今回の3部作は、助言の増加→ブルームの6つの認知領域(創造)→ノウハウから仮説・検証にシフトする具体策の順に構成。そして日頃から生成AIを使い倒すあなたなら、今日のAI提言を受けて今年R7の確実合格に向けた最先端を走り抜けます。
その上位5%確実合格にはまず「Ⅳ」を得意化することですが、生成AIの普及で「事例Ⅰ~Ⅲ」の進め方も明らかになりつつあります。

生成AIが提案する「叶う化」とは
①助言問題の増加
→採点技術の進化を受け、答えが一つに定まらない助言が増加
②ブルームの6つの認知領域(創造)
→記憶から始まる6段階の後半3つが「2次」の勝負に
③試験に必ず受かる叶う化
→AIを活用して仮説検証を繰り返し、創造力を鍛えて必ず受かる
【必ず受かる叶う化】助言を答えて確実合格 / 仮説・検証する具体アクション
「2次」でAI利用が当たり前になると、あらゆる仮説を気が済むまで実行・検証できる。以下はその一例・具体例ですが、ここから好きなだけアクションできます。
Step-1:助言の増加が求める「創造」
診断士「2次」では、近年助言型の設問が増加している。2020年度以降、事例企業の課題を分析しつつ「~について助言せよ」といった指示の設問が多く見られる。実際にR4事例Ⅰでは、問題文中に「中小企業診断士として~100字以内で助言せよ」という指示が複数回出ている。
図に示すように、平成27年度から令和6年度までの助言問題の比率は上昇傾向にある。

助言問題は、暗記・定型フレームへの依存だけでは対応が困難である。市販の学習書では3C/4PやSWOT分析などの枠組みによる問題解決手法が多く示されるが、助言問題はそれらの枠を超える複数認知領域での思考を要求することが多い。
定型解答パターンを暗記するだけでは応用が効かず、本番で試験委員が求めるのは柔軟な提案能力であり、助言型設問では経営課題に対する独自の視点や発想が求められる点で創造力の重要性が高い。
「創造」とは何か。教育心理学上、ブルームの改訂版タキソノミーでは認知領域を「記憶→理解→応用→分析→評価→創造」の6段階に分類し、最上位に“Create(創造)”を位置づけている。創造段階では「得た情報を用いて新しいものをつくり出す」行為が求められる。
図に示すように、下位の知識理解と比べて創造的思考は既存枠にとらわれない全く新しい発想を要する点で異なる。したがって創造力育成の学習では、各段階を意識しながら上位の課題に取り組む必要がある。

ブルームによる6つの認知領域の特徴は、情報を処理するスキルが階段状に積みあがる。よって前半1~3の「1次」暗記を鍛えて初めて後半の「2次」対策が成立する、いかにも試験委員好みの理論です。
Step-2:仮説で拡散した「助言」を再び収束

創造力を高めるには、ブルームの6段階を意識した段階的学習が重要である。初期段階では事例企業の与件事実の「記憶・理解」、次に前提条件を既存知識に「応用」する訓練から始める。その後問題を分解し因果関係を「分析」・評価し、最後に得られた知見を基に「創造的提案」を行う課題へと移る。
これは演繹的思考(既知⇒未知)を改めて帰納的思考(事実⇒一般化)に戻す高度な段階であり、Bloom理論の枠組みを踏まえたものといえる
多視点・仮説思考の技法としては、「5W1Hで何故を繰り返し本質に迫る」「逆から考える逆説発想」「顧客や競合など複数の立場から問題を見る視点切替」が有効である。仮説検証型アプローチでは、まず複数の解決仮説を立てたうえで、各仮説の現実味や影響を比較検討する。
仮説思考は既存の枠組みにとらわれない自由な発想を促すことが知られており、「仮説を立てる過程で既存の枠組みにとらわれない自由な発想が求められる」ため、新規アイデアが生まれる可能性が高まると報告されている。事例問題では、最初に「〇〇ならば…」形式で仮説立案し、検証しながら必要に応じて修正する習慣が創造性を育む。
以上を受け、事例問題への応用テンプレート例を提示する。まず事例企業の強み・弱み、機会・脅威をSWOTマトリクスに整理し、その後「機会に対する提案」「脅威への対応策」という2軸で仮説を拡張する方法がある。
また、助言型設問では「~すべきである。その理由は~」といった論理構造を意識した答案構成を取ることで、論理性と創造性を両立させるテンプレートとなる。
答が決まる「情報整理」「期待効果」がクローズクエスチョンとすれば、「助言」は一見何でも書けるオープンクエスチョン。ここは誰かをパクらず「必ず自分でパターン化」します。
Step-3:夏になったら仮説・検証サイクル再開
仮説検証学習法は科学的手法と類似している。科学的方法では仮説を立て実験・検証を繰り返すが、学習においても「あるべき姿=仮説」をまず立て、その妥当性を検討する。
教育工学では、このような仮説思考はリベラルアーツ教育を通じて批判的思考や創造力を育成するとされる。例えば哲学や歴史などを学ぶことで多角的視点や創造的思考が養われるとされており、学際的学習が仮説発想を支える。
事例問題での仮説→検証プロセスの手順を整理すると以下の通りである。
1)設問から「達成すべき目標」を明確化し、背景にある課題仮説を立てる。
2)企業資料や市場データから仮説の根拠を収集する。
3)仮説を基に複数の回答案を作成し、それぞれの優劣やリスクを評価する。
4)回答案について事例企業の状況や財務指標から矛盾点や不足がないか検証し、最後に仮説や回答を修正して最終答案を作る。
この仮説検証サイクルを何度も回すことで、学習者は論理的推論と創造的思考を同時に鍛えられる。
事例Ⅰ(令和4年度):経営者交代期にあるA社で「若手登用による組織活性化」が課題と仮定。A社資料から若手の適性や教育状況を確認し、「トレーニングプラン導入」という仮説を検証した。
事例Ⅱ(令和5年度):B社の販売戦略問題で「顧客ニーズに応じた顧客データ分析体制の整備」を仮説立案。B社データを元に市場セグメントの有効性を検証し、施策提案に反映した。
事例Ⅲ(令和6年度):C社の業績不振原因分析で「物流ルート見直しとDX投資」が仮説。業界平均値や類似企業事例で仮説を検証し、最終提案をまとめた。
具体的に7月に入ったら、R2→R6の順で直近5年の「Ⅰ~Ⅲ」を解き進む。それまでは「2次」を封印・アンラーニングし、新しい仮説が浮かぶと今年の勝ち確です。
Step-4:AI利用で学習支援
AIツールは学習・仮説構築を強力に支援する。生成AIは、大量データからアイデアを抽出し、出題企業の特徴分析や解決策案のヒントを提示できる。実際、ある研究ではChatGPTを用いた創造的問題解決は人間単独より優れ、関連性の薄い概念も組み合わせた新規アイデアを生成できたと報告されている。
AIは既存知識の組み合わせが得意であり、回答案の幅を広げる手助けとなるが、一方でまったく新規の飛躍的アイデア(ラディカルイノベーション)には限界との指摘もある。
また、AI模試ツール+リアルタイムFBのプロトタイプも設計可能である。仮想試験環境で受験者が答案を入力すると、AIが即座に採点・解析しフィードバックを返すシステムである。
例えばキーワード網羅性や論理構成の評価、解答字数のチェックなどをAIが行い、弱点をその場で通知する。これにより短期間での反復学習が可能となり、学習効率が大幅に向上する。
AI支援では24時間対応可能で、学習者のレベルやニーズに合わせた個別学習体験を提供できる。これにより学習者は自己ペースで反復練習が行え、即時フィードバックを受けることで達成感が高まり学習意欲を維持しやすくなる。
AIはあくまでアルゴリズムに基づく推論であり、人間固有の暗黙知や倫理的判断を要する創造的思考、情意的な洞察には限界がある。AIはあくまで学習支援ツールであり、最終的な提案や洞察は学習者自身の創造力に委ねられる。
AIを「2次」で使う利点は、学習仲間の知見を勉強会の言い争いなしで収束できる。そしてマイ空き時間に次の仮説を立てると(=発散)、検証・実行力ダダ上がりです。
AI学習例1:6つの認知領域をバランスよく鍛錬
認知領域 | 毎日20 分タスク例 | 使用ツール |
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記憶 | 与件全文を音読録音→倍速で聞き取り | ボイスメモ |
理解 | 5W1Hで要約100 字 | Google Doc |
応用 | 「もしA社がIT企業なら?」と設定を変えてSWOT再構築 | MIRO |
分析 | 因果マップをDraw.ioで作図 | Draw.io |
評価 | 他人の再現答案を赤ペンレビュー | Slack |
創造 | 最終100 字助言を3案書き比べ | Obsidian |
AI学習例2:「2次」を生成AIに回答させる
シーン | プロンプト例 | 留意点 |
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要約 | 「以下の与件を120字で抽象化し、逆説的に要約して」 | ハルシネーション注意 |
反論 | 「仮説:○○。最強の反論を3つ出して」 | 論点漏れを補完 |
添削 | 「答案(100字)に不足するキーワードを列挙し採点基準を20点満点で返答」 | 過剰補完に依存しない |
発散 | 「A社の強み×未開拓市場の新規施策を5件、業種を横断して提案」 | 突飛案を評価軸でフィルタ |
今日のまとめ
7月末の新ふぞ発売で開幕する今年の「2次」対策は、まだ始まってすらいない。そして開幕前にふぞとの格差・力の差を見せつけることを「不戦勝」と呼びます。