長文の因果ズレ(パターン⑤)【戦略論】

【工夫その2~語彙力】
昨年のスコアが220点でも239点でも、「2次」再挑戦のチャンスが来るのは1年後です。ところが①国語ノウハウ⇔②知識どちらに偏っても、240点前後を毎年うろうろする羽目に。そこで①×②を両立させ、250、260点を狙うには? 文部科学省の見解はこうでした。

①国語ノウハウ×②知識=語彙力

画像:Career Picks

知識⇔語彙は何が違う? ネットで調べると、①同世代間なら伝わるのが「知識」 ②異なる世代にも通用するのが「語彙」ですって。

そこで50前後のオジサマ達が主軸の試験委員には、どんな語彙なら通用するか。今日は最強⑤長文の因果ズレに挑みます。

⑤長文の因果ズレ
【原因】
例えばAならばBという説明だけだと多くの人が間違えに気が付くような場合でも、AならばC、CならばB、と書かれることで読んでいる側が「なんとなくそうなのかな」と思ってしまい間違えに気づきにくい、ということが度々あります。

【対策】
その対策としては、文章がA→B→Cのような構成になっている場合には、文章をA/B/Cで区切り、A→B、B→C、A→Cが因果関係上おかしくないかチェックすることで、読みやすくなり、誤りに気づきやすくなります。

出典:一発合格まとめシート 科目別学習セオリー

パターン⑤ 長文の因果ズレ【戦略論】

必ず当てるABランク

H29第7問 ポジショニングvs.ケイパビリティ Bランク

位置取りが先か、経営資源が先か。順序が違うだけの同じコト、つまりニワトリ卵の議論をクソ真面目に。だから競争論は面白い。

画像:インプロ部
企業の競争戦略と持続的な競争優位に関する記述として、最も不適切なものはどれか
競争回避、競争優位の戦略
(差別化戦略 スピテキP.23)
〇ウ 顧客からの強い支持を受ける製品差別化は、競合他社との間の競争に勝ち抜く手段である以上に、他社との競争を可能な限り回避できる自社市場構築の手段となる。
(集中戦略 スピテキP.27)
〇エ 差別化した製品と標準的な製品の機能的な差が小さくなるほど、差別化した製品を選好する顧客の割合は低下するが、標準的な製品よりも高い価格を設定し、差別化した製品で高い収益性を確保しようとする場合、できるだけ多くの顧客を対象とすると戦略上の矛盾を生み出す。
(移動障壁 スピテキP.25)
〇オ スイッチング・コストの発生する状況では、買い手側は、現在使用する製品やサービスと他の代替的な製品・サービスと価格や機能が同じであったとしても、別のものとして見なす。
VRIO分析(模倣困難性、経路依存性、スピテキP.43)
〇イ 経路依存性のある経営資源は、模倣を遅らせることで市場における競争者の脅威から先発者を保護する。
先発優位性(スピテキP.33)+VRIO(P.43)+5フォース(P.21)
×ア 競争戦略の実行に不可欠な独自の経営資源を持ち、製品市場における規模の経済を実現できれば、代替製品の脅威は事業の収益性に影響を与えず競争優位の源泉となる。

当問は、ポジショニング(ポーター)⇔ケイパビリティ(バーニー、VRIO分析)をまたぐ意欲的な出題ですが、忙しい「1次」でそんな深読みする時間はムダなので、選択肢を並べ替えてINPUTに使います。

〇ウエオはポーター、〇イはVRIO分析のテキスト知識通り。注目の×アは、先発優位+VRIOで一見無敵に思えますが、5フォースでそもそも製品自体が代替されたらドボンです。

一見もっともらしい長文選択肢に×を付ける。これで語彙力がUPします。

H28第5問 ポーター 多数乱戦業界 Bランク

ポーターの多数乱戦~儲かりそうにない形容詞キーワード集。

画像:DIAMOND online
多数の競争相手が互いにしのぎを削る熾烈な競争を繰り広げている業界での、効果的な戦略対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか
〇ア これまでの内部留保を活用して、同業他社との合併を進めることで市場シェアを拡大し、規模の経済や経験効果を高めて、コスト優位性を生み出して収益の拡大を図る。
〇イ 差別化が難しい汎用品による乱戦状況を改善するべく、加工の水準をあげて顧客の信頼を得たり、顧客に利便性の高いサービスを付け加えたりして、自社製品の付加価値を高めて、根強いロイヤルティをもつ顧客層の拡大を図る。
×ウ 多種多様な顧客ニーズに対応するべくあらゆる製品を提供して、大量生産によるコスト優位による競争優位を確立する。
〇エ 多数の企業が乱立する原因である多様な市場ニーズに対応するべく、製品の設計を見直して生産コストを大幅に切り下げて、標準品が買い得であることを理解してもらい、規模の経済を基に競争優位をつくり出す。

当問はポーターの「多数乱戦」知識で解くより、ウを一読して「オヤ?」と気づくか。×あらゆる製品を提供したら、生産コストが上がるじゃないか! よって易問Bランク。

多数乱戦の原因は17個もあるそうで、こんなの暗記したら負け。そりゃー競争が激化するよ、とふんわりイメージで。

H27第6問 デファクトスタンダード Bランク

デファクト・スタンダードの反対が、デジュール・スタンダード。

画像:CHEWY
デファクト・スタンダードに関する記述として、最も不適切なものはどれか
×ア 自社規格がデファクト・スタンダードとなるためには、競合企業に対して規格をオープンにし、協定を締結することが必要となる。
〇イ 自社規格がデファクト・スタンダードとなるためには、公的な標準化機関の認定を必要としない。
〇ウ デファクト・スタンダードとなる規格が登場することによって、多くの企業が同一規格の製品を販売し、機能面での差別化競争や安さを売りにした低価格競争が激化することがある。
〇エ デファクト・スタンダードとなる規格の登場は、市場の導入期から成長期への移行を加速させる。

アの×協定締結が必要→〇不要は、誰でもわかる。〇ウエは仰る通り。〇イの標準化機関が認定する規格は、デジュール・スタンダードと呼ぶそうです。

最後の2択がCランク

H28第6問 ポーター競争優位の戦略 Cランク

コスト・リーダーシップ戦略は大企業向け。「2次」試験では出てこない。

企業が競争優位を獲得するための競争戦略のひとつであるコスト・リーダーシップ戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア コスト・リーダーシップ戦略では、継続的に自社製品を購入する顧客を確保するために、ブランド・ロイヤルティを高めることが課題となり、企業の提供する付加価値が明確になっている。
×イ コスト・リーダーシップ戦略は、市場成長率が安定してきて、製品ライフサイクルの成熟期以降に採用する戦略として適しており、企業が脱成熟をしていくうえで有益な戦略となる。
×ウ コスト・リーダーシップ戦略は、多角化した企業において、シナジーの創出によるコスト削減を目指していく戦略であるので、事業間の関連性が高い企業の方が、優位性を得やすくなる。
〇エ コスト・リーダーシップ戦略を行う企業が、浸透価格政策をとると、自社の経験効果によるコスト低下のスピードは、競合他社よりもはやくなる。
×オ コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業は、特定モデルの専用工場を建設し、生産性の高い設備を導入しており、新しい市場ニーズへも迅速に対応できる

注目はイで、×成熟期以降→〇成長~成熟期以降に試験中に気づくのは難しそう。イエの2択に絞れば十分です。アは×コスト・リーダーシップ→〇差別化戦略、ウは→〇多角化戦略の主語入れ替え。オは×迅速に対応できる→〇とは限らないの、結論あべこべです。

診断士だからと中小向けの「2次」知識ばかりに傾注せず、またに「1次」知識に戻って語彙力に柔軟性を持たせます。

H27第7問 アーキテクチャ Cランク

モジュール化の流れは部品メーカー(=中小企業)に追い風。

画像:日経XTECH
製品アーキテクチャがモジュール化するにつれて、技術戦略は変わってくる。そのような変化がもたらす部品メーカーの状況や、部品メーカーの変化への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
〇ア 製品サブシステムのインターフェースが標準化されるにつれて、部品メーカーは一定のデザインルールのもとで、独自に技術開発を進めることが可能になる。
×イ 製品統合が容易になり、組立メーカーの製品が標準化されるにつれて、その収益が低下するので、部品メーカーも収益が悪化する
×ウ 製品のサブシステム間の関係が簡素になるので、部品メーカーは部品生産技術をめぐって、組立メーカーとの技術交流を緊密化することが重要になる。
×エ 標準化された部品の生産プロセスにおける技術改良の余地がなくなり、価格競争が激化するので、部品メーカーの収益は悪化する。
×オ 部品メーカーにとっては、自社固有の独自技術を梃子にして新規なモジュール部品を開発する必要性がなくなるので、これまで取引がなかった組立メーカーにも販路を広げることが重要になる。

細かい話は別として、診断士受験の世界では、モジュール化の進展→部品メーカー(中小企業側)に追い風。そのイメージがあれば、×イエはすぐ落とせます。

ウオでムキになる必要はありませんが、ウは×部品生産技術をめぐって→〇部品の利用可能性をめぐって、オは×必要性がなくなる→〇可能性が高まる。そんな感じに直すと正解知識が増えそう。

鉛筆コロコロDEランク

H27第10問 リストラクチャリング Dランク ※捨て問

不景気で事業を再構築するとき、最初に考えるのは人件費(固定費)の削減。

リストラクチャリング(事業構造の再構築)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア リストラクチャリングの一環として事業売却を行う場合は、対象となる事業の従業員に時間をかけて納得してもらい、ボトムアップで売却ステップを検討していくことが課題となる。
〇イ リストラクチャリングの一環として事業を子会社として独立させる場合は、各子会社に大幅に権限を委譲し、意思決定の迅速化を図ることが課題となる。
×ウ リストラクチャリングを円滑に進めるうえでは、既存の取引先との取引量を増やすことを目的に、リベートや割引販売などの販売促進策を積極的に行うことが課題となる。
×エ リストラクチャリングを円滑に進めるうえでは、業務プロセスを抜本的に見直すことによって業務を再設計し、業務の効率化を図ることが課題となる。
×オ リストラクチャリングを円滑に進めるうえでは、従業員のモチベーションを上げていくために、ストックオプションを導入していくことが課題となる。

リストラ=クビではないですが、痛みを伴う改革=人員削減のイメージで進めます。

正解は〇イですが、×エを選ぶのが自然でしょう。出題者の言い分は×業務の効率化→〇より痛みを伴う構造改革ですが、正解イは選びにくく、まぁ捨て問でOK。アは×ボトムアップ→〇そんなゆっくりやってちゃ周回遅れ。×ウオは何となく違う、程度で流します。

H30第20問 イノベーション Dランク ※クソ問

官も民も我先にとオープン・イノベ。でも「オリジナル」はどうも意味不明・・。

画像:nomad journal
イノベーションを起こすために必要な専門知識が社会に分散し、オープンイノベーションや企業間システムの重要性が高まるとともに、オープンイノベーションの解釈も広く多義的になってきている。
チェスブローが提唱したオリジナルのオープンイノベーションや企業間システムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
〇ア オープンイノベーションは、基盤技術の開発などのコラボレーションというよりも、事業化レベルのコラボレーションを促進するという特徴がある。
×イ オープンイノベーションを促進するためには、ネットワーク外部性がある製品を開発している企業同士が共通の規格を採用する必要がある。
×ウ オープンイノベーションを通じて、自社内で技術開発投資を行う必要がなくなるため、コストやリスクを負担することなく、新製品を開発できるメリットがある。
×エ 自社内の非効率な業務のアウトソースを通じて、オープンイノベーションを低コストで行うことができるようになる。
×オ 製品アーキテクチャーがモジュラー化するほど垂直統合が進むため、企業間の水平的連携システムを通じたオープンイノベーションが重要になる。

オープン・イノベの語源(オリジナル)を辿ると、上の漏斗のような図になるらしい。当問で×を付けられるのはオの×進む→〇不要になる、位。イウエもオープン・イノベの説明にはなるので、4択で鉛筆コロコロします。捨て問。

H30第9問 イノベーション Dランク ※意地悪クイズ

長文を読ませ、「実はここがウソだよーん」。本試験でこんな問題に悩む時間はありません。

技術のイノベーションは発生してから、いくつかの特徴的な変化のパターンをとりながら進化していく。イノベーションの進化に見られる特徴に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
×ア 技術システムが均衡状態にあることが、技術開発への努力を導く不可欠な力になるので、技術間の依存関係や補完関係に注意することは重要である。
〇イ 技術進歩のパターンが経時的にS字型の曲線をたどることがあるのは、時間の経過とともに基礎となる知識が蓄積され、資源投入の方向性が収斂するからである。
〇ウ 優れた技術が事業の成功に結びつかない理由として、ある技術システムとそれを使用する社会との相互依存関係が、その後の技術発展の方向を制約するという経路依存性を挙げることができる。
〇エ 製品の要素部品の進歩や使い手のレベルアップが、予測された技術の限界を克服したり、新規技術による製品の登場を遅らせることもある。
〇オ 連続的なイノベーションが成功するのは、漸進的に積み上げられた技術進化の累積的効果が、技術の進歩や普及を促進するからである。

当問はアが×均衡状態→〇不均衡状態。長文で慌てさせ先を急ぎたい心理を逆手に、選択肢アにトラップとは、見事な腕前です。これは先方が上手なので、正解知識としてふうんと読みます。

H30第10問 技術経営 Dランク

技術経営をくだらなくすると、「技術者を社長にしよう」。すると相談相手の診断士の出番が増える?

画像: bizhint
製品開発期間の短縮を図るために、製品開発のプロセスに注目して、いくつかの手法を体系的に組み合わせることが行われている。そのような手法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア オーバーラップの開発手法では、開発プロセスの上流タスクの完了前に下流タスクを先行してスタートさせるので、事前に両タスクの内容を綿密に設計することが必要である。
×イ オーバーラップの開発手法では、開発プロセスの上流タスクと下流タスクの相互信頼が強い場合に効果的であり、コミュニケーション頻度や相互の調整を著しく減少させることによって開発期間が短縮される。
〇ウ 開発前半に速いスピードで解決できる問題を集中させて、開発後半で発生しやすく、時間や費用のかかる設計変更などの反復回数を減らすことは、開発期間の短縮に効果的である。
×エ コンピューター支援エンジニアリング(CAE)が開発手法の根本的な変革として自動車開発で導入が進んでいるのは、コンピューター上でシミュレーションしながら製品の完成度を評価できるので、実物試作が不要になるからである。
×オ フロントローディングでは、開発初期段階で開発に必要な経営資源の投入量が増加するので、開発後期での設計変更は不要になる

MBAが文系経営者とするなら、MOT(技術経営)は理系の経営者。簡単に言うとそうなりますが、すると「企業経営理論」のフロントランナーである診断士の出番も増えるってもの。ついでに「運営」「情報」の知識もバリバリ出てきます。「事例Ⅲ」がここ3年本気を出して難化したのが、遅すぎた位。

では誤答選択肢に×を付けます。アは×事前に→〇同時並行で、イは×著しく減少→〇それはやり過ぎ、エは×根本的な変革→〇それもやり過ぎ、オは×不要になる→〇言い切っちゃダメ。理系なデジタル思考で割り切れない、ふんわり国語力が診断士の持ち味です。

今日のまとめ~⑤長文の因果ズレ

試験委員のクソ難しいオジサン語を、世代を超えてわかりやすく伝えるのが「語彙力」。そのために「知識」を学んだろ?

ここで吉報が。①与件はオジサン言葉で書かれても、②答案は「わかりやすく具体的でキレイな日本語」に加点する。近年の得点開示により、③答案にオジサン語は不要とわかってきました。

スクール解答比較~難解なオジサン答案は周回遅れ

採点者が好む、「読みやすく、伝わる答案」はどれ? 少なくとも一番左のオジサン答案では「伝わらない」。

【設問文】H30「Ⅰ」第2問(1) ※オジサン語
A 社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。 A 社の人員構成から考えて、その理由を 100 字以内で答えよ。
TACKEC開示89点きゃっしい
オジサン語?事例Ⅰに定評ありわざとアドリブ感与件コピペ
理由は、 理由は社員の9割を技術者が占めている研究開発中心の企業であり
限られた従業員数で売上を拡大していくために、技術者が大半を占める人員構成として専門性の高い研究開発力を強化し、最終消費者に向けた商品を扱うには、専門のマーケティングが必要であり、さらに事業に関する考え方や組織風土が異なる。  ①生産・販売伴に委託して研究開発にリソースを集中させており、従業員数倍増程度に対し売上数十倍と効率よく、 ①ニッチ市場に向けた製品の開発に経営資源を集中させ
そこに価値を見出す事業者向けの製品開発を中心にした事業展開をすべきであると考えてきたから。しかしA社は社員の9割近くを技術者が占めており専門の人員がおらず対応が困難であるため。 ②大半の社員が技術者で管理業務を兼務しており、広告・宣伝に資源分散するのは得策でないため。
最終消費者に向けた製品開発に必要な消費者ニーズの収集が十分できる人員構成ではないため。
そこで「2次与件の国語読み」に夢中になる前に。【戦略論】長文因果選択肢に慣れると、①国語ノウハウ×②知識=語彙力をWで鍛えてオトクに。少なくとも、4択マークすら国語解きをしたがる一部の先輩とは異なった、「2次」の攻め方が見えてきます。

ボタンを押して今日もイタダキ↓。
試験の進化は待ったなしです。

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