近年の「1次」はアイウエ4択が減り、abcde全て読まないと正解できない複数正誤の5択が増えた。その狙いが「たまたま正解が当たってしまう高得点」阻止とわかると、今の好調がそのまま「2次」に接続します。

現在の生成AIは、与えられた制約条件の範囲内で論理的かつ綺麗な日本語の解答を作成する能力を既に備えています。
そのため、過去の合格答案をパターン化して真似るだけの従来のふぞろい勉では、AIが作る平均レベルの合格答案に遠く及ばない末路を迎えています。
この環境下で試されるのは、情報機器に頼れない極限状態において、AIが導き出すような整合性の高い論理を自力で構築できるかという「AI断ち」の力です。
そのためAIがどれほど進化しようとも、本試験における「100字マス目の原稿用紙に手書きで記述する」というアナログな試験形式は変わりません。
多くの受験生が陥りがちな、過去問のキーワードを無理に詰め込むような画一的な勉強法では、他者と差別化できず点数が伸び悩みます。
そればかりか、試験委員がその年の事例に込めた固有の文脈を無視して自分の思い込みで書いた答案は、厳しい減点や足切りの対象となります。
試験委員の意図を正確に捉える最も有効な訓練は、「1次」直前期にこれまでの全量・全範囲の基礎知識を網羅的に総復習することです。
診断士として求められる理論の骨組みを正確に捉え直すことで、出題者が問題文の行間に込めた真の題意を曇りのない眼で構造的に把握できるようになります。
【1次ラストスパートを2次に接続】事例Ⅰ~Ⅲは点差がつかない
試験傾向変化で合格ボーダーラインから追い出されたベテ・ふぞに共通するのは、「ボク達には試験委員の題意はわかりまちぇん!」。そのノウハウ・パターン偏重を正面から回避するのが、「試験委員の題意の把握力」です。
Step-1:AIによる事例代替の現状
来る「2次」対策における生成AI活用は実力上位層から定着し、多数派向けの型に留まる層との差が開くとされるのは、生成AI活用には設問要求を自分の言葉で言い直す国語力の違いがあるため。
同様に受験者7,044人から1,240人を選ぶ2次ではその国語力がそのまま問われるため、AI格差と試験のスコアが同じタイミングで拡大します。
週2コマのスクール通学で得られる値を1として推論すると、情報量50倍は疑問が解消するサイクル数、答案の質5倍は自分の答案への診断の適合度、時速3倍は同じ水準へ3分の1の時間で届く効果を指します。
50倍の情報量が5倍、3倍と一見減っていくのは、増えた情報を検証して手書き答案に直す工程が歩留まりに影響するためで、情報量が多いから試験合格する訳でなく、わざと大量情報を与えると混乱するふぞろい層ではAI利用効果は1.0を割り込みます。
事例Ⅰ~Ⅲは、初見の与件文、30字から150字の字数制限、80分の手書きという3条件で出題され、この形式ではAIを持ち込めず事前に用意した答も使えないため、AI抜きの本人の実力だけが測られます。
つまり生成AIを使えば1分で書ける事例答案を、80分でわざと手書きさせる一見ムダな試験制度は、何でも「だってAIが言ったんだモン!」とすぐ拗ねる「AIバカ除け」「AI断ち」として今後も維持されるでしょう。
日頃からAI活用に励むあなたにすれば、AIが1分で解く事例を80分×数年かけて味わうⅠ~Ⅲはベテのムダ勉。そしてAIの1分レベルを、AI断ちの80分で再現できるかがここの事例の勝負と気が付きます。
Step-2:Ⅰ~Ⅲは加点より減点・足切りへ
2次筆記は上位から一定割合を取る運用が続き、令和7年度の合格率も17.6%でした。上位18%前後を切り出すには答案に差が要るため、作問側は多数派が同じ答えに落ち着かない設計を選びます。
一方、受験産業の教材は多くの受講生が再現できて初めて商品になり、答えが同じ形に寄る型へ最適化されます。差を作る力と差を消す力が、正面からぶつかっています。
採点基準は非公表のため、ここは開示得点から読み取れる観測仮説です。事例Ⅳの得点は上下に広く散る一方、事例Ⅰから事例Ⅲは中央付近に寄る形が繰り返し確認されています。
原因は作問側の意図だけではありません。型に沿った答案が広まって受験者側が同質になり、そこへ生成AIによる対策水準の底上げが重なった合作と見るのが自然です。
2次の合格条件は、400点満点で240点以上、かつ1科目でも40点未満がないことです。40点未満が1つあれば他の3事例の点は無効になるため、事例Ⅰから事例Ⅲは稼ぐ科目ではなく外さない科目に変わります。
守り方は3つで、全設問で与件文の根拠を1つ以上引き、因果を1段で書き切り、空欄を作りません。この3原則が足切り事故を止める防波堤になります。
AI時代の「事例Ⅰ~Ⅲ」は、AIが書くベストを65点、ふぞろいのキーワード羅列答案を55点に沈め、高い加点は期待薄。さらにAI答案レベルを下回ると、49点以下C評価、39点以下一発退場D判定と底なし沼が待っています。
Step-3:今週から動ける1次→2次接続
7科目のうち2次へ持ち越せるのは、財務・会計と企業経営理論の2つだけです。財務・会計は事例Ⅳと同じ中身で、NPVもCVPも名前を変えずに出ますから、直前期でも毎日30分の財務計算を別枠で確保します。
企業経営理論は事例Ⅰから事例Ⅲの解答語彙を支えます。他の5科目は1次限りの投資ですが、この2科目の時間だけは8月3日以降も繰り越せる資産として残ります。
直前1週は新規教材、予想論点、模試をゼロにし、既習の全量を日割りで1回転させます。直前期に伸びるのは知識の量ではなく、覚えた内容を本番で取り出す速さだからです。
1次合格者は令和6年度の5,007人から令和7年度は4,344人へ、合格率も23.7%まで下がりました。難化を前提に備えれば、易しい年には高得点が理解の証明として2次の原資になります。
2次合格者は令和6年度の1,516人から令和7年度は1,240人へ、約18%絞られました。枠が狭まる一方でⅠ〜Ⅲの答案が似てくる以上、合否を分ける差は消えたのではなく移動しています。
R8年度は口述試験が廃止され、10月25日の筆記1回で合否が決まります。移動先と時間配分は後編で扱いますので、まずは8月2日までを走り切りましょう。
このように「事例Ⅰ~Ⅲ」の点差はつきにくくなるが、「題意を読めない」「制約違反」のNG答案にはきっちりバツを付ける試験委員。そこで直前2週間に「直前予想!」なる間抜けを回避し、学習全範囲を総復習して「試験委員の題意」を読み取ります。
今日のまとめ
するとその先の答も決まり、ベテふぞ答案のように題意を外すと減点C・足切りDの対象に。ここで今週の「1次」追い込みの全量×総復習を通じ、「試験委員の題意を識る」ことが支配戦略になります。
