- 【今日の都市伝説】
- ネルフご自慢のAI様に290枚分のキーワードを捧げる24匹のふぞ先輩。そんな儀式の真っ最中な彼らへのご褒美が、ふぞ本誌+公式ブログにおける「ボクの合格自慢権」だ。

合格自慢とは、マイノウハウを広めて自分の正しさを確かめる、認知的不協和の解消手続きです。
合格自慢の外部不経済【経済:⑧グラフ(面積)】

ふぞ先輩の合格自慢はなぜ起きる?
“本来であれば、社会的限界費用を負担すべき所を、私的限界費用しか負担しないため、割安で生産が行われる。その結果、生産が過剰になって社会的損失(死荷重)が発生する。”
出典:道産子北国の経済教室
ネルフは伝統的に、過酷なタコ部屋労働の対価として、合格自慢を認めてきた。
だが手軽に自慢をできる金型様の暴れっぷりに、さすがにアレはないだろう。ふぞ先輩も気づいた様です。
そうだよ。自分のトクは、試験全体の不利益になるかも。今日は面積パズル論点(余剰分析→貿易と関税→外部効果)をタテ解きして、一気に得意化します。
例題:H29第10問 消費者余剰 Bランク
価格と消費者余剰について考える。下図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 価格が P0 のとき、消費者が Q0 を選択する場合の消費者余剰は、消費者の支払意思額よりも大きい。 〇イ 価格が P1 のとき、消費者が Q1 を選択する場合の消費者余剰は、Q0 を選択する場合の消費者余剰よりも大きい。 ×ウ 価格が P2 のとき、消費者が Q1 を選択する場合の消費者余剰は、Q2 を選択する場合の消費者余剰よりも大きい。 ×エ 価格が0のとき、実際の支払額は0なので、消費者が Q0 や Q1 を選択しても、消費者余剰は得られない。 |
余剰分析の問題は、全てグラフの面積が聞かれます。正解は〇イ一択で、アイは×大きい→○小さい、エは×得られない→○得られるで正解に。

面積グラフ(余剰分析)は、1⃣基本問題(~課税まで) 2⃣貿易と関税 3⃣外部効果の3つだけ。タテ解き繰り返しで、さっさとパターンを覚えとけ。
面積1⃣ 余剰分析
財務省によれば、わが国の2013年度末の公債残高は、GDP の2倍程度であり、財政再建の必要性が指摘されている。財政再建のためには、行政の効率化による支 出削減と増税による収入増とを適切に組み合わせることが必要になろう。こうした状況を踏まえて、以下では税に関する経済モデルを考えている。下記の設問に答えよ。 |
(設問1) いま、価格に反応しない垂直な需要曲線と一定の傾きを持つ供給曲線が、それぞれ実線の直線で下図に描かれている。このとき、政府が従量税を課すと、図中の点線の直線で示されているような形で課税後の供給曲線が描かれるものとする。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 なお、以下では「税の大きさ」とは財1単位あたりの税を意味する。 |


○ア 税収と税の大きさには図Aのような関係があり、課税による死重損失は発生しない。 ×イ 税収と税の大きさには図Bのような関係があり、課税によって死重損失が発生する。 ×ウ 税収と税の大きさには図Cのような関係があり、課税によって死重損失が発生する。 ×エ 税収と税の大きさには図Dのような関係があり、課税によって死重損失が発生する。 ×オ 税収と税の大きさには図Dのような関係があり、課税による死重損失は発生しない。 |
当問はややひっかけ。過去の出題パターンからついエオ(図D)を選びたくなりますが、正解○アです。
(設問2) 一般に、生活必需品Aに対する家計の需要曲線は、価格に対して非弾力的であり、下記の左図のように描くことができる。他方で、贅沢な嗜好品Bに対する家計の需要曲線は、価格に対して弾力的であり、下記の右図のように描くことができる。企業による供給曲線は、これらAとBの2財において価格弾力性が十分に大きく(無限大)、水平な直線として描くことができるとする。このとき、政府によって企業へ従量税が課される場合の説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 嗜好品B への課税では、企業へ帰着する税の負担は、家計へ帰着する税の負担より大きい。 ×イ 嗜好品B への課税では、企業へのみ税の負担が帰着する。 ○ウ 生活必需品Aへの課税では、家計へのみ税の負担が帰着する。 ×エ 生活必需品Aへの課税に比べて、嗜好品B への課税は、死重損失が小さくなりやすい。 |
当問は当てさせないための意地悪問題。エは×小さく→○大きく、イは×企業のみ→○家計のみ、アは×家計へ帰着する税の負担より大きい→○ゼロ。悩む方はスルーしてください。
下図によって間接税(従量税)の経済効果を考える。需要曲線をD、課税前の供給曲線をS、課税後の供給曲線をS′で表す。税は生産物単位当たりtとし、納税義務者は生産者とする。下図では、税負担がすべて消費者に転嫁されている。 この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |

○a 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、消費者の支払う税額は四角形PEE′P′ で示される。 ×b 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、生産者の受け取る価格は課税前に比べてtだけ低下する。 ○c 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、需要の価格弾力性がゼロだからである。 ×d 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、生産量の増加に伴って限界費用が増加するからである。 |
○アaとc ×イaとd ×ウbとc ×エbとd |
bは×tだけ低下→○低下しない。トンチンカンなコトを言っているdは、無視します。
生産者余剰について考える。いま、A〜E の 5 つの企業から構成される社会を想定する。下図では、それぞれの企業が、生産を継続するために最低限回収しなければならないと考える金額(生産物 1 単位当たり)が示されている。 この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 市場価格が400 円を上回れば、 5 つの企業すべてが生産を行う。 ×イ 市場価格が 600 円の場合、 3 つの企業は生産を行わないので、社会全体の生産量は 2 単位である。 〇ウ 市場価格が 1,400 円の場合、社会全体の生産者余剰は 1,800 円である。 ×エ 市場価格が 1,600 円を上回ると、生産を行うのは E のみである。 |
正解は○ウ一択。次にアは×400円→○2,000円、イは×600円→○800~1,199円、エは×Eのみ→○E以外のA~D社が生産です。

下図は、労働市場の需要曲線と供給曲線を示している。D は労働需要曲線、S は労働供給曲線であり、均衡賃金率は W0 である。労働市場における所得分配に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 最低賃金率を W1 に設定すると、市場均衡と比較して、企業の余剰は増加する。 ×イ 市場均衡において企業が労働者に支払う賃金は □OBEN0 である。 ×ウ 市場均衡における労働者の余剰は、△AW0Eである。 〇エ 労働供給が増加すると、当初の市場均衡と比較して、企業の余剰は増加する。 |

このグラフの斜線部分が生産者余剰+消費者余剰=社会的総余剰です。そして同じ考え方のパズル問題が延々出題されるので、当問のように軸が少し変わっても気にしません。
正解○エは、労働供給曲線Sが右シフトし企業の余剰(△の上半分)が増えます。アは×増加→減少、イは□OW1EN0、ウは△BW0Eです。ウが紛らわしいので正答率がCランクに。
消費税の課税については、価格、取引量の変化や税収の金額に加えて、実際に税金を負担するのは誰かという問題も重要となる。下図では、供給の価格弾力性が無限大である場合を考える。ここで、生産物1 単位当たりT 円の課税を行うと、供給曲線S0 は新しい供給曲線S1 へとシフトする。また、需要曲線はD である。 この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |

○a 消費税の課税により、市場価格はP0 からP1 に上昇し、取引量はQ0 からQ1に減少する。 ×b 消費税の課税を行うと、消費者余剰は△AEP0 から、△EFG の分だけ減少する。 ×c 消費税の課税を行うと、税負担の一部が生産者に転嫁される。 ○d 消費税の課税により、政府に入る税収は、□P1FGP0 である。 |
×ア aとb ×イ aとc ○ウ aとd ×エ bとc ×オ cとd |
×bは△EFG→□P1FEP0に直す。cはH27第18問の知識を使い、×一部が生産者に→○全て消費者に、で正解。
下図は、供給曲線の形状が特殊なケースを描いたものである。座席数に上限があるチケットなどは、ある一定数を超えて販売することができないため、上限の水準において垂直になる。なお、需要曲線は右下がりであるとする。 この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 供給曲線が垂直になってからは、生産者余剰は増加しない。 ×イ このイベントの主催者側がチケットの価格をP1 に設定すると、超過需要が生じる。 ○ウ チケットがP3 で販売されると、社会的余剰は均衡価格の場合よりもdGEFHの分だけ少ない。 ×エ チケットがQ1 だけ供給されている場合、消費者は最大P2 まで支払ってもよいと考えている。 |
当問はマクロ(ケインズ型AD-AS)と紛らわしいですが、ミクロの知識だけで解きます。イは×超過需要→○超過供給、エは×P2→○P1。アは丁寧に言い直すと、×増加しない→○需要が増加すると余剰も増加、で正解に。
余剰分析は頻出論点。古い年度からタテ解きするのが、作問傾向を上手に知るコツな。
面積2⃣ 貿易と関税
昨今、WTO を中心とする多国間交渉はうまくいかず、FTA のような比較的少数の国の間の交渉が増加している。 下図は、関税引き下げによって輸入品の価格が P0 から P1 に下落する場合を描いている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ |

×ア 関税引き下げ後、国内の生産者余剰は、引き下げ前より三角形 FGH の分だけ減少する。 ×イ 関税引き下げ後、消費者余剰は、関税引き下げ幅に輸入量 CG を乗じた分だけ増加する。 〇ウ 関税引き下げによる、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形P0FGP1 である。 ×エ 関税引き下げによる貿易創造効果は、四角形 BCGF の部分である。 |
当問はいつもの面積パズルで解くので、○ウが正解。アは×△FGH→□P0FGP1、イは□P0BCP1、エは×□BCGF→○△FGH+△BCI(死荷重の解消)です。
下図は、自由貿易地域の理論を描いたものである。自国が農産物の市場を開放し、貿易を行っている。A国から輸入される農産物の価格はPA、B国から輸入される農産物の価格はPB とする。 当初、自国は、価格の低いA国から農産物を輸入し、その農産物には関税がかかっていた。そのときの国内価格はPA’ である。しかしながら、歴史的な背景から、自国はB国と自由貿易協定を締結した。その結果、B国からの農産物には関税がかからず、国内価格はPB になるが、域外のA国からの農産物には関税がかかる。 この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 関税が賦課された価格PA’ に比べて、自由貿易協定を締結した後の価格PBでは、自国の消費者余剰は□HMNK だけ大きくなっている。 ×イ 自国がB国から農産物を輸入するときの国内の生産者余剰は、A国から農産物を輸入していたときの生産者余剰よりも□PAGNPB の分だけ小さくなる。 ○ウ 自由貿易協定の締結によって、自国が失う関税収入は、□HIJK である。 ×エ 自由貿易協定の締結による貿易創造効果は、△HLM と△KNR であり、貿易転換効果は、□HLRK である。 |
当問は×アイエとも紛らわしい分、落ち着いて復習すると教育効果の高い良問です。×アは□HMNK→□PA’HMPB、×イは□PAGNPB→□PA’KNPB、×エは□HLRK→□ILRJで正解に。
下図は、産業保護という観点から、輸入関税と生産補助金の効果を描いたものである。輸入関税をかける場合、この財の国内価格はPf からPd へと上昇する。また、生産補助金を交付する場合、この財の供給曲線はS0 からS1 へとシフトする。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 |

(設問1 ) 輸入関税をかけた場合、また、生産補助金を交付した場合の需要量と供給量に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 輸入関税をかけた場合の需要量はQ1 である。 ×イ 輸入関税をかけた場合の供給量はQ2 である。 ×ウ 生産補助金を交付した場合の需要量はQ3 である。 ○エ 生産補助金を交付した場合の供給量はQ4 である。 |
タテ解きすると、輸入関税・生産補助金前の需要量がQ1とすぐわかる。ここから変動を見ていくと、×アはQ1→Q3、×イはQ2→Q4、×ウはQ3→Q1と直せます。
(設問2 ) 輸入関税と生産補助金による社会的余剰の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
×ア □BCJK の分だけ、生産補助金の方が輸入関税よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 ×イ □FGKH の分だけ、輸入関税の方が生産補助金よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 ×ウ △FIH と△GJK の分だけ、輸入関税の方が生産補助金よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 ○エ △FIH の分だけ、生産補助金の方が輸入関税よりも損失が少なく、産業保護の政策としてより効果的である。 |
当問はトンチクイズになっていて、生産補助金は輸入→生産で置き換えるだけなので、死荷重が起きない。すると輸入関税による死荷重=△FIHの○エに。
苦手な方は後回しでOK。「生産補助金は再出題がありそう」とだけ、メモしておきます。
面積パズルがごっちゃにならないよう、貿易+関税パターンも古い年度からタテ解きです。
面積3⃣ 外部効果
いま、完全競争下にある合理的な企業の生産活動を考える。当該企業が生産活動で考慮する私的限界費用 MCP は下図のように描くことができるものとし、価格がk であるものとして生産量を決定している。 ただし、当該企業の生産ではいわゆる「負の外部性」が生じている。負の外部性を考慮した社会的限界費用 MCS は、私的限界費用に社会的負担を加えたものとして下図のように描くことができる。当該企業は、外部性を考慮することなく、価格 kと私的限界費用が一致する生産量を選択するが、社会的に最適な生産量は価格 k と社会的限界費用が一致する生産量であるため、社会的には過剰生産による厚生損失(デッドウエイトロス)が生じてしまう。 このとき、下図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |

×a 外部性を考慮しない当該企業の私的な生産費用の大きさは、 △oik で示される面積に相当する。 ○b 外部性を考慮しない当該企業の私的な生産者余剰の大きさは、 △ojk で示される面積に相当する。 ×c 外部性によって生じるデッドウエイトロスは、 △ohj で示される面積に相当する。 ○d 外部性によって生じるデッドウエイトロスは、 △hij で示される面積に相当する。 |
×ア aとc ×イ aとd ×ウ bとc ○エ bとd |
当問の選択肢の作りは簡単で、a⇔b、c⇔dのそれぞれ2択です。当問がCランクになるのは、解法パターンの暗記だけでは「外部性によるデッドウェイトロス」が何かの理解がすっぽり抜けるから。選択肢c⇔dの違いをテキストに戻ってまず理解します。
外部不経済について考える。いま、マンションの建設業者と周辺住民が、新しいマンションについて交渉を行う。ここでは、周辺住民が地域の環境資源の利用権を持っているとする。マンションの建設によって、地域環境の悪化という外部不経済が発生するので、マンションの建設業者は補償金を周辺住民に支払うことで問題を解決しようとする。 下図には、需要曲線、私的限界費用曲線、社会的限界費用曲線が描かれている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

〇ア 資源配分が効率化する生産水準において、マンションの建設業者が補償金として支払う総額は □BFHC である。 ×イ マンションの建設による外部不経済下の市場均衡において、外部費用は□BFHC で示される。 ×ウ マンションの価格と、マンションの建設による社会的限界費用は、生産量がQ0 のもとで等しくなる。 ×エ マンションの建設による外部不経済が発生しているもとでの生産量は Q0 になり、総余剰は △AEC で示される。 |
外部効果の出題のややこしさとは、「マイナス余剰」の分かりにくさに加え、
同じ様な面積パズルの「余剰分析」とごっちゃになり、他論点まで苦手になりやすいこと。
当問では選択肢エを×△AEC→○△AFB-△GFEにするのが結論です。ここをテキストに戻って頭に入れ、過去問をグラフパターンで解けるようにすると、余剰分析→独占・寡占→市場の失敗まで、全てのグラフを正解できます。なおイは×□BFHC→□BGEC、ウは×Q0→○Q1です。
章が違う外部効果も、セットでタテ解きしておくのがコツな。
今日のまとめ
「ミクロ」を真面目に勉強すると、ふぞろいな合格自慢の社会問題性を指摘できる。
ラストピース(苦笑)をはめ込むキーワード一点主義を、社会が要求する水準以上に誇張するから。
金型様の承認欲求を満たす反面、死荷重で合格者数を押し下げるからです。
そうだよ。合格自慢をする前に、「ミクロ」を一から勉強して、顔を洗って出直せ。当試験では、競合のデメリット(W)は自分のメリット(S)にすかさずイタダキなのです。
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