★To-Be目指す答案

【R7事例総括⑤】減点法の可能性:あれを書けば良かった!→これを書いてしまった・・

確かにR7事例Ⅰ~Ⅲは例年以上に制約条件・トラップ・ダミー根拠が多かった。これをいつもパクリばかりで2年遅れの隣のふぞが気が付く前に、「採点基準が減点法になる」予告とみる。それが私のAI活用スキルです。

①知識解答を禁じておベテを排除

知識を問うだけの問題では、長年の経験を持つベテランや、事前に情報を集めた者が有利となる。
真の思考力を見るために、存の知識が役に立たない、未公開の「特殊ギミック」を持つボスをあえて議題に設定し、過去の経験則を排除する試みが加速する。

②キーワード盛り詰め禁止でふぞ除け

知識答案排除を進めると、特定キーワードやパターンを盛り込むことで、中身がないのに高得点を得ようとするふぞ答案の横行が目に余る。
そこで、解答のボリュームやキーワード数ではなく、状況への「即応性」と「緊急性」を示す突発的なイベント(ワームの異常発生)を投入し、キーワードを詰め込む余裕を奪う。

③AI依存の頭からっぽ答案を事前に牽制

さらに、AIが瞬時に大量の情報を処理し、定型的な模範解答に近い「思考レスな答案」を作成する傾向が顕著になった。
これを抑制するため、AIが制約条件を見落として誤答を連発するエラーに注目し、ヒトの「優先順位付け」と「倫理的判断」を問う作問にした。

④制約条件多数で減点法シフトを予告?

採点基準が、知識やキーワードの加点から、「制約違反(=致命的な判断ミス)」を犯した場合の減点へと移行する。
ここでは、AIが陥りやすい「非人間的な効率性」や「二律背反への安易な解決」といったミスのパターンを見込み、制約条件の小さな違反を見逃さない採点基準に進化していく。

【R7事例総括⑤】減点法の可能性:あれを書けば良かった!→これを書いてしまった・・

試験でのAI利用が一巡すると、隣のふぞが競った「与件根拠の回収力」がAI代替され、キーワード加点法では差がつかない。そして「あれを書けば良かった!」でなく、「これを書いてしまった・・」減点法の可能性を探ります。

R7与件・設問のどこが制約条件であるかは、昨日調査済。今日はAIに制約条件違反のダメ答案をまず書かせ、なぜその解答がダメかを確かめます。

参考答案制約違反答案違反内容
【第1問】
強み:製紙メーカーX社から原料紙仕入れや技術指導を得られ、再生紙利用で循環型社会に貢献し、産業用建築用でも顧客の評価を得る点。(60字)
再生紙を原料とし、エンドユーザーの使用後も製紙メーカーの原料となる循環型社会の一翼を担う事業であること。(52字)X社からの安定的な仕入れや技術指導、建築用での抜き取りやすさ評価などのより直接的な強みを抜かしている。
弱み:経験と勘に頼る作業で品質が不安定になり、技術承継が進まずムダが生じている上、計画変更に弱くクレーム対応体制も不十分な点。(60字)運送業者の2024年問題によるドライバー不足で流通条件の制約が厳しくなり、出荷に間に合わせるための製造時間短縮が課題となっている。(60字)ドライバー不足はC社に影響を与える「外部環境の変化」であり、C社内部の「弱み」ではない。
【第2問】
品質バラつきのクレームコスト削減課題に対し、ベテランの経験と勘に依存する作業を標準化し、技術承継を進め安定品質に改善する。(60字)
繰り返し受注の多い製品を見込み生産に切り替え、倉庫を建設して在庫を保有することで、製造時間短縮と残業代削減を図る。(57字)第3問で「製品在庫をもたず納期に対応できる工程管理の改善を進めることとしたと明確に否定されており、解答として不適切。
立ち上がりロスや人件費削減の課題に対し、突発的な計画変更を見直して製造効率を上げ、計画外のムダと残業を減らして改善する。(60字)人材不足を解消するため、製造現場に新たな作業者を配置し、深夜・早朝残業をなくす。また、今後の人件費増加に備える。(56字)人件費増加というコストアップ要因を伴うため、設問の「コストダウン」の方針にそぐわない。
【第3問】
C社は、週次製造計画の精度を高めて計画に基づく日次の作業指示を優先し、紙のメモによる計画変更は電子化して可否と進捗を可視化し、工程混乱や資材不足による手待ちをなくし納期遵守できるよう工程管理を改善する。(100字)
顧客からの仕様変更や特急受注が全受注件数の1割程度あるため、これを断るルルを徹底し、確定した週次製造計画のみを実施することで工程の混乱を防止する。(74字) 特急受注は顧客ニーズであり、これを一律で断ることは機会損失や顧客満足度低下を招き、診断士の助言として妥当ではない。
【第4問】
C社は、食品・医療用製品に必要な品質基準に対応するために製造条件を明確にし、ライン長中心に品質管理体制を強化して、品質の安定性を高めるよう社内で取り組む 。これにより、クレームの原因追及と再発防止の仕組みを定着させ、新事業製品への参入を図る。(120字)
新たな設備投資を検討し、食品用・医療用が求める厳密な品質基準に対応できる最新の成型機を導入する。その上で、作業者の熟練度を上げるための教育を徹底する。(75字)設問が求める「社内の取り組み」に対し、答案は設備投資という物的資源への投資を主体とし、他に考慮すべき点が抜けている。

Step-1:AI普及を見越した作問採点再設計?

①AI普及でキーワード加点の差がつかない

生成AIが普及する中で、受験者間で与件根拠を抽出する精度が平準化しています。これにより、従来の採点基準であった「キーワード加点方式」では差別化が難しくなり、試験委員は「題意理解」や「制約条件遵守」に重きを置くように変化しています。

このシフトは、AIにより「正確な根拠引用」が全ての受験者が誰でもできることに起因しています。

②覚えた知識やパターンの数より、経営者との対話力

AIの進化で答案の差がつかなくなると、これまで重視されていた情報量の多さより、「出題者意図に沿った提案」が採点上重要視されるようになります。

AIを駆使する時代において、「出題者との対話」が試験の焦点になるといった新しい変動制の採点基準が求められているのです。

③採点基準で合格層を変えて周知を図る

今後は、「知識の抽出力」だけではなく、「その知識をどのように活用するか」が試験の評価基準となります。

試験委員は、受験者が「制約条件を守りつつ適切な提案を行う力」を重視し、AIによる正確な根拠引用が前提となった新しい採点基準を試行錯誤しながら精度を上げていくでしょう。

ベテ→ふぞの順に淘汰が進み、かつ上位5%のようにAIで試験に備える方が増えると、キーワード加点基準では点差がつかない。かつAIは制約違反をよくやらかすので、そこを見越した作問の可能性が。

Step-2:ベテ落とし→ふぞ除け→AI対応の順に試験が進化

①R1~:知識答案禁止でベテ落とし

診断士試験、特に事例Ⅰでは「考えられるか」のような事前知識を問う傾向が強まっていました。受験者は、理論的知識や事例集の正確な再現を求められ、その知識の正確さが高得点を得る基準となっていました。

しかし、受験/合格平均年齢の上昇が気になるのか、または積年の不合格の恨みが募ってヘタクソノウハウを合格後に吹聴するのが気に入らないのか、H29事例ⅢやR1Ⅰのように前年過去問から出題を一変し、特に知識解答を許さずにベテ落としを露骨にしています。

②R4~:盛り詰めワードに加点回避でふぞ除け

その分、ふぞろいな合格答案の影響で、キーワード盛り詰め並列列挙のふぞろい答案が目に余って横行します。合格ボーダーラインに近い受験者ほどできるだけ多くのキーワードや理論を答案に盛り込むことを重視し、「盛れば合格」という心理が広まりました。

すると試験委員はマス目にキーワードを盛るふぞろいをからかうかのように、与件に含める根拠キーワードの数をマシマシにするようになり、与件根拠を全て使おうとするとマス目の数も時間も足りない、「取捨選択」の時代が始まりました。

③R7:AI学習普及で試験が変化

AIの普及により、「重要な根拠を網羅的に抽出」はどの受験者でも差がつかないようになり、ふぞろい方式の盛り詰め並列列挙を認めると全く点差がつかなくなる事態に直面します。ここで試験委員が、「情報量」や「知識の多さ」より、「思考の深さ」や「制約遵守」を重視するようになると、採点基準が劇的に変化することに。

つまり診断士試験の100字×5問とは、与件根拠をマス目引用で切り貼りする他に、「題意や制約条件を正しく受け止めたか」「それを聞き手にわかりやすく・説得力高く説明できるか」への進化が告げられたのです。

前門のベテに後門のふぞと言われ、知識解答も頭からっぽ並列列挙な盛り詰め答案も許す気ゼロの試験委員。そもそも80分手書きで解けないボリュームの試験をさらに難化させる手段。それが「思考の深さ」「制約遵守」であるなら納得です。

Step-3:AI普及でキーワード加点→制約違反減点へシフト

①AIの弱みは制約条件?

AIによる答案生成は、論理的でありながらも題意を外す場合が多いです。AIは与件の情報を正確に抽出し、全体最適の解答を生成する能力に長けていますが、出題者意図や制約条件を反映させることができないため、制約違反や誤読が頻発します。

このようなAI答案は、整然としているものの、出題者の意図と合致していないため、減点の対象になります。

②AIは下書きまで、最終チェックはヒトがする

AIを活用しても、「思考の一貫性」や「出題意図の理解」が欠けていれば、高得点を得ることはできません。そのため、制約条件違反や誤読を減点する採点基準へと移行することが不可避です。

この採点方式は、受験者全員が同じ正確な根拠を引き出せる時代において、「思考の正確性」を評価するために有効な方法です。

③単純キーワード加点から、制約違反の減点法へ

R7事例Ⅲの設問では、制約条件の遵守が重要視されています。第3問では「在庫をもたず納期対応」という明確な制約が示されており、見込み生産や在庫保有型の解答は制約違反として減点されるべきです。

また、第4問でも「品質基準への対応」という制約に反する解答は評価されません。これにより、試験委員は、制約条件を守ることができているかどうかを最も重要な評価基準として設定しています。

平均的合格実力のベテとそのノウハウを狙い撃つことで、安定当確の上位5%⇔合格ボーダー上のふぞに二極化してきた「2次」筆記。仮に「制約条件違反減点」が実施された時の変化を見守ります。

Step-4:AI時代の作問採点と次の受験戦略

①キーワードで差がつかない時の合否の決め手

試験委員は、AIによる解答が多くなった時代において、受験者の思考過程や制約条件の理解度を重視するようになります。これにより、受験者が誤読や制約違反をしないようにすることが、試験の評価基準において最も重要な要素となります。

採点者は、AI生成の答案が持つリスクを避けるために、誤読や制約違反に対する減点を強化していくでしょう。

②設問文・与件文からバランス良く「制約」抽出

AI時代の試験において、受験者は情報の抽出能力だけでなく、制約条件を踏まえた思考力を求められます。具体的には、「題意」「制約条件」「施策の効果」を意識した答案作成が重要です。

受験者は、AIが自動的に根拠を引き出すことを前提とし、その後の思考過程をしっかりと構成する力を養う必要があります。

③AIに依存せず、エラーを見つけるヒトの思考

受験業界では、従来型のキーワード網羅型学習法が限界を迎えつつあります。これからは、受験生が制約条件を理解し、それを守りながら適切な提案を行う能力が重要視されます。

教育機関は、受験生が思考の過程を記録し、その結果として最適な解答を構成できるように指導を行う必要があります。これにより、受験生はAIの情報抽出に依存せず、自らの思考力を最大限に活用することが求められます。

AI時代のヒトの役目は、AIに指示をして、そのエラーを糺して実用し、その正しい使い方を世間に広める。ここで4択間違い探しである「1次」と同様、知識とはドヤ顔で書き散らかすものでなく、エラーを見つけるために使います。

今日のまとめ

Q
日々の仕事でAIを使い倒す上位5%がAI利用で時短当確するのは認めるが、隣のふぞろいがAIの間違いを放置してそれを拡散するのは断固阻止。その決意を残り11週の採点結果で明示するのか、ふぞの2割合格を今年も許容するのか、年明けの公式採点結果が今から楽しみ。
A

採点基準のキーワード加点→制約違反減点の可能性は、現時点ではAIを使って初めて説得力を持つ。試験後のクヨクヨが「あれを書けばよかった!(ふぞ)」→「これを書いてしまった・・」に変化したと隣の同友館が知るのは、これも早くて2年後です。

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