結論あべこべ(述語)(パターン②)【戦略論】

2019年5月8日

誤答選択肢のパターンは読める。

画像:jiji.com

楽しいGWが終わると、「1次」対策はつらい過去問シーズンの幕開け。え、過去問対策が「つらい」って? いえいえ、「1次」過去問とはニヤニヤしながら解くものです。だって誤答選択肢のパターンは大別して5つに限られ、そこを逆手に取るとスラスラ当たるから。

「戦略論」直近5年66マークの、誤答選択肢パターン別正答率

今日は手始めに、一番簡単な②述語(結論あべこべ)パターンを見ていきます。それは例えば、こんなウソつきパターン。

〇診断士は国家試験である。
×診断士は国家試験ではない

(理由はいつか説明するとして)このパターンは、ウソを一番見抜きやすい。では「経営」のトップバッター、戦略論の過去問を眺めてニヤニヤします。

【戦略論】誤答パターンの国語力② 結論あべこべ(述語)

必ず当てるABランク

H30第6問 ポーター価値連鎖 Bランク

ポジショニング派(ポーター)もケイパビリティ派(バーニー、VRIO分析)も、言い争っても目の付け所は同じ。要するに「大事な所は自社に取り込め」。

画像:Bizhint
価値連鎖(バリューチェーン)のどれだけの活動を自社の中で行うかが、その企業の垂直統合度を決めると言われている。自社の中で行う活動の数が多いほど、垂直統合度が高く、その数が少ないほど垂直統合度が低いとした場合、ある部品メーカーA社が垂直統合度を高める理由として、最も適切なものはどれか。
×ア A社の部品を使って完成品を製造している企業は多数存在しているが、いずれの企業もA社の部品を仕入れることができないと、それぞれの完成品を製造できない
×イ A社の部品を作るために必要な原材料については、優良な販売先が多数存在しており、それらの企業から品質の良い原材料を低コストで仕入れることが容易である。
×ウ A社の部品を作るために必要な原材料を製造しているメーカーは、その原材料をA社以外に販売することはできない
〇エ A社の部品を作るために必要な原材料を製造しているメーカーが少数であり、環境変化により、A社はこれらの原材料の入手が困難となる。
×オ A社は、A社の部品を作るために必要な原材料を製造しているメーカーとの間で、将来起こりうるすべての事態を想定し、かつそれらの事態に対してA社が不利にならないようなすべての条件を網羅した契約を交わすことができる

「価値連鎖」「VRIO分析」は学派が違うので混同しやすいのですが、今日はそんな細かなトコは後回し。

誤答選択肢×アイウオはすべて結論があべこべ。文章を読むだけでオヤ?と感づくので、テキストレベルのBランクです。

H26第19問 産業クラスター Bランク

産業集積→産業クラスターに高度化

特定の国や地域において産業の地理的集中がおき、他の地域に対する比較優位性が生じることがある。近年、ポーターらの提唱する産業クラスター論では、従来の産業集積論とは異なる意義が求められている。産業クラスター論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
〇ア 科学技術インフラや先進的な顧客ニーズなど、特定のロケーションに埋め込まれた知識が、比較優位性の基盤になる。
×イ (産業クラスターとは)産業が地域的に集中する要因として、土地や天然資源などの生産要素を重視する。
×ウ (産業クラスターとは) 産業の集積を通じて流通費用の最小化を目指す。
エ 仲間内での競争を避け、協調的なネットワークの必要性を明示する。

当問は、イマっぽい〇アで当たりじゃね? そんなBランクでは、イウエに×を付けて知識を増やす力が問われます。

簡単なのはエで×競争を避け→〇競争もしつつ。×イウはクラスターでなく、古い方の「産業集積」の説明です。

H29第10問 イノベーション Bランク

プロジェクト管理は、「情報」とのクロスオーバー問題。

企業では、新製品開発や新規事業などのプロジェクトが円滑に進むように、さまざまな方法を用いて進捗管理を行っている。そのような進捗管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 技術開発と市場開拓が並行して事業化が進行すれば、技術開発面の課題を早期に発見して、その解消活動が販売における課題解決に結びつくので、基礎研究成果を応用研究につなぐ際のダーウィンの海と呼ばれる課題の克服に有効である。
×イ 技術や市場が新規の製品の開発に取り組む場合、現場で培った経験や知識の活用が開発時間やコストを節約するキーポイントになる。
〇ウ 新製品の事業化では、顧客や市場の評価を早期に把握して、その結果を開発活動にフィードバックして、場合によっては開発段階が後戻りすることを許容する方が新製品の迅速な立ち上げに有利に働く。
×エ プロジェクトのある段階から次の段階への移行ごとにチェックポイントを設けるステージゲート管理では、移行可否の判断基準の設定や移行可否の権限が各段階に与えられないため、管理が甘くなって見込みの低いプロジェクトを温存することになりやすい
×オ プロジェクトの複数の段階の活動を同時に並行して行うと、開発の早い段階からプロジェクト内で情報交換が進むが、情報の複雑性も高くなるので、開発期間が延びたり、開発コストが余計にかかりやすくなる

当問も、おなじみ「アジャイル開発」知識で〇ウ一択なので、アイエに×を付ける知識を増やす力が問われます。簡単なのは×エオで、結論あべこべ。アは×ダーウィンの海→〇デビルリバーの「③目的語ひっかけ」、イは×現場で培った経験や知識はむしろ邪魔じゃね?結論あべこべパターンです。

H27第1問 PPM Bランク

PPMは原則年1マーク出題。同じポイントが何度も聞かれるので、嘘つき選択肢の作り方を知るドリルに最適。

画像:起業.tv
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
〇ア 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退の検討に加え、資金投入によって成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択が重要である。
×イ 競争優位性を期待できない「負け犬」事業からの撤退を進めるのに重要な資金供給源は「花形商品」の事業である。
×ウ 衰退期に入った業界の「花形商品」事業は、徐々に撤退してできるだけ多くのキャッシュを生み出させることが重要である。
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入と流出は市場と自社事業との成長率で決まる。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、外部からの資金調達を考慮していないが、事業の財務面を重視して事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮している

簡単なのはオで、×考慮している→〇していない。結論あべこべは最初に見抜きます。イは×花形商品→〇金のなる木で用語入れ替え、ウは「花形商品から撤退しちゃダメ」。×徐々に撤退して→〇資金投入量を抑制してと、形容詞パターンで正解に直します。

×エはPPM頻出のひっかけなので、次の問題で解説します。

最後の2択がCランク

類題:H29第2問 PPM Cランク

当問はH27第1問のソックリ問題で、作問者も多分同じ。そこで、正答率をB→Cに下げる作問技術の取り調べに使います。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 衰退期に入った業界の「金のなる木」事業と「負け犬」事業は可及的速やかに撤退し、成長率の鈍化した業界の「花形商品」事業の再活性化に多くのキャッシュを投入することが重要である。
〇イ 成長市場で競争優位の実現を期待できる「問題児」の選択と、競争優位性を期待できないが資金流出の小さい「負け犬」事業の中で市場成長率が低くとも高収益事業を選別することは重要である。
×ウ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入は自社事業の成長率と市場の成長率、資金の流出は自社事業の競争上の地位(相対的な市場シェア)で決まる。
×エ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮して、複数事業に対して財務面を重視した資金の再配分のガイドラインとなる。
×オ プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方は、自社技術開発、外部技術の導入、外部資金の再配分により、範囲の経済を達成して競争優位性を構築する業界に適用できる。

当問は×エオが簡単で、PPMは事業間シナジーや範囲の経済を考慮せず、結論あべこべで×に。アは×金のなる木から速やかに撤退しちゃダメです。

再登場した×ウは、過去問で何度も出てくるひっかけ。資金の流出入を決めるのはこいつらでなく、製品ライフサイクルです。ここはテキストを使って確実に。

類題:H26第6問 PPM Cランク

ひっかけパターンが違いますが、PPM+Cランクつながりで1問オマケを。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 事業単位は他の事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的戦略をもち、計画の範囲内で自由に対処する。
×イ 資金の流出は市場での競争上の地位で決まると考える。
×ウ 資金の流出量を削減して優位性を確保できる「問題児」の選択が重要である。
×エ 自社の相対的な市場シェアと自社事業の成長率を基準として事業を分類する。
〇オ 全社的な資源配分のための論理のひとつとしての位置付けが重要であり、ドメインの定義と併せることで現実的な資源配分の指針となる。

当問はイージーな「結論あべこべ」選択肢がないこともあり、ちょっと悩むCランクに。PPMつながりの知識で一気に解くと、アは×相互に関連した統合的戦略は「持たない」、ウは×削減して→〇調整して、エは×自社事業→〇市場です。×イは一つ上のH29第2問で説明した通り。

年1マーク出るPPMは易問B~Cランクですが、こうやってタテ解きすると、「同じような誤答選択肢が繰り返し出る」コトまで分かります。

今日のまとめ~②述語(結論あべこべ)パターン

ふん、こんな国語ノウハウでテストを解くと、狙い撃たれてドボンだよ。

違うよ。これは「ボクが思いついた」ノウハウでなく、国語の法則に準じた全員共通のセオリー。だから安心して使えます。

誤答選択肢を作るセオリー
国家試験の作問は、学術上の権威付けになると同時に出題ミスが許されない。そこで作問者は①正解選択肢を4つ用意して ②選択肢のどこかを変えて誤文にすることがセオリー。このとき日本語の制約上、②変える箇所は冒頭で大別した5つに絞られる。

こんなネタバレをネットに書いて、出題側に怒られないの?

大丈夫、出題側はむしろ歓迎です。それはこの「パターン」とは、△テストの点を取るためでなく、◎3つの誤答選択肢を最新テキスト代わりに素早くINPUTするため。つまり試験の教育効果を上げるので、大歓迎されるのです。

ボタンを押して今日もイタダキ↓。
試験の進化は待ったなしです。

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