何かに突き動かされるように合格時短を進める試験委員は、「2次」150h&それ以下の合格が増えたと知ってニヤリ。そこで自信をつけ、R7はさらに時短が進むでしょう。
そして試験委員の合格時短は、万年おベテ相手の課金に励む受験産業と利益相反へ。そこでなぜ長時間ベテ勉が落とされるかをサーチします。
①長期ベテ勉は8割以上不合格 | ②150hで合格させる難関資格 | ③想定される作問採点変更(例) |
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長期ベテ勉を行うと過去問や答練の「型」を丸暗記しやすくなる一方で、出題側が毎年微妙に変化を加える事例企業の設定や設問フレームに対して柔軟に対応しにくくなります。 | スト合格体験記では、150h学習で合格実力に届く例が複数示され、知識量より「与件整理→解答骨子→記述」の国語力が問われることがわかってきました。 | 非公開の部分点?:模範解答の他に「別解」を多数用意し、結論や根拠に対して2点刻みや3点刻みで部分加点することで、パターン答案以外の柔軟な発想を評価できます。 |
「2次」は「マイ経験や定型フレームワークの当てはめ」でなく、事例企業の内外環境を整理し、状況に即した助言を作り上げる能力を重視するとされ、過去問の答えを覚えると誤答に誘導されやすくなります。 | 「2次」は「1次」で使った知識に基づいてその応用を試すため、「2次」過去問のノウハウを覚えるより、基本のフレームワークを素早く使いこなす時短が進んだと考えられます。 | キーワード以外のMTX加点:キーワードの数以外に定性定量的な評価基準を設け、マトリクス状に評価すると、受験生が「ここまで書けば合格水準」と狙い撃ちしにくくなります。 |
採点基準は変更可能:詳細な採点基準を非公開とすることで、テクニックやノウハウに頼らず「出題者の意図」を考察し、自分なりの答えを構築する思考プロセスを促すことができます。 |
【2次150hが新標準】過去問の答を覚えて8割不合格 / おベテの森へようこそ
勉強期間を引き延ばして課金を図る受験産業が思う以上に、リアル採点基準は毎年進化する? そこで前年合格ノウハウをうっかり掴むと8割落ちるリスクを詳細化します。
Step-1:パターン決めつけを誤答に誘導
「2次」では与えられた企業事例(与件文)を読み取り、設問に対して的確に回答する読解力・分析力が求められます。しかし前年度までの解法パターンを大量にインプットする学習を続けると、与件文中の特定キーワードや表現に過剰反応し、早合点してしまうリスクが高まります。
いわゆる「パターン化された思考」に陥ることで、本来は各事例固有の文脈に沿って解釈すべきところを、過去問で覚えた解答パターンに当てはめすぎてしまい、設問の真意からズレた回答を導いてしまう可能性があります。
例えば、過去の事例Ⅰ(組織・人事)の設問で「社長のリーダーシップに関する問題」が頻出だったからといって、与件文中に「強いリーダーシップ」「ワンマン経営」といった言葉を見つけた途端に、「それはオーナー経営者の独裁が問題で、権限委譲が必要だ」と機械的に結論づけてしまうケースが考えられます。
本来は当該企業の状況次第で問題の本質や解くべき課題は異なるにもかかわらず、パターン記憶に頼りすぎると状況判断を誤り、出題者の意図しない方向へ誘導された誤答を書いてしまう危険があるのです。
こうした「キーワードに飛びつく早合点」は、試験委員側も想定済みの場合があります。試験問題は毎年変化し、前年までの典型パターンを踏襲しない新傾向の出題や、受験生の思い込みを試すようなひっかけ要素が盛り込まれることもあります。実際、過去には出題テーマや設問の切り口が前年度までとは大きく変化した年もあり、前年までの解法パターンを鵜呑みにしていた受験生が対応を誤った例があります。
「2次」は上位約2割しか合格できない相対評価の試験であり、受験者数が増える中でいつまでも他の受験生と同じ答案ばかり書いていると多数派に埋没します。大多数の受験生が共有しているパターン化知識だけで回答すると、他と似たり寄ったりの答案になり相対評価で埋もれてしまうだけでなく、問題ごとの細かな文脈の違いに対応できずに失点する試験に変わった可能性を意識します。
「2次」では従来型おベテが決めつけ答案ばかり書いたため、その対極のふぞろい答案が一定の評価を受けた。多数派答案だらけの時代はそこが狙い撃たれると、隣のD社がいつ気が付くかにドキドキです。
Step-2:100字を詰めると読みにくい
「2次」では多くの設問で「○○字以内で記述せよ」という解答字数制限があります。限られた文字数で的確に答え切る必要があるため、受験生は与件文から抽出したキーワードや根拠を盛り込もうと懸命になります。
しかし、これもまた前年ノウハウに偏った学習の弊害として、「とにかく盛り込めるだけ盛り込む」という発想が先行しすぎると、答案の論理構成が破綻して読みづらさばかりが目立ちます。
合格ボーダー240点を争う解答テクニック集などでは、「与件文のキーワードを盛り込むこと」「なるべく多くの根拠を書き込むこと」が強調されがちです。その影響で、受験生同士の間で100字答案に詰め込む根拠の「量」競争のような現象が起きることがあります。
しかし、文字数ギリギリまで詰め込んだ答案は、一文が非常に長くなったり、複数の論点が詰められて焦点がぼやけたりしがちです。結果として論理の流れが分断され、採点者から見ると「何を主張したいのか分かりにくい答案」になり、減点を招くことになるでしょう。
実際、採点者は大量の答案を短時間で読み採点します。その中で、論理が飛躍したり冗長で読みにくい答案は内容を正確に汲み取ってもらえず、結果としてポイントを落とす可能性が高まります。
合格者再現答案の分析からも、高得点答案ほど文章の構成が明快で、要点が簡潔にまとめられている傾向が指摘されています。一方、失敗答案には「言いたいことを詰め込みすぎて結局何が言いたいか不明瞭」という例が散見されます。つまり、質より量のアプローチは逆効果になりかねないのです。
その年主流の「合格ノウハウ」を8割落とす採点ならば、各スクールは7月のふぞ18発売を待ってその真逆に動く。よって初学者の「2次」フライングはデメしかないです。
Step-3:前年ノウハウをうっかり掴むと8割ショボン
診断士「2次」の世界では、前年試験の直後から合格者や受験指導校による「講評」や「解答速報」「解法ノウハウ」などがインターネット上で飛び交います。Twitterや受験者ブログ、YouTube解説動画などで前年の解答例や分析が手軽に入手できるため、次年度受験生の多くもそれらに触れる機会が増えています。
しかし、こうした前年ノウハウは試験委員に捕捉されており、方針転換や出題傾向の変化によりすぐに陳腐化してしまうリスクがあります。
特に注意すべきは、ふぞろい発売前に流布する情報の偏りです。例えば、毎年発行される定番の分析書「ふぞろいな合格答案」シリーズでは、前年の二次試験の詳細な分析が掲載されますが、その最新版「エピソード18」は2025年7月発売見込みです。
つまり、2025年の試験に向けた受験生が本格的に二次対策を始める5~6月頃にはまだ最新ふぞろいを入手できません。その空白を埋めるために、多くの受験生は前年(2024年)の試験についてSNSや動画で語られている内容、予備校講師が暫定的にまとめた解法パターンなどを頼りに学習を進めますが、正直言って無効以下のデメだらけです。
このタイミングの情報には以下のような問題点があります。
- (a)解釈の誤りや未検証のノウハウが含まれる:
試験直後に有志がまとめた解答速報や分析は、公式の採点基準が不明な中で推測に基づいています。そのため、一見もっともらしく見えても実際にはポイントを外している可能性があります。そうした誤ったノウハウを長時間学習してしまうと、後で修正するのに余計な時間がかかったり、誤解に気づかず本番でも同じ間違いを繰り返す危険があります。 - (b)最新の出題トレンドを反映していない:
前年のノウハウは言わば「昨年有効だった手法」であり、今年も通用する保証はありません。むしろ試験委員は毎年少しずつ問題の切り口や重視ポイントを変えてくる傾向があります。前年多くの受験生が身につけた解法パターンは、翌年には通用しないよう出題が工夫されるケースすら考えられます(受験生側の学習がワンパターン化すると試験側がそれを崩しにくることは他資格試験でも見られる現象です)。前年ノウハウに固執することは、すでに過去のものとなった常識に縛られることと同義であり、最新の傾向からズレた学習になりかねません。 - (c)情報過多による混乱:
ネット上には様々な人が様々な視点で「これが正解だ」「この書き方が高得点だ」と意見を述べています。玉石混交の情報を整理せず鵜呑みにすると、かえって何を信じてよいか分からなくなる混乱状態に陥ることがあります。「○○流解法」「△△メソッド」といった名前付きのノウハウも毎年現れますが、それらを闇雲に取り入れていくと、自分の中で一本筋の通った解答作成プロセスが確立できず、軸のブレた学習になってしまいます。
イマの「2次」はふぞ答案を書くと本当に8割落ちるので、それと異なるアプローチを取りたい。そうかと慌てずに7月のふぞ18発売を待ち、その真逆に舵を切るのが上策です。
Step-4:思考の基本に戻って表現力UP
以上、(1)解法パターン暗記による思考硬直のリスク、(2)答案詰め込み過ぎによる論理破綻の問題、(3)前年ノウハウの陳腐化と情報タイミングのズレについて、それぞれ詳しく考察しました。まとめると、前年までのノウハウに頼りすぎた学習は、二次試験突破においてむしろ不利に働く可能性があります。特に今年(2025年)は一次試験の通過者増で二次試験の競争が一層激化すると予想されるため、受験生一人ひとりが自分の学習方法を今一度点検し、必要に応じて軌道修正することが重要です。
効果的な学習への提言として、以下のポイントを推奨します:
- 常に「なぜそう答えるのか」を考える:
過去問の答えを覚えるにしても、その根拠や背景を理解するよう努めましょう。「与件文のどの部分から導かれた解答なのか?」「他にどんな解答のアプローチがありえたか?」といった問いを自分に投げかけ、暗記に留まらない深い理解を目指すことが、新傾向問題への応用力につながります。 - 答案の質を磨くトレーニング:
量的な演習も必要ですが、それ以上に一つ一つの答案を推敲しブラッシュアップする訓練が有効です。書いた答案を時間を置いて読み返したり、可能なら第三者(勉強仲間や指導者)に読んでもらったりして、論理の通りやすさ・読みやすさを検証しましょう。「少ない言葉で的確に伝える」練習を積むことで、100字制限内でも質の高い答案を書くスキルが養われます。 - 情報収集は最新&取捨選択:
SNSやネット上の情報も鮮度と信頼性を見極めて活用しましょう。闇雲に飛びつくのではなく、信頼できる予備校の解説や実績ある合格者の発信を中心にチェックし、複数の情報源を比較検討して判断することが大事です。7月以降はふぞろい18など新しい分析資料も出揃いますので、それらを入手し、自身の解答プロセスを最新仕様にアップデー判断が望まれます。
最後に、二次試験は「知識戦」ではなく「思考力と表現力の戦い」です。過去の遺産に頼りすぎず、しかし過去から学ぶべき教訓は学び、時流に合わせて自分の解答作成スキルを進化させていくことが求められます。本調査で明らかになったリスクを踏まえ、自分自身の学習バランスを見直して、ぜひ万全の態勢で本番に臨んでください。健闘を祈ります。
今回の助言集はネットやSNSの情報発信から「中立公正」になるよう、抜粋したもの。よって課金ビジネスに夢中な受験産業の思惑を排したスタートラインに最適です。
前編まとめ
近年の情報発信を見ると、150h合格組の方が素直で試験委員に好感されやすい。そして試験委員が我が意を得たりと、今年の時短が加速する可能性大です。