5,000人全員に合格チャンス。
~年906通りの合格スタイル~
出題傾向や採点基準を巧みに操り、特定のスクール・サークルが有利にならないよう狙い撃ち。当試験の出題側はなぜそこにこだわる?
理由は①合格者の多様化を通じ、②誰でも実力+工夫次第で合格できる試験にすることで、③独創・チャレンジ・受験者増を促し、④以て試験の質と格を高めるため。(75字)
ネットやSNSの世界でそんな都市伝説が根強いのは、試験に関するオープンデータに、誰が見ても不自然な作為の跡が散見されるから。すると受験側の最新の関心は、
どうやって合格するか(How)より、
出題側は誰を合格させたいか(Who)。
では12/25(火)の正式発表に先立ち、不自然な作為に関する都市伝説を検証します。
【検証都市伝説】最新診断士906人の合格スタイル
確度S:協会発表公式データそのもの
確度A:公式データを読み取って推定
確度B:正規分布などの一般原理で推定
確度C:ネットやSNSの噂
【確度S(事実)】申込平均年齢>>合格平均年齢
年代別合格者数(公式統計)からエイヤで平均年齢を試算する。
申込者⇔合格者の平均年齢がこう離れる国家試験は、他にない気がします。一般に若い方ほどパスしやすいとされますが、50~60代で合格する方もいる。大いに参考にできそうです。
【確度A(事実+推測)】東京地区では遅く申し込むほど合格しやすい
H29~30は、受験番号後半の合格率が2割超えに。
東京地区のみのデータですが、H29以降は申込が遅い方の合格率が上がっています。この原因は諸説あって、
- 立教大会場の小さな机は筆記に不向き。
- 若番担当の採点者の虫の居所が悪かった。
- 受験情報に敏い方はあえて申込を遅らせた。
理由を特定できる筈もありませんが、こう2年続くと、東京地区で早めに申し込むのは慎重にしたい所です。
【確度B(法則レベル)】5,000人に合格チャンス。2,500人が合格圏内。
正規分布に従うと、合格するには偏差値59。確実合格するには偏差値68。
正規分布に基づく推計値(平均220、合格240点。受験者5,000人中上位20%1,000人合格モデル)
スコア | 累計構成比 | 偏差値 | 順位 |
287 | 0.13% | 80 | 7 |
284 | 0.19% | 79 | 10 |
282 | 0.26% | 78 | 13 |
280 | 0.35% | 77 | 18 |
278 | 0.47% | 76 | 24 |
276 | 0.62% | 75 | 31 |
273 | 0.82% | 74 | 41 |
271 | 1.07% | 73 | 54 |
269 | 1.39% | 72 | 70 |
267 | 1.79% | 71 | 90 |
264 | 2.28% | 70 | 114 |
262 | 2.87% | 69 | 144 |
260 | 3.59% | 68 | 180 |
258 | 4.46% | 67 | 223 |
256 | 5.48% | 66 | 274 |
253 | 6.68% | 65 | 334 |
251 | 8.08% | 64 | 404 |
249 | 9.68% | 63 | 484 |
247 | 11.51% | 62 | 576 |
244 | 13.57% | 61 | 679 |
242 | 15.87% | 60 | 794 |
240 | 18.41% | 59 | 921 |
238 | 21.19% | 58 | 1,060 |
236 | 24.20% | 57 | 1,210 |
233 | 27.43% | 56 | 1,372 |
231 | 30.85% | 55 | 1,543 |
229 | 34.46% | 54 | 1,723 |
227 | 38.21% | 53 | 1,911 |
224 | 42.07% | 52 | 2,104 |
222 | 46.02% | 51 | 2,301 |
220 | 50.00% | 50 | 2,500 |
- 合格者1,000人モデルで、「確実合格者」を500→250人に減らす。
- すると「確実合格」とは上位5%、スコア260、偏差値68以上に。
- 合格240点±20点(220~259)では、採点基準次第で誰かが合格。
- すると「採点基準の運次第」で、2,250÷3=750人が「抽選合格」。
- 単純な20%くじ引きより受験者の上位半数→33%で合格の方が、信頼できそう。
採点サービスによる分析が進むと、どのスクールの採点基準でも太鼓判が押される確実合格者は上位250人どまり。そして240±20点の「紙一重」に位置する2,250人の1/3、750人が「たまたまくじ引き合格」に。そんな見方が強まっています。
でもそれは、最新診断士906名の合格価値を損なうものではありません。当試験は合格実力者1,500人(220~239点)をあえて落とすことで見かけ上の難易度を保つ。合格実力がないと、この「合格くじ引き」に加われないからです。
【確度C(デマレベル)】スクール通学者の合格率は2~3割
H30合格率は、少し気の利いたスクールで3割、その他スクールで2割とされる。
ネットやSNSが発展し、試験情報の非対称性の解消が進むと、「知ってる知らない」では勝ち抜けできない。効率的市場仮説の前提では「全員の合格率が2割に収斂」と言われていましたが、こんなに早く実現すると予想した方はいないでしょう。
診断士試験では、スクール・サークル・独学いずれを選んでも、合格率は2割に収斂して大差がない。
なぜそうなのかの噂を小耳に挟みますが、ここで書くより最新体験記で議論を尽くす方が、試験の発展に寄与しそうです。
今日のまとめ
なぜ合格したかわからない!?
ところが本人は謙遜のつもりか、お世話になったスクールをヨイショしたいのか。「なぜ合格したか・・」と口走る方がたまにいて、周囲から一斉に冷たい視線が。
違うよ。「2次」の合否とは、カットライン240点の前後±20点もあるだだっぴろいボーダーライン上の「紙一重」です。そして近年猫の目の様に毎年変わる採点基準のお眼鏡に適った。それは1事例なら「たまたま」かもでも、4事例通して上位1,000人に入るのは「必然」です。
だから、年906通りの最新合格スタイル認定に誇りを持って。そして出題側が最新診断士に期待するのは、「どうやって合格したか」の自慢ではなく、「これからどう活躍するか」の一択です。
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