わが国の国債発行額は、どの位ヤバいのか?

画像:カードローンガールズ
例年なら心弾む新緑のGWも、今年は世界中でインドア派。そこで今週は、試験評論歴11年のクソベテが、GWの楽しいインドアの過ごし方を紹介します。
ただ家族がイライラする時に、自分だけニヤニヤするとキモッ。そこは注意が必要です。
- かつて最難関だった「経済」も、H25(2013年)の得点調整を最後にすっかり易化
- しかも診断士ならマストで押さえたいマクロ経済の動きを、グラフや時にマンガで教われる。GWが始まった、かるーい気持ちで一気にどうぞ。

グラフとマンガでマクロ経済【経済:②目的語(統計グラフ)】
例題①:H27第1問 GDP Cランク
財務省の資料によれば、わが国の一般会計歳入(決算額)の構成は、税収、公債金収入、その他の収入という3つに区分されている。2013年度のわが国の歳入構成の説明として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 公債金収入が全体の約8割を占めている。 ×イ 公債金収入が全体の約2割5分を占めている。 ×ウ 税収が全体の約7割を占めている。 ○エ 税収と公債金収入はそれぞれ4割強で同程度を占めている。 |
そう。この問題の答えを知りたい時は、この萌え絵のマンガで一発です。
例題②:H30第2問 GDP Bランク
さっきは簡単過ぎたので、もう1つ例題な。
下図は、1995 年度以降の日本の総需要のうち、消費支出、投資支出、政府支出の変化(対前年度変化率)の推移を示している。図中のa〜cに該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア a:消費支出 b:政府支出 c:投資支出 ×イ a:消費支出 b:投資支出 c:政府支出 ×ウ a:政府支出 b:消費支出 c:投資支出 ○エ a:投資支出 b:消費支出 c:政府支出 |
消費(C)・政府(G)・投資(I)の3つの支出を、今度は前年比で景気への反応度を見る良問。2008年のリーマンショックで翌年大きく落ち込むaが投資、膨らむcが政府。○エ一択です。
そう。こんな高校生でも解けるサービス問題を、一つ一つ納得して、診断士登録後に役立つ知識に。それが260点まとめのスタイルです。
1⃣GDP
国民経済計算の概念として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 国内純生産=国内総生産+固定資本減耗 ×イ 国内総生産=雇用者報酬+営業余剰・混合所得+生産・輸入品に課される税-補助金 ○ウ 国内総生産=民間最終消費支出+政府最終消費支出+総固定資本形成+在庫品増加+財貨・サービスの純輸出 ×エ 国民総所得=雇用者報酬+海外からの所得の純受取 |
国内総生産(GDP)に含まれるものとして、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |
a 株価の上昇 b 警察や消防などの公共サービスの提供 c 農家の自家消費 d 中古住宅の購入 |
ア aとb イ aとc ウ bとc エ bとd オ cとd |
下記の財政に関わる支出の中で、GDP に含まれるものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
×a 移転支出 〇b 公的資本形成 ×c 財政投融資 〇d 政府最終消費支出 |
×ア aとc ×イ aとd ×ウ bとc 〇エ bとd |
国民経済計算は、総需要をいくつかの項目に区分している。これらの項目を見ることによって、より詳細に総需要の状況を把握することができる。 国民経済計算における総需要に関わる恒等式として、最も適切なものはどれか。 |
×ア 公的需要=公的固定資本形成+公的在庫変動 ×イ 国内需要=民間需要+公的需要+財貨・サービスの輸入 ×ウ 総固定資本形成=民間住宅+民間企業設備 ○エ 民間需要=民間最終消費支出+民間住宅+民間企業設備+民間在庫変動 |
支出面のGDPは、この後の「財市場」分析でY=C+I+G+EX-IMを散々やるので、暗記不要です。×a移転支出、×c財政投融資が含まれないのは、単におカネが動いただけでは、付加価値(GDP)にならないため。
需給ギャップ(GDPギャップ)は景気や物価の動向を把握するための有効な指標であり、マクロ経済政策の判断において重要な役割を果たしている。日本では、内閣府や日本銀行などがこれを推計し、公表している。 需給ギャップに関する記述として、最も適切なものはどれか。 |
ア オークンの法則によれば、需給ギャップがプラスのとき、雇用市場は過少雇用の状態にあると考えられる。 イ 需給ギャップのプラスが拡大しているとき、物価はディスインフレーションの状態にあると考えられる。 ウ 需給ギャップのマイナスが拡大しているとき、景気は後退していると考えられる。 エ 需給ギャップは、(潜在GDP+実際のGDP)/実際のGDPによって計算される。 |
GDPの定義は1マークは出したい。ここは暗記です。
2⃣国民経済計算
下図は、日本とアメリカの1990年以降の1人当たり実質GDPとGDPデフレーターの推移を示している。図中のa~dに該当する国の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア a:アメリカ b:日本 c:アメリカ d:日本 〇イ a:アメリカ b:日本 c:日本 d:アメリカ ×ウ a:日本 b:アメリカ c:アメリカ d:日本 ×エ a:日本 b:アメリカ c:日本 d:アメリカ |
GDPの成長率がアメリカ>日本なのは常識でわかるので、アイの二択に。GDPデフレータやインフレ率は、当問右図のグラフc(右下がり)でイメージすれば、公式の暗記が省けてオトク。
日本銀行は、2013年1月に「物価安定の目標」として消費者物価の前年比上昇率を2%と定めた。これは消費者物価指数(CPI)によって測られる。消費者物価指数に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 |
×a 消費者物価指数は、家計に直接影響する物価の変動を的確にとらえるために、消費者が購入するすべての商品を対象として価格を調査している。 ×b 消費者物価指数は、家計による消費支出を対象とするので、消費税などの間接税を含まない。 ○c 生鮮食品を除く総合指数による消費者物価指数は、「コアCPI」と呼ばれる。 ○d 総務省が作成する消費者物価指数はラスパイレス方式である。 |
×ア aとb ×イ aとc ×ウ bとc ×エ bとd ○オ cとd |
aの×すべての商品を落とせる以外は、bcdのどれにバツをつけるかの難問に。詳細はこちらでどうぞ。
少子高齢化と経済のグローバル化が進む中で、わが国においても租税制度の体系的な見直しが進められている。下図は、1989年度以降のわが国の所得税、法人税、消費税の各税収額の推移を示したものであるが、税目名はa、b、cという形で伏せられている。これらa、b、cに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |
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ア aは所得税であり、bは消費税である。 イ aは所得税であり、cは消費税である。 ウ aは法人税であり、bは消費税である。 エ aは法人税であり、cは所得税である。 |
中学社会科の中間テストレベルでも、c→消費税位はわかる。当試験では一般に「マクロ」が苦手になるため、1~2マークはこの手のサービス問題を出して、点をかさ上げします。
景気動向指数の個別系列は、先行系列、一致系列、遅行系列に分けられる。各系列の具体例の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
先行系列 | 一致系列 | 遅行系列 | |
×ア | 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合) | 実質法人企業設備投資(全産業) | 法人税収入 |
×イ | 所定外労働時間指数(調査産業計) | 耐久消費財出荷指数 | 営業利益(全産業) |
×ウ | 中小企業売上げ見通しDI | 新規求人数(除学卒) | 新設住宅着工床面積 |
○エ | 東証株価指数 | 有効求人倍率(除学卒) | 完全失業率 |
この手のクイズは、どこかで再出題の可能性が。余裕がある方はネットで調べて覚えます。
興味があればネットで調べりゃ大抵わかる。経験者の学び直しに最適な。
3⃣貨幣市場
下図は、日本銀行「資金循環統計」より、各年度末における各主体の資産・負債差額(資産から負債を差し引いた金額)をグラフにしたものである。a~cは、家計、一般政府、非金融法人企業のいずれかにあたる。家計と非金融法人企業にあたるものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

〇ア 家計:a 非金融法人企業:b ×イ 家計:a 非金融法人企業:c ×ウ 家計:b 非金融法人企業:a ×エ 家計:b 非金融法人企業:c |
家計は貯蓄超過のイメージで、aを選べる。非金融法人企業がbcどちらかですが、この手の統計グラフは2008年リーマンショックの前後で必ず何かが起きているので、そこから判断すればOKです。
下図は、政府の債務残高(対GDP 比)の国際比較である。 図中のa~cに該当する国の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア a:アメリカ b:イタリア c:日本 ×イ a:イタリア b:日本 c:アメリカ ×ウ a:日本 b:アメリカ c:イタリア ○エ a:日本 b:イタリア c:アメリカ |
財政破綻が囁かれたイタリアより、日本の債務残高比率は高い。ここも2008年のリーマンがカギ。2020年以降の動きも併せて予想しておきます。
診断士なら、政府の借金=国債発行の効果と裏付け位は知っとけ。
4⃣労働と失業
下図は、日本、アメリカ、EUの失業率の推移を示している。 図中のa~cに該当する国・地域の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

〇ア a:EU b:アメリカ c:日本 ×イ a:EU b:日本 c:アメリカ ×ウ a:アメリカ b:EU c:日本 ×エ a:アメリカ b:日本 c:EU ×オ a:日本 b:アメリカ c:EU |
日本の失業率は安定的に低い。2008年リーマンで悪化したけど、好景気に支えられ米国の失業率は安定的に回復に。でもこれ「経済学」の問題?
以下の2 つの図は、2000 年以降の日本経済について、左図は賃金と労働生産性の推移、右図は労働分配率と営業利益の推移を示している。図中のa〜dに該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、a、b、cは2000 年の水準を100 とした指数である。 |

a | b | c | d | |
×ア | 賃金 | 労働生産性 | 営業利益 | 労働分配率 |
×イ | 賃金 | 労働生産性 | 労働分配率 | 営業利益 |
○ウ | 労働生産性 | 賃金 | 営業利益 | 労働分配率 |
×エ | 労働生産性 | 賃金 | 労働分配率 | 営業利益 |
労働、失業、AD-ASは診断士に出すには難しく、この程度のグラフ問題の方がラッキーです。
環境激変の2020年は出題しにくい。今年に限り、この1マークは捨ててOK。
5⃣その他マクロ経済(為替・国際収支)
グローバルな環境にある日本経済は、為替レートの変動によって大きな影響を受ける。下図は、縦軸の上方(下方)ほど通貨の価値が高くなる(低くなる)ようにして、円(日本)、人民元(中国)、ドル(アメリカ)の実質実効為替レートの推移(2010年=100)を示したものである。図中のa~cに該当する通貨の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア a:円 b:人民元 c:ドル ×イ a:円 b:ドル c:人民元 ×ウ a:人民元 b:円 c:ドル 〇エ a:人民元 b:ドル c:円 |
2010年を基準として、経済成長による元高、じゃぶじゃぶ金融緩和による円安を考えればa=人民元、c=円の○エ一択です。
下図は、2000 年以降の日本の経常収支の推移を示している。経常収支は、貿易・サービス収支、第1次所得収支、第2次所得収支から構成される。 図中のa〜cのうち、貿易・サービス収支と第1次所得収支に該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

×ア 貿易・サービス収支:a 第1次所得収支:b ×イ 貿易・サービス収支:a 第1次所得収支:c 〇ウ 貿易・サービス収支:b 第1次所得収支:a ×エ 貿易・サービス収支:c 第1次所得収支:a ×オ 貿易・サービス収支:c 第1次所得収支:b |
試験上は、「貿易・サービス収支の赤字転落」で○ウ一択にできます。でもクソ暗記の「中小」と違い、「国際収支に興味ありますか」が出題意図なので、暗記は不要です。
国際経済に大きな影響を与える国の1 つとして、中国の経済動向は重要である。下図は、中国の貿易相手国・地域のシェア(2017 年)を示している。 図中のa~cに該当する国・地域の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 |

a | b | c | |
×ア | EU | アメリカ | 日本 |
×イ | EU | 日本 | アメリカ |
○ウ | アメリカ | EU | 日本 |
×エ | アメリカ | 日本 | EU |
R1「経済」の隠れた良問。中国の貿易相手がEU>日本である知識はマストです。
過去問の暗記ばかりじゃなく、日頃から経済新聞位は読んどけ。
今日のまとめ

グラフとマンガで「マクロ経済」
もはや国家試験とは呼べず、高校の「公民」「政治経済」レベルの易問が続くグラフ論点。でもその裏には「マクロ経済」理論があるから、時間と興味がある方はそちらへようこそ。
そして突然聞かれると鳩に豆鉄砲な正答率CDランクのグラフ問題も、テキスト代わりにタテ解きすると教育効果の高い良問揃いに。
そうだよ。小難しくウンウン唸るより、グラフとマンガで分かりやすい方が良くね? 試験委員のそんな声が聞こえてきたら、「マクロ」はもうイタダキです。
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