1か月後に迫るガチャ試験を迎えるにあたり、掲げる目標は大谷級に高く・遠いほど答がブレない。そこでイマの診断士が国策レベルで何を求められているかを紹介します。
9/24日経朝刊:「PMI」業務に必要な人材育成
中小企業のM&A(合併・買収)実施後の統合作業「ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)」業務は、単なる事業承継の枠を超え、中小企業が規模を拡大して生産性の向上を実現するための重要なプロセスだ。
PMI業務を普及させるためには、地方金融機関の広範な営業網と中小企業診断士の実務遂行力を組み合わせることが必要だ。両者の連携は地域に根ざした金融機関のネットワークを活用しつつ、企業の実態に即した支援を行うための理想的な組み合わせだろう。
だが、現状では地方金融機関にPMI業務を推進できる人材が少ない。タスク処理型の人材が多く、経営コンサルティングのように自ら問題を発見し、解決策を提案・実行できるスキルを持つ人材が不足しているのだ。人材不足により、中小企業が抱える問題解決が遅れ、生産性向上の取り組みが進展しない状況が続いている。
同様に中小企業診断士もタスク処理型の人材が多く、問題解決を行うスキルを持つ者は少ない。公認会計士や税理士などにも共通するが、専門的な知識を持つ者が必ずしも経営支援に直結するスキルを備えているわけではない。
しかし、それでも中小企業診断士には問題解決型を志向する人材が多く存在する。その多くが中高年層で高額報酬を求めないため、コストパフォーマンスが高い。この特性を生かし、適切な教育と研修を通じて、実践的な問題解決スキルを身につけた有能な人材を輩出する可能性は大きいはずだ。
ただ、中小企業診断士の活用にはボトルネックが存在する。主戦場となる行政機関の仕事が固定化していることだ。行政機関の窓口業務や専門家派遣の業務は過去につながりのあった一部の人に集中しており、中小M&AやPMIを支援する専門家には仕事が回りにくい。また、経済産業省はPMI支援の取り組みを始めたが、都道府県レベルでは、まだPMI支援の必要性が理解されていない。
こうした状況を打開するためには、民間の支援者である中小企業診断士が行政機関に依存せず、自ら地方銀行や信用金庫とのパートナーシップを築き、独自のネットワークを活用してPMI支援を普及させることが求められる。
【診断士の転職】9/24日経朝刊~PMIで輝く診断士 / 診断士人気は国策レベル
この記事を書いたのは公認会計士だから、よくある自画自賛ではなく、PMIにおける課題解決型の人材不足を客観的に嘆く。それにしても地方の診断協会=「世の中で一番役に立たないゆで蛙」との指摘は、腹を抱えて心底ウケるな。
Step-1:M&A熱におけるPMIと診断士
診断士の強みは、「まずマーケが出来て」「財務諸表が読める」両極端のスキルを持つこと。これに「組織論を活かしてチームを動かし」「生産現場もそこそこ詳しい」とあっては、白羽の矢が立つのも当然です。
①記事の主張 | ②何が問題か | ③そこで試験がどう変わるか |
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中小企業におけるM&Aが増加する中、買収後の統合作業(PMI)の重要性が高まり、経営支援に強い中小企業診断士の活躍が期待されている。PMIではシナジー効果を引き出し、企業の生産性を高めるため、診断士の役割は大きい。 | 現在の診断士のPMI知識や実務スキルは十分とは言えず、企業がPMIプロセスを進めるために診断士を活かす発想はまだない。これにより、M&Aによる効果が十分に発揮されず、企業の成長が停滞するリスクが存在する。 | 診断士試験では、PMIに関する知識と実務スキルが重要視され、PMIステージでの具体的な課題解決策やシナジー効果の引き出し方を問う問題が増える。受験者は、実践的な統合作業に精通する必要がある。 |
Step-2:地域金融機関は課題解決型の人材不足
私が口を出さずとも、典型的ゆで蛙業界をバッサリ行くとはやりますね。一方でシニア型診断士の課題解決力とは、これまたタコツボお役所仕事化した大企業の内部で、顧客ニーズをなんとか叶える調整力のことです。
①記事の主張 | ②何が問題か | ③そこで試験がどう変わるか |
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地方金融機関は、地域経済の支援において重要な役割を果たすが、課題解決型の人材が不足しており、中小企業のM&AやPMI支援において十分なサポートができていない。特に、経営支援の分野で自ら問題を発見し、解決策を提案できる能力が求められている。 | タスク処理に特化した人材が多く、PMIのような複雑なプロセスにおいて必要な問題解決力を持つ人材がいないため、地方企業の支援が不十分となり、企業の成長が阻害されている。 | 診断士試験では、地方金融機関との協働を前提とした問題解決スキルが重要視される。受験者は、地域経済に根ざした経営支援や、課題解決型のアプローチを理解し、地方金融機関との連携方法についても学ぶことが必要となる。 |
Step-3:シニア型診断士の活躍余地と、頭の固いお役所仕事
しかし生成AI時代を舐めてはいけない。当サイト調べによると「口先だけの偉そうな」「口はよく動くが手の方はさっぱり」なゆで蛙とは、ズバリ地方診断協会のことです。
①記事の主張 | ②何が問題か | ③そこで試験がどう変わるか |
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中小企業診断士の中でもシニア層は、比較的高額報酬を求めず、問題解決型の支援を志向する人材が多い。彼らのコストパフォーマンスが高いため、シニア型診断士の需要が増加している。また、豊富な経験を持つシニア診断士は、PMI業務でも活躍が期待されている。 | シニア層の能力を最大限に活かす仕組みが整っておらず、行政機関の専門家派遣業務が既存のネットワークに限定されているため、シニア診断士が十分に活躍できていない現状がある。 | 今後、診断士試験ではシニア型診断士の活躍を促すため、実務経験に基づいた問題解決力を問う問題が増加する。受験者は、経営支援や統合作業における具体的な経験をもとに、的確な判断と提案ができることが求められるようになる。 |
Step-4:お役所仕事に依存しない「アクティブ型の診断士」へ
東京・大阪でのビジネス最先端やスタートアップのスピード感に比べ、地方公務員の仕事ぶりはいかにものんびり。80分で解けない試験に向き合う診断士と比べると、ボールに蠅が止まるレベルです。
①記事の主張 | ②何が問題か | ③そこで試験がどう変わるか |
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中小企業診断士は、行政機関の固定された業務に依存せず、自ら地方金融機関や信用金庫とのネットワークを築き、独自にPMI支援を提供できるアクティブ型の人材が求められている。PMI業務が重要視される中、柔軟で自主的な動きが不可欠となっている。 | 行政機関の仕事が固定化しているため、診断士が限られた分野でしか活躍できず、PMI支援を必要とする企業に十分なサービスが提供できていない。また、都道府県レベルではPMI支援の必要性が十分に理解されていない。 | 診断士試験では、自立した経営支援を提供できるアクティブな診断士が求められるため、受験者は行政に依存せず、独自のネットワークやコンサルティング能力を駆使して課題解決に取り組む力が問われるようになる。 |
今日のまとめ
診断士人気は既に国策レベルであり、試験の作問もそっちにシフトするだろう。そして何よりウチの試験委員が合格させたい人材像は、すぐ同友館に群れて集まるノウハウちゃんでなく、自ら考えて動ける課題解決型です。