2023年10月のステマ規制以降初めてマスコミに大きく報道され、ブランド価値が地に落ちた大正製薬。研究開発費98億円・広告費132億円/年の投資効果をゼロリセットする、【消費者庁の本気】を読み解きます。
規制開始後3社の公表順を見ると、消費者庁の本気がよくわかる。つまり「医療」「健康」といったブランド価値が大事な業界を狙い撃ち、あらゆる企業に本来あるべき折り目正しい行動を促します。
消費者庁の狙い | 企業に促される行動 | |
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医療や健康業界の商品・サービスは効果が見えにくく、消費者がブランドや口コミに頼りやすい分野です。ステマを抑制し、確かな情報を提供することで、消費者に安心感を与え、業界の信頼性向上を図っています。 | ①情報の信頼性確保 | ステマが問題視される中で、企業は広告内容の信頼性を見直し、透明性を高める必要があります。消費者に対して自主的かつ明確な情報提供を行い、信頼を確保します。 |
ブランド価値が重視される業界では、ステマが蔓延しやすく誤解を招くリスクが高いため、消費者に誤解を与えない適切な広告の基準が必要です。この分野で規制を強化することで、広告手法の規範を定め、他の業界にも波及効果をもたらします。 | ②広告のコンプライアンス | 企業はコンプライアンス意識を強化し、法令遵守に努める必要があります。特に口コミ依存型の誇張や吹聴を避け、実態に沿った適正な表示や説明を行います。 |
ステマが生じやすい医療や健康分野での厳格な是正勧告は、業界全体に「ステマ規制の本格化」を示し、他企業も含めた広告手法の見直しを促す抑止効果を狙っています。 | ③規制浸透と抑止効果 | 業界全体で透明性の高い広告手法が求められるようになり、各企業は倫理的な広告活動や自主規制に取り組むことで、業界の健全化に貢献します。 |
【大正製薬はステマ企業】消費者庁の本気と公表された末路 / 業界で震え上がる通信S・出版D・超絶E社
今回は大正製薬に同情すべき点が多いが、それでも「医療」「健康」のブランド価値棄損の大きく踏み込む【消費者庁の本気】を感じる。そして当業界で震え上がる3社の末路を案じます。
Step-1:教育産業最大のステマ~ステマ天狗社~
ステマ天狗社はその内容も理念も素晴らしく、診断士試験が発祥とあって本来もっとブランド価値が高くて良い。しかしその受講歴を誰もが隠したがるのは、かつてのステマがひどすぎたため。
「ステマ天狗社」は創業当初からSNSやブログ執筆者に有料で依頼するステマに依存する、実態のない宣伝から始めました。この過度なステマ手法が消費者の反発を招き、信頼性に疑念を持たれるようになりました。
実際の教育コンテンツこそ優れていたものの、ステマによる悪評が先行したため、その本質的な価値が評価されにくくなりました。これにより、「ステマ天狗社」の教育プログラム全体が信頼を損なう結果となりました。
創業期のステマの影響で、「ステマ天狗社」に対する観念価値が低下しました。結果として、受講者が受講歴を隠す傾向が広まり、企業の過去が影響する形でブランド価値が損なわれています。
Step-2:情弱相手の合格商法~同業D社~
2割ガチャの夢にワンチャンを賭ける情弱商法は、それはそれで夢を与える効果こそあれ、試験に確実に受かる上位5%層の離反を招く。いい年こいたおじオバが合格大はしゃぎを繰り返した末路を見届けます。
「ふぞろい」や「全ノウ」「過去マス」といったノウハウが広まった結果、短期間で合格を目指す多くの受験者に利用されましたが、これらの手法が本当に合格基準を満たすのか疑問視され始めました。特に、内容が定型化されすぎているため、上位5%層の受験者には対応力が乏しいと感じられるようになりました。
ノウハウ商法に頼る受験者が増加するにつれ、合格者層の中には、その内容に物足りなさを感じる受験者が増え、従来の上位層が離反する要因となりました。これにより、自己流で確実に合格を目指す受験者層が増加し、これまでの手法への依存度が減少しました。
ノウハウ商法が「2割の成功率」で夢を売る構図が見え始め、試験の本質に対する信頼感が損なわれたことも理由です。結果として、一部の受験者からは合格ノウハウ商法が「夢を売るだけ」という認識が広がり、確実な効果を求める層から敬遠されるようになりました。
Step-3:合格発表前に当確自慢で大騒ぎ? ~超絶ベテ専E社~
このE社がSやDと異なるのは、ヨイショする信者に対価を払うのでなく、逆に年30万円課金する点。しかし、合格発表前に再現答案をSNSに晒し、「我らがカリスマ!」「僕らのエース!」と悪目立ちして狙い撃たれ、今の末路に至ります。
超絶E社の受講者が試験直後に再現答案をSNSで公開し、「カリスマ」や「エース」と過度に賞賛されることが、国家試験のあるべき合否判定への疑問を生じさせました。受験者の間で「E社の受講者だけが合格するの?」といった不信感が広がり、他の受験者から反感を買い、現在の酷評に至ったのです。
実際にその年の採点基準が大幅に変更され、E社の受講生たちがSNSに晒した再現答案は、採点基準で狙い撃ちされほぼ全員が不合格にされました。これにより、「E社に通う=確実に合格」という過剰な期待が裏切られ、受験者の間でE社への評判が大きく揺らぐことになりました。
E社に通う受験者は、試験後の不合格者続出とその後のSNSでの過度な自己顕示で自分たちが狙い撃たれたと反省し、受講歴を隠す傾向が強まりました。そしてS社と同様、E社も「信者」として自己顕示が強く、結果的にそのブランドの「観念価値」を損なうことが広く知られました。受講歴を隠すことが避けられない状況となり、その信頼を再構築するのは今後何十年もかかる茨の道となるでしょう。
今日のまとめ
教訓:ステマはしない・させない・見逃さない
RIZAPでは誰も気にしないことに業を煮やした消費者庁が、かなり同情の余地のある大正製薬のブランド価値をおっきく棄損させる本気を見せた。われらが試験委員や消費者庁がこのような本気を見せ、社会全体により望ましい行動を促す仕組みが加速します。