試験を評論して15年、いままで試験前日に言い続けた「明鏡止水」を差し置いてでも知っておくべき。それが【事例Ⅰ~Ⅲ作問が毎年変化する】理由を、課題解決型人材ニーズの増加で説明できること。
隣のふぞろいが目先の試験合格狙いでわちゃわちゃする時、時流の一歩二歩先を見据えて試験に臨むと、答がブレにくい。そこであのノウハウ偏重のタスク処理を止め、課題解決型の手順に乗り換えます。
タスク処理型人材
決められたタスクや手順に従って、効率よく作業を完了することを重視する。
→試験はノウハウ&キーワードと捉え、いかに数多く答案に盛るかを競う。
課題解決型人材
新たな問題や複雑な状況を分析し、柔軟に対応し解決策を見出す能力を持つ。
→試験は時流が求める人材育成と捉え、常に問題解決と方針達成を意識する。
ビジネスの変化 | 変化する試験の備え | |
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ビジネス環境は急速に変化しており、従来のキーワードやノウハウに頼ったアプローチでは通用しないことが増えています。企業は、環境の変化に柔軟に対応できる人材を求めています。 | ①既存ノウハウ偏重から脱却 | 試験問題は毎年変わり、従来の知識や手法だけでは解けない場合が多いです。新たな視点を持ち、柔軟に考えることが重要です。 |
複雑な課題を解決するためには、表面的な情報にとらわれず、本質を理解する力が必要です。企業は、問題の根本原因を特定し、効果的な戦略を立案できる人材を求めています。 | ②問題点を解決し方針を達成 | 出題される事例問題は一見複雑ですが、問題の根本を見抜く力が求められます。与えられた情報の中から、本当に解決すべき課題を特定し、それに対する解決策を考えることが必要です。 |
限られた時間で最適な決定を下す能力は、ビジネスにおいて極めて重要です。迅速に情報を分析し、重要なポイントを優先するスキルが求められています。 | ③制限時間内の優先順位 | 100字での回答が求められる中で、限られた時間内に何を優先するかがカギとなります。情報を迅速に整理し、最も重要な要素を絞り込んで答える力が試されます。 |
明日「事例Ⅰ~Ⅲ」の同じ3つの謎クエストに挑む時、これまでのノウハウ偏重&崇拝型と、これからの課題解決型ではアプローチが200%真逆。もちろん試験に確実合格するのは後者な?
【最後のクエスト】タスク処理→課題解決型へ / 構文利用×アドリブ因果で難題解決
そこで試験の狙い=課題解決型人材の育成と捉え直すと、その作問採点が毎年変わる理由がわかる。そして隣の合格ボーダーラインをおっきく乗り越え、【初見難問をアドリブで解く】チャンスがやってきます。

Step-1:構文利用でインスピレーション
その初見難問を当てる第一歩が、「どのように100字を書くか」を最初に決める。すると与件の想定読みができる他、結論に向けて解答を書くので答がブレません。
与件文の背後にある意図を読み取り、「何を答えるべきか」を瞬時に判断する力です。単に事実を羅列するのではなく、設問の核心を理解し、結論を導き出すことが求められます。
見たことのない初見問題に対して、過去のパターンに縛られず、その場で最適な構文を浮かべる柔軟な思考が求められます。直感的な判断力を養い、複雑な状況にも迅速に対応できるようにします。
最初に選んだ構文が、解答全体の基盤となります。これをうまく選ぶことで、その後の解答作成がスムーズに進みます。ここでの判断が、試験の合否に大きく影響します。
初見難問イコール、「どう答えるか悩ませる」、わざと目先を変えた問題。そしてあらゆる前倒しが進むスピード時代では、どう答えるかの構文を決めた時点で勝ち確です。
Step-2:アドリブ因果でインサイト
答案の100字を組み立てる作業では、まず訊かれたことに答える重要根拠を与件文から3つ選ぶ。それを因果で結びつけると、洞察インサイトが得られます。
与件文の中から、核となる根拠を迅速に見つけ出す力が必要です。試験では多くの情報が与えられますが、その中で最も重要な情報をピンポイントで抽出し、それを解答に活用します。
解答は1文3センテンスで構成し、明確で一貫性のある因果関係を示します。3つの根拠を選び、それを論理的に組み立てることで、設問の要求に対して効果的に答えることができます。この過程で、与件文の意味を深く理解し、説得力のある解答が完成します。
根拠を選び、即興的に因果関係を作り上げることで、問題の本質に迫る洞察力が養われます。事前に用意された知識をただ再利用するだけではなく、当日のアドリブで思考を深めることがポイントです。
Step-3:初見難問で課題設定&解決力
そこで最後に、初見のビジネスシーンや問題に直面した際に迅速に課題を設定し、解決策を導き出す力を高める。試験の題意は、この職業訓練を想定しており、次の3つで構成されます。
診断士試験では、これまで経験したことのない問題が出題されます。これに対して即座に対応し、課題を設定する力を養うための訓練を積み重ねてきたことを信じ、当日に発揮することが重要です。
課題を設定した後、それをわかりやすく説明し、解決策を提案する力が求められます。診断士として、複雑な状況を簡潔に説明できることは、ビジネスシーンでの重要なスキルです。この力を試験で試される場面は多く、その練習の成果を発揮します。
試験で培った課題解決力は、そのまま実務に応用可能です。診断士試験を通じて、現場で役立つ実践的なスキルが身につきます。この段階では、問題に対する解答が、実務での課題解決力に直結することを意識して臨みましょう。
本試験前日のまとめ
診断士はこうやって、あらゆる初見の難題をスラスラ解ける。そして明日の「事例Ⅰ~Ⅲ」で最重視するのは、最初に構文を決め、最後を国語のアドリブで終えることです。