【法務⑥】起業→上場までの出世街道(設立~組織再編)

会社法(設立)をマンガにしたら面白い。きっとね!

画像:APPBANK

会社法の暗記はうんざり? それは年1マーク出るかどうかの会社法(機関)を、ひたすら暗記するから。

後半(設立~組織再編)は手続き記憶で覚えやすく、なにより自社が破竹の連戦連勝、マンガのように出世街道をのし上がる。ストーリー仕立てで楽しめます。

そこで過去問では、どんな出世街道が?早速どうぞ。

【法務⑥】起業→上場までの出世街道(設立~組織再編)

株式

H29第1問 株式の併合・分割 Aランク

詳しい暗記は後回し。株主に不利な時は2/3の特別決議、そうでないときゃ普通決議で。

株式の併合又は株式の分割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 株式の併合によって発行済株式総数は増加し、株式の分割によって発行済株式総数は減少する。
〇イ 株式の併合又は株式の分割があっても、資本金額は変動しない。
×ウ 株式の併合を行う場合には取締役会の決議で足りるが、株式の分割を行う場合には株主総会の特別決議が必要である。
×エ 株式無償割当てにより、株式の分割の目的を達成することはできない

株式の併合・分割には実務上いくつかの狙いがありますが、当試験上は、「株主に不利になりそうな時は2/3の特別決議」ルールで解きます。

×アウエの下線部の何が違うかは、いちいち説明不要でしょう。

H27第2問 自己株式 (1)Cランク (3)Cランク

自己株式取得の狙いとルールは? 押さえておきたいビジネスの常識。

自己株式の取得に関する以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと X 株式会社(以下「X 社」という。)の総務部門の担当者である甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X 社は、公開会社ではなく、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。
甲 氏:「今、有償での自己株式の取得を検討しているのですが、手続について教えてもらえませんか。株主総会の決議が必要なのは分かっているのですが。」
あなた:「株主との合意により X 社の株式を取得するということですよね。有償で自己株式を取得する場合、取得対価の帳簿価格の総額が A を超えてはいけないことになっているのですが、その点は大丈夫ですか。」
甲 氏:「はい。それは既に確認しているので大丈夫です。」
あなた:「よかったです。では、手続ですが、株主全員に譲渡の勧誘をする方法(①の方法)と特定の株主から取得する方法(②の方法)のつがあります。②の方法では、特定の株主だけから株式を取得するので、その株主の氏名を株主総会で決議する必要があります。ただ、②の方法の場合、他の株主は、自己を取得の相手に加えるように請求することができます。」
甲 氏:「なるほど。2つの方法で株主総会の招集手続に違いはありますか。」
あなた:「書面又は電磁的方法による議決権行使を認めないことを前提とすると、総会の日の B 前までに招集通知を発送しなければならないのは、①の方法でも②の方法でも変わらないのですが、②の方法の場合、自己を取得の相手に加える旨の請求を行う機会を与えるために、その請求ができることを招集通知の発送期限までに株主に通知しなければなりません。この通知と招集通知を兼ねるとすると、②の方法の場合の方が、①の方法の場合よりも早く招集通知を発送しなければならないことになります。」
甲 氏:「決議要件はどうでしょうか。」
あなた:「 C 」
甲 氏:「なるほど。ありがとうございました。」
あなた:「今回の場合にどちらの手続が具体的に良いのかは、専門家にきちんと相談した方がいいと思います。顧問弁護士の先生に連絡を取ってみてはどうでしょうか。」
(設問1)
会話の中の空欄Aに入る語句として最も適切なものはどれか。
×ア 資本金の額
×イ 資本準備金の額
×ウ 投資有価証券の額
〇エ 分配可能額

当問は、クソ長い設問文を読むのがメンド臭い。そこで鉛筆コロコロか、なんとなく〇エがそれっぽい。その対応で十分です。

一応理屈を言えば、「分配可能額までなら」「株主の利益を損なわない」。覚えたい方は、「財務」の計算問題をどうぞ。

(設問3)
会話の中の空欄Cに入る記述として最も適切なものはどれか。
×ア ①の方法の場合でも②の方法の場合でも特別決議です。
×イ ①の方法の場合でも②の方法の場合でも普通決議です。
×ウ ①の方法の場合には特別決議ですが、②の方法の場合には普通決議です。
〇エ ①の方法の場合には普通決議ですが、②の方法の場合には特別決議です。

ここも暗記不要。①⇔②で株主に不利なのはどちら? 正解②として、アエの2択に絞れば十分です。

H30第6問 種類株式(優先株) Dランク ※捨て問

Dランク難問に慌てない。診断士らしく、くだらない例にしてラクラク勉強を。

画像:ノマド式節約術
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、ベンチャー企業であるX株式会社の普通株主であり、かつ、代表取締役である、甲氏との間で行われたものである。会話の中の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
甲 氏:「今、あるベンチャーキャピタルが当社に対して優先株式による出資をしてくれるという話がありまして、その交渉をしています。ベンチャーキャピタル側からいろいろと条件を提示されているのですが、耳慣れない用 が多くて困っています。この条件は私にとって有利なのでしょうか。」
あなた:「 【 】。これは、甲さんにとって有利です。」
甲 氏:「なるほど。具体的にどういうことですか。」
あなた:「概要なら私から説明できますが、契約交渉は投資契約の実務に詳しい弁護士のアドバイスを受けた方がよいと思います。ちょうど知っている方がいますから、紹介しますよ。」
甲 氏:「ぜひお願いします。」
×ア 株主間契約において、みなし清算条項を定めるという条件ですね
×イ 投資契約において、優先株主にドラッグ・アロング・ライトを認めるという条件ですね
×ウ 優先株式の配当方式を参加型にするという条件ですね
〇エ 優先株式の配当方式を非累積型にするという条件ですね

当問は得点調整H30を代表するクソ問の1つで、鉛筆コロコロする方が当たります。×アイは知識が深すぎて無理。ウエはテキストを読んでふぅん、程度でOKです。伊藤園の優先株式あたりの身近な例の方がしっくりきます。

起業予定があってVCに興味があるとか、俺は経理の純資産会計で身を立てる、と意欲的な方は、診断士合格後に詳しくどうぞ。

計算

H29第4問(1) 新株発行 Bランク

簿記ルール:資本金の1/2までを資本準備金にしていいよ。

以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、新株発行による資金調達を行おうとしているX株式会社の代表取締役甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
甲 氏:「新株発行により 3,000 万円を調達しようと考えています。株式の発行に際して払い込まれた金額は、資本金か資本準備金かのどちらかに計上しなければならないと聞きましたが、具体的にいくらにすればいいのでしょうか。」
あなた:「会社法上の規定により、3,000 万円のうち、少なくとも A 円は、資本金として計上しなければならないので、残りの B 円についていくらを資本金にするのかが問題になります。資本金の額が許認可の要件となっている事業を行う場合などを除き、一般的には資本金に計上する金額を少なくした方が有利なことが多いように思います。」
甲 氏:「資本金を増やす特別な理由がないのであれば、資本金に計上する金額は少なくした方がいいみたいですね。今回は、 B 円を資本準備金の金額としておきます。」
(設問1)
会話の中の空欄AとBに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれ
か。
×ア A:1 B:2,999 万 9,999
×イ A:300 万 B:2,700 万
×ウ A:1,000 万 B:2,000 万
〇エ A:1,500 万 B:1,500 万

当問は簿記の問題で、甲氏⇔あなたの会話にあるメリットから、1/2を資本準備金にします。こんな知識を暗記していちゃ脳みその無駄遣いなので気を付けて。

持分会社

H30第1問 合同会社 Dランク

合同会社は低コストで柔軟に経営できる。その分株式会社より対外的な信用がやや低い。

画像:Free
合同会社は、当事者間で最適な利害状況を自由に設定することを可能とすることによって、事業の円滑な実施を図り、法規制による保護ではなく、利害関係者の自己責任による問題解決に委ねるという会社類型である。
株式会社と合同会社を比較した記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 株式会社の株主は、会社債権者に対して間接有限責任しか負わないが、合同会社の社員、会社債権者に対して直接無限責任を負う。
〇イ 株式会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできないが、合同会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことができる。
×ウ 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、純資産額が 300 万円以上でなければ、配当を行うことができない。
×エ 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、貸借対照表を公告しなければならない

当問は無理ゲーDランクですが、合同会社はアメリカのLLCを参考にこれから伸びていく会社形態。ここは過去問を使って知識を増やしておきましょう。

アの×直接無限責任→〇間接有限責任だけ暗記します。 正解〇イになる理由はこれですが、深追いも暗記も要りません。×ウエの間違い理由はリンク先参照ですが、時間と興味のある方だけやればOKです。

組織再編

H28第3問 新設分割 (1)Cランク (2)Cランク ※試験上、重要

ここは逆に受験上のコツを。設問文が長い問題は、①先に頻出知識を思い出し ②それが使われていないかを「探す」。

以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。X社は、αの製造販売事業(以下「α事業」という。)を営んでいる。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
甲 氏:「おかげさまで弊社のα事業は好調です。そこで、業容を拡大したいと考えていたところ、先日ちょうど、取引銀行を通じて、弊社と同じα事業を営んできたY社から、事業の選択と集中を進めたいから同事業を買取しないかという話をもらいまして、現在前向きに検討しています。Y社は、α事業以外の事業も営んでいるので、新設分割でα事業をいったん切り出して子会社Z社を設立し、弊社がY社からZ社の全株式を現金で買い取るスキームを考えています。何か注意しておいた方がいいことはありますか。」
あなた:「□ A □。それから、同業他社から競合する事業を買収することになりますから、独占禁止法に抵触するかどうかも問題になります。少なくとも公正取引委員会への届出の要否については検討しなければなりません。」
甲 氏:「□ B □」
あなた:「□ C □。いずれにせよ、事業の買収、特に買い手の場合には、大小様々なリスクを伴いますから、その分野に詳しい専門家からアドバイスを受けないと後で痛い目を見ますよ。ちょうどいい人を知っていますから紹介しますよ。」
甲 氏:「ありがとうございます。」
(設問1)
会話の中の空欄Aに入る記述として、最も不適切なものはどれか
×ア α事業に関係する債務は、Z社が承認する債務から除外することはできないので、α事業に関係する簿外債務がないかどうかの調査が必要になります
〇イ Y社がα事業に関して締結している契約の中に、会社分割が解除事由として定められているものがないかの確認が重要になります
〇ウ Z社においてα事業を営むのに新たに許認可を取得することが必要な場合には、その許認可を得るのに必要な期間やコストを把握しておく必要があり、そのコストをX社が負担するのかY社が負担するのか交渉する必要があります
〇エ 契約の分割等の要否を検討するために、Y社が、α事業とそれ以外の事業の双方で、同一の契約に基づいて使用しているリース資産やシステムがないかどうかの確認が必要になります

当問はCランクですが、「この問題を必ず当てる」のが、合格上のマストです。

具体的には、①「事業譲渡」⇔「会社分割」の違い(メリ・デメ) →②債権債務の包括移転OK →③債権者保護手続を思い出せば、選択肢アを読むだけで、×できない→〇できるの一択に。

するとイウエは追加のオマケ論点、長い設問文はOJT代わりの記憶として、スコアと知識がWで伸びます。

画像:公正取引委員会 on Twitter
(設問2)
会話の中の空欄BとCに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
○ア 
B:株式買取りのスケジュールには影響しますか
C:公正取引委員会が短縮を認めてくれない限り、最短でも届出を受理されてから、30日を経過するまでは、株式を取得することはできないので、スケジュールに影響しますね
×イ 
B:届出を行うのは、X社ですか、Y社ですか
C:Y社です
×ウ 
B:届出を行う前に、公正取引委員会に相談に行くことはできるのですか
C:できません
×エ 
B:どんな規模でも届出が必要になるのですか
C:X社の企業グループ全体の国内売上高が10億円以上の場合で、かつ、Z社とその子会社の国内売上高の合計が1億円以上の場合に、届出が必要になります

当問は「なぞなぞ問題」と言い、とても暗記できない範囲が聞かれるので、慌てず鉛筆コロコロします。

Bは×Y社→〇X社、Cは×できない→〇できる、Dはこちら参照ですが、この手の問題は一度出ると二度と出ないので、暗記不要です。

H29第2問 会社分割 (債権者保護手続) Bランク

事業譲渡より会社分割の方がいろいろ便利。ただし悪用される抜け穴はしっかり塞ぐ。

画像:Lotus21
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたとX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏との間で行われたものである。甲氏は、X社の発行済株式の全てを保有している。会話の中の空欄A〜Cに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
甲 氏:「会社分割の手続を利用して、当社の α 事業を、Y株式会社(以下「Y社」という。)に売却しようと考えているのですが、債権者異議手続の対象となる債権者の範囲を教えてください。まず、吸収分割により α 事業に係る権利義務をY社に直接承継させ、その対価としてX社がY社から現金を受け取る場合にはどうなりますか。」
あなた:「売却ということで、X社は、分割後、α 事業に対する支配権を手放すということでしょうから、分割契約において、Y社に承継させる債務に係る債権者は、もうX社に債務の履行を請求できないと定めることになりますよね。そうすると、 A が債権者異議手続の対象になります。」
甲 氏:「では、新設分割により α 事業に係る権利義務を新たに設立したZ株式会社(以下「Z社」という。)に承継させた上で、Z社の株式をY社に譲渡する場合にはどうなりますか。」
あなた:「Z社の株式の譲渡の対価をX社が受け取りたい場合には、新設分割と同時にZ社の株式をX社が保有する物的分割になります。また、分割計画において、Z社に承継させる債務に係る債権者は、やはり、もうX社に債務の履行を請求できないと定めることになりますよね。そうすると、 B が債権者異議手続の対象になります。
他方、Z社の株式の譲渡の対価を甲さんが個人で受け取りたい場合には、新設分割と同時にZ社の株式を甲さん個人が保有する人的分割になるでしょう。その場合には、 C が債権者異議手続の対象になります。
事業の売却ということであれば、いろいろな専門家のアドバイスも必要になってくると思いますし、よい方を紹介しますから、一緒に相談に行ってみませんか。」
〇ア
A:Y社に承継させる債務に係る債権者と分割の効力発生日前からY社の債権者であった者
B:Z社に承継させる債務に係る債権者
C:Z社に承継させる債務に係る債権者だけでなく、Z社に承継されない債務に係る債権者
×イ
A:Y社に承継させる債務に係る債権者と分割の効力発生日前からY社の債権者であった者
:Z社に承継させる債務に係る債権者だけでなく、Z社に承継されない債務に係る債権者
:Z社に承継させる債務に係る債権者
×ウ
A:Y社に承継されない債務に係る債権者とY社に承継させる債務に係る債権者と分割の効力発生日前からY社の債権者であった者
:Z社に承継させる債務に係る債権者
C:Z社に承継させる債務に係る債権者だけでなく、Z社に承継されない債務に係る債権者
×エ
A:Y社に承継されない債務に係る債権者とY社に承継させる債務に係る債権者と分割の効力発生日前からY社の債権者であった者
B:Z社に承継させる債務に係る債権者だけでなく、Z社に承継されない債務に係る債権者
:Z社に承継させる債務に係る債権者

当問はH28第3問→H29第2問と続くシリーズで、同論点が繰り返し出題される、「法務」では珍しいサービス問題です。

こんな暗記をしたらキリがないので、国語でふんわり当てる練習を。

  • Cの「人的分割」は難論点なので、ABだけで当てることを考える。
  • ウエのA=×Y社に承継されない債務に係る債権者、イエのB=Z社に承継されない債務に係る債権者を保護する必要はないので間違い。
  • するとCを考えなくても正解〇ア一択に。

このような「暗記に頼らない国語の解き方」を使うと、暗記減↓知識の理解↑国語力↑の、一石三鳥です。

今日のまとめ

こんなクソ長い文章を読ませやがって。だから「法務」は苦手なんだよ。

いえ、ちょっと待って。力技で暗記する産業財産権や会社法(機関)と違い、会社法(設立~組織再編)は、サラリーマン漫画の様に出世街道を驀進。ストーリー仕立てだからラクラク覚え、答えを先に知ると長い設問文だってスラスラ読めます。

正解知識を先に知っていれば、
クソ長い設問文や誤答選択肢は読まずに解ける。

何が出るか分からない「民法」、年1マーク出るかどうかの「機関」と違い。ストーリー仕立ての会社法(設立)は、周囲が苦手の長文国語力を高める好機なのです。

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