I事例Ⅱ ★To-Be目指す答案

【R4Ⅱモデル答案】自社工場を構える食肉加工業者のチャネル戦略

「2次」の作問採点が毎年変わり、過去問の答を覚える勉強=OUTと全員気が付く。そこで初学⇔経験者を問わず、2023年「1次」を受ける予定の方は、 答を覚えない方の過去問集を7冊セット1万円強で入手しましょう。
■■テンプレここまで■■
「事例Ⅰがイモと苺で攻めるなら

「事例Ⅱ」が食肉加工の高級ギフトで攻め返し、第一次産業=農林水産畜産業ウォーズが始まると思いきや。食肉B社は自社工場をデーンと構え、「事例Ⅲ」の領域に踏み込む意欲まで満々カオスに。

詰め合わせにするとなぜ客単価が上がって儲かる? そりゃいろんな種類を少しずつ食べられるのは、いっかにも日本人好みだろ?

そこで、いかにもアメリカ人好みなコストコ商法=単一品をひたすらバカでかくとセットで覚える。デジタルなネット時代では、いかにもインスタ映えな両極端が顧客にウケます。

それではいろんな段落から少しずつ根拠をつまみ食いすると、本当に採点係好みのキレイな100字が埋まるのか。もうこんなくっぞ馬鹿らしい試験の勉強なんて二度としねーよ!そんな怨嗟の声を追い風に、設問別マーカーが活躍します。

Q
第1問(配点30点)
B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ。
A

顧客は、①百貨店・スーパー・直営小売店の3販路を有し、②食肉消費拡大の波に乗って売上を伸ばした。競合は、①B社と取引のない全国チェーンの他に、②冷凍肉在庫を抱えた同業者とネット上で競合する。自社は、①商品の質の高さの定評に加え、②仕入元の信頼も厚く、③自社加工により様々な食肉の消費機会に対応できる。

Q
第2問(配点20点)
B社は、X県から「地元事業者と協業し、第一次産業を再活性化させ、県の社会経済活動の促進に力を貸してほしい」という依頼を受け、B社の製造加工技術力を生かして新たな商品開発を行うことにした。商品コンセプトと販路を明確にして、100字以内で助言せよ。
A

B社は、①山の幸、海の幸を生産する農漁業者と協業し、②贈答向け詰め合わせの相手先ブランド食肉加工品製造を請け負い、③直営小売店、高速道路の土産物店、道の駅を販路としてX県第一次産業の再活性化に寄与する。(100字)

Q
第3問(配点20点)
アフターコロナを見据えて、B社は直営の食肉小売店の販売力強化を図りたいと考えている。どのような施策をとればよいか、顧客ターゲットと品揃えの観点から100字以内で助言せよ。
A

B社は、①料理の楽しさに目覚めた自社周辺の現役世代に対し、②メニュー提案や自社工場での半加工請負を訴求し、③カット、パッキング、途中まで調理済などきめ細かいニーズ対応により食肉小売店の販売力強化を図る。

Q
第4問(配点30点)
B社社長は、新規事業として、最終消費者へのオンライン販売チャネル開拓に乗り出すつもりである。ただし、コロナ禍で試した大手ネットショッピングモールでの自社単独の食肉販売がうまくいかなかった経験から、オンライン販売事業者との協業によって行うことを考えている。
中小企業診断士に相談したところ、B社社長は日本政策金融公庫『消費者動向調査』(令和4年1月)を示された。これによると、家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は「献立の考案」(29.4%.)、「調理」(19.8%)「後片付け」(18.2%)、「食材の購入(10.7%)。「容器等のごみの処分」(8.5%)、「盛り付け・配膳」(3.3%)、「特にない」(10.3%)とのことであった。
B社はどのようなオンライン販売事業者と協業すべきか、また、この際、協業が長期的に成功するためにB社はどのような提案を行うべきか、150字以内で助言せよ。
A

B社は、①献立食材宅配を行うオンライン販売事業者と協業し、②自社工場でのカット、個数パッキング、下拵えにより献立考案や食材手配を省力化し、③最終消費者と直接結びつく事業領域を強化する。またこの際、①後片付けや容器処分の簡便化ニーズに注目し、②繰り返しリサイクルできる容器を提案し協業の長期的成功を図る。

【設問別マーカー】与件の根拠を3つ見つけてマス目にコピペ
第1問
第2問
第3問
第4問

第1段落 B社の事業構成

B社は資本金3,000万円、従業者数は45名(うちパート従業員21名)で、食肉と食肉加工品の製造・販売を行う事業者である。現在の事業所は本社、工場、直営小売店1店舗である。2021年度の販売額は約9億円で、取扱商品は牛肉・豚肉・鶏肉・食肉加工品である。

第2段落 自社周辺の現役世代ファミリー

B社はX県の大都市近郊に立地する。高速道路のインターチェンジからも近く、車の利便性は良いエリアだ。B社の周辺には、大規模な田畑を所有する古くからの住民もいるが、工業団地があるため、現役世代が家族で居住する集合住宅も多い。

第3段落 祖業は食肉小売

1955年、B社はこの地で牛肉、豚肉、鶏肉、肉の端材を使った揚げたてコロッケなどの総菜を販売する食肉小売店を開業した。当時の食肉消費拡大の波に乗って順調に売上を伸ばしたB社は、1960ねんだいに入ると、食肉小売事業に加え、地域の百貨店や近隣のスーパーなどの大型小売業へ食肉を納入する事業を手掛けるようになった。

第4段落 百貨店・スーパー・直営小売の3チャネル

百貨店やスーパーを取引先としてきたこともあって、B社の商品はクオリティの高さに定評がある。仕入れ元からのB社に対する信頼も厚く、良い食肉を仕入れられる体制が整っている。B社は、百貨店向けには贈答用を含めた最高級品質の食肉や食肉加工品の販売を行い、直営の食肉小売店では対面接客による買物客のニーズに合わせた販売を行い、スーパー向けには食卓で日常使いしやすいカット肉やスライス肉などの販売を行っており、さまざまな食肉の消費機会に対応できる事業者である。

第5段落 スーパーへの納入は縮小

大型小売業の成長とともにB社も成長していたが、1980年代後半以降、スーパーは大手食肉卸売業者と取引を行うようになったため、B社からスーパーへの納入量は徐々に減少していった。現在、B社の周囲5km圏内には広大な駐車場を構える全国チェーンのスーパーが3店舗あり、食肉も取り扱っているが、いずれもB社との取引はない。

第6段落 事業内容を3点見直し

こうした経営環境の変化を前に、B社社長は、直営の食肉小売店での販売と百貨店やスーパーを主要取引先とする商売を続けていくことに危機を感じた。そこで1990年代に入ってすぐ、次に上げる点で事業内容の見直しを行った。

第7段落 X県には資源が豊富

第1に、新たな取引先の開拓である。従来の百貨店やスーパーとの取引に加え、県内や隣接県のホテル・旅館、飲食店などに活路を見出した。B社のあるX県は、都市部と自然豊かな場所がともに存在し、高速道路で行き来できる。また、野菜・果物・畜産などの農業、漁業、機械や食品などの工業、大型ショッピングセンターなどの商業、観光サービス業がバランスよく発展している。山の幸、海の幸の特産品にも恵まれ、大規模な集客施設もあれば、四季それぞれに見どころのある観光エリアもあり、新たな取引先探しには事欠かなかった。

第8段落 自社工場で高級品を品揃え

第2に、自社工場を新設し、食肉加工品製造も行えるようにした。高い技術力を有する職人をB社に招き入れ、良質でおいしい食肉加工品を製造できる体制を整えた。これによって、B社は最高級のハムやソーセージ、ローストビーフなどの食肉加工品を自社ブランドで開発できるようになった。単品販売もできるうえ、詰め合わせは贈答品にもなり、これら食肉加工品は直営小売店や高速道路の土産物店、道の駅などで販売している。また、取引先のニーズに応じて、相手先ブランドでの食肉加工品製造を請け負うことも可能になった。

第9段落 B2Bで培われた細やかなニーズ対応

これと関連して第3に、取引先へのコンサルテーションも手掛けるようになった。;自社工場設立以前、B社は食肉販売を主な事業としていたため、取り扱う商品は標準的なカットやスライスを施した食肉であり、高度な加工を必要としなかった。しかし、ホテル・旅館や飲食店との取引の場合、販売先の調理の都合に合わせた形状のカットや、指定された個数でのパッキング、途中工程までの調理済商品が求められるなど、顧客ニーズにきめ細かく合わせることが必要となってきた。B社は自社工場という加工の場をもつことによって、個々の顧客の要望に応じた納品が可能になった。最近では、飲食店に対してメニュー提案を行ったり、その半加工を請け負ったりすることも増えている。

第10段落 コロナ前の卸売好調

事業見直しを進めた現在、B社取引先の多くは1990年代以降に開拓した事業者となった。2019年度時点でのB社の売上構成比は、卸売事業が9割、直営小売事業が1割である。折からのインバウンド需要の拡大を受け、ホテル・旅館との取引は絶好調であった。加えて2020年夏には東京オリンピック・パラリンピックを控え、B社はさらなる飛躍を期待し、冷凍在庫も積み増していた。

第11段落 内食需要が支える食肉小売

ところが、国内での新型コロナウイルス感染症の発生を受け、ホテル・旅館や飲食店などを主要取引先とするB社の経営は大打撃を受けた。B社の2020年度の売り上げは、2019年度のおよそ半分となった。2021年度の売り上げも2020年度から多少回復がみられる程度だ。東京オリンピック・パラリンピックのために積み増した冷凍在庫をさばくため、B社は大手ネットショッピングモールに出店し、焼肉用やステーキ用として冷凍肉の販売も試してみた。しかし、コロナ禍で同じことを考えた食肉販売業者は多く、B社紹介ページはネット上で埋もれ、消費者の目にはほとんど留まらないようだった。B社にとってせめてもの救いは、直営の食肉小売店であった。コロナ禍の巣ごもり需要拡大の影響で、開業以来、とくに何の手も打って来なかった食肉小売店での販売だけが急上昇した。料理の楽しさに目覚めた客や、作りたての揚げ物を買い求める客が、食肉専門店の魅力に気付いて足を運ぶようになった結果だった。

第12段落 B2Bは尻すぼみ

B社社長はこの2年以上、コロナ禍で長期にわたって取引が激減しているホテル・旅館や、続々と閉店する飲食店を目の当たりにしてきた。もちろんB社の販売先の多くはまだ残っているが、コロナ終息後、これらの事業者がすぐにコロナ前の水準で取引してくれるようになるとはとても思えずにいる。

第13段落 B2Cの事業展開を相談

B社社長は高齢のため、同社専務を務める息子がまもなく事業を承継する予定だ。アフターコロナと事業承継を見据え、B社社長は自社事業の再構築を行うべく、中小企業診断士に相談した。B社はこのところ卸売事業を主軸としてきた。しかし、中小企業診断士との対話を重ねていくうち、B社社長は自社の売り上げが他社の動向に左右されていることに気付き、今後はB社自身が最終消費者と直接結びつく事業領域を強化すべきであると納得するに至った。B社社長は、自社の強みを生かした新たな事業展開ができるよう、中小企業診断士にさらなる助言を求めた。

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