時短が進みスピード勝負の「2次」において、もはや誰もやらなくなった。それが岩より頑固なベテ勉と、カビよりしつこいふぞ勉で、試験委員がその作問採点を毎年変えてどう追い払ったかの謎に迫ります。
ベテ専知識偏重で時流ズレズレのスクールは教えてくれない。中小経営者が求めるニーズのリアル

経営者は目の前の問題に追われて、自社の状況を因果関係で整理できていないことが多いです。
与件の構造を読む速度を上げる練習こそが、経営者が気づかぬ課題の急所を示す力に直結します。
①の現状整理が正確であれば、自社の制約に合った施策が自然に絞られ、経営者は動けます。
知識の在庫や解答パターンを増やすより、因果を文章化する反復練習が実行可能な施策を生みます。
中小企業の従業員は長年の慣習に慣れきっており、外から持ち込まれた施策をそのまま拒みます。
②で実行すべき難しい施策を読みやすくわかりやすい60~80字で示す文章力が、反発を納得と推進力に変える入口になります。
【そして誰もやらなくなった】~2次長時間勉規制の理由と効果
「従業員は宝」どころか、パワハラモラハラセクハラ三重規制で、モンスター化した負債になりかねないのが地方中小企業の古参組。「そりゃさっさとAI で置き換えたい気持ちはわかる」の視点で入ると、なぜベテ→ふぞ勉の順に試験で消されたかの謎が解けます。
Step-1:中小経営者のニーズのリアル
経営者は売上低下や採用難といった個別の問題に追われて、それらがどう連鎖しているか自力では整理できていないことが多いです。
そこで第三者である診断士が情報を因果関係で構造化し、経営者自身が見えていない問題の急所を示すことが、診断の最初の仕事になります。
①の現状整理が正確であれば、人員3名・月商300万円といった自社の制約が明確になり、実行できる施策の範囲が自然に絞られます。
逆に①が不正確なままでは、どれだけ理にかなった施策を提示しても経営者は動けず、②は机上の空論で終わります。
②の施策が自社の実態に合っていれば従業員も納得しやすく、反発のエネルギーを実行の推進力に変えることができます。
①→②→③は並列ではなく前の精度が次を決める因果の連鎖であり、①を誤れば③の段階で取り返しのつかないズレが生まれます。
リアル中小のABC社長はあっと驚くベテの奇策を求めるのでなく、自社の気づかぬ課題を整理して、テコでも動かぬゆで蛙従業員の目が輝くように再生して欲しい。そこらのヘタレコンサルでなく、組織・人事に強い診断士の出番がここにあります。
Step-2:試験で最初に排除されたベテ勉
2次試験の与件文には、現状の課題・自社の制約・組織の人間関係など、経営者へのヒアリングで引き出すべき情報がそのまま埋め込まれています。
つまり与件を読む作業は1章の①②③を引き出す診断作業と構造的に同じであり、与件を読まずに答えることは診断をしないまま処方箋を書くことと同義です。
知識とパターンを事前に蓄積するほど与件を読む前に「答の候補」が浮かぶようになり、与件は答を確認する材料に変わります。
この状態では①の現状整理が機能せず、外段取り化とは診断の核心を省略する習慣を長時間かけて強化する行為に他なりません。
試験委員は与件を難化・長文化するだけでベテ勉の在庫を無効化でき、勉強時間が長いほど与件とのズレが拡大して合格から遠ざかります。
さらに「聞く前に答が浮かぶ」決めつけ癖は実務でも抜けず、経営者の話を確認作業で済ませる診断士は現場で信頼を失います。
積年の試験合格への想いが余り、周囲が知らない知識を書きたがるのがおベテの末路。それをゆで蛙と看破したR1「Ⅰ」、マシマシ根拠で事前準備を無効化したR2「Ⅰ」舩坂酒造は、今でも最初に解きたい良問です。
Step-3:合格枠削減で一気に消えたふぞ勉
1次試験は選択肢を選ぶだけで済むため、ふぞろい勉こそ合格ノウハウと信じると、事象と事象をつなぐ因果の文章を組み立てるスキルを欠いて2次に臨むことになる。
その結果、与件を読んでいてもキーワードを拾うだけで因果がつながらず、現状整理が診断にならないという根本的な弱点を抱えます。
1次対策の延長で「覚えれば解ける」という習慣を2次に持ち込み、過去問の答とパターンを暗記することが勉強だと思い込んでも、R6試験までなら2割でワンチャンありました。
しかし2次で問われるのは記憶の再現ではなく与件固有の情報を因果で構造化する能力であり、暗記量を増やすほど的外れな方向に進みます。
ノウハウやキーワードに頼った答案は受験者全員が似た内容になり、合格者数が多い時代は紛れ込めても、合格枠を絞ると因果のない同質答案から真っ先に識別されて消えた。それが最新R7の「2次」です。
ふぞ勉の真逆、すなわち与件の情報を自力で因果構造に変換する反復練習こそが、試験委員がR7以降に求める学習姿勢と捉えましょう。
合格者の自称多数派を占めあれだけ権勢を誇ったふぞ勉を、「なぜ誰もやらなくなった」? それを1,600名バブル時代に許容されても、合格枠を大きく減らすうえAI活用が進み「要らなくなった」と見るのが適切です。
今日のまとめ
だがどっこい、作問採点基準進化はじわじわ進み、R7ふぞ答案一斉減点のようにラディカルに変えてくるのは珍しい。そこで「2次」は長時間・長期間勉を避け、自らゆで蛙になるのを避けることを、長時間勉規制の歴史に教わります。