先週の｢2次｣合格発表を踏まえ、出題傾向･採点基準・合格者層が毎年変わる事実を目の当たりにすると。
当試験は、ボタンを一つ掛け違えると多年度化。
そこでできればストレート、最悪｢2次｣2回までに合格したい。しかし｢財務｣復習と｢運営｣予習を同時に進めるこの時期は学習バランスの取り方が難しく、ボタンの掛け違えが起きやすい時期です。
こいつは、いそがしくなってきやがった。
そこで今日は当サイトの言い放題はやめ、｢運営｣指導に定評のあるEBA江口先生に、無理を言って学習アドバイスをお願いしました。
【EBA江口先生】｢運営管理｣対策はここから入れ
平成29年度1次試験運営管理の科目合格率は平成28年度の3.1％から25.8％と極端に易化しています。EBAでも平均点62.3点、60点以上が受講生の67％となり、かなり得点しやすい科目となりました。
このことから来年度の難化は確実で、EBAでは来年度の診断協会の科目合格率を18％と設定して対策する予定です。独学者向けにアドバイスを、とのことですので、重視すべき対策についてアドバイスさせていただきます。
1⃣｢生産管理｣対策のポイント
リードタイム計算などの図表読み取り系の計算問題（平成30年度第4問や第7問）は得意不得意が分かれ、得意な方は2019年度は有利です。
今年のレベルの難易度では影響しませんが、来年度も今年度同様、数問出た場合は6割確保の分水嶺となるでしょう。と言っても苦手な方が気合いいれて訓練してもあまり実りがないので潔くあきらめます。ここは暗記系の負荷をあげることで代替できます。
具体的には生産管理用語、生産方式、発注方式、IE（平成30年度第10問などの問題も！）はもちろん、TQMやICT、シューハート管理図なども細かい知識をインプットしておきましょう。
2⃣｢店舗販売管理｣対策のポイント
こちらも今年度のようにはいかないので気合入れてください。暗記系ではまちづくり三法の中の個別法規、店舗設計（今年は第29問のみなので来年注意）、マーチャンダイジング（取引条件）、輸配送管理、POS、コード、自動補充システム、物流センターなどを押さえ、計算系ではマーチャンダイジング（来年度は交差主義比率）、リフト値、相乗積などをきっちり押さえておきましょう。
今年の福袋みたいなとこけおどし問題も嫌わずに対応できるようにしておくことが大切です。ちなみに今年、経営情報システムから移籍してきた統計解析は捨て問題です。おそらく店舗販売管理での得点で苦慮することが想定されますので、生産管理の知識はこぼれなくインプットすることが重要です。
3⃣暗記⇔計算⇔理解のバランスを
暗記系の学習はテキスト→過去問ではなく過去問→テキストが正解です。テキストはあくまでも辞書代わりに使用するようにしましょう。
計算問題は財務会計と同様、定期的に取り組むことで忘却コストを軽減できますので、「いつ、どれを解いたか。できた、できない」の記録を付け、自分にとっての苦手度合いに応じて頻度調整しましょう。計算問題は「答えがあってたかどうか」には意味がありません。「計算過程を完璧に思い出せたか」にこだわりましょう。
来年度は運営管理は難化しますが、90分科目ですので今年の法務のようにはなりません(※)から不必要な警戒は無用です。出題者は「取らせないつもりの問題」で平均点を下げるだけなので、「既出の知識」のカバレージを拡げて選択した領域をしっかりディフェンスできれば6割確保は可能です。臆せずにいきましょう。
PS.生産管理やIE/QC、ICTなどの知識は2次試験では必須です。この辺りは「かみ砕いて説明できる状態」をゴールにして学習してください。
EBAえぐち
※当サイト注
｢1次｣試験は、①知識の教育 ②｢2次｣受験者5,000人への絞り込み、の2つの役割を持ち、年ごと･科目ごとの難易度を恣意的に操作するため、一見｢的を絞らせない｣と誤解する方がいます。そうでなく、①毎年問われる頻出知識を理解して｢2次｣で使う ②難易度操作用の｢取らせない｣難問を蹴飛ばして丸暗記を減らす。そうして知識を使いやすくコンパクトにし、｢1次｣｢2次｣をハイスコアで駆け抜けるのが｢抜け駆け合格｣スタイルです。
