おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

I事例Ⅱ

【受験同期のベスト答案(Ⅱ)】ハーブのX島は与那国で、Z社は資生堂

TBCの電凸取材

皆さんこんにちは。長命草生産農家の杉本和信です。(中略)長命草は、南国沖縄の「与那国島」で、人々の食生活や祭事に欠かせない貴重な植物として、500年の間守られ続けてきました。長命草の魅力は、与那国島の自然の中で最も厳しい環境である海岸沿いの断崖絶壁で、たくましく生息していることです。

出典:与那国薬草園㈱

受験指導力で言えば超絶EBAに劣らぬ双肩で、その壮絶なヒヨコ喰いっぷりでは東京中央支部のあの先生も真っ青なのがTBCだ。

現地取材⇔作問の差から、極意を語る。もう突き抜けすぎて、採点係の鉄砲すら追いつけねぇな。

あの先生が真っ青とは、どんだけブルーか想像すらできません。

みなさんこんにちは。TBC受験研究会統括講師 山口正浩です。(中略)今回の取材では、今までの取材よりもさらに令和3年度の2次試験対策に活かせる有用な情報を伺うことができました。
出典:TBC受験研究会

ハーブのX島は与那国で、Z社は資生堂【受験同期のベスト答案(Ⅱ)】

そして試験の事例はフィクションではなく、実在企業のノンフィクション。そう想定して読み直すと、【受験同期のベスト答案】も一味違って見えてきます。

第1問 SWOT 160字20点

MMCTBC★受験同期のベスト答案★
S:効率的な栽培方法など独自ノウハウの保有や、大手Z社との取引実績による信頼である。S:①無農薬高品質ハーブの効率的な栽培技術、②Z社との取引実績、③X島民からの信頼。S:無農薬で高品質のハーブを年4~5回収穫できる栽培方法と自社工場、Z社との取引実績。
W:Z社に依存する取引先構成や、ヘルスケアメーカー等の新規取引先の開拓不足である。W:①新規販路開拓の遅れによるZ社への高い取引依存、②自社ブランド開発のノウハウ不足。W:大消費地でハーブの知名度が低く、Z社への売上依存度が高く、商品開発経験が少ない事。
O:サプリメントのヘルスケアメーカーや、20 代後半~50 歳代の大都市在住の女性層である。O:①ヘルスケア市場の拡大、②安眠効果のハーブへの注目、③複数メーカーからの引き合い。O:ヘルスケア市場が拡大基調で、安眠効果があるハーブに複数メーカーの引き合いがある事。
T:ヘルスケア市場での競合激化やZ社販売量低下による取引縮小など売上減少リスクである。T:①Z社とのハーブ取引量の減少、②X島の地域活力低下、③ヘルスケア市場の競争激化。T:Z社とのハーブ取引量の減少。X島の地域活力低下。ヘルスケア市場の競争激化。

設問別マーカー全盛の時代に、嫌がらせのような2年連続SWOT。その時流に抗う出題センスのなさも、クニヒコのダナドコたる所以な。

しかし来年もクニヒコが居座るとメンド臭い。第1問がまたクソSWOTなら、マーカー塗りをその場で変えて対抗します。

第2問 (Place) 不慣れなチャネル論点に答えが割れる、合否のカギ設問 100字30点

Q:Z社との取引縮小を受け、B社はハーブYの乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後はZ社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100字以内で助言せよ。
200%自己採点基準
①②に各10、③④に各5点まで加点
①B2B要素から一つ
②B2C要素から一つ
③ターゲットに言及
④Z社依存の回避

構文
B社は、①〇〇により××し、②〇〇により×××し、△△とする。
〇〇:与件表現、××:与件または1次知識、△△期待効果

200%モデル答案きゃっしい様の80分答案★受験同期のベスト答案★
方向性は、①ハーブYの健康・長寿の効能に注目し、②お茶や調味料などZ社と競合しないヘルスケア企業の原材料需要の他、③OEMでの自社ブランド消費も伸ばし、Z社への取引依存を避ける構成にすることが望ましい。(99字)健康・長寿に関心のある高齢者をターゲットとするメーカーに幅広い用途の原材料としてのハーブY粉末を伝統と品質、安全性を追求する姿勢を訴求することによって取引を拡大し、Z社との取引依存度を低減させる。方向性は①高齢者に対し健康・長寿の効能を訴求でき②30~40歳代の女性層以外のヘルスケアに関心の高い人に対しアンチエイジングの効能を訴求できる複数の企業との取引を増加させ、Z社への依存度を低下させること。
参考:スクール解答
MMC ★最優秀★TBCTAC
B社は、20 代後半〜50 歳代の大都市在住の女性層をターゲットに、①サプリメント等を取扱うヘルスケアメーカー、②アロマオイルや香水を取扱うOEM企業など新規取引先の開拓でZ社依存度を低下させる取引構成とする。B社のハーブとX島の認知度を高め、へルスケアの関心は高いが、ドリンクやサプリメント以外の製品を購入する顧客をターゲットとする複数企業と取引する。取引先を増やすことで、Z社への高い取引依存から脱却する。
※ターゲット⇔チャネルを半々で構成
新規取引先を常に開拓して取引先構成を流動化させるとともに、取引先業界の多様化を図る。30~40代の女性に限定しない製品や、アンチエイジングや美以外の健康・長寿分野の製品を扱う企業との取引を推進する。
※思い浮かばない逃げ方としてはマル

【ベスト答案チームコメント】
・過去問でこれまで問われなかった「チャネル」をどう答えさせたかったか、口述試験での正解発表に注目です。
・解答方向性は、取引先多様化+分散の方向。B2B×B2Cで切り分けた200%に対し、①高齢者 ②新規ヘルスケ関心層の、ターゲット別をベスト答案とします。

こらこら。1日インスタントで作ったコピペ答案の、弱いトコを突いてきやがります。

第3問(1) (事業構造)アンゾフの成長ベクトル4択

B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上があった。
(設問1)上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50字以内で説明せよ。
200%自己採点基準
■「市場浸透」以外の3つの戦略を書けば、原則10点満点。
■戦略名を明示しない場合、Max5点まで加点可。
200%モデル答案きゃっしい様の80分答案★受験同期のベスト答案★
OEM生産委託品を、自社サイトの既存顧客に新たに販売することは、新製品開発戦略としての売上増が期待できる。(50字)安眠効果のあるハーブを用いた自社ブランドの新製品を既存のヘルスケア市場に投入する新製品開発戦略である。安眠効果のあるハーブを使った新製品を、既存のヘルスケア市場で販売する、新製品開発戦略を展開した。
参考:スクール解答
MMCTBCTAC
B社は、ヘルスケアに高い関心を持つ市場に新コンセプト商品を直販する新製品開発戦略で売上を向上させた。自社サイトで20歳代後半~50歳代の大都市圏在住の女性層に安眠効果のある新製品を販売する多角化戦略である。既存製品同様のヘルスケア分野において、企業向けから消費者向けに市場を変えている「新市場開拓戦略」である。

第2問で大差がつくのに、ここを細々と採点するか? 「市場浸透」以外なら、堂々と10点持ってけ。

第3問(2) (Product)共創マーケティング 100字20点

顧客や他企業と一緒にマーケティングを行い、サービス開発や販売促進活動に活かすことを、「共創マーケティング」といいます。
出典:ferret
B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100字以内で助言せよ。
200%自己採点基準
ダ:(当問では省略可)ターゲットを選ぶ
ナ:6~7種類のハーブ
ド:コミュニケーション策何か
コ:顧客関与を高める
200%モデル答案きゃっしい様の80分答案★受験同期のベスト答案★
B社は、①安眠に興味を持つ20歳代後半~50歳代の大都市圏在住の女性層を対象に、②6~7種類のハーブを使うアイデアコンテストを実施し、③入賞者のX島工場見学招待や優秀作の商品化を通じ、顧客の関与を高める。(100字)施策は①ハーブの希少性と効能を伝え②顧客から用途のアイディアを募り③試作品を提供し、試作品への投票や感想の投稿により双方向的な意見交流を行えるようにすることで、顧客の製品へのロイヤリティ向上を図るB社は①ハーブの希少性と効能を伝え②顧客から用途のアイディアを募り③用途に応じた試作品のモニター企画を実施し④ニーズの収集等、双方向コミュニケーションを促進し、製品づくりの参画意識の醸成を図る。
参考:スクール解答
MMCTBCTAC ★最優秀★
B社は、①ハーブ入り乾麺や焼き菓子紹介、試作品の利用モニター募集など情報を発信するHPの充実、②独自の飲み方など顧客アイデアや生の声・感想など顧客ニーズを収集する掲示板・ブログの開設、等の施策を行う。
※アイデア解答
①製品づくりへ参加者を募集し応募者に6~7種類のハーブを試供し、共にアイデアを創出する。②創出アイデアを公表し投票してもらう。③試作品を使用した感想をサイト上に書き込んでもらい完成への最終調整を行う。消費者の主体的参加を促す双方向コミュニケーションを行う。具体的には、B社は6~7種類のハーブに関する効能等の知見を開示し、消費者から幅広い用途のアイデアを募り、ユーザー投票により製品化候補を決定する。

【ベスト答案チームコメント】
・与件にバラまかれた根拠+共創マーケの施策を100字でミックスする、アイデア解答殺しの良問です。
・根拠が多数あるのに、ダナドコ一つ覚えのターゲットを入れる200%はセンスなし。まさか同友館バカなの?

ほう。所詮クニヒコのダナドコと舐めてかかると、大きく減点される可能性が出てきました。

第4問 (Promotion) 体験型マーケティング 100字20点

画像:ferret
B社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機にB社とX島のファンになってほしいと願っている。絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100字以内で助言せよ。
200%自己採点基準
【経営資源】
①祝いの膳や酢味噌あえ
②年4~5回の収穫体験
③B社を誇るX島民
【期待効果】
④ファン作りor島の活性化

構文~ダナドコ
ダ:(当問では省略可)オンラインサイトユーザー
ナ:(当問では省略可)X島宿泊ツアー
ド:ハーブおひたし等 ←★このHOW要素に加点
コ:参加者のファン化、地域活力向上

200%モデル答案きゃっしい様の80分答案★受験同期のベスト答案★
ハーブを島の顔として認知する島民の協力を得て、祝いの膳やイベントでの調理・試食体験や農業試験場見学を実施する他、耕作放棄地を使うハーブ栽培オーナーを募り、若年層の雇用機会を創出し地域の活力の向上を図る。(100字)①ハーブ畑や島内の工場の見学②ハーブを用いた普段の食事や祝いの膳の調理体験③島民との交流を通じ、美しい島や伝統、社長の高品質かつ安全性を追求する姿勢や島への思い入れを伝えることで顧客との関係強化を図る。ハーブ畑での農業体験B社工場でX島産ハーブの効能紹介を行い、高品質な製品への開発姿勢を訴求し、ハーブ料理の提供で健康促進効果を体験し、島民との交流を図り親交を深め、B社とX島のファン獲得を図る。
参考:スクール解答
MMCTBCTAC
B社は、①ハーブおひたしや酢みそなど宿泊先でのハーブ祝い膳の提供、②島内で無農薬栽培された高品質ハーブYの収穫体験会、③島内のハーブ工場見学ツアーや出来立てハーブ茶の試飲会、等で参加者のファン化を図る。①ハーブ畑や自社工場の製造工程の見学、ハーブの収穫体験により、こだわりや安全性を伝えて関係性を深める。②地元島民と共にハーブを使った郷土料理を作る食文化体験によって、ハーブとX島の魅力を知ってもらう。滞在型プログラムとする。大都市圏ユーザーに対し、風景のよいハーブ畑でB社従業員との収穫体験や島のイベント、食の体験を通し、安らぎや島民との交流機会を提供してリピート利用を促進し、島の活性化を実現する。

【ベスト答案チームコメント】
・設問文「~以外」の制約により、B社関連の資源×体験の解答方向性は明確に。
・キーワードの数を競うか、読みやすさである程度落とすかは、持ち時間との相談で決めればOK。

80分の時間制限を無視すると、答えは全員おそろいに。こりゃ来年のマーカーは、SWOT別⇔設問別の使い分けが勝負所な。

今日のまとめ

作問係のメッセージ:診断士よ、外に出よう
クニヒコ vs. TBC山口先生の国内全土を巡る追いかけっこは、ついに日本最西端の与那国島へ。そして全国どこでもZoomでつながる時代だからこそ、リアルに外に出よう。今年を花道に引退するクニヒコのラストメッセージは、確かに受け止めました。

おう、今年はクニヒコなりに頑張ったじゃないか。でも勢い余って台湾進出を目論むのは、事例作問の制約違反な。

クニヒコの赴く所に事例あり。全国に殺人事件をばらまく名探偵コナンも真っ青です。

そう、ワクチン開発さえ成功したら、ネットの引き籠りは今すぐ止めて現場に出かけてコミュニケーション。そして受験側のニーズは、最新のマーケを積極的に学ぶことにあり、クニヒコのダナドコはもうお腹一杯。来年こそは新しい作問係による、新傾向の事例が期待できそうです。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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