この時期に2次勉するからベテループとわかっていても、手をこまねいてばかりは居られない? であれば生成AIを日々使い、「賢い方の人類」を目指します。
2次「事例Ⅰ~Ⅲ」は80分で解けない認知負荷を課し、「その場で考える」東大的アドリブ思考を求める。このとき他人をパクって2割のガチャか、認知負荷を高めて8割の不合格リスクを削るかに二極化します。

【80分の捉え方】受かる省略・落ちるバイアス / 試験に影響する認知バイアス18選
つまり年々巧妙になる80分制限の新作事例とは、不要な情報をカットし取捨選択するか、単に危険な答をパクって右往左往するかを見てくる。その認知バイアス18選を紹介し、うち大事な4つを解説します。

影響度 | 影響内容 | 対策 | |
---|---|---|---|
①確証バイアス | ★★★★ | 【既に知っていることにしがみつく】「この方法で受かるはず」と信じ込んで、その方法を肯定する情報だけ集め、失敗例や警告には目を背ける。教材や講師を過信し、自らの弱点や学習効果を客観視できなくなる。 | 模試や演習での失点箇所にこそ注目し、「否定的なフィードバックを歓迎する」態度を持つ。勉強会などで他者の学習法や反論を積極的に受け入れる。 |
②現状維持バイアス | ★★★ | うまくいっていないと気づいても、惰性で今の方法を続ける傾向。答練の点数が伸びないのに手法を変えられず、負のスパイラルに。 | 毎月一度「学習手法棚卸し」を実施。良くなっている点と停滞している点を比較し、効果が乏しいと判断した方法は思い切って変更する勇気を持つ。 |
③利用可能性ヒューリスティック | ★★★★ | 【新たに知ったことに飛びつく】SNSや人気講師の言葉、口コミで話題になった論点だけを重要と判断し、本当に必要な基礎や頻出論点を軽視する。演習量よりも話題性が優先され、偏った学習になる。 | 出題傾向の頻度分析をもとに優先順位を明確化。演習記録を残し、学習が目立たない分野に偏っていないかを毎週点検する。 |
④代表性ヒューリスティック | ★★★ | 過去問や他人の事例答案に似ているからといって、安易に同じ解法を適用し、設問要求とのズレを生む。これにより減点される。 | 与件文・設問の変化点を明示的に抽出し、「似ているが違う」点を確認する習慣を持つ。毎回の解答フローをゼロベースで構築する訓練を積む。 |
⑤アンカリング | ★★★ | 最初に聞いた教材や勉強法、模試の点数が基準となり、それ以降の判断が歪む。学習範囲が狭まったり、弱点克服に必要な修正が遅れる。さらに「このくらいでいい」という油断を招き、実力と合っていない学習計画になりがち。 | 学習初期の選択肢を過信せず、模試・実力テストを定期的に行い計画を更新する。判断材料を複数用意し、異なる出発点からの再評価を行う。 |
⑥計画錯誤 | ★★ | 学習にかかる時間や労力を過小評価し、後半に時間切れや未消化分野を残すリスク大。特に二次試験では「答案練習の消化」に必要な時間を甘く見積もり、事例ごとの対応力が育たないまま本番に突入する。 | 各タスクの予測時間と実績を記録・比較して見積もり精度を上げる。週ごとに時間をバッファ付きで配分し、余裕のあるスケジューリングを行う。 |
⑦ハロー効果 | ★★ | 合格者・有名講師の「一部の実績」や肩書きだけで、発言内容すべてが正しいと錯覚する。結果として、その方法を鵜呑みにして自分に合わない学習を続けてしまう。 | 合格者の再現答案や行動履歴など、結果に至るプロセスを重視して学ぶ。実績の背景やコンテキストを意識して検証する。 |
⑧バンドワゴン効果 | ★★ | SNSや口コミで流行っている教材や学習法に安易に飛びつく。深く理解しないまま人に合わせた方法で準備するため、成果が出にくい。 | 「流行っている」ことと「自分に合う」ことを区別する。教材選定チェックリストを作成し、自分の苦手分野や特性に合っているかを検証する。 |
⑨権威 | ★ | 〇〇先生が言ったから」「この本が売れているから」と理由で判断を停止する。特に動画や音声教材での影響が強く、自分で考えることをやめてしまう。 | 他の教材や意見と必ず比較する。権威者の発言にも「再現可能性」「他者への汎用性」「自分の状況との整合性」の観点で検証する癖をつける。 |
⑩過信バイアス | ★★ | 模試で高得点が出ると、「もう大丈夫」と思い込み、復習や間違えた問題への分析を怠る。苦手分野を見逃したまま本番へ突入。 | 模試・過去問での失点パターンを「再発防止ノート」に記録。得点よりも再現性の高さや、構文の適切さで自己評価する。 |
⑪自己奉仕バイアス | ★★ | 点数が良いと「努力の成果」ととらえ、悪いと「忙しかった」「運が悪い」と外的要因に責任を転嫁。根本原因を直視しない。 | 必ず良い点も悪い点も「内因」「外因」に分類して分析する。失点要因を「変えられるもの」「変えられないもの」に分け、変えられる要素に対策を集中させる。 |
⑫損失回避バイアス | ★★ | 「減点されたら怖い」と無難な解答ばかりを選び、思い切った提案や具体策を出せない。加点機会を逃す。 | 今の試験では「減点されない」よりも「加点される構成」を意識する。試験前に「安全パターン」「挑戦パターン」を書き比べて、リスクとリターンを可視化する。 |
⑬フレーミング効果 | ★★ | 「難問で失点すると不合格になる」という恐怖フレームで焦り、冷静な戦略判断を失う。 | 試験中に「時間内で最大得点を狙う」という目的フレームに言語化して書き出す。精神安定と判断の基準を明確にする。 |
⑭サンクコスト | ★ | 第1問SWOTに20分以上費やしてしまい、「ここまで書いたからもったいない」と引き続き時間を浪費。結果として第4~5問で白紙に。 | 問題ごとに時間配分の目安を決め、上限を超えたら中断する「切り上げ判断ルール」を事前に明文化しておく。 |
⑮生存者バイアス | ★★★★ | 「去年の合格者がやってたから」と真似した方法が、自分には合わず失敗。見えない不合格者の失敗パターンを無視することで、落ちるべくして落ちる。 | 必ず不合格者の再現答案・失敗談にも目を通す。方法論ではなく、行動・思考・判断のプロセスに注目し、自分の状況と照らして検証する。 |
⑯基本的帰属の誤り | ★★★ | 逆に合格者の成功を「地頭が良いから」「前職がコンサルだから」と内的要因に求め、再現可能な努力方法を見逃す。 | 合格者の行動・選択・環境を分解して再現性を分析。真似できる部分とそうでない部分を明確に区別して活用する。 |
⑰ダニング=クルーガー効果 | ★★ | 「これくらいで受かるはず」と思い込み、準備不足のまま突入する。一方で実力がある人ほど不安にかられて過剰に手を広げ、非効率になる。 | 模試・演習を通じた客観評価と、他者比較による視点を必ず取り入れる。自分の強みと弱みを言語化し、優先順位をつける。 |
⑱ハインドサイトバイアス | ★★ | 試験後に「こうなると思ってた」と振り返り、実際にどこが分からなかったのかを誤認し、反省が甘くなる。 | 答案再現をその日のうちに記録。答え合わせをする前に、自分の思考プロセスと迷った選択肢を文字化する。 |
①確証バイアス
自分の予想や信念を肯定する情報のみを収集・解釈し、反対情報を無視または否定する傾向
- 80分で読む膨大な与件文から「自分が解けるはずのパターン」に合致する根拠のみをピックアップし、反証箇所を無意識にスルーすることで、問題要求とのズレが生じやすい。
- 模試や過去問演習での失点を「その回だけ運が悪かった」と片付け、弱点克服を後回しにする。結果として、本番で同じミスを繰り返し、致命的な減点ポイントを見逃す。
- 試験委員が意図的に設けた誤誘導フレーズ(例:「~することで期待される」という肯定的文脈と対比する否定的文脈)を誤読し、誤った解答方向に一直線に引き込まれる。
③利用可能性ヒューリスティック
頭に浮かびやすい・直近目にした情報を過大評価し、それを判断基準にしてしまう傾向
- SNSや講師動画で取り上げられた「最近話題の論点」だけを優先学習し、本来頻出の基礎論点を後回しにする。この偏りが本番で露呈すると、基礎設問で大きく減点を受ける可能性が高い。
- 認知負荷の高い環境下で、最も容易に想起できる情報を安易に選択肢や答案に盛り込もうとしてしまい、深掘りや統合が必要な複合問題で的外れな答案を書く。
- 試験委員は高印象バイアスを活用し、「話題性あるが出ない」トリック論点をあえて紛れ込ませ、受験者を誘導してタイムロスを計測する。
★⑫損失回避バイアス
同一価値の利益よりも損失を避ける心理が強く働き、リスク回避的な行動を選択してしまう傾向
- 記述式答案で「大幅減点されるリスク」を恐れすぎ、無難な抽象論や平凡な手法の羅列に終始してしまう。これにより加点要素となる具体的・独自性の高い提案が減少し、加点機会を大きく逸失する。
- 難易度の高い設問への挑戦を回避し、得点可能な平易な設問に時間をかけすぎることで、試験全体の得点ポテンシャルを引き下げる。
- 試験委員は設問にノイズとなる要素(複数の判断基準が混在)を盛り込み、一見安全策が通用しないように設計。受験者のリスク回避傾向を利用して誤誘導する。
⑮生存者バイアス
成功者(生き残った事例)の情報のみを参照し、失敗者(脱落した事例)の情報を無視する傾向
- 合格者の成功体験だけを分析し、「〇〇しただけで受かる」という極端事例に飛びついて本質を理解せず模倣する。自分の前提条件や弱点を考慮しないため、本質的学習が進まず本番で破綻する。
- 不合格者の反省点や失敗プロセスを無視することで、同じ落とし穴に8割の受験者が落ちる。試験委員はあえて失敗要因をカモフラージュし、「成功例のみ」を市場に流通させることで情報ギャップを固定化する。
- 情報の歪みが強まることで、受験コミュニティ全体が同一方向に誤誘導され、組織的に不合格率を高める構造が生まれる。
80分で解けない「2次」の狙いは、思考の近道を誘う認知バイアスで受験者の80%を振り落とすこと。バイアスを無自覚に使うと不合格の8割に誘導されるため、意識的に制御し活用すべきとされます。
今日のまとめ
さらに今年の最注目が損失回避バイアス。頭をぶつける豆腐の角さえツルツルとされるふぞろいノウハウに対し、そこから一歩も二歩も抜け出た答案への加点が進むでしょう。