に移動する。 | ×イ 賃金率が下落した場合、縦軸の切片は不変のままで、横軸の切片が左方に移動する。 | ×ウ 賃金率の上昇と同じ割合で資本のレンタル価格が下落すれば、等費用線の傾きは変わらない。 | ×エ 費用が増加すると、等費用線が左方に平行移動する。 |
「資本のレンタル価格」という表現に不慣れのため、正解に選びにくくなっています。 | この選択肢では、賃金率と資本のレンタル価格の関係が同じ割合で変化するとしますが、縦軸切片は上方移動、横軸切片は左方移動と、2つの要素を同時に考慮させるため、誤答しやすくなっています。 | ||
資本のレンタル価格が上昇とは費用の増加を指すため、予算制約上利用できる上限が下がり、縦軸切片は下方に移動します。 | 賃金率が下落すると、労働コストが低下し、予算制約上利用できる上限が上がり、横軸切片は右方に移動します。 | 賃金率と資本のレンタル価格が同じ割合で上昇(または下落)すると、等費用線の傾きは変わりません。 | 費用が増加すると、その2財の組み合わせ可能性を示す等費用線は左方でなく右方に平行移動します。 |
(設問1) | × | →○ |
×イ | 左方 | 右方 |
×ウ | 変わらない | 急になる |
×エ | 左方 | 右方 |
等産出量曲線は企業行動(資本⇔労働)の出題ながら、等費用線(消費者行動)の知識を使って解く。この仕組みが分かると、安心してCランク1マークを正答できます。
R4第16問(設問2) 等産出量曲線 Cランク
財の生産においては、労働や資本といった生産要素を効率的に投入することが必要となる。下図では、最適な生産要素の投入量を考えるために、等産出量曲線と等費用線が描かれている。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 点A から等産出量曲線に沿って、労働量を増やし資本量を減らすと、点Eにおいて最適投入を達成できる。 | ×b 点B では、技術的限界代替率が要素価格比率より大きい。 | ○c 点E では、要素価格1 単位当たりの限界生産物が均等化する。 |
技術的限界代替率=等産出量曲線の傾き、要素価格比率=等費用線の傾きですが、一般的なテキストはここは収録していません。 | ||
点Aから生産要素の投入比率を変える、つまり労働量を増やして資本量を減らすと最適投入の点Eに到達します。 | 点Bの等産出量曲線(凸な曲線)の傾きは、等費用線(直線)の傾きより小さくなっています。 | 限界生産物の均等化とは、労働と資本のどちらにお金を掛けても生産物が同量増える状態を指し、利潤を最大化する最適条件になります。 |
(設問2) | × | →〇 |
×b | 大きい | 小さい |
技術的限界代替率=曲線の接線の傾き、要素価格比率=等費用線(直線)の傾きとだけ覚えれば、難しい理屈抜きにグラフで当たる問題です。
R5第15問 等産出量曲線 Cランク
ワインとチーズという2 財を生産するために、2 つの生産要素である資本と労働をどのように配分するかという問題を考える。
縦軸に資本の賦存量、横軸に労働の賦存量をはかった下図では、OWがワインを生産するのに両生産要素の投入量がともに0 の状態、同様にOCがチーズを生産するのに両生産要素の投入量がともに0 の状態である。したがって、ボックスの中の任意の点は、これら2 財の生産に投入される資本と労働の配分パターンを表している。
ワインとチーズの等産出量曲線がそれぞれ図のように示されているとすると、2 財の生産に投入される両生産要素の配分パターンに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 点Aでは、パレート効率が実現している。 | ×b 点Dは点Cよりもチーズの生産量が多い。 | ○c 点Bから点Cへの変化は、生産の効率性を改善する。 | ×d 点Eでは、2財の生産において資本と労働の技術的限界代替率が等しい。 |
この設問はabcdのどれか1つを正解に選ぶのでなく、4つそれぞれの正誤を判断させ、正答しにくくなっています。誤答×adに気付いても、この×bの誤りに気付かないと、誤答×エに誘導されます。 | ×bの誤りが見抜けないと、この○cをバツにしてしまいがちです。 | ||
この図はエッジワースボックスと呼ばれ、2財の等産出量曲線がそれぞれ原点から遠くなるほど産出量が増えます。パレート最適が実現するのは点Aではなく、チーズの産出量がより多い点Cです。 | この図はエッジワースボックスと呼ばれ、2財の等産出量曲線がそれぞれ原点から遠くなるほど産出量が増えます。点Dは点Cより原点に近く、生産量は少なくなります。 | この図における点Bから点Cへの移動による2財の生産効率向上とは、ワインの人手を増やすことで節約された資本(機械)をチーズに投入し、チーズの生産量が増えることを指します。 | 点Eでなく点Cにおいて、ワインとチーズの生産における労働と資本の技術的限界代替率(つまり曲線の接線の傾き)が等しい状態が成り立ち、ここで労働と資本の配分と生産の効率性が最適化されます。 |
× | →○ | |
×a | 点A | 点C |
×b | 多い | 少ない |
×d | 点E | 点C |
a | b | c | d | |
×ア | 正 | 正 | 正 | 誤 |
×イ | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
×ウ | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
×エ | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
○オ | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
不慣れで当てにくい等産出量曲線の問題も、3問続けて解くと前の問題の知識が頭に残って当てやすい。これを「知識の想定力」「想定読み」と呼び、同業D社勢と「2次」で最大の差がつくポイントです。
消費者行動 Cランク5選
R1第12問 無差別曲線 Cランク
Aさんは、夕食時にビールと焼酎を飲むことにしている。Aさんの効用水準を一定とした場合、ビールを1 杯余分に飲むことと引き換えに減らしてもよいと考える焼酎の数量が、徐々に減ることを描いた無差別曲線として、最も適切なものはどれか。

×ア | 〇イ | ×ウ | ×エ |
---|---|---|---|
無差別曲線が一般に下に凸である(○イ)と想定していないと、この×アをつい選びがちです。 | |||
2財が「完全代替財」であるとき、無差別曲線はアの直線になります。これはビールと第三のビールのように、どちらを飲んでもあまり変わらないケースを指します。 | 消費者が効用を最大化するために2財の組み合わせを検討するとき、2杯目、3杯目と飲み進むと「効用の低減」が起きます。ビール・焼酎のどちらかに偏りすぎないことでより少ない総量で満足し、無差別曲線は下に凸となります。 | 効用が上昇する割合が減少する上に凸な曲線は、通常の消費者の選好を表す無差別曲線として一般に不適切です。 | 2財が「完全補完財」であるとき、無差別曲線はL字型の直線になります。これは左右一対の靴のように、左靴が一足あるとき、右靴を二足、三足と増やしてもムダということです。 |
ここを真面目に説明すると、同業D社のヘタクソ解説なみに小難しくなる。そうでなく「簡単に説明して」と頼むと、そうしてくれるのが生成AI解説のおっきな利点な。
R3第15問 無差別曲線 Cランク
下図のような形状をした無差別曲線に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a X 財がおにぎり、Y 財がサンドイッチのように、不完全であるが代替可能性のある2 財の関係を示している。 | ○b X 財がお弁当、Y 財が容器ゴミのように、通常の財と負の財の関係を示している。 | ○c この無差別曲線上におけるX 財とY 財の組み合わせでは、得られる効用は一定である。 | ×d この無差別曲線上を右に行くほど、X 財を1 単位増やすために減らさなければならないY 財の量は増加する。 |
「代替財」「補完財」と異なる「負の財」は学習範囲外であるため、○bより×aを正解に選びがちです。 | |||
右肩上がりの無差別曲線とは、代替財でも補完財でもなく、通常財と負の財の関係を示し、通常財を消費するため、やむなく別の財も使う関係を示します。 | 同左 | 一つの無差別曲線上では、得られる効用は一定になります。 | ×aの説明の通り、減らすのではなく増やす必要があります。 |
× | →○ | |
×a | サンドイッチ 不完全であるが代替可能性 | お手拭き どちらか一方に効用が生じない |
×d | 減らさなければ | 増やさなければ |
「負の財」のような学習範囲外の初見知識を尋ねるときは、○bのように予備知識が与えられることが多い。国語アドリブで解く「2次」においても、必要以上の余計知識の覚えすぎは逆効果です。
R4第11問 需要関数 Cランク
下図には、需要曲線が描かれている。この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〇a 価格が下落すると、消費者の限界価値が低下する。 | ×b 価格がP0 のときの消費者の支払意思額は三角形AEP0 で示される。 | 〇c 価格がP0 のときの実際の支払額は四角形OP0EQ0 で示される。 |
限界価値とは、消費者が追加で1単位の財を購入する際に支払いたいと考える価格のことですが、テキスト外なので×をつけがちです。 | ||
消費者にとり価格が下がるのは良いことですが、同じ量を購入する際の満足度(限界価値)は低下します。 | 支払っても良いと感じる意思額は、三角形AEP0でなく台形AEQ0Oです。 | この記述は正しいです。実際の支払額は、数量Q0×単価P0で求める四角形 |
× | →〇 | |
×b | 三角形AEP0 | 台形AEQ00 |
a | b | c | |
×ア | 正 | 正 | 正 |
〇イ | 正 | 誤 | 正 |
×ウ | 正 | 誤 | 誤 |
×エ | 誤 | 正 | 正 |
×オ | 誤 | 正 | 誤 |
○aが不明でも、×bが誤答と決まれば△イウの2択になる。難しい所も出したいが、正答率を下げたくない作問事情を上手に使います。
R1第13問 価格弾力性 Cランク
ここでは、ある財の消費者が、学生とそれ以外の一般消費者に分けられるものとする。このとき企業は、学生とそれ以外の一般消費者に対して異なる価格をつけることができる。また、学生は価格に対して弾力的である。
市場のパターンと、企業の価格設定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア この財の市場は競争的であり、学生に対する価格を引き上げると、企業収入が増加する。 | ×イ この財の市場は競争的であり、学生に対する価格を引き下げると、企業収入が増加する。 | ×ウ この財の市場は不完全競争であり、学生に対する価格を引き上げると、企業収入が増加する。 | ○エ この財の市場は不完全競争であり、学生に対する価格を引き下げると、企業収入が増加する。 |
正解〇エ(価格の引き上げ→収入増)が直観的に判断しにくいため、先にこの×ウにバツをつけます。すなわち学生が価格に弾力的である場合、価格を引き上げると購入量が大きく減り、収入が減ります。 | |||
競争市場では企業は価格設定力を持たないため、この市場は不完全であると判断できます。 | 同左 | 不完全競争市場では、企業はある程度の価格設定力を持っています。学生が価格に弾力的である場合、価格を引き上げると購入量が大幅減し、企業収入が減少します。 | 不完全競争市場では、企業はある程度の価格設定力を持っています。学生が価格に弾力的である場合、価格を引き下げると購入量が大幅増し、企業収入が増加します。 |
× | →○ | |
×ア ×イ | 競争的 | 不完全競争 |
×ウ | 引き上げる | 引き下げる |
400hで受かる時短時代では弾力性概念までカバーするのは難しいですが、注意深く題意を酌めば×ウを落とし、消去法で〇エになります。
R4第14問 価格弾力性 Cランク
下図には、Q=-P + 10 で表される需要曲線が描かれている(Q は需要量、Pは価格)。点A および点B における需要の価格弾力性(絶対値)に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 需要の価格弾力性は、点A のとき1 であり、点B のとき1 である。 | ×イ 需要の価格弾力性は、点A のとき1 であり、点B のとき4 である。 | 〇ウ 需要の価格弾力性は、点A のとき4 であり、点B のとき1 である。 | ×エ 需要の価格弾力性は、点A のとき4 であり、点B のとき4 である。 |
選択肢×アは「需要の価格弾力性が、点Aでも点Bでも1である」としており、つい選びやすいですが、実際に計算すると間違いとわかります。 | |||
需要曲線 Q=−P+10 において、需要の価格弾力性は価格と需要量に依存します。点Aと点Bで同じ価格弾力性になることはありません。 | 点Aと点Bの価格弾力性を正確に計算する必要がありますが、この選択肢の値は正しくありません。 | 実際に計算して求めますが、点A(価格が高く需要量が低い)は価格弾力性が高く、点B(価格が低く需要量が多い)は価格弾力性が低くなります。 | 点Aと点Bの価格弾力性を正確に計算する必要がありますが、この選択肢の値は正しくありません。 |

テキストを目で追っても理解しにくい弾力性は、当問を使ってエクセル計算すれば納得。なおA、Bからの変化量(A’、B’)を任意に変えても、弾力性の計算結果は同じです。
市場均衡 Cランク3選
R1第18問(設問2) 関税(死荷重) Cランク
下図は、産業保護という観点から、輸入関税と生産補助金の効果を描いたものである。輸入関税をかける場合、この財の国内価格はPf からPd へと上昇する。また、生産補助金を交付する場合、この財の供給曲線はS0 からS1 へとシフトする。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問2)輸入関税と生産補助金による社会的余剰の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。

×ア □BCJK の分だけ、生産補助金の方が輸入関税よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 | ×イ □FGKH の分だけ、輸入関税の方が生産補助金よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 | ×ウ △FIH と △GJK の分だけ、輸入関税の方が生産補助金よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 | ○エ △FIH の分だけ、生産補助金の方が輸入関税よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 |
当問は関税と補助金の効果を同時に論じているため図に示された領域の解釈が難しく、この選択肢をつい選びがちです。 | |||
□BCJKは生産補助金の交付額を示しますが、関税を掛ける場合に比べ、△FIHの分だけ死荷重が少なくなります。 | ×アと同じく、関税を掛けると△FIHの分だけ死荷重が増えるので、説明が逆です。 | △GJKは関税・補助金どちらでも死荷重になりますが、×イと同じく説明が逆です。 | 関税を掛けると需要量がQ1→Q3に減りますが、補助金の場合はQ1のままになり、死荷重が少ない分効果的です。 |
(設問2 ) | × | →○ |
×ア | □BCJK | △FIH |
×イ | □BCJK 輸入関税 | △FIH 生産補助金(下線部あべこべ) |
×ウ | と△GJK 輸入関税 | (削除) 生産補助金(下線部あべこべ) |
当問は見た目以上に難しいので、補助金の前提を一旦忘れ、輸入関税の効果と死荷重を先に確認を。その上で補助金の死荷重と比較できる方には良問です。
R2第17問 補助金(死荷重) Cランク
農業保護を目的とした農家への補助金政策の効果を考える。下図において、D は農産物の需要曲線、S は補助金交付前の農産物の供給曲線、S’ は補助金交付後の農産物の供給曲線である。政府は、農産物1 単位当たりEF またはHG の補助金を交付する。
この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

×a 政府が交付した補助金は□ACEF である。 | ○b 補助金の交付によって、消費者の余剰は四角形ABGE だけ増加する。 | ×c 補助金の交付によって、総余剰は△EFGだけ増加する。 | ○d 補助金の交付によって、農家の余剰は四角形BCFG だけ増加する。 |
○dの生産者余剰の増加額の判断が難しいため、×aを正解にしてしまい、誤答×アを選んでしまいがちです。 | |||
政府の補助金交付対象は増加分を含む生産量全量になるため、□ACEF+□EFGHが正しいです。 | 補助金の交付により価格がA→Bに下がるため、消費者余剰が□ABGEだけ増加するとの説明は正しいです。 | 補助金の交付で、総余剰が増加することはありません。 | 農家の余剰は直線BGとS’で囲まれた三角形になるため、もともとあった生産者余剰を引き、□BCFGだけ増加するとの説明は正しいです。 |
× | →○ | |
×a | □ACFE | □ACEF+□EFGH |
×c | △EFGだけ増加 | △EGHだけ減少(死荷重) |
a | b | c | d | |
×ア | × | ○ | ||
×イ | × | × | ||
×ウ | ○ | × | ||
○エ | ○ | ○ |
R1第18問(設問2)に比べるとぐっと易しい。関税・補助金それぞれで生じる死荷重を、まず別々に覚えてしまいます。
R3第18問 補助金(死荷重) Cランク
生産に外部経済が伴う場合の市場均衡を考える。下図には、需要曲線D、私的限界費用曲線S0、社会的限界費用曲線S1 が描かれている。市場均衡は点F で与えられ、均衡価格はP1、均衡取引量はQ1 である。また、社会的な最適点は点E で与えられている。
このとき、社会的に最適な状態を実現するために政府が生産者に対して補助金を交付するとする。交付される補助金の大きさとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○イ 四角形CBEH |
---|
R2第17問と同じ知識から、補助金の交付額は□CBEHの一択になります。 |
× | →○ | |
×ア | 四角形CBEF | △EFHを足す |
×ウ | 四角形CBGF | 生産量をQ1→Q2 |
×エ | 四角形FGEH | 生産量を(Q2-Q1)→Q2 |
×オ | 四角形P1P2GF | ×ウと同じ |
R1第18問が難しすぎたので、その後手加減したR2第17問やR3第18問も正答率Cのまま。さらにR5第13問は正答率Dに下がり、この関税・補助金の死荷重が苦手な時は後回しな。
不完全競争・市場の失敗 Cランク3選
R5第19問 独占 Cランク
下図は、ある地域で独占的な地位にある電力会社の平均費用AC、限界費用MC、限界収入MRおよび同地域での電力の需要曲線Dを示している。この図から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○a 平均費用価格形成原理の下で、この企業の総収入と総費用はともに四角形P2OQ2Gで示される。 | ×b 平均費用価格形成原理の下で、生産者余剰は四角形P1P2GFで示される。 | ×c 限界費用価格形成原理の下で、消費者余剰は三角形EP1Fで示される。 | ○d 限界費用価格形成原理の下で、この企業には四角形P3P4IHに相当する損失が生じる。 |
独占=企業ががっぽり儲かるイメージがあるため、「平均費用価格形成原理」の知識がないと、○aを選びにくくなります。 | |||
生産量はACとDの交点であるQ2に決まり、その総収入・総費用は選択肢の説明の通りとなり、企業の利潤はゼロになります。 | 左の説明の通り生産者余剰(企業の利潤)はゼロです。 | 生産量がMCとDの交点に決まるため、消費者余剰は△EPIになり、大きく増加します。 | 生産量がMCとDの交点に決まると固定費が回収できない分、企業には選択肢の説明通りの損失が生じます。 |
× | →○ | |
×b | 四角形P1P2GF | ゼロ |
×c | 三角形EP1F | 三角形EP4I |
当問は、平均費用価格形成原理=ACとDの交点、限界費用価格形成原理=MCとDの交点で生産量が決まる。その知識を前提に読むと簡単に解けます。
R4第17問 独占的競争 Cランク
完全競争と不完全競争における市場の特徴に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 完全競争市場の売り手は多数であるのに対して、独占的競争市場では売り手が少数である。 | 〇b 完全競争市場の売り手はプライス・テイカーであるのに対して、不完全競争市場における売り手はプライス・メイカーである。 | ×c 完全競争市場の売り手が同質財のみを生産するのと同様に、不完全競争市場における売り手も同質財のみを生産する。 |
独占的競争市場=売り手が多数の知識がないと、独占のイメージでこの選択肢を○にしがちです。 | ||
独占や寡占市場の売り手は1社か少数ですが、独占的競争市場では多くの企業が存在し、それぞれが独自のブランドや少し異なる商品を提供して競争します。 | 選択肢の説明の通りです。 | 完全競争市場では売り手が同質の商品を生産しますが、不完全競争市場では独自のブランドや製品特性を持つ異質の商品を生産することがあります。 |
× | →〇 | |
×a | では 少数 | でも 多数 |
×c | も同質財のみを | は同質財以外も |
a | b | c | |
×ア | 正 | 正 | 正 |
×イ | 正 | 誤 | 誤 |
×ウ | 正 | 正 | 正 |
○エ | 誤 | 正 | 誤 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 |
完全競争市場 | 不完全競争市場 | 独占的競争市場 | |
---|---|---|---|
売り手の数 | 多数 | 多数 | 多数 |
商品の差別化 | 同質財のみ | ありうる | ありうる |
市場価格の影響力 | プライス・テイカー | プライス・メイカー | プライス・メイカー |
企業の市場力 | なし | 弱い | 強い |
価格設定の自由度 | なし | 弱い | 強い |
需要曲線の形状 | 下向きの斜線 | 下向きの斜線 | 下向きの斜線 |
企業の利益 | 通常化傾向 | 多様 | 高い |
独占的競争市場は出ても5年に1回なので、つい暗記が後回し。生成AIに作ってもらった比較表↑で、暗記も楽々です。
R4第21問 情報の非対称性 Cランク
情報の非対称性がもたらす逆選択に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 自動車保険における免責事項には、保険の契約後に生じる逆選択を減らす効果が期待できる。 | 〇b 医療保険制度を任意保険ではなく強制保険にすることには、病気になるリスクの高い人のみが医療保険に加入するという逆選択を減らす効果が期待できる。 | 〇c 企業が新たに従業員を雇う際に、履歴書だけではなく、その応募者のことをよく知っている人からの推薦状を求めることには、見込み違いの従業員を雇ってしまうという逆選択を減らすことが期待できる |
逆選択とモラルハザードは混同しやすく、×aを正答にしがちです。 | ||
免責事項は、保険契約後の事故や損失に対する保険金請求を抑制することでモラルハザードを減らす効果がありますが、契約前の情報の非対称性による逆選択を減らす効果はありません。 | 強制保険にすることで、健康な人も含めて全員が加入するため、病気になるリスクの高い人のみが加入するという逆選択が減少します。 | 推薦状を求めることで、応募者に関する情報の非対称性を減らし、企業がより適切な人材を雇うことができるため、逆選択が減少します。 |
情報の非対称性がもたらす逆選択に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×a 自動車保険における免責事項には、保険に生じるモラルハザードを減らす効果が期待できる。 〇b 医療保険制度を任意保険ではなく強制保険にすることには、病気になるリスクの高い人のみが医療保険に加入するという逆選択を減らす効果が期待できる。 〇c 企業が新たに従業員を雇う際に、履歴書だけではなく、その応募者のことをよく知っている人からの推薦状を求めることには、見込み違いの従業員を雇ってしまうという逆選択を減らすことが期待できる。 |
× | →〇 | |
×a | 逆選択 | モラルハザード |
a | b | c | |
×ア | 正 | 正 | 誤 |
×イ | 正 | 誤 | 正 |
〇ウ | 誤 | 正 | 正 |
×エ | 誤 | 正 | 誤 |
×オ | 誤 | 誤 | 正 |
逆選択は契約前の情報非対称性によって生じる問題で、モラルハザードは契約後の行動に関する問題。そう割り切るとスッキリ解けます。
今日のまとめ
そうやって1科目72点×7で500点超えし、同業D社が2択をミスる正答率Cをピンポイントで当てる。すると「2次」確実スト合格はもうすぐそこです。