「事例をR1→R5の順に解いたら、年々難化とよくわかる」「過去のノウハウはもう不要」。続々届く喜びの声に応え、新シリーズ「事例を得意化する順」が始まります。
生成AIは大量情報を同時処理するため、経験やバイアスに左右される人間と違い、中立客観的に新たなインサイトを得られる。次に私が提案するのは、事例はⅡ→Ⅰ→Ⅲの順に得意化することです。
近年の作問採点変化 | 今年着手すべき対策 | |
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近年の「Ⅱ」では、80分では全ての情報を処理できない大量根拠が与えられ、解答に直接関係しないダミー情報も含まれる傾向があります。これにより、受験者が大量の情報から必要なものを瞬時に取捨選択し、優先順位をつけて課題を発見し解決策を提案する力が求められています。 | ①大量根拠の取捨選択(事例Ⅱ) | 最初に「事例Ⅱ」に取り組み、「情報の取捨選択」と「優先順位付け」スキルを強化します。与件前半に多いダミー根拠を落とし、実際に解答に使う根拠を抜き出す訓練を反復することで、時間内に効果的な課題発見と解決提案を行う精度と速度を高めます。 |
「事例Ⅰ」と「Ⅱ」に共通し、設問解釈時点で「直観的に」本質的な課題や解決策を思い浮かべ、与件文で見つけた複数の根拠の因果関係から洞察インサイトを経て、最適な解答を導く設定になっています。 | ②直観インスピレーションと洞察インサイト(Ⅱ→Ⅰ) | 「Ⅱ」で高めた取捨選択力を活かし、「事例Ⅰ」においても与件を理解し、直観的に課題を洞察する精度を高めることができます。単に表面的な正解を追いかけるのではなく、行間と文脈に隠された根本的な課題や組織の戦略的意図の発見に力を入れます。 |
「事例Ⅰ(組織)」と「Ⅲ(生産)」の間では、組織運営の最適化や業務の標準化、生産性向上といった視点がますます強調されています。特に、全社戦略と部門間の連携を組織的に強化し、生産現場の課題を解決するためのアプローチが評価されるようになっています。 | ③全社視点で生産性向上(Ⅰ→Ⅲ) | 最後に「事例Ⅲ」では「事例Ⅰ」と作問構成が似ている点を活かし、全社視点での組織運営と生産性向上の両立を狙っていきます。「Ⅰ」で先に組織や人事課題への対応力を身につけることで、「Ⅲ」での生産課題の解決力も自然と向上するでしょう。 |
【新シリーズ:全てのノウハウ不要に】過去問はR1→R5の順に解く / 事例はⅡ→Ⅰ→Ⅲの順に得意化
初学者がキビキビとR1→R5に解き進むと、「事例Ⅱ」の根拠が年々マシマシと気づく。そして「Ⅱ」の得意化が「Ⅰ」「Ⅲ」でも有利に働く、洞察インサイトを得られます。
150hで短期確実合格するには、①「Ⅱ」の情報取捨選択を通じて課題発見力を磨き、②その力を「Ⅰ」でも活かして直観的に課題を想定して解決策の精度を高め、③「Ⅲ」で全社視点での業務標準化と生産性向上を図ると良い。(100字)
Step-1:得意にするのは「Ⅱ」が最初
近年の2大作問傾向【答案にヘタクソ知識を書かせない与件マシマシ】【与件前半は解答に使わないダミー根拠】に気が付き、「事例Ⅰ」より「Ⅱ」を先に得意化すべきと判断するのが普通の人類。普通の人類未満のおじオバのために説明すると「ビジネスセンス」のことです。
作問の狙い | 具体的な学習方針 | |
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ビジネスの現場では、膨大な情報が常に飛び交います。「事例Ⅱ」の作問では、受験者が多くの情報から必要なものを正確に選び出す能力を測ることを重視しています。 | ①根拠の取捨選択 | 下手な根拠を詰めて数撃つことを避ける意識を前提とし、解答時の直観と復習時の正解を比べて解答に使わないダミー情報を落とす目利きを鍛えます。 |
複数の課題に直面した際、どれが最も重要で、どの順に対応すべきかを判断する能力を問います。優先順位を誤ると、ビジネスにおいても非効率な結果を招きます。 | ②優先順位付け | 答案に使う根拠を勝手に点数化して詰め込む腕を競うことを避け、「必ず使う重要根拠」「明文化された経営方針」「経営者の思いや社是」の順に優先順位をつけて使います。 |
診断士としての本質的なスキルは、問題の根本を発見し、それに基づいた解決策を提案することです。課題発見力があれば、複雑な問題にも的確に対応できます。 | ③課題発見力 | マーケティングや顧客視点での分析を通じ、与件文の背景や行間に隠された課題の発見力を高めます。根本的な問題を洞察し、それに基づく解決策を意識しましょう。 |
Step-2:直観インスピレーション+洞察インサイトで解く「事例Ⅰ」 【R6超難化へ】
R5「Ⅰ」であえて点差をつけたのは、今年R6は「Ⅰ」を難化させるぜのサイン。時代遅れの過去問でなく、すでに試験の先を行く世間にどれだけキャッチアップするかの、激しい戦いが想定されるな。
今年R6「Ⅰ」で出題すべきは、たかがヘタクソ蕎麦屋のA社長が自分の業績を鼻に掛けて今更インバウンド相手の成長戦略を描くことではない。リアルな現実企業が直面している課題とは、働く価値観が多様化すると、人事施策の上手下手で業績格差が開くことです。
作問の狙い | 具体的な学習方針 | |
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コロナ禍での急激な変化により、組織が直面した課題が大きく変わりました。受験者に、コロナ禍前と後の経営課題の違いを理解し、それぞれに対応できる戦略を考える力を問います。 | ①コロナ禍前後の課題の違い | コロナ禍前の安定した業務運営と、パンデミック後のリモートワークやサプライチェーンの混乱といった課題にどう対処すべきかの変化を比べて理解し、適切な対応策を提案する力を養います。 |
多様化する働き方において、組織文化の変革とリーダーシップの適応力が重要視されています。リーダーがどのように組織を導き、文化を変革するかを理解する力を試します。 | ②組織と状況適応リーダーシップ | 状況に応じてリーダーシップを発揮し、組織文化を変革するシナリオを考える訓練を行います。多様な働き方に対応したリーダーシップと、変革を促進する力を意識して学習します。 |
企業が多様な価値観を持つ人材を活用できるかが、コロナ後の成功に直結しています。受験者には、多様な人材を戦略的に配置し活かす能力が求められます。 | ③多様な人材を活かす人事施策 | 多様な背景やスキルを持つ人材を最大限活用するための採用、育成、配置を具体化する練習を行い、適切な人事施策を策定する力を高めます。 |
Step-3:ホワイトカラーの業務標準化と生産性向上
それは多額の課金で念願の試験合格を果たした末路が、良くて週末診断士の小遣い稼ぎ程度にしかならない、企業内リーマン診断士おじさんオバサン達の低生産性。R5以前の生産事例に戻るか、R5のホワイトカラー生産性路線を継続するか、R6の作問傾向に注目です。
作問の狙い | 具体的な学習方針 | |
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生産現場におけるプロセス改善は、多くの企業にとって競争力強化の重要な要素です。受験者に対し、生産フローの効率化やムダ削減を通じた業務改善提案の能力を問うことを目指します。 | ①生産業務の改善事例 | 現場で発生しているムダやボトルネックを分析し、改善方法を提案する力を養います。具体的な事例を基に、効率化やコスト削減の方法を明確に示せるようにトレーニングします。 |
製造業以外の業務、特にホワイトカラー業務の効率化と標準化が遅れがちです。作問の狙いは、この領域でも標準化や生産性向上の重要性を受験者に認識させ、具体的な改善案を考えさせることです。 | ②ホワイトカラーの生産性向上事例 | ホワイトカラーの業務プロセスを標準化し、部門間のコミュニケーションや業務フローを改善するシナリオを作成する練習を行います。特にデジタルツールを活用した業務効率化を意識します。 |
多くの企業で問題となっている部門間のサイロ化(タコツボ化)を解消し、全社的な連携を強化することが求められます。作問の狙いは、受験者に部門横断の課題解決力を問うことです。 | ③DRINKによる部門のサイロ化解消 | 部門間の連携強化を促進するためのコミュニケーション手法や組織再編案を考える能力を鍛えます。特に、部門間での情報共有や共通目標の設定が組織の生産性向上にどう寄与するかを社内で徹底します。 |
今日のまとめ
そこで「今年得意にするのはⅡが最初」。次回から事例Ⅱ→Ⅰ→Ⅲの順に分け、設問解釈(直観インスピレーション)→複数根拠を使った編集(洞察インサイト)→出題知識予想を全9回で進め、合格ボーダー2割コロコロ組との違いを決定付けます。