【経営】過去問タテ解き #4組織構造論

C経営
組織構造論は後回し。
それは
作問センスが悪いから。

「組織構造論のいったいどこで得点すればいいのか・・」途方に暮れた方に朗報。この論点の難しさが、単に作問センスの悪さ故である根拠を以下に示す。

作問センスの悪さ分析

①得点できる出題が少ない

A~Cランクを一定数出題する組織行動論に比べ、ようやく改心したH27を除きDEランクだらけになるのは作問の腕が悪い。

②出題論点が不安定で、教育効果が低い

後述するが、組織構造論の大枠は、1)組織均衡 2)組織設計 3)資源依存モデル 4)環境変化の4つ。だが変化球ばかりで連続出題が少なく、的が絞れず教育効果も低い。

③駄文、愚問が多く、解いていて面白くない

出した本人はドヤ顔かも知れないが、教育効果を狙うには2回、3回問わないと受験生は見向きもしない。H26第14問、H27第13問、第15問、また資源依存モデル系(H23第19問、H24第17問、H26第18問)は、一発屋の奇問悪問。

ではいつものタテ解き開始。

1⃣今日のタテ解き
第1編 経営戦略 第2編 組織論 第3編 マーケティング
事例Ⅰで使う 事例Ⅱで使う
#1 経営概論 #4 組織構造論 #7 マーケティングマネジメント
#2 成長・競争戦略 #5 組織行動論 #8 製品戦略
#3 技術・外部連携 #6 人的資源管理 #9 価格・チャネル・販促戦略

今日の#4組織構造論は、過去問が頼りにならずテキストで再確認。以下の図が示す通り、組織構造論は2次「事例Ⅰ」の中核、つまり診断士試験全体の大黒柱。

#4組織構造論では、組織均衡、組織設計を学び、環境変化への対応を提案。明日の#5組織行動論は、モチベーション、リーダーシップを学び、組織文化・学習・変革を提案。こう並べると、組織構造/行動論はやはり面白い。

素人ブログにこう書かれ、組織構造論がH28に何を出題するかは見モノ。

タテ解きリスト

※ただし他領域と異なり、タテ解き効果の薄さを実感。

組織均衡→H24第14問(D)、H27第13問(C)、第14問(C)、第15問(E)
組織設計→H23第12問(D)、H24第12問(C)、H25第11問(B)、H26第14問(E)、H27第12問(C)
資源依存モデル→H23年第19問(D)(E)、H24年第17問(D)(D)、H26第18問(E)
環境変化→H25第14問(D)、第15問(A)、第18問(D)、H26第15問(C)、H27第19問(C)

必須Sランク論点
・組織均衡
・組織構造の設計原理
・組織構造の動態化
・戦略と組織構造の関係
・資源依存モデル

2⃣良問Cランク分析

診断士「1次」の魅力は、マークシート試験を通じ効率良くビジネス知識が身につくこと。奇問悪問構造論でも、良問がない訳ではない。

H27第14問 Cランク

バーナードの理論において、組織の権威の根拠を従業員に求めたとき、上意下達のリーダーシップが維持されると考えられる理由として、最も適切なものはどれか。
○ア 従業員が組織の権威を受け入れている場合、組織的なコミュニケーションに従わないことは、自らの利害を損ねることになるから。
×イ 組織の権威を受け入れた従業員の間には、組織に反抗する非公式組織が形成されないから。
△ウ 組織の権威を伝達するためには、ビジョンを提示し、自ら部下の規範となる行動を行い、その結果を評価することができるカリスマ的リーダーシップが求められるから。
×エ リーダーが何を命令しようが、従業員がそれに従おうとしない限り、命令は実行されないから。
×オ リーダーシップには、単に従業員に命令を下して目的を達成する機能だけではなく、人間関係に配慮して集団凝集性を高める機能の両方が求められるから。となる。

この問題、「リーダーシップ」を問うが、「組織行動論」ではなく「構造論」の組織成立条件を問う。筆者は「構造論=リーダーシップ論」と混同し、ウを選んで×。正解アを選んだら、バーナードの組織成立3要素 「共通目的」「協働意欲」「コミュニケーション」を理解暗記。

H27第12問 Cランク

組織を情報処理システムとしてみた場合、組織デザインの手段は、情報処理の必要性と情報処理能力の観点から評価できる。組織デザインに関する記述として、最も適切なものはどれか。
△ア 横断的組織の導入は、情報処理の必要性を高くするとともに、組織の情報処理能力を高くする。
△イ 階層組織は、情報処理の必要性を高くするとともに、組織の情報処理能力を高くする。
×ウ 規則の使用は、情報処理の必要性を減らすが、組織の情報処理能力を低くする。
×エ 自己完結的組織は、情報処理の必要性を高くするとともに、組織の情報処理能力を高くする。
×オ 垂直的情報処理システムの導入は、情報処理の必要性を高くするが、組織の情報処理能力を低くする。

組織デザインのタテ⇔ヨコの違いを、「情報処理」の視点で問う問題。ア・イの2択に絞り、横断的⇔階層組織のどちらが当問の趣旨上プラスかの判断で正解アは選べる。むしろウ~オに「なんでやねん!」とツッコミ入れるセンスを磨く。

H27第19問 Cランク

組織スラックに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
○ア 組織スラックは、イノベーションを遂行するための資源となりうる。
○イ 組織スラックは、緊急事態に対応するための余裕資源として、組織の安定に寄与する。
×ウ 組織スラックは、新規行動案の探索をリスク回避的にする傾向にある。
○エ 組織スラックは、複数の利害関係者の組織に対する要求を調整する機能を持つ。
○オ 組織スラックは、利害関係者が組織に対して求める要求が、満足水準に基づくことから生じる傾向にある。

「運営」の「余力管理」で学んだ通り、ムダゼロではなく、多少の遊び(=組織スラック)がある方が企業にプラス。選択肢アイエオはプラスイメージ=適切と判断できるので、正解ウをなんとなく選べる。正解の解説を読み、組織スラック→リスクを取れる→何かリターンあるかも!までつなぎ、やっぱりプラスイメージ。

3⃣Cランク知識で実力UPドリル

1次知識を、実務や試験対策に応用。自分の血となり肉とする。

1次高得点タイプ=スト合格の強みは、学んだ知識を教室の中だけでなく、自分のビジネスや生活、また資格学習にすぐ応用すること。

例えばH27第7問「バーナードの組織3条件」。

バーナードは学者というより米国電話会社の経営者。そして組織の成立条件を「共通目的」「協働意欲」「コミュニケーション」と示した。診断士受験で一番身近な組織といえば、会社ではなく「勉強会」。試験合格を目的に、互いに尊重・協力しあい、コミュニケーション取りゴールを目指す。

だがここに「友達づくりSNS系」の奴が1人混じると会がぎくしゃく。診断士受験は、紙ベースの知識だけでなく、身を以て組織論を学べるから面白い。

4⃣D・Eランクの捨て方・拾い方

D・Eランクは捨てる、当てるどっちなんだい?

その答えもやはり過去問タテ解きの中にある。

H27年 第15問 Eランク

企業で働く人々は、雇用契約として規則で明文化されている処遇が改善されるかどうかにかかわらず、業務上で必要な仕事に取り組む傾向がある。このような働き方を支える人々の心理的状態に注目する概念のひとつに、心理的契約がある。心理的契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
△ア 心理的契約があれば、組織は明文化された雇用契約以上の業績を期待することができる。
△イ 心理的契約は、雇用契約を結ぶ組織との間ではなく、実際の当事者間の相互期待や理解として結ばれている。
×ウ 心理的契約は、正規社員との間には結ばれるが、非正規社員との間には結ばれない。
△エ 心理的契約は、組織との明文化された契約関係ではなく、将来に関する人と人との間での約束である。
×オ 心理的契約は、外部の社会的・経済的環境、人事施策、リーダーシップなどとは独立に結びついた、心理的な状態を指す。

設問文に丁寧な説明こそあるが、「心理的契約」はテキスト外初見知識。従い消去法で当てに行き、ウオは落とせる。筆者はエを選んだが正解はア。解説によると「心理的契約=組織構成員と組織、および組織構成員同士の間で作用する成文化されない期待感」。知らんがな・・。解説使ってイエの間違いにツッコミ入れて知識を増やす。

H23 第19問

企業はその生存にとって必要な資源を、外部環境を構成する他の組織に依存しているために、そうしたステイクホルダーからのコントロールを受け入れる必要があるという「資源依存モデル」がある。資源依存モデルに関する以下の設問に答えよ。
(設問1) Dランク
資源依存モデルによれば、環境の構造的特徴によって、焦点組織が直面する不確実性は異なってくるという。このことに関する記述として最も適切なものはどれか。
△ア 組織間相互依存度が高くても、重要な資源が豊かにある場合、組織間コンフリクトの可能性は低くなるため、焦点組織が直面する不確実性は低くなる。
×イ 組織間で権力の集中度が高くなると、組織間コンフリクトの可能性は高くなるため、焦点組織が直面する不確実性は高くなる
△ウ 組織間で権力の集中度が低くなると、組織間の相互依存度が高くなり、組織間コンフリクトの可能性が高くなるため、焦点組織が直面する不確実性は高くなる。
×エ 組織間の連結の度合いが高く、組織間で権力の集中度が低い場合、組織間コンフリクトの可能性が低くなるため、焦点組織が直面する不確実性は低くなる。
×オ 組織間の連結の度合いが高いと、組織間の相互依存度が高くなり、組織間コンフリクトの可能性が低くなるため、焦点組織が直面する不確実性は低くなる。

資源依存モデルは診断士「経営」における重要論点とされるが、正答率DEランクばかりでまともに当てさせる気があるか怪しい。そこでカンニングし、正解知識(①資源量の多寡 ②コンフリクト=奪い合い ③不確実性=リスク ④権力の集中度=上下の指示関係)を先に頭に入れ、選択肢を読んでみる。

するとイエオはなんとか×がつく。だがウを×にする理由は解説読んでも意味不明。ここは素直に正解ア、

  • 資源が少ない→奪い合い(コンフリクト)と組織が直面する不確実性(リスク)が増える、「良くない状態」

とだけふんわりイメージ。

(設問2) Eランク
資源依存モデルによれば、環境コンテキストは、組織の行動や構造の変化、経営者の継承や交代、組織内の権力関係の変化などをもたらすという。このことに関する記述として最も適切なものはどれか。
○ア 環境コンテキストが組織内の権力関係に影響を与えることを通じて、誰が経営者として選任されるかに影響を与え、組織の行動や構造の変化をもたらし、その結果、環境コンテキストに変化を与えようとする。
△イ 環境コンテキストが組織内の権力関係に影響を与え、組織の行動や構造の変化をもたらすので、誰が経営者として選任されるかを決めることを通じて、その結果、環境コンテキストに変化を与えようとする。
△ウ 環境コンテキストが組織の行動や構造の変化をもたらし、組織内の権力関係に影響を与えることを通じて、誰が経営者として選任されるかに影響を与え、その結果、環境コンテキストに変化を与えようとする。
△エ 環境コンテキストが誰が経営者として選任されるかに影響を与えることを通じて、組織内の権力関係に影響を与え、組織の行動や構造の変化をもたらし、その結果、環境コンテキストに変化を与えようとする。
△オ 環境コンテキストが誰が経営者として選任されるかに影響を与えることを通じて、組織の行動や構造の変化をもたらし、組織内の権力関係に影響を与え、その結果、環境コンテキストに変化を与えようとする。

天下の悪問。解説知識を使うと、①環境変化→②権力関係が変化→③選ぶ経営者を変える→④管理者を任命して行動→⑤対外コントロール。だがまだピンとこない。

正解知識を知ってイウエオを眺めると、構成要素は揃っているが、順番(因果関係)がおかしいとは気づく。だから正解=アとも気付く。

でもこれ、知識ナシで文章だけ読んで解く問題か?

この問題を面白がり、「経営」は国語の知識で解くのです!など宣うから、教える方も教わる方もセンスがない。2次過年度生の世界では、自分の知識不足を棚に上げ、国語解法テクニックの鍛錬で1年間ヒマをつぶす行為が横行。時間のないスト生は、そこを( ̄ー ̄)ニヤリと回避。

H24年 第17問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。経営資源アプローチの提唱者としてしばしば指摘されるエディス・ペンローズ(Edith Penrose)は、その主著『企業成長の理論』において企業を、経営資源の集合体であるとともに、また□ A □としての側面を持つと定式化した。企業が□ A □の側面を持つため、経営者集団自体が最も重要な経営資源となる。ペンローズは、企業成長について、□ B □という結論を導き出した。これはペンローズ効果とも呼ばれている。(設
問1)Dランク
文中の空欄Aにあてはまる言葉として最も適切なものはどれか。 
ア 株主の代理人
イ 管理組織
ウ 事業機会
エ 生産関数
(設問2)Dランク
文中の空欄Bにあてはまる記述として最も適切なものはどれか。
ア 企業規模に関する収穫が一定なら、長期平均費用曲線は水平になる
イ 企業の規模に限界はないが、その成長率は経営者の学習の速度によって制約される
ウ 企業の規模は経営者効用が最大化される点まで成長する
エ 企業は限界費用と限界収入が一致する点まで、成長することができる
オ 長期平均費用曲線が最小となる点と長期限界費用曲線が一致する規模まで、企業規模は成長する。

あれ、「経済」は今日の朝イチで終わったはずだが。ペンローズは経済学の問題。自分の知らないドッキリ知識は、「周囲が知ってるかも?」など疑心暗鬼にならず、サクッと蹴飛ばし一般常識で対応。

自分は知らないが他人は知ってるカモ?

疑心暗鬼は学習効率・効果の低下を招く。良く言われるが、疑心暗鬼が昂じ、知らなくて良い知識を多量に持つのが「試験のベテラン」。

今日のまとめ

今日はDEランク出題の蹴飛ばし方を丁寧に解説。だって実務で使いもしない知識ばかり多量にあっても仕方ないから。ではまとめ。

  • 組織構造論は本来面白い。だが作問センスが悪いので、テキスト重視。
  • この作問センスの悪さが、2次「事例Ⅰ」の解答センスの悪さの原因?
  • 限られた良問BCランクを使い、正しい知識を体で覚える。
  • 自分は知らないが他人は知ってる?疑心暗鬼は受験長期化のモト。

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    コメント

    1. 匿名 より:

      ○H25年 第2問 Eランク ペンローズは経済学の問題。
      ⇒H24年 第17問 ではないでしょうか。

      それにしても試験当日は、経済⇒財務と疲労困憊した脳みそで、経営独特の作問に立ち向かうとは…
      >DEランク出題の蹴飛ばし方
      たしかに見極めが大事ですね。

      • ふうじん より:

        ご指摘ありがとうございます。H24第17問が正です。またEランクでなく(設問1)(設問2)ともにDランクでしたので、併せて修正いたしました。それにしても過去記事まで丁寧に読み込んでいただき、大変ありがとうございます。