★To-Be目指す答案

【R7事例総括④】採点基準はキーワード加点から、制約条件違反の減点法へ

多くの人がわかってないが、スクール解答とは「来年ウチに来ればこんな穿った答が書けますよ」とのベテ向け広告塔であり、AIならとても書かないヘンテコ答案が並ぶことがある。その不合格率をAI判定し、笑い飛ばします。

①第一採点基準はキーワード

「第一採点基準はキーワード加点。」の通り、初期の採点では、答案に含まれる適切なキーワードに加点されています。これはAIによる自動検出が得意とする分野で、与件文をどれだけ読めているかを評価しています。

②R1~ベテ落とし:周囲と異なる知識解答に加点なし

「何このスクール解答…ないない、さすがにこれはない。」
試験委員がついそう漏らす通り、高得点狙いの奇をてらった解答や、定型的な知識の羅列は不快感を与えます。

この段階で、この試験では単なる知識量よりも、与件根拠の取捨選択とその論理的な活用が問われ始めます。

③制約違反には「一発退場 D」がある

「重大な制約条件違反は一発退場Dで警告も…」のセリフが示す通り、オーソドックスで一見点差が付かない事例ほど採点基準が厳格化することがある。

設問の制約を無視し、スクールの定型パターンを強引に当てはめる思考停止型の解答は、万年スクールおベテとして、試験委員の機嫌次第では一発退場Dのリスクがあります。

④AIの台頭で受験産業の淘汰

AIがキーワードや定型ロジックをヒトを超えて再現できる段階に入ると、採点基準は、AIには生み出せない本質的な洞察力や思考力を測る方向へと進化していく。

このとき、AIができる以下のことをノウハウやロジックと称して定型作業を強いるスクールから順に淘汰されます。

【R7事例総括④】採点基準はキーワード加点から、制約条件違反の減点法へ

こうやっておベテの知識解答を組織し、長年のムダ勉を封じて合格時短を図る手段が「制約条件」。相手を貶めて自分を持ち上げるおベテ同士の罵り合いを避けるべく、AIを使ってリストにします。

よく知られる通り、新作事例では解釈や制約条件を広めに作り、試験後約2週間はスクールやサークルを泳がせ、「ウチの答案こそ正!」と騒ぐノロマを落とす方向で採点開始。以下リストを参考に、今年はどの受験産業が涙を呑むかを予想します。

事例Ⅰ制約条件:地域資源で新事業を興す木材加工A社の組織と理念にMVV

与件または設問文の禁止表現の引用禁止された解答知識設問制約度
「30字以内で述べよ」SWOT分析における一般的な経営課題や提言の記述(例:「市場競争激化に対応するため、知育玩具事業の拡大と既存事業の効率化を図るべき」など、字数超過を招く一般的な論述)第1問A
「A社の現状について、SWOT分析のそれぞれの観点から」SWOTの抽象的な定義や、与件にない憶測に基づく外部環境の記述(例:「T:競合他社による低価格品の攻勢」など、与件に明記されていない脅威)第1問B
「A社が木製知育玩具の新規事業を展開する際に、顧客との接点を作るために行った取り組みや工夫」一般的なマーケティング概念の名称(例:オムニチャネル戦略、プッシュ戦略、ブランディング戦略)を具体的な活動を伴わずに回答の核とすること第2問B
「A社は、自社工場併設の直営店や県のアンテナショップのみならず、大手ECサイトへの出店も果たした。」チャネルの名称のみの羅列(例:「直営店、アンテナショップ、ECサイトの活用」)とし、「工夫」(SNS、イベント出展、大学連携) [cite: 36]に触れない解答第2問C
「採用すべき組織体制とその理由に関して100字以内で助言せよ」 大企業向けの組織形態(例:カンパニー制、分社化)や、与件の社員数30名 に不釣り合いな組織形態第3問D
「内装材と新規事業、そしてX事業をどのように連携させ、限られた経営資源を効果的に配分していくか」既存の機能別組織 のメリットを一切考慮せずに、即座に事業部制を提案し、連携や資源配分の課題を解決できない組織体制の提案第3問C
「新規事業を牽引する社長の子息に続く次世代のリーダー候補をどのように育成」 [cite: 38]組織体制の質問に対し、リーダーシップ論の名称(例:変革型リーダーシップ、SL理論)や単なる人事施策(例:OJT、Off-JT)のみを記述すること第3問C
「創業以来の企業理念をどのようなものへと再定義したり」理念の内容を与件の**「木育」や「子育て家庭」といった新規事業の文脈に関連づけずに、抽象的なCSRやSDGsを軸として再定義すること第4問B
「それを関係者に浸透させたりすればよいのか」 自分が属する昭和の大企業な浸透策(例:社内報、朝礼での唱和)のみを記述し、子息の積極的な活動や、既存社員と新規事業との意識の乖離というA社固有の状況に対応した具体的な策を提案しないこと第4問C

過去問パターンから一新し、これからのメガベンチャーやスタートアップの成長に欠かせない、組織改革での再成長や社内外を巻き込むMVVを描く史上最高傑作のR7Ⅰ。ギリギリに追い詰められた受験者がつい普段のボロを出すことで、第3・4問での制約条件違反D判定があり得ます。

事例Ⅱ制約条件:高い技術と専門性で心もケアするスポーツマッサージB社

与件または設問文の禁止表現の引用禁止された解答知識設問制約度
「B社の現状について、3C分析の観点から150字以内で述べよ」3C分析の各要素(Customer, Competitor, Company)を一般的な定義や与件にない抽象論で済ませること(例:「市場はスポーツマッサージ店が多く競争が激しい」など、与件文の情報をまとめるだけの記述)第1問B
「3C分析の観点から150字以内で述べよ」SWOT分析やSTP分析など、設問で指定されていない他の分析フレームワークに基づいた記述を行うこと第1問D
「ターゲット層を意識した価格戦略によって解決したいと考えている」一般的な価格戦略の名称(例:スキミング戦略、ペネトレーション戦略、コストプラス法)を具体策を伴わずに回答の核とすること第2問B
「混雑時間と空き時間ができている」「ターゲット層を意識した価格戦略」需要の平準化やデマンド・マネジメントといった知識用語を価格戦略の具体策(例:ディスカウント、ピーク料金)に結びつけずに回答すること第2問C
「顧客に寄り添い、長期的な関係性を構築するために」一般的なCRM施策の名称(例:One-to-Oneマーケティング、LTV向上)をB社の強みや新規蓄積情報に結びつけずに記述すること第3問B
「B社の強みを活かして、どのような顧客情報を新たに蓄積し、どのように活用すべきか」B社の強み(例:競技別専門性、心のケア、施術指導)を活用しない、汎用的な顧客情報(例:来店頻度、購入履歴)の蓄積のみを提案すること第3問C
「どのような内容の動画にすべきか、100字以内で助言せよ」一般的な動画マーケティングの目的(例:認知度向上、アクセス増加)のみを記述し、ターゲット層(未来のアスリートを目指す中高・部活生)やB社の強み(例:競技別トレーナー、高い技術、心のケア)を反映させない内容を提案すること第4問C
「コンディショニング不良に悩む、未来のアスリートを目指す中高や大学の部活生をさらに呼び込むために」ターゲット層に響かない動画内容(例:店舗の雰囲気、一般的なマッサージの紹介)を提案すること第4問C

少人数経営の対面・接触サービスは、R1の盛り盛りネイルサロンを思わせる。しかしイベント集客インスタ映え解答で済んだR1から6年たつと、価格→集客CRM→動画プロモーションまで、一般知識を避けた解像度の高い100字が問われます。

事例Ⅲ制約条件:品質・納期・技術承継全てに課題を抱える紙パイプ製造C社

C社では、繰り返し受注頻度の多い一部製品の在庫を保有して見込み生産を行うか検討してきたが、経営者は経営上のリスクに鑑み、製品在庫をもたず納期に対応できる工程管理の改善を進めることとした。

比較的オーソドックスとされるR7Ⅲで注目を集めるのが、第3問「製品在庫をもたず」で半製品マスカスタマイゼーションが許容されるか・拒絶されるか。まずAI試験委員の意見をどうぞ。

与件または設問文の禁止表現の引用禁止された解答知識設問制約度
「C社の(a)強みと(b)弱みについて、それぞれ60字以内で述べよ」与件文にない、抽象的な強み・弱みの記述(例:「S:強固なブランド力」「W:市場の変化への対応遅れ」など、紙パイプ事業にそぐわない記述)第1問A
「特に重要と思われる課題を2つあげ、各課題に対しての改善策とともにそれぞれ60字以内で述べよ」一般的なコストダウン策(例:仕入れ先の変更、人件費削減)のみを記述し、与件にある具体的なムダ(例:立ち上がりロス、作業停滞、品質クレーム)に触れないこと第2問C
「出荷に間に合わせるための製造時間短縮が課題となっている」製造時間短縮の質問に対し、運送業者側の問題解決(例:運送会社の変更、運送ルートの見直し)を主要な改善策として提案すること第2問B
「ベテラン作業者の経験と勘によるものが多く」「技術やスキルの承継が必ずしもうまくいっておらず」具体的な改善策(例:マニュアル化、標準化、OJT)を伴わずに、一般的な知識用語(例:熟練技能の伝承、多能工化)のみを記述すること第2問B
「経営者は経営上のリスクに鑑み、製品在庫をもたず納期に対応できる工程管理の改善を進めることとした」「製品在庫をもたず」という明確な制約に対し、見込み生産や安全在庫の保有といった在庫を前提とする知識を提案すること第3問D
「工程管理の改善を進めることとした」生産管理の一般的な概念の名称(例:MRP、TOC、リーン生産方式)を具体策(例:製造指示の改善、進捗管理)に結びつけずに回答の核とすること第3問C
「突発的な製造計画の変更は紙のメモで作業担当者に指示され、そのたびに工程の混乱の要因となっている」製造指示の混乱改善という与件の課題に対し、情報システムの導入(例:生産管理システム、ERP)を具体的手順なしに提案すること第3問C
「新たな顧客が求める厳密な品質基準に対応する必要がある」新事業展開の質問に対し、一般的な事業戦略論(例:多角化戦略、成長戦略)のみを記述し、品質対応や社内の体制強化に触れないこと第4問B
「新事業展開として食品用や医療用の紙パイプ製品への参入を検討している」「それを実現するために必要な社内の取り組み」新事業への参入に対し、一般的な外部対応(例:市場調査、販路開拓)のみを記述し、品質改善、技術承継、生産計画の改善といった与件にある社内課題への取り組みを提案しないこと第4問C

万年ベテスクールが「納期短縮の決め手は半製品でマスカスタマイゼーション!」と大騒ぎしたことをある程度知っていれば試験通。そのうえで答をおベテに寄せるか、知識解答を避けて根拠引用に寄せるかで明暗が分かれそう。

今日のまとめ

Q
AI解答や採点がすっかり普及し、これまでのノウハウパターンレベルで差がつかなくると、R7Ⅰのように極限状態に追い詰めて普段の地を出させ、そこに減点バツする作問は今後も増える。よって今年R7の採点で「どの事例に点差をつけるか」「どの制約違反に減点するか」に大いに注目。
A

試験委員が作問に凝らした工夫は、①上位5%がまず反応し→②翌年スクールが追随し→③さらに翌年隣の同友館がパクってキャズムを超える。ここでキーワード加点一筋を避け、文脈加点や制約違反減点を幅広く考慮して試験に臨むあなたが大好きです。

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