4択マークの「1次」が軽い暗記で合格できるほどド易化したとき、その勘違いが昂じて「2次」過去問の答やノウハウの暗記に終始したのが隣のふぞろい。そしていつもの試験委員の苦笑いが止まりません。
この有名なリンクは、R1に作問採点を大胆に変えたついでに産み落とされた、自称「等身大のストレート合格自慢」ですね? ブログでやってはいけない金字塔として名を残し、その後の試験はこう進化します。
①「1次」易化で暗記が減少 | ②「2次」の暗記に対抗するケース・スタディ化 | ③「1次」→「2次」で意識を切り替え、レバレッジを |
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近年の1次試験では合格率が3割前後で安定しており、令和6年度も27.5%と高止まりしました。出題は「過度に細かい数字や用語」を減らし、各科目の基礎概念が理解できれば得点できる設計に寄っています。 | 対照的に「2次」の与件文量が増えて「その場で考えさせる」ケーススタディへとシフト。合否は一つの正解に決まらない運ゲー2割の記述式という設定で、暗記頼みの答案を通用させません。 | 「2次」では「1次」の基礎知識を武器に、〈思考手順の型化〉と〈高速アウトプット〉に学習軸を移す。具体的にはSWOTや4P などの定番フレームワークで与件を整理したうえで、100字の適切な文章構成を考えます。 |
そのため従来時間を割いていた細目暗記や語呂合わせの比率を下げ、応用演習や横断整理に学習時間を振り向けることも可能になっています。 | 単なるキーワード列挙では合格60点には届かず、課題→原因→施策を論理で結び、与件企業に沿って答える思考力とスピードが大事と言われ始めています。 | 「1次」で浮いた暗記時間をこのプロセス設計に投入して、「2次」での暗記を避けて思考と判断に脳内リソースを集中し、実力以上のスコアを叩き出す。これが今日提案する「2次」レバレッジです。 |
【5月特集】難化の2次はレバレッジ / テコの力で実力以上へ
近年は動画や生成AIの普及で、誰にでもわかるやさしくわかりやすい解説ばかりが大量に氾濫。そこで生成AIを使って「難しいことを調べたり」「それを簡単に説明させる」作業の反復が、「2次」高スコアで受かるレバレッジになると考えられます。
Step-1:「1次」易化+「2次」過去問暗記の弊害
過去問の答を暗記して受かるまでは良かったが、それを同友館教材の宣伝に使う姿勢がまずかった。「2次」でひたすら過去問主義を掲げ、キーワードと答を覚えた結果、見覚えのある画一的な答案ばかり並べたら、試験委員が採点でバツをするのは当然です。
中小企業診断士試験の一次試験は、近年明らかに易化傾向が進んでいます。過去問を5年分ほど回せば合格圏に届く設計となり、多くの受験者が「正解を覚えるだけ」で突破を目指すようになりました。この効率化は確かに学習時間の短縮に寄与しましたが、その反面、知識の本質理解が伴わないまま次のステージへ進む受験者が増えています。
その結果、二次試験のように「与件文から課題を抽出し、自分の頭で考えて解決策を提案する」場面で対応できず、壁にぶつかるケースが多発します。一次試験の易化は、受験者にとって短期的なメリットである一方、長期的には応用力不足というリスクを孕んでいるのです。
二次試験では、過去問をベースにした学習が王道とされてきました。しかし、それが「答えを覚えるだけの作業」に陥った途端、合格から遠ざかる落とし穴が待っています。そもそも二次試験は、毎年異なる中小企業のケーススタディを題材にしており、出題内容・設問意図が微妙に変化します。試験委員は意図的に過去問パターンに依存する受験者をふるい落とす設計を行っており、単なる暗記では到底対応できない構造になっています。
特に問題なのは、ふぞろいシリーズに代表されるような「キーワード集」や「フレーズ集」を覚えることが目的化し、本質的な思考を放棄する学習法が広がってしまったことです。過去問暗記に頼ることで、一見効率的に見えるかもしれませんが、実際には試験委員が出題の軸を少しずらすだけで機能不全に陥ります。
二次試験は相対評価です。上位約18%しか合格できない以上、「平均的な答案」では勝てません。ところが、過去問暗記型の学習を続けると、どうしても誰もが似たようなキーワード、似たようなフレーズで答案を埋めることになります。結果として、採点官の目には「どれも同じに見える」答案が並び、差がつかない=埋もれるという事態に陥ります。
特に予備校や市販教材が推奨する「型」に頼りすぎると、答案に個性も論理的な一貫性も失われ、機械的にパターンを並べただけの印象になりがちです。試験委員が重視するのは、ケースごとの状況に応じた柔軟な対応力と論理的な施策提示です。画一的な答案では、そうした思考の痕跡が見えず、高評価は望むべくもありません。
「1次」易化+「2次」過去問暗記の組み合わせは、表面的には効率的な攻略法に見えますが、実際には応用力不足・初見耐性の欠如・画一答案による敗北という三重苦を招きます。
試験委員の立場から言えば、こうした安易な学習法に陥るのではなく、過去問を素材として活用し、自分の頭で考える訓練を積むことこそが、これからの合格戦略であり、実務に通じる本質的な力だと断言できます。
Strep-2:高次認知評価~その場で考えさせる助言問題

おベテ+ふぞに共通する弱みはその小さく固いオツムで覚えた答を書きたがること。そうでなくブルームのタキソノミーによると、助言問題ではその場で自ら考えた答が加点されます。
評価段階 | 試験委員が取るアクション | 受験者に求められる力 |
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Analyze(分析) | 与件文の構造を複雑化し、直結回路を破壊 | 因果・構造の把握力 |
Evaluate(評価) | 判断理由・優先度の提示を必須に | 妥当な判断と根拠形成 |
Create(創造) | 新規の施策構築を中心に評価 | 仮説と構想力+整合性 |
従来の二次試験では、「与件文のこの一文にこのキーワードを被せれば得点になる」といった固定パターンが多くの受験指導で流布されていました。これに代表されるのが「ふぞろい型」の学習法です。これを踏まえて試験委員は与件と設問の直結性を意図的に曖昧化し、表層的な「拾って貼る」回答が通用しないようにします。
①与件中の強み・弱みが明示されず、複数の記述を統合して意味づけさせる
②設問に「分析せよ」「提言せよ」という言葉を用い、キーワード列挙を排除
③本質的課題を複雑に埋め込む(表面的要因と根本原因を分離)
この設計変更により、受験者は与件文を一文単位で処理するのではなく、構造的に捉え因果関係を自ら見出す力が求められます。ここで勝負できるのは、知識ではなく思考の質であり、これを高次認知評価と呼びます。
二次試験が“当日考えさせる”試験であるために、次に試験委員が重視するのは、解答の評価的判断(Evaluate)の妥当性です。すなわち、「与件から見えてきた事実を、どう意味づけ・価値づけし、そこからどの解決策を優先的に提示するか」という、受験者の判断の筋道と正当性そのものが採点対象になるということです。このため、設問構成も年々こうした「判断力の質」を問う形式へとシフトします。
①「どの施策を優先すべき」「どの理由でこの解決策が有効か」と理由づけを求める
②解答は事実の説明ではなく、判断→施策の理由→効果という構造をもつことが高得点の条件
こうした試験の進化は、従来のように「ふぞろい答案を20年分覚えれば受かる」という再現性重視の学習法ではまったく対応できないことを意味します。
試験委員にとっては、「それっぽい答え」よりも、「この人がなぜそう考えたのか」が論理として自然かつ現実的であるかを評価したいのです。つまり、高次認知スキルでいうところの「評価(Evaluate)」に相当する能力、情報の選択・重み付け・順位付けの力を測る仕組みが整えられてきたということです。
Bloomの最上位に位置する認知活動が「創造(Create)」です。試験委員が最も高く評価しようとするのは、与件企業の実情に合わせて受験者自身が新たな解決策を構築する能力です。
たとえば、「業績が悪化している企業に対して、どう立て直しの糸口を提案するか」といった問題では、答えが無限に存在します。このような問いに対して、過去の誰かの解答をなぞっただけの答案は通用しません。むしろ、受験者がその企業の課題を的確に捉え、自分の頭で因果関係を構築し、新たな戦略の筋道を組み立てることが期待されています。試験委員の出題姿勢としては、以下のような傾向が見られます:
①与件企業の環境を「不確実性・制約付きの現実」とする
②成功事例の模倣ではなく、現状から逆算して施策を設計させる
③施策提示の際に、「実現可能性」や「社内資源との整合性」も問う
つまり、受験者には「過去を覚える力」ではなく、「目の前の情報を組み立て、新しい筋道を示す力」が要求されています。これはまさに創造(Create)の領域であり、試験委員はこの創造的思考に裏付けられた施策提示こそを「優れた答案」として評価するのです。
Step-3:ケース・スタディでは掛け算型のレバレッジ
今の「事例Ⅰ~Ⅲ」に、隣のE社やD社の積み上げノウハウは通用しない。そこで離れた所に置かれた経営資源を掛け算する「合格レバレッジ」でスコアを伸ばします。
診断士試験はもはや、座学で積み上げた知識をそのまま出力する場ではありません。本番では、与えられた情報(与件文・設問)という限られた資源をどうつなぎ合わせて活用するかが勝負を決めます。この時、レバレッジとなるのが「知識の実践変換力」です。
単なる暗記知識を、与件企業に即した課題解決策に変換する――これができれば、インプット量に対してアウトプットの質が跳ね上がり、実力以上のスコアを叩き出せる。つまり、「知識を単独で使う」のではなく、与件との接点を見つけてレバレッジを効かせることが重要です。本番では完璧な知識よりも、使える知識をどう引き出すかがスコアアップの鍵となります。
試験委員が重視するのは、限られた時間で「最適解を即興で提示する力」です。これを引き出すレバレッジは、ズバリケース演習の場数です。毎回異なる業種・テーマの事例に触れ、瞬時に課題を掴み、制限時間内で答案をまとめる。このサイクルを繰り返すことで、実力以上の瞬発力が身につきます。
特に、短期合格を目指すなら「積み上げ型」のノウハウでは間に合いません。むしろ、「限られた引き出しをどう工夫して使い回すか」が求められます。これこそが、MBA的な“深掘り”とは異なる、診断士試験特有の即興対応型スキルであり、これをアドリブ型の掛け算と呼ぶことにします。
最後のレバレッジは、学習工程を「知識の積み上げ」と「答案作成」に分断せず、一貫した問題解決プロセスとして訓練することです。これを診断士指導で昔から言われる「具体→抽象→具体」に置き換えると、与件の題意を抽象化して当てるステップを入れることで、答えが1つに決まらない解答でも採点者が頷いて加点する余地が高まります。
従来型の「知識詰め込み→過去問演習」という直線的学習ではなく、常に「与件を読む→要点を抽出→課題を定義→施策を組み立てる」というサイクルを回すことが、レバレッジ効果を生むポイントです。このプロセスが習慣化されれば、たとえ知識が万全でなくても、現場対応力でスコアを底上げできます。
今日のまとめ
ではおベテやふぞはSNSでお痛を吹聴する他に、なぜここまで試験委員に嫌われた? それはテコの力で実力以上を発揮する上位5%の方が、このさき試験にも世間でも重要だから。