2年、3年と回を重ねるにつれ家族の目の厳しさが増し、後がなくなる診断士勉。そこで受験2年目以降は「2次を1回受けた」強みを1次知識と融合し、隣があっと驚く強みに変えます。

定着率の最も高い「他者に教える」行為は魅力的なため、合格者の教えたい欲求が刺激され、ちまたには試験情報が乱立しています。
受験生はこれら多数の情報に振り回されず、自らの学習段階に必要な助言のみを選択し、能動的な学習へ昇華させる必要があります。
合格直後は「認められたい」という承認欲求に基づき、本能的な合格自慢に陥るケースが見られますが、これは低次な欲求段階です。
真の診断士として成長するにはこの段階を脱し、他者や社会へ貢献する利他主義や自己実現といった高次の欲求へ向かうべきです。
教育心理学において用語の暗記や理解は低次な学習とされ、近年の試験では一次・二次ともにその枠を超えた能力が問われます。
したがって、知識を単に記憶する学習から脱却し、実務の課題に対して応用・分析・評価を下す「意思決定力」を鍛える機会と捉えます。
【いざGW】土俵際の2年目勉~暗記や理解より意思決定の時代
受験2年目のGWに「2次勉」するのは答を覚えてしまう論外で、昨年と同じ「1次勉」では暗記に苦しむだけの問題外。そこで上記3つの学習ピラミッドを活かし、今の「2次」が求める【意思決定】を鍛えます。
Step-1:試験で「暗記や理解」はもう古い
試験委員が選ぼうとしているのは、知識を持っている人ではなく、状況に応じて最良の案を選び、その根拠を示せる人です。この章では、その変化の構造を3つの切り口から順に確認します。
ブルームのタキソノミーは学習の深さを6層で示し、試験で得点するには下位2層の「記憶・理解」を超えた応用(Level-3)以上が求められます。
1次試験の2択で迷う設問の多くは、AとBの違いを知っているかではなく、この状況ではどちらが適用されるかを問うため、Level-2どまりの学習では最後の判断が一貫して揺れます。
R4以降の事例Ⅳでは差額原価収益分析やNPVなどの意思決定会計が連続して出題され、計算を正確に実行するだけでなく、増分収益と増分費用を比べてどの案を選ぶかを根拠づける能力が求められています。
この変化は偶然ではなく、出題の重心が「正確な処理」から「根拠ある選択」へと移動したことを示しています。
R7の2次では「事例Ⅰ〜Ⅲ」の得点が受験者の間で差が付かず、「Ⅳ」の点差で実質的に合否が決まったことから、今年R8の「2次」対策は「意思決定できる人材を選ぶ」という試験設計の方向性が今後も続く前提で組み立てます。
ただしこれは事例Ⅰ〜Ⅲを捨てるという意味ではなく、3事例で基礎点を確保したうえで事例Ⅳで差をつける合格構造は変わっていません。
R4以降の「Ⅳ」簿記1級意思決定出題を知り、そこに上手に備えた方がR7合格者を実質独占。「事例Ⅰ~Ⅲなどやってもムダじゃね?」の意思決定で明暗が分かれました。
少なくともR6までの「2次」は、コンサル気取りのスクール解答でも2割弱は合格していた。R7はそうでなく、「自ら意思決定する経営者」の視点を求めたと捉えるあなたが勝ち確です。
Step-2:最後の2択を当てる3つのピラミッド
出題変化に対応するには、モリモリ勉の量稽古より、学習の方向を試験のニーズに合わせることが先です。この章では、3つのピラミッドを使って、何がどう変えるかを具体化します。
ラーニングピラミッドによれば、講義を聴く(保留率5%)やテキストを読む(10%)より、問題を自分で解く(75%)や他者に説明する(90%)のほうが知識の保留率が大きく上がるため、学習時間の大半を受動的な方法に使っていると時間対効果が薄くなります。
この設問の出題意図を30秒で他人に説明できるかを毎日の判定軸にすると、説明できない設問がLevel-2どまりの対象として自然に絞り込まれます。
マズローの欲求5段階説いおけるLevel-4(承認欲求)は、合格者コミュニティで認められたいという自然な欲求ですが、これが合格に不要な情報の過剰収集や他者との学習量比較を招き、学習の取捨選択を遅らせます。
第5段階の自己実現を起点に、診断士として何ができるようになりたいかという問いに学習を引き寄せると、この情報は試験本番で得点に変わるかという判断基準が自然に育ちます。
2次答案で点が伸びない受験生に共通するのは、答案を書く前に選ぶという手順を踏まず、自分の知識や理解をそのまま再生するため、採点者が求める与件根拠と一致しない答案になりがちです。
解答候補を2〜3案余白に並べ(①)、各候補に与件上の根拠があるか確認し(②)、根拠が見つからない案は自分の知識から出た案でも捨てる(③)という3手順が、ブルームのLevel-5(評価)に相当する意思決定の核心です。
診断士試験の「東大入試化」が叫ばれる通り、教育心理学に詳しくなると作問心理を先読みできる。1つだけでも覚えにくいのに、3つまとめて覚えやすくするのがAI時代の先読み学習です。
ここでAIが、「事例Ⅱ~Ⅲ」で問われるSWOTは、自らの学習上の強み弱みを客観分析できるかを同時に問うと言い出す。そして弱者の同質化戦略を取るとふぞろいで、強者が差別化すると上位5%の当確です。
Step-3:R8「2次」のベスト準備は「1次の2択」を鍛える意思決定
学習方法を組み替えた後の仕上げとして、この章では本番の得点につながる3つの技術を示します。ここで扱うのはセンスや勘ではなく、1次の段階から積み上げられる反復可能なスキルです。
差額原価分析・機会費用・NPV・CVPは個別の計算技術として覚えるより、埋没原価を除いた増分利益で案を比較するという1つの意思決定ロジックの変形として理解すると、設問の文脈が変わってもどの手法を適用するかを判断できます。
公式を先に覚えて構造理解を後回しにすると、R4以降の事例Ⅳが求める文脈の変形への対応力が育たないため、構造理解を先に、公式は後からという順序が有効です。
「1次」正答率Cランクは2択まで絞れているのに最後の判断を誤るケースが多く、2択まで絞れたのに誤答した設問を抽出して誤りを切れなかった理由を分類して記録すると、自分が苦手な切り損ないパターンを可視化できます。
パターンが見えると対策が具体化し、次の試験で同型の2択を正解側に倒す確率が上がるため、「暗記や理解」を一通り済ませたらここで意思決定力を磨くことが吉です。
2次で2択に迷う場面でどちらが正しいかと問うと答えが出にくく、どちらが与件に対してより×に近いかと問い直すと、1次のCランク2択で繰り返してきた消去のロジックがそのまま使えます。
1次と2次の学習を消去力という共通スキルで接続し、模試や過去問の復習では正解した理由よりも誤答を切った根拠を先に言語化する習慣を積み上げることが、最後の2択を制する戦略の核心です。
「2次」で試験委員が落とす「誤答のトップ」は、長文与件で時間切れし、過去問の答や覚えたパターンを書いてしまう失態。
そこで意思決定の訓練がまだ途中の方なら、今年の「2次」であえて過去問の答やパターンを覚えない逆転発想もアリでしょう。
今日のまとめ
AI勉&AI合格者が主軸となった今の試験では、「動画やSNSに依存せず自ら考え・動いて」初めて当確。GWは私も試験を離れて気分一新し、「休み中に何を学ぶか」の意思決定を促します。
