【③目的語入れ替え】ざんねんな多年度スタイル(戦略論)

累計300万部を超えた噂の児童書、ざんねんないきもの辞典が注目したのは?
かわいらしいいきもの達も、陰でいろいろ苦労している
画像:Bae(電通テック)

年20数万円をスクールにお布施しないと一人で勉強さえできず、本試験会場にもたどり着けないとされる「多年度滞留問題」。

これに試験の出題側が出した答えが明確すぎて。
→H28~30の3年連続スト合格増に加え、多年度生が書けない「素直な」答案に高得点を連発。

なぜこうなった?

まず根本的な戦略論の勉強不足。そもそも数年単位で事例を学んだ多年度生が取る「べき」リーダー戦略は、スト生との差別化よりも、上からかぶせるように奪い取る同質化では?

ふぞろい掲載の合格答案を最初に読めば、初学者の誰もがすぐ合格実力に。そんな時代を駆け抜けるのに、①事例をさらに深読みするか ②「1次」過去問を学び直すか。

その答えは、もう今年で確定です。

ざんねんな多年度スタイル(戦略論):③目的語入れ替え

成長戦略
ドメイン→VRIO→アンゾフ成長ベクトル→多角化→PPM→+シナジー追加で範囲の経済は、バーニー率いる成長戦略のド定番セオリー。「2次」でまるっと使います。
H29第1問 ドメイン Bランク

ド定番の企業⇔事業ドメイン入れ替えを、2問連続でどうぞ。

ドメインをくだらなくすると、事業ドメインがお城で、企業ドメインが領地。
多角化した企業のドメインと事業ポートフォリオの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 多角化した企業の経営者にとって、事業ドメインの決定は、企業の基本的性格を決めてアイデンティティを確立するという問題である。
×イ 多角化した企業の経営者にとって、事業ドメインの決定は、現在の活動領域や製品分野との関連性を示し、将来の企業のあるべき姿や方向性を明示した展開領域を示す。
×ウ 多角化した事業間の関連性を考える経営者にとって、企業ドメインの決定は、多角化の広がりの程度と個別事業の競争力とを決める問題である。
×エ 多角化した事業間の関連性を考える経営者にとって、事業ドメインの決定は、全社戦略の策定と企業アイデンティティ確立のための指針として、外部の多様な利害関係者との間のさまざまな相互作用を規定する。
〇オ 多角化を一層進めようとする経営者は、事業間の関連性パターンが集約型の場合、範囲の経済を重視した資源の有効利用を考える。

ドメイン出題での企業⇔事業の入れ替えは、ド定番の入れ替えひっかけ。これで1マークイタダキです。

H28第1問 ドメイン Cランク ※(良問)2論点コンボ

①ドメイン ②製品=市場マトリックス(アンゾフの成長ベクトル、多角化)の2論点を同時に聞くことを「コンボ出題」と呼び、正答率が下がります。

ドメインの定義、および企業ドメインと事業ドメインの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 事業ドメインに関する企業内の関係者間での合意を「ドメイン・コンセンサス」と呼び、その形成には、トップマネジメントが周年記念の場などで、企業のあり方を簡潔に情報発信する必要がある。
×イ 多角化している企業では、企業ドメインの決定は、競争戦略として差別化の方針を提供し、日常のオペレーションに直接関連する。
〇ウ 多角化せずに単一の事業を営む企業では、企業ドメインと事業ドメインは同義であり、全社戦略と競争戦略は一体化して策定できる。
×エ ドメインの定義における機能的定義は、エーベルの3次元の顧客層に相当する顧客ニーズと、それに対して自社の提供するサービス内容で定義する方法である。
×オ ドメインの定義における物理的定義は、エーベルの3次元の技術ではなく、物理的存在である製品によってドメインを定義する。

×アイは企業⇔事業ドメインが逆で、アはさらに「企業内外」にしないとダメ。エオは急に難しくなりますが、×エは機能的定義からサービス内容を決めるので因果が逆。×オは「エーベルではなく」は合ってますが、その後の下線部がひっかけ。ちょっと難しいねっ。

Derek F. Abell
アメリカの経営学者
画像:toolshero
H30第1問 多角化 Bランク

多角化は製品=市場マトリックス(アンゾフの成長ベクトル)の重要戦略。2論点コンボ→1論点に戻ると、やはり正答率はUP。

企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
〇ア 外的な成長誘引は、企業を新たな事業へと参入させる外部環境の条件であるが、主要な既存事業の市場の需要低下という脅威は、新規事業への参入の誘引となりうる。
×イ 企業の多角化による効果には、特定の事業の組み合わせで発生する相補効果と、各製品市場分野での需要変動や資源制約に対応し、費用の低下に結びつく相乗効果がある。
×ウ 企業の本業や既存事業の市場が成熟・衰退期に入って何らかの新規事業を進める場合、非関連型の多角化は、本業や既存事業の技術が新規事業に適合すると判断した場合に行われる。
×エ 事業拡大への誘引と障害は、企業の多角化の形態や将来の収益性の基盤にまで影響するが、非関連型の多角化では、既存事業の市場シェアが新規事業の市場シェアに大きく影響する。
×オ 内的な成長誘引は、企業を多角化へと向かわせる企業内部の条件であり、既存事業の資源を最大限転用して相乗効果を期待したいという非関連型多角化に対する希求から生じることが多い。

当問は、×イが相乗⇔相補効果の入れ替え、ウエオは×非関連多角化→〇関連多角化に直せばOK。これで5つの知識(セオリー)をイタダキで、そのまま「2次」で使えます。

H27第1問 PPM Bランク

PPMド定番ひっかけ①
PPMで決めるのは「資金投入量の調整」。キャッシュの流入・流出量を決めるのはPPMでなく、PLC。

画像:paddle design company
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
【ド定番ひっかけ①】
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入と流出は市場と自社事業との成長率で決まる。
〇ア 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退の検討に加え、資金投入によって成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択が重要である。
×イ 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退を進めるのに重要な資金供給源は「花形商品」の事業である。
×ウ 衰退期に入った業界の「花形商品」事業は、徐々に撤退してできるだけ多くのキャッシュを生み出させることが重要である。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、外部からの資金調達を考慮していないが、事業の財務面を重視して事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮している

当問は○ア一択できるので、エのド定番ひっかけを×市場と自社事業との成長率→○PLCに直す方が大事です。このパターンは頻出なので、この記事で確認を。

オは×考慮している→〇していないの結論あべこべ。イは×花形商品→〇金のなる木で用語入れ替え、ウは×徐々に撤退して→〇資金投入量を抑制しての形容詞パターンです。

H26第6問 PPM Cランク ※あやふや

だから、資金の流出入量を決めるのは、PPMでなくPLCだぞっ。正解選択肢が意味不明な時は、残り3~4つにバツを付ける消去法で。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
【ド定番ひっかけ①】
×イ 資金の流出は市場での競争上の地位で決まると考える。
×ア 事業単位は他の事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的戦略をもち、計画の範囲内で自由に対処する。
×ウ 資金の流出量を削減して優位性を確保できる「問題児」の選択が重要である。
×エ 自社の相対的な市場シェアと自社事業の成長率を基準として事業を分類する。
〇オ 全社的な資源配分のための論理のひとつとしての位置付けが重要であり、ドメインの定義と併せることで現実的な資源配分の指針となる。

アは×相互に関連した統合的戦略は「持たない」、ウは×削減して→〇調整して、エは×自社事業→〇市場です。

×イは例のド定番ですが、翌年H27第1問で再出題し、Bランクに。すると次のひっかけを企むのが追う試験の出題側です。

H28第2問 PPM Cランク ※あやふや

PPMド定番ひっかけ②
花形⇔金のなる木、問題児⇔負け犬の入れ替えひっかけも頻出。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。
【ド定番ひっかけ①】
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、事業への資金の投入量は自社の相対的な市場シェアで決まると考える。
【ド定番ひっかけ②】
×イ 市場成長率の高い「花形商品」事業からの大きな余剰資金と「問題児」事業の売却で得た資金は、衰退期に入った業界の「金のなる木」事業に集中的に投入して市場地位を維持することが重要である。
×ウ 市場成長率の高い「花形商品」事業の生み出す余剰資金は大きいので、その資金を「問題児」事業に分散して投入を図ることが重要である。
○ア 競争優位性のある「金のなる木」事業は、分野の将来性に大きな魅力はなく、さらなる資金投下には資金効率からの判断が必要である。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、キャッシュフローの観点から企業の事業戦略の方向性を示し、事業間のキャッシュフローのアンバランスを許容している

イウの×市場成長率の高い花形→○資金流入量の多い金のなる木に。さらにイは×問題児→○負け犬、×衰退期の金のなる木→○成長率の高い負け犬に直します。オは×許容している→是正するです。

ド定番ひっかけ①のアは×自社の相対的な市場シェア→○自社市場シェアと市場成長率です。

画像:起業.tv
H29第2問 PPM Cランク ※あやふや

だから、資金の流入・流出を決めるのはPPMでなく、PLCだってばっ。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
【ド定番①】
×ウ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入は自社事業の成長率と市場の成長率、資金の流出は自社事業の競争上の地位(相対的な市場シェア)で決まる。
【ド定番②】
×ア 衰退期に入った業界の「金のなる木」事業と「負け犬」事業は可及的速やかに撤退し、成長率の鈍化した業界の「花形商品」事業の再活性化に多くのキャッシュを投入することが重要である。
〇イ 成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択と、競争優位性を期待できないが資金流出の小さい「負け犬」事業の中で市場成長率が低くとも高収益事業を選別することは重要である。
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮して、複数事業に対して財務面を重視した資金の再配分のガイドラインとなる。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、自社技術開発、外部技術の導入、外部資金の再配分により、範囲の経済を達成して競争優位性を構築する業界に適用できる。

×ウはまとめて○資金の流入・流出を決めるのはPLC。×アの金の卵を産むガチョウは活かさず殺さずで延命化を図ります。エオはまとめて、×シナジー/範囲の経済を考慮する→○しない。

H29第6問 M&A Aランク

MBO

Management Buyoutの略称でM&Aの手法のひとつ。会社の経営陣が、金融支援(=買収をしようとする企業の資産や将来のキャッシュフローを担保として投資ファンド等からの出資・金融機関からの借入れなどをおこなうこと)を受けることによって、自ら自社の株式や一事業部門を買収し、会社から独立する手法のこと。

出典:野村證券
オーナー社長が経営する企業の事業承継の方法としてMBO(management buy-out)がある。MBOに関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア オーナー社長は、外部の投資ファンドに株式を売却して、役員を刷新して経営を引き継がせる。
×イ オーナー社長は、勤務経験が長いベテランで役員ではない企画部長と営業課長に株式を売却して、経営を引き継がせる。
×ウ オーナー社長は、社外の第三者に株式を売却して、役員ではない従業員に経営を引き継がせる。
○エ 財務担当役員と同僚の役員は、投資ファンドの支援を受けることなどを通じてオーナー社長から株式を買い取り経営を引き継ぐ。
×オ 役員ではない企画部長と営業課長は、金融機関から融資を受けてオーナー社長から株式を買い取り、役員と従業員を刷新して経営を引き継ぐ。

MBOってのは、会社の経営陣(役員)が外部資金調達して独立するんだよな。×アイウオは・・、おい、俺たち役員が馘かいっ。

イノベーション
デスバレー⇔ダーウィンの海の入れ替えひっかけは、ベンチャー論点のド定番。あのくだらない絵で覚えれば、ニヤリと○に。
H26第9問 ベンチャー Cランク ※あやふや

デビルリバーにデスバレー。紛らわしい用語は図解で一発。

研究開発に関する記述として、最も不適切なものはどれか
×ア 基礎研究から生み出された技術が成功するためには、その技術に基づく製品が市場で勝ち抜くことを阻む「死の谷」と呼ばれる断絶を克服しなければならない。
〇イ 自社の技術だけで最終製品が生まれることはまれであり、関連する技術領域を幅広く動員する技術の統合能力が製品開発には必要である。
〇ウ 市場ニーズをくみ上げて技術開発を進めるには、研究開発要員が日常的に市場との対話の機会を持ったり、営業部門や生産部門との連携を保つことが重要である。
〇エ 新規な技術が生まれにくくなるにつれて、顧客の感性に訴えるデザインや利便性あるいは顧客の課題解決提案などの新たな視点による製品開発の例も生まれている。
〇オ 模倣は、研究開発投資のコストや時間を節約できるばかりでなく、先発企業の市場開拓に追随すればよいので、マーケティング・コストの負担も軽減できる可能性が高い。

ここでボケると覚えておけば、アの×死の谷→○ダーウィンの海で一択に。○イウエオでいくら悩んでも当たりません。

画像:Mr. Creative Edge

H30第12問 ベンチャー Bランク

デビルリバーにデスバレー。紛らわしい用語は図解で一発。

技術開発型ベンチャー企業が起業から事業展開で直面する障壁には、通常、以下の【A欄】にあるダーウィンの海、デビルリバー(魔の川)、デスバレー(死の谷)と呼ばれるものがある。これらの障壁は【B欄】のように説明できるが、その回避には【C欄】に例示したような対応策が求められる。
【A欄】のa〜cに示された障壁名、【B欄】の①〜③に示された障壁の内容、【C欄】のⅰ〜ⅲに示された対応策の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【A:障壁名】
a ダーウィンの海
b デビルリバー
c デスバレー
【B:障壁の内容】
① 応用研究と商品開発ないし事業化との間に存在する資金や人材の不足などという障壁
② 開発商品を事業化して軌道に乗せる際、既存商品や他企業との激烈な競争に直面するという障壁
③ 技術シーズ志向の研究のような基礎研究からニーズ志向の応用(開発)研究に至る際の障壁
【C:対応策】
ⅰ 大手企業とのアライアンスやファブレス生産に取り組み、生産、販売、マーケティング、アフターサービスが一体となった体制などによって回避を試みる。
ⅱ 基礎技術や高い要素技術を必要とする領域は大学に任せ、TLO を活用して連携を積極的に行うことなどによって回避を試みる。
ⅲ 所有している特許権や意匠権などの知的所有権のうち、一部の専用実施権を第三者企業に付与することや、社内プロジェクトメンバーについての担当の入れ替え、メンバーの権限付与の見直しなどによって回避を試みる。
〔解答群〕
×ア a-①-ⅱ  b-②-ⅲ  c-③-ⅰ
〇イ a-②-ⅰ  b-③-ⅱ  c-①-ⅲ
×ウ a-②-ⅲ  b-①-ⅱ  c-③-ⅰ
×エ a-③-ⅱ  b-①-ⅰ  c-②-ⅲ
×オ a-③-ⅲ  b-②-ⅰ  c-①-ⅱ

当問は一見面倒ですが、cデスバレー→①、aダーウィンの海→②の定義を選べば正解〇イ一択になるサービス問題です。さらに【c対応策】までテキスト替わりに教えてくれるサービスぶり。

H29第9問 ベンチャー Dランク ※捨て問

投資事業有限責任組合? 逆に、こんなトコまで覚えません。

成長をめざす中小企業にとって外部資金の獲得は欠かせない。中小企業への資金提供に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
〇ア 中小企業へ投資する投資事業有限責任組合では、業務執行を伴わない組合員は、その出資額を限度として組合の債務を弁済する責任を負う。
×イ 中小企業へ投資する投資事業有限責任組合では、組合の業務を執行する者は有限責任組合員である。
〇ウ ベンチャーキャピタルは、株式を公開していない経営課題を抱える中小企業に対して、新株と引き換えに事業成長のための資金を潤沢に提供することを通じて中小企業の企業価値を高める。
〇エ ベンチャーキャピタルは、役員派遣や経営のモニタリングをすることによって、有望な中小企業に投資した資金を、新規株式公開や M&A を通じて回収する可能性を高める。
〇オ ベンチャーキャピタルは、有望な中小企業に対して、本体や他のベンチャーキャピタルが運用するファンドを通じた投資と本体の自己資金を原資とした投資のスタイルで、中小企業の企業価値を高める。

当問は当てさせないための「D」ランクで、投資事業有限責任組合なんて細かすぎ、「法務」で出しても当たりません。イを×有限→〇無限で正解ですが、リンク先参照とし、解説もしません。

画像:悠和会計事務所

今日のまとめ

いい答案を書こう、周囲と差別化しようとする途端に、狙い撃たれて8割ドボン。

そこでふぞろい12を入手して、合格ラインの目安を最初に知ったら。

一見華やかな合格者サークルのメンバーが、陰でどんな苦労を重ねてきたか。「ざんねんなトコロ」を探してみては?

もちろん最大のざんねんは、知識をほったらかしにした、与件文の国語読みです。

ボタンを押して今日もイタダキ↓。
試験の進化は待ったなしです。

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ
にほんブログ村